有価証券報告書-第68期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 11:05
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131項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、中国を含むアジア新興国では、総じて景気拡大のペースが鈍化しました。欧州では、ドイツ、英国を中心に回復しつつあり、北米では、生産や雇用の増加、堅調な個人消費により、景気は拡大しました。日本では、消費税率引上げに伴う需要減からの持ち直しの動きは鈍いものの、雇用情勢や企業収益の改善傾向が継続するなど、緩やかな景気回復基調が続きました。
昇降機業界におきましては、中国では、不動産投資の減速による影響があるものの、緩やかな拡大基調を維持しました。他のアジア地域や北米では、概ね堅調に推移しました。日本では、マンション販売が減少しましたが、商業施設や事務所、ホテル向けなどが堅調に推移しました。
このような情勢のもと、当連結会計年度における国内市場は、新設事業では、マンション向けが中心の標準型エレベータは昨年度から概ね横ばいとなりましたが、首都圏の大規模開発計画向けにオーダー型エレベータやエスカレータの販売が伸び、引き続き好調に推移しました。既設のエレベータ・エスカレータの更新を行うモダニゼーション工事では、首都圏を中心にオーダー型のエレベータ更新工事が増加しました。また、2014年4月改正の建築基準法に対応した「安全向上パッケージ」の販売が順調に伸びました。以上の結果、国内受注高は685億20百万円(前期比12.2%増)となりました。
海外市場においては、主に南アジアや東アジアでの増加により、海外受注高は1,103億3百万円(同5.3%増)となりました。なお、海外受注高は為替変動による影響を除くと、実質3.5%減となっています。
以上の結果、受注高合計は、1,788億23百万円(同7.9%増)となりました。
売上高は、国内売上高615億8百万円(前期比5.4%増)、海外売上高1,037億89百万円(同17.0%増)となり、合計で1,652億97百万円(同12.4%増)となりました。また、海外売上高は為替変動による影響を除くと、実質7.2%増となっています。
受注残高は、国内受注残高477億79百万円(前連結会計年度末比17.4%増)、海外受注残高1,189億66百万円(同15.3%増)となり、合計で1,667億45百万円(同15.9%増)となりました。なお、海外受注残高は為替変動による影響を除くと、実質5.7%増となっています。
損益面では、営業利益は日本、東アジアでの増益により134億88百万円(前期比4.8%増)、経常利益は金融収支の増加で148億26百万円(同4.5%増)となりました。税金等調整前当期純利益は特別損失の減少などで148億6百万円(同5.9%増)となり、当期純利益は83億56百万円(同9.0%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
売上高(百万円)営業利益または営業損失(△)(百万円)
前連結
会計年度
当連結
会計年度
増減率(%)前連結
会計年度
当連結
会計年度
増減額
日 本62,40765,5145.04,6055,149543
北 米14,16517,73525.2△26△582△555
欧 州673601△10.75△1△6
南アジア13,02415,49919.01,7791,558△220
東アジア66,36376,24014.96,6707,328657
小 計156,634175,59112.113,03313,453419
調 整 額△9,580△10,294△16135197
合 計147,054165,29712.412,87113,488616

① 日本
売上高は、新設工事が増加し、655億14百万円 (前期比5.0%増)となりました。営業利益は、市場環境の好転から採算性が向上し、円安による輸入材料費の上昇や労働力不足による据付費の上昇を吸収して、51億49百万円(同5億43百万円増)となりました。
② 北米
売上高は、主に新設工事が増加し、177億35百万円(前期比25.2%増)となりました。営業損益は、据付コストの増加などで、5億82百万円の営業損失(前期 営業損失26百万円)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質17.0%増となりました。
③ 欧州
売上高は、6億1百万円(前期比10.7%減)、営業損益は、売上高の減少により、1百万円の営業損失(前期 営業利益5百万円)となりました。
④ 南アジア
売上高は、154億99百万円(前期比19.0%増)、営業利益は、新設工事原価の増加などで、15億58百万円(同2億20百万円減)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質10.4%増となりました。
⑤ 東アジア
売上高は、中国での新設工事が増加し、762億40百万円(前期比14.9%増)となり、営業利益は、73億28百万円(同6億57百万円増)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質4.5%増となりました。
(2) キャッシュ・フロー
前連結会計年度当連結会計年度増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)9,29410,7531,459
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△2,655△6192,035
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△3,823△3,225597
現金及び現金同等物に係る換算差額(百万円)2,5682,790222
現金及び現金同等物の増減額(百万円)5,3849,6994,314
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)20,90330,6029,699

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、306億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ96億99百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益148億6百万円および減価償却費23億73百万円に対し、売上債権の増加などで、107億53百万円の収入(前期比14億59百万円の収入増)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益が前期比8億22百万円、売上債権が前期比11億73百万円および法人税等の支払額が26億67百万円の増加に対し、たな卸資産が前期比45億40百万円、減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金(期間が3ヵ月超)の預入れ・払戻しの純額16億50百万円、貸付金の回収18億56百万円などの収入に対し、有形固定資産の取得38億67百万円の支出により、6億19百万円の支出(前期比20億35百万円の支出減)となりました。主な要因は、定期預金(期間が3ヵ月超)の預入れ・払戻しの純額が前期9億73百万円の支出に対し、当期16億50百万円の収入に転じたこと、貸付金の回収による収入が15億84百万円および有形固定資産の取得による支出が18億60百万円、増加したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増額70億79百万円に対し、自己株式の取得68億94百万円や配当金の支払いなどにより、32億25百万円の支出(前期比5億97百万円の支出減)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増減額72億68百万円に対し、自己株式の取得による支出が58億81百万円および配当金の支払額が5億61百万円、増加したことによります。