有価証券報告書-第72期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/24 17:04
【資料】
PDFをみる
【項目】
92項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(当期)における業績は、売上収益が485,778百万円(3,978,527千EUR)(前期比3.1%減)、営業利益が37,339百万円(305,809千EUR)(前期比3.0%増)、税引前当期利益が31,451百万円(257,587千EUR)(前期比0.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が17,995百万円(147,379千EUR)(前期比2.8%減)となりました。
工作機械が使用される製造現場では10年毎に飛躍的な技術革新が起こっており、当社は、新時代の技術要求に応えられる生産設備をお客様に提供すべく、5軸・複合加工機やAM機をプラットフォームとした自動化・デジタル化の促進を事業戦略として掲げております。5軸・複合加工機によって生産工程が集約されることで、搬送や計測の自動化の需要が高まり、その帰結として、デジタル技術を活用したセンシングやAIを用いたデータ解析が進み、そこから学習された結果が工作機械本体のさらなる高性能化をもたらすという好循環を生みます。デジタル化による付加価値をお客様に直接提供するサービスとして、ポータルサイト「my DMG MORI」を導入し、お客様が事業所毎の保有機の基本情報やマニュアル、出張修理復旧の履歴を確認することを可能とし、写真や動画を添付して修理復旧をオンラインで直接依頼することやスペアパーツの発送状況を把握することが可能となりました。そしてAMは、従来の切削加工では不可能だった複雑形状や軽量化を実現できる点で、導入したお客様にとって新たなビジネスチャンスとなります。当社には、テクノロジーサイクルやDMQP(DMG森精機認定周辺機器)等の取り組みを通じて、これまでに蓄積してきた加工技術や周辺機器に関する豊富なノウハウがあります。また、11月に発表した株式会社ニコンとの包括的な業務提携は、同社の持つ計測やカメラ技術を適用することによって工作機械の高度化を可能にします。さらに、グローバルな販売・修理復旧体制の構築によりお客様との直接のコンタクトを重視してきた当社は、古い工作機械のリプレイス需要や国境を越えた設備投資のご相談に対し、いち早く対応してまいりました。7月には伊賀事業所に最新の倉庫管理システムを取り入れたグローバルパーツセンタを開所しております。こうした知見を強みに上述の好循環を加速化し、工場全体の稼働率を向上させるトータルソリューションプロバイダーを目指してまいります。これらの新しい取り組みから見込まれる将来的な需要の増加に対応すべく、ラクシュミ・マシンワークスに委託してインドのお客様向け立形マシニングセンタの現地生産を開始した他、国内において2023年までの長期計画で伊賀事業所と奈良事業所の大規模改修を行い、生産能力の増強を予定しております。
技術面では、大型部品を安定して加工できるターニングセンタNLX 6000|1000、全軸に搭載したスケールフィードバックと高い剛性、冷却機能によって高い位置決め精度を実現した立形マシニングセンタDMP 70、AM機LASERTEC 12 SLMを開発した他、AMの発展とともに注目を集めるトポロジー最適化技術を活用し、切削能力を据え置きながらも大幅な剛性向上と軽量化を達成した工作機械を製作しております。また、タンク内のクーラントを攪拌することで微細なスラッジの堆積を抑えつつ効率的に回収する当社の独自技術「ゼロスラッジクーラントタンク」の標準搭載機種のラインナップを継続して拡大しております。当社は、今後もより多くのお客様に最適な最先端技術を提案できるよう様々な新製品を開発し、生産性向上に貢献いたします。
販売面では、1月の独国・フロンテン工場を皮切りに当社の工場で最先端技術をお客様に体験いただけるオープンハウスやイノベーションデーを開催し、好評をいただいております。また、4月に「中国国際機械展覧会(CIMT 2019)」、9月に独国・ハノーバーで開催された「EMO 2019」の他、世界各地で開催された展示会に出展し、実機を用いた実演加工による実践的な技術ノウハウを説明する他、動画を用いて会場に展示していないMATRISや大規模自動化システム、CELOSを中心としたデジタルファクトリーといった技術を紹介するという新しい試みを行っております。工場全体の自動化・デジタル化をより多くのお客様に提案するため、12月に東京で開催された「2019 国際ロボット展」に初出展し、自律走行型ロボット「WH-AGV 5」の実演や多品種少量生産・24時間連続稼働等を実現する生産システムを紹介いたしました。
当社では、社員が自律的に自身の時間をマネジメントし、心身ともに充実した生活を送ってスキルアップできる風土を重視しており、「よく遊び、よく学び、よく働く」をモットーに掲げ、あらゆる領域で優秀な人材を確保し、より安心して長く働き続けられる体制を整えてまいります。総労働時間の上限を見直し、全社員が定められた在社制限時間内で効率的に働きつつ、全社をあげたTQM活動による業務の本質的改善や新規システムの勉強等を進めてまいります。また、当社の部活動の一つである「BIRDMAN HOUSE 伊賀」が第42回鳥人間コンテスト2019(讀賣テレビ放送株式会社主催)の人力プロペラ機部門で大会新記録を樹立して優勝しております。機体部品の製作には当社の機械を使用し、伊賀事業所で製作を行っております。また、当社の機械で部品製作を行っていたDMG MORI SAILING TEAMの新艇「DMG MORI Global One」号が完成し、仏国・ロリアンにて進水式を行いました。チームは、2020年11月に開催される単独・無寄港・無補給の世界一周ヨットレース「Vendée Globe 2020」への出場に向け、フランスやポルトガルにてトレーニングを積み重ね、予選レースである「The Transat」や「Transat NY-Vendée」に出場いたします。環境保護の取り組みとしては、ドイツではCO2-Neutralを目指した活動を始めており、日本でも太陽光発電の利用や緑化政策、バイオマス発電の研究を進めております。さらに、工作機械技術研究財団MTTRFへの研究助成活動や将来の工作機械産業の発展のための優秀な人材の育成支援として、森記念製造技術研究財団を通じた博士課程の学生への給付型奨学金の支給を行っております。当社は、グローバルにステークホルダーを持つ企業として社会的に求められる責任を果たし、持続可能な発展によって継続的に企業価値を高めてまいります。
当社の当期受注額は4,094億円となり、前期比では23%減となりました。一方で、5軸・複合加工機等工程集約を目的とした機械の構成比が64%まで向上し、併せて自動化・デジタル化が進展したことから1台当たりの受注単価は前期に比べ6%向上いたしました。また、機械復旧サービス、補修部品の受注額は堅調に推移し3%増となりました。
地域別の機械受注金額は、前期まで好調に推移した反動から、日本が前期比42%減、米州及び中国を含むアジアはそれぞれ同27%減、同29%減となりましたが、53%を占めるEMEA(欧州、中東及びアフリカ)は同16%減と比較的減少幅は軽微に留まりました。産業別には、航空機・医療関連・金型業界向けが比較的堅調に推移いたしました。2018年半ば以降大きく落ち込んでいた半導体製造装置業界向けは漸く引合いが増加してきており、今後の受注増へ期待が持てます。一方、自動車関連業界向けは、自動車需要が調整局面にあること、技術変化への見極めを進めていることなどから弱含みの状況が続いております。
四半期毎の全社受注額は、2018年第1四半期の1,486億円をピークに、2019年第4四半期の880億円まで2年間減少し、ほぼボトム圏にあるものと考えております。お客様における労働力、エンジニア不足への中長期における対応意識は変わっておりません。当社は、強みである工程集約機及びAM機を中心に、自動化・デジタル化を推進し、受注の増大に邁進してまいります。
前連結会計年度当連結会計年度
売上収益(百万円)501,248485,778
営業利益(百万円)36,26137,339
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)18,51717,995
基本的1株当たり当期利益(円)144.09138.64

セグメントの動向及び業績は以下のとおりであります。なお、以下の売上収益及びセグメント損益には、セグメント間の内部取引を含めております。
マシンツールセグメントでは、航空機、医療向けの業績が堅調に推移した一方で、自動車向けは調整局面となりました。その結果、売上収益は525,219百万円(前期比7.6%減)となり、セグメント利益は34,391百万円(前期比14.4%減)となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、パーツ販売、修理復旧の業績が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は164,649百万円(前期比12.9%増)となり、セグメント利益は19,701百万円(前期比52.3%増)となりました。
②財政状態の状況
(ⅰ)資産
流動資産は、主として営業債権及びその他の債権が14,127百万円、棚卸資産が9,864百万円それぞれ減少したことにより、218,409百万円(前期比25,619百万円の減少)となりました。
非流動資産は、主として有形固定資産及び使用権資産が20,352百万円増加したことにより、306,196百万円(前期比21,803百万円の増加)となりました。
この結果、資産合計は524,606百万円(前期比3,816百万円の減少)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は、主として契約負債が24,177百万円、社債及び借入金が19,568百万円それぞれ減少したことにより、272,553百万円(前期比41,984百万円の減少)となりました。
非流動負債は、主としてその他の金融負債が13,407百万円、社債及び借入金が11,250百万円それぞれ増加したことにより、124,246百万円(前期比24,527百万円の増加)となりました。
この結果、負債合計は396,799百万円(前期比17,457百万円の減少)となりました。
(ⅲ)資本
資本は、主として利益剰余金が8,900百万円増加した一方で、自己株式が2,251百万円減少したことにより、127,807百万円(前期比13,640百万円の増加)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)49,39843,647
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△19,020△23,546
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△65,433△19,019
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)(百万円)△37,605327
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)27,36827,695

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ327百万円増加し、当連結会計年度末は27,695百万円となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、43,647百万円の収入(前期は49,398百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益31,451百万円、減価償却費及び償却費23,079百万円、営業債権及びその他の債権の減少額12,600百万円、棚卸資産の減少額7,312百万円であり、主な減少要因は、契約負債の減少額22,189百万円、法人所得税の支払額13,337百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、23,546百万円の支出(前期は19,020百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出14,564百万円、無形資産の取得による支出6,612百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、19,019百万円の支出(前期は65,433百万円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入19,949百万円、社債の発行による収入9,955百万円であり、主な減少要因は、社債の償還による支出20,000百万円、長期借入金の返済による支出17,410百万円、配当金の支払額6,691百万円、リース負債の返済による支出5,402百万円であります。
④生産、受注及び販売の状況
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
マシンツール(百万円)400,861△12.4
インダストリアル・サービス(百万円)20,53135.6
合計(百万円)421,392△10.9

(注)1.上記金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅱ)受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注実績409,385△22.9145,703△34.2

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
マシンツール(百万円)341,911△8.4
インダストリアル・サービス(百万円)143,84512.5
全社(百万円)21△14.7
合計(百万円)485,778△3.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
なお、2019年度の目標とした経営指標に対しては、売上収益4,857億円(目標5,000億円)、純有利子負債755億円(目標650億円以下)、フリーキャッシュフロー201億円(目標300億円)で未達、営業利益373億円(目標360億円)で達成となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、主に工作機械の製造及び販売事業を行うため、事業活動における資金需要に基づき、必要な資金の一部を新株発行、社債発行、銀行からの借入金及び売掛債権流動化により調達しております。なお、効率的な資金調達を行うため、主要取引金融機関と総額32,000百万円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。当期末における当該借入残高は、18,400百万円であります。
当期末における有利子負債の残高は、108,696百万円(前期末比8,318百万円の減少)となっております。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
①のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の償却に関する事項
日本基準ではのれん及び耐用年数を確定できない無形資産を一定期間で償却しておりますが、IFRSでは定期償却を実施しておりません。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて4,370百万円増加しております。
②開発費の資産化に関する事項
日本基準では社内開発費の全額を費用処理しておりますが、IFRSでは社内開発費のうち、一定の要件を満たした部分について資産計上しております。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて94百万円減少しております。
③退職給付に係る調整累計額及び費用に関する事項
(ⅰ)退職給付に係る調整累計額
日本基準では退職給付に係る負債の純額(数理計算上の差異)の増減による資本の増減影響はその他の包括利益累計額に表示しておりますが、IFRSではその他の資本の構成要素に認識した上で利益剰余金に振り替えております。この影響により、当連結会計年度末におけるIFRSのその他の資本の構成要素及び利益剰余金は、日本基準のその他の資本の構成要素及び利益剰余金に比べてそれぞれ521百万円増加し、同額減少しております。
(ⅱ)退職給付に係る費用
日本基準では退職給付に係る負債の純額(数理計算上の差異)について一定期間で償却しておりますが、IFRSでは定期償却を実施しておりません。この影響により、当連結会計年度におけるIFRSの税引前当期利益は、日本基準の税金等調整前当期純利益に比べて215百万円増加しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。