四半期報告書-第109期第2四半期(平成26年6月1日-平成26年8月31日)

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2014/10/15 11:44
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(平成26年3月1日~平成26年8月31日)におけるわが国経済は、政府による経済パッケージの着実な履行や日本銀行の金融緩和の継続等を背景に、景気は緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らいできています。企業収益は改善に足踏みが見られ、企業の業況判断は慎重になっています。したがって、肝心の設備投資については増加傾向にあるものの直近では弱い動きも見られます。景気の先行きについては、各種政策の効果が発現するなかで引き続き緩やかに回復していくことが予想されますが、消費税引き上げの影響の長期化や海外景気の下振れの懸念は残る状況であります。
このような状況の下、当社グループは、試験機事業では、第2四半期連結会計期間での企業の設備投資の増大傾向と軌を一にして受注環境に改善の傾向がみられたものの、特殊試験機取り扱いが主体の当社単体での売上高は年初の4ヶ月間で低迷した受注実績の影響で本年4月から7月までの売上高が低迷したことを主因に業績は予定を下回る結果となりましたが、子会社の試験機事業は万能試験機等の標準的製品を主体に受注高、売上高とも好調であり、試験機事業全体としては予定に近い実績となりました。
住生活事業では、国内では目立った新規商品がなく健康関連商品等も売上高は低調の状況でしたが、中国江蘇省無錫市の子会社での日本や欧米をターゲットとした家具部品の製造・販売が本格化しており住生活事業全体の売上実績は予定を若干下回るものとなっておりますが、損益面では中国子会社での販売管理費の増加の影響を受けております。また、ゆるみ止めナット事業では、主力製品であるハイパーロードナットの鉄道や高速道路施設等での受注拡大が続いておりますが、当第2四半期連結累計期間はナットの商社向け販売がなかったことや締結具付属品等のハイパーロードナット以外の商品の販売が落ち込み売上高全体では極めて低調に推移し損益ともども予定を下回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高2,861,831千円(前年同期比1.5%増)、経常損失2,595千円(前年同期は66,008千円の経常損失)、四半期純損失は76,055千円(前年同期は104,785千円の四半期純損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①試験機事業
試験機事業では、グループ会社相互の連携による製品とサービスの一体営業などシナジー効果を追求しつつ、国内外の代理店営業活動の支援強化や独ZWICK社とのソフト面でのサービス力強化のための連携による標準的製品の販売強化等の取組みを中心に営業展開してまいりましたが、当社単体の売上高が年初に受注が低迷した結果第2四半期の期央で減少したことが主因でグループ全体では予定をやや下回る状況で推移いたしました。
以上の結果、試験機事業の売上高は1,439,331千円(前年同期比17.0%増)、営業利益198,357千円(前年同期比41.5%増)となりました。
②住生活事業
住生活事業では、国内での一般消費者向けの健康関連商品や波形手すりなどの取り扱いは増加しておらず、新商品の売上高も一定規模に達しておりませんが、中国江蘇省無錫の子会社での日本や欧米をターゲットとした家具部品の製造・販売が安定しており、上海の子会社の売上高も予定を上回ったため、全体的には予定をやや下回る実績に留まっております。損益は、販売管理費の予定比増加もあり予定に達しておりません。
以上の結果、住生活事業の売上高は1,360,582千円(前年同期比4.7%減)、営業利益は18,212千円(前年同期比184.2%増)となりました。
③ゆるみ止めナット事業
ゆるみ止めナット事業では、NETIS登録製品類(ナット、スプリング)の道路、鉄道等への採用は増加しつつありますが、損益分岐点売上高の実現にはいたっておりません。また、本事業を行う子会社の損益対策としてはハイパーロードナットの生産・販売関連の人件費削減の諸施策によって損失の圧縮を図っておりますが、当第2四半期連結累計期間では商社向けの販売がなく、生産数量が少なかったことを主因に生産設備を主とする固定資産の減損による費用の減少にも拘わらず黒字化は実現できませんでした。また、当社単体での本事業の損益も営業要員の増加に伴うコスト増加を主因に予定を下回っております。
以上の結果、ゆるみ止めナット事業の売上高は61,917千円(前年同期比61.8%減)、営業損失68,985千円(前年同期は55,381千円の営業損失)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は5,142,557千円となり、前連結会計年度末に比べ230,309千円減少いたしました。
流動資産は3,465,685千円となり、前連結会計年度末に比べ171,739千円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金の減少270,048千円、現金及び預金の増加260,596千円、たな卸資産の減少243,562千円によるものであります。
固定資産は1,676,871千円となり、前連結会計年度末に比べ58,569千円減少いたしました。これは主に工具、器具及び備品の減少44,240千円によるものであります。
流動負債は2,119,001千円となり、前連結会計年度末に比べ25,283千円減少いたしました。
これは主に支払手形及び買掛金の減少296,483千円、1年以内返済予定の長期借入金の増加130,288千円、短期借入金の増加97,500千円、未払金の減少37,805千円によるものであります。
固定負債は1,460,193千円となり、前連結会計年度末に比べ93,324千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少115,394千円によるものであります。
純資産は1,563,361千円となり、前連結会計年度末に比べ111,700千円減少いたしました。これは主に為替換算調整勘定の減少31,383千円、利益剰余金の減少80,299千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ256,620千円増加し、1,044,344千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は169,734千円(前年同期比12.4%減)となりました。これは主にたな卸資産の減少223,579千円、仕入債務の減少263,389千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は13,106千円(前年同期比82.4%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3,407千円、定期預金の預入による支出54,011千円、定期預金の払戻による収入50,035千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は112,387千円(前年同期は92,925千円の減少)となりました。これは主に借入による収入350,000千円、借入金の返済による支出237,606千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対応すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、32,214千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 重要事象等についての分析・検討内容及び解消・改善するための対応策
①資金・財務状況
当社グループの資金・財務状況は、当第2四半期連結会計期間末での現預金残高が1,098百万円で、流動比率についても163.6%と健全な水準を維持しておりますが、借入金残高は1,608百万円で、このうち861百万円がゆるみ止めナット事業で生産を担う連結子会社たる株式会社KHIによる借入であります。ゆるみ止めナット事業につきましては、早期の黒字化を目指し、抜本的な事業改革に着手しております。また、事業改革がキャッシュフロー面で成果を示現するまでの間に必要となる資金需要につきましては、当社の主要株主である株式会社A.Cホールディングスと短期借入契約並びに長期借入契約を締結して資金を確保し対応しております。
②試験機事業
当社グループの試験機事業のセグメント利益は、安定的に黒字であります。これは、当社試験機事業における設計・生産体制を抜本から整備することで達成されました。現在では、小型の疲労試験機でシェアを伸ばすべく、開発を加速し、製品のラインアップの拡大と質の向上に力を注いでいます。さらに、販売体制について、当社独自の代理店網を再構築するとともに、中国での試験機販売網の構築に向け準備を行っています。また、提携先のドイツZwick社の製品は、多様な材料の強度試験に適しており、最先端の自動システムを完備していることから着実に日本の市場に浸透してきております。試験機事業は、上記の体制で、当社グループの基幹事業として継続的に営業黒字を計上できるのみならず、さらなる拡大・成長を意図して運営してまいります。
③ゆるみ止めナット事業
ゆるみ止めナット事業は、その主力製品である電力用ばねの売上高急減に直面し、さらに急成長を期待したハイパーロードナットの市場浸透の遅れによって赤字から脱却できず、当事業の抜本的改革が当社グループの喫緊の課題であると認識しております。当連結会計年度においては、販売管理費の徹底的圧縮を行うほか、ハイパーロードナットの原価競争力の確保に向け生産要員の効率化を図るなどコスト面の改革策を実行中であるほか、当事業の早期の黒字化に必須の売上高増加達成のために、商社の活用、ユーザーとの製品共同開発、中国の鉄道市場への販路拡大等に取り組んでおります。
④経費削減
ゆるみ止めナット事業での費用削減にとどまらず、当社グループ全体で、連結業績を強く意識し、原材料等の効率的調達による原価低減、さらには経費の削減を継続してまいります。
以上の施策により、当社グループは早期の業績回復を目指し活動してまいります。