有価証券報告書-第74期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/24 15:01
【資料】
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【項目】
154項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「優れた製品・サービスでお客さまの新たな価値を創造し、より豊かで持続可能な世界社会の発展に貢献すること。」を使命としております。そして、あらゆるモノに情報を付与する「タギング」を主軸に、そのデータを利活用することで、「正確、省力、省資源、安心・安全、環境、感動」という価値を創出し、「お客さまに最も信頼され、お客さまと共に成長し、変わりゆく社会から必要とされ続ける会社になること。」をビジョンに掲げています。
(2)「自動認識ソリューション」で持続可能な社会の実現に貢献
当社グループの本業である「自動認識ソリューション」とは、多様な市場・業界において現場の人やモノに情報を付ける「タギング」でリアルタイムに情報を吸い上げ、必要とされる価値あるデータに転換してお客さまの基幹システムや社会の基盤に届けるビジネスです。これにより人やモノの動きが可視化されてトレース(追跡)可能な状態となり、個々の現場やサプライチェーンを最適化する打ち手が見えてきます。
社会課題が複雑化する中、タギング技術も一層の高度化が必要となります。高度化したタギング技術を用いて、完璧な精度で唯一無二の情報を個品に与え、人手を介さず全自動で取得し活かす「Perfect & Unique Tagging(PUT)」により、情報の利活用を拡充して社会のうごきの最適化をめざします。
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(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、ビジョン実現のため、直近の事業内容、外部環境の変化ならびに当期の業績をふまえ、2024年度を起点とする5カ年の新たな中期経営計画(2024~2028年度)を策定いたしました。多様な市場・業界において現場の人やモノに情報を付ける「タギング」でリアルタイムに情報を吸い上げ、必要とされる価値あるデータに転換してお客さまの上位システム等に届けることで、個々の現場やサプライチェーンを最適化する「自動認識ソリューション」をグローバルに展開していきます。この「タギング」を軸にした自動認識ソリューション事業に引き続き経営資源を傾注し、さらに、業界横断を含む社会の最適化を実現し、持続可能な社会の実現に貢献する「Perfect and Unique Tagging(PUT)」の実現を長期にわたり目指してまいります。
上述の取り組みを具体的に進めるべく、「コアビジネスの増強」「タギング技術の高度化」「経営基盤の強化」を、経営の重点課題として設定しました。これらを有機的につなげて長期成長の礎を築いていきます。
中期経営計画の5年間のうち、大まかに2025年度までを利益回復期、それ以降を成長投資再開期と位置づけます。利益回復期においては中核事業の増強に注力し、日本事業を収益性の高い体質へ再生させるとともに、海外事業の持続的・効率的な成長を追求します。また成長投資再開期においては、収益性が回復した中核事業から創出される利益を、RFIDや自動化ソリューションの既存領域に加えてPUTに振り向け、成長加速と新たな収益基盤構築をめざします。
日本事業では、売上拡大よりも利益率向上を重視します。利益を生む体質へ再生させるため、社内バリューチェーンの管理を徹底し、商品ラインアップの最適化やサービス対価の適正化などを図ります。また営業部門の評価を利益重視の基準に移行し、販売行動の変容を制度面から促します。
海外事業では、ソリューション提供が定着してきたことから、自走による横展開を進めます。本社はノウハウ提供の比重を下げる一方、グローバルな大手顧客との取引深耕にフォーカスします。また各地域に開発部隊を配置することで、ソリューションを効率的に創出します。
既存事業領域でも旺盛な需要が継続するため、成長投資再開期でもRFIDや自動化に関わるタギングを磨き、成長加速を志向します。さらに高い収益性が見込まれるPUTに向けて必要な技術やソリューションを獲得すべく、内製化に固執せず、M&Aやパートナーシップを通じた共創も視野に入れてまいります。こうして既存のタギング技術ではなし得なかった価値提供を実現し、サトーの持続的な成長をめざします。
(4)目標とする経営指標及び具体的な取り組み
当社グループは経営指標として、営業利益及び売上高営業利益率を重視し、資本生産性の指標としての投下資本利益率(ROIC)を上げることで、企業価値の最大化を追求してまいります。
本中計では上述の各戦略を実行し、重要な経営指標として、連結売上高、営業利益、営業利益率、EBITDAマージン(※)、投下資本利益率(ROIC)、の向上を目指してまいります。
(※)EBITDAマージン =(営業利益+減価償却費+のれん償却費)÷ 売上高