有価証券報告書-第66期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、前半は、輸出を中心に弱さがあったものの、企業収益は高い水準で底堅く推移し、設備投資が緩やかに増加するとともに、雇用情勢の改善や個人消費が持ち直しの動きを見せるなど、緩やかな回復基調にありました。後半に入り、消費税増税に伴う消費支出の減少や民間設備投資の陰りから各経済指標はマイナスに転じ、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、英国のEU離脱等、海外経済の動向や金融資本市場の変動影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響から足元で大幅に下押しされる状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る国内公共投資は、地球温暖化防止や循環型社会の構築に資する関連需要や、頻発かつ激甚化している自然災害に対する防災・減災、国土強靭化のための緊急対策により、底堅く推移しました。また、水処理関連事業及び化学・食品機械関連事業に係る国内の民間設備投資は、堅調な企業収益を背景に、概ね横ばいとなりました。
当社グループを取り巻く事業環境

このような状況のもと、当社グループでは、2016年度から2020年度までの5ヵ年の中期経営計画において掲げた基本方針である「①主力事業のリノベーション」、「②海外展開・新規事業での着実なビジネスの拡大」、「③神戸製鋼グループとの連携強化」に沿った諸施策を実施し、事業活動を展開してまいりました。
また、当社グループは、昨年1月に株式会社IHI環境エンジニアリングの廃棄物処理施設関連事業を統合しました。これを契機として昨年5月に、水処理関連事業、統合した廃棄物処理関連事業、化学・食品機械関連事業から成る「新生」神鋼環境ソリューショングループが、社会に貢献しつつ、これからも時代を超えて繁栄し続けるため、全社で共有できる当社グループの企業理念を新たに制定しました。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による事業活動への直接的な影響はありません。
今後の事業活動においては、「2.事業等のリスク」に記載の通り、短期影響と中長期影響を分けて、重要動向の変化を慎重に見極めていく必要があると認識しております。当社グループの主要事業である水処理や廃棄物処理は、経済活動や市民生活を支える重要なライフラインの一つであり、数多くの施設の運転維持管理業務を遂行しております。重要な社会インフラを支える使命感をもって事業活動を推進して参ります。
当期の経営成績につきましては、受注高は廃棄物処理関連事業において、複数の基幹改良工事案件の受注や事業統合の影響などがあり、前期に比べ13,471百万円増(15.0%増)の103,330百万円となりました。売上高は国内外の大型案件の工事進捗や事業統合の影響などにより、前期に比べ7,798百万円増(8.6%増)の97,998百万円、利益に関しては、一部案件のコストアップや案件構成の変化などにより、営業利益は前期に比べ197百万円減の3,504百万円、経常利益は前期に比べ214百万円減の3,529百万円となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の計上があり、前期に比べ286百万円増の2,728百万円となりました。
当連結会計年度末の連結財政状態につきましては、総資産は84,694百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,141百万円減少しました。流動資産は61,356百万円となり、前連結会計年度末に比べ964百万円減少しました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少4,251百万円によるものです。固定資産は23,337百万円となり、前連結会計年度末に比べ177百万円減少しました。
負債合計は55,329百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,963百万円減少しました。流動負債は45,008百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,141百万円減少しました。主な要因は、電子記録債務の減少2,013百万円、短期借入金の減少1,803百万円、未払法人税等の増加1,397百万円によるものです。固定負債は10,320百万円となり、前連結会計年度末に比べ178百万円増加しました。
純資産合計は29,365百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,821百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,728百万円の計上による増加、配当金725百万円の支払いによる減少によるものです。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、34.4%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、未払又は未収消費税等の増減、短期借入金の減少等の支出要因はありましたが、税金等調整前当期純利益、売上債権の減少等による収入要因により、前連結会計年度末に比べ295百万円増(5.9%増)の5,311百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、5,256百万円(前年同期は869百万円の支出)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益4,179百万円、売上債権の減少3,971百万円、解約金の受取額による収入1,931百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、2,291百万円(前年同期は2,731百万円の支出)となりました。
これは主に有形固定資産の取得925百万円、短期貸付金の増加による支出1,193百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2,955百万円(前年同期は6,010百万円の収入)となりました。
これは主に短期借入金の減少による支出1,774百万円、配当金の支払額725百万円によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業セグメントは水処理関連事業、廃棄物処理関連事業、化学・食品機械関連事業で構成しており、セグメント別の経営成績等は次のとおりであります。
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.金額は販売価格で表示しております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.金額は販売価格で表示しております。
3.当連結会計年度の受注高に含まれる海外受注高は6,190百万円であります。
4.当連結会計年度末の受注残高には長期運転維持管理業務の受託額は含めておりません。
5.当連結会計年度末の受注残高に含まれる海外受注残高は9,509百万円であります。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.金額は販売価格で表示しております。
3.当連結会計年度の販売実績に含まれる海外売上高は6,380百万円であります。
(水処理関連事業)
水処理関連事業では、熊本市の「中部浄化センターA消化槽建設工事」を竣工しました。この工事で建設した鋼板製消化槽は、下水処理場向けとしては九州地方では初めての採用になります。また、神戸市から浄水場施設の建設・運営を行う「上ヶ原浄水場再整備等事業」を受注しました。海外においては、カンボジアで初めて日本企業が実施する水道事業に供する浄水場が竣工し、住民約20,000人及び商業施設を対象とする上水供給を開始しました。また、同国の「シェムリアップ上水道拡張事業」において浄水場建設等を受注しました。
業績につきましては、受注高は前期に比べ2,140百万円増の40,228百万円、受注残高は前期に比べ3,047百万円増の29,813百万円となりました。また、売上高は前期に比べ2,246百万円増の37,181百万円となり、経常利益は一部案件のコストアップがあったものの、増収等により、前期に比べ599百万円増の545百万円となりました。セグメント資産は前期に比べ3,165百万円増の22,755百万円、セグメント負債は前期に比べ873百万円増の13,924百万円となりました。
(廃棄物処理関連事業)
廃棄物処理関連事業では、富山県射水市から「クリーンピア射水基幹的設備改良工事」、並びに石川県加賀市から「加賀市環境美化センター基幹的設備改良工事」を受注しました。最新設備の導入や施設の改造などにより更なる安定燃焼と発電効率アップを実現し、CO2排出量の削減に貢献します。
業績につきましては、受注高は上記案件の受注や事業統合などにより、前期に比べ10,218百万円増の52,533百万円、受注残高は前期に比べ822百万円増の43,456百万円となりました。また、売上高は事業統合などにより、前期に比べ6,793百万円増の51,710百万円となりましたが、経常利益は一部案件のコストアップや案件構成の変化などにより前期に比べ674百万円減の2,710百万円となりました。セグメント資産は前期に比べ6,488百万円減の32,774百万円、セグメント負債は前期に比べ2,743百万円減の17,489百万円となりました。
(化学・食品機械関連事業)
化学・食品機械関連事業では、国内において、企業収益に下支えされた堅調な設備投資により、継続して高い水準の需要があり、加えて、海外案件での複数の大型受注がありました。また、医薬やファインケミカル向けに高機能性グラスライニング製機器の新シリーズの販売を開始しました。
業績につきましては、受注高は前期に比べ1,131百万円増の10,548百万円、受注残高は前期に比べ1,466百万円増の7,275百万円となりました。また、売上高は前期に比べ1,223百万円減の9,082百万円、経常利益は前期に比べ273百万円減の951百万円となりました。セグメント資産は前期に比べ358百万円増の8,826百万円、セグメント負債は前期に比べ37百万円減の2,879百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、個別受注生産が主体の事業形態となっており、様々な外部要因の影響をうけることにより、売上高及び利益が計画通りに達成されない可能性があります。
なお、詳細は、「2.事業等のリスク」に記載しましたとおりであります。
前連結会計年度と当連結会計年度のセグメント別の売上高、経常損益、及び差異分析の概要は次の通りです。
(売上高) (経常利益)


現行中期経営計画で掲げた重要課題の解決への取組みにより、最終目標の達成に向け着実に進捗していると認識しております。特に、アフターサービスの収益基盤は、廃棄物処理施設関連事業の統合効果もあり、より強固なものとなっております。加えて、高シェア事業の更なる地位向上の推進や新規事業の開始により、当社グループの事業規模は拡大傾向にあります。
一方、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る市場は、国内外とも厳しい競争環境にあることに加え、不測の要因からのコストアップが発生するなど、収益改善への取組みが急がれる状況にあると認識しております。
更なる企業価値向上に向け、事業運営を行う中で直面した諸課題の解決に取組み、現行中期経営計画の目標を達成するとともに、次期中期経営計画に向け経営体質を一層強化する必要があると考えております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、[ROA(総資産利益率)5%以上、D/Eレシオ(負債資本倍率)1.0倍以下]としております。当連結会計年度のROAは4.1%、D/Eレシオは0.29倍であります。目標値を達成することにより、企業価値の向上を図り、現中期経営計画の2020年度の数値目標の達成を目指してまいります。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る国内公共投資は、概ね現状の水準で推移するとの認識でありますが、国内外を問わず、新型コロナウイルス感染症が経済活動や社会生活に大きな影響を与えていることから、全般的に予断を許さないものと考えております。
水処理関連事業では、自然災害に対する国土強靭化政策により、当面の需要は継続するものの、人口減少・広域化・官民連携などの市場変化への迅速な対応が必要であると考えております。廃棄物処理関連事業では、基幹改良ニーズが引き続き堅調であり、また、CO2排出削減要請や廃プラスチック問題への対応が必要であると認識しております。水処理関連事業及び化学・食品機械関連事業に係る国内の民間設備投資の動向については、新型コロナウイルス感染症に起因する変動に十分に留意する必要があると考えております。
海外においても、新型コロナウイルス感染症による影響などの海外経済リスクが懸念され、全体として、不透明感が深まってきていると思われます。そのような中で、東南アジアの新興国では、水処理関連インフラの整備や大規模工業団地の排水処理などのニーズは継続しております。
(注)当社はその事業の性質上、セグメント横断的に分析・検討を行っております。そのため、セグメント毎ではなく包括的に事業の分析・検討事項を記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、神戸製鋼グループのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参加しており、管理会社であるコベルコフィナンシャルセンター株式会社より運転資金を調達し、余剰資金が生じた場合には同社へ預け入れを行っております。また、大型の設備投資資金については、金融機関からの長期借入等を利用しております。
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(機器材・外注費及び人件費等)、受注獲得のための販売費、競争力強化・技術力向上に資するための研究開発費が主な内容であります。支払は検収の都度行われるのに対し、入金は一定期間の出来高に基づき入金時期が決定する案件が多く、工事進捗期間は支出が先行する傾向にあります。また、官公庁からの売掛金入金が第1四半期に集中することから年間を通じて運転資金の変動が大きくなる傾向にあるため、CMSを活用し、資金の流動性を維持していきます。
投資活動については、設備投資・投融資のほか、企業統合に関する投資、上記のCMSにおける余剰資金の貸付が主な内容であります。今後、成長分野に対しては必要な投資や研究開発等を継続していきます。
2020年3月31日現在の有利子負債の内訳につきましては以下の通りであります。
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの変化が親会社の所有者に帰属する当期利益に重要な影響を及ぼす可能性があり、特に以下の会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.工事進行基準
成果の確実性が認められる工事契約等については、工事進行基準(工事の進捗度は、見積総原価に対する発生原価の進捗度の割合で測定)により売上高を計上しています。見積総原価の策定上にて想定していない原価の発生等により工事進捗度に影響がある場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
b.工事損失引当金
工事契約等における未引渡案件のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることが出来る案件については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しています。
当初予想しえなかった追加原価等により、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
c.製品保証引当金
当社グループは、製品の販売後の保証費用の支出に備えるため保証費用の見積額について、製品保証引当金を計上しております。当該引当額は、個別案件に対する見積額、及び売上高に対する過去の実績率を基準とした見積額を計上しております。想定していなかった製品の不具合による保証義務の発生等により、実際の保証費用が見積額を超える場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
d.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れ時に発生する損失の見積額について、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につきましては個別に債権の回収可能性を勘案し、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態の変化により、貸倒引当金の修正が必要となる場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について算出しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額の前提条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産が増額又は減額され、損益及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
f.退職給付費用及び債務
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合は、その影響は、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、前半は、輸出を中心に弱さがあったものの、企業収益は高い水準で底堅く推移し、設備投資が緩やかに増加するとともに、雇用情勢の改善や個人消費が持ち直しの動きを見せるなど、緩やかな回復基調にありました。後半に入り、消費税増税に伴う消費支出の減少や民間設備投資の陰りから各経済指標はマイナスに転じ、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、英国のEU離脱等、海外経済の動向や金融資本市場の変動影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響から足元で大幅に下押しされる状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る国内公共投資は、地球温暖化防止や循環型社会の構築に資する関連需要や、頻発かつ激甚化している自然災害に対する防災・減災、国土強靭化のための緊急対策により、底堅く推移しました。また、水処理関連事業及び化学・食品機械関連事業に係る国内の民間設備投資は、堅調な企業収益を背景に、概ね横ばいとなりました。
当社グループを取り巻く事業環境

このような状況のもと、当社グループでは、2016年度から2020年度までの5ヵ年の中期経営計画において掲げた基本方針である「①主力事業のリノベーション」、「②海外展開・新規事業での着実なビジネスの拡大」、「③神戸製鋼グループとの連携強化」に沿った諸施策を実施し、事業活動を展開してまいりました。
また、当社グループは、昨年1月に株式会社IHI環境エンジニアリングの廃棄物処理施設関連事業を統合しました。これを契機として昨年5月に、水処理関連事業、統合した廃棄物処理関連事業、化学・食品機械関連事業から成る「新生」神鋼環境ソリューショングループが、社会に貢献しつつ、これからも時代を超えて繁栄し続けるため、全社で共有できる当社グループの企業理念を新たに制定しました。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による事業活動への直接的な影響はありません。
今後の事業活動においては、「2.事業等のリスク」に記載の通り、短期影響と中長期影響を分けて、重要動向の変化を慎重に見極めていく必要があると認識しております。当社グループの主要事業である水処理や廃棄物処理は、経済活動や市民生活を支える重要なライフラインの一つであり、数多くの施設の運転維持管理業務を遂行しております。重要な社会インフラを支える使命感をもって事業活動を推進して参ります。
当期の経営成績につきましては、受注高は廃棄物処理関連事業において、複数の基幹改良工事案件の受注や事業統合の影響などがあり、前期に比べ13,471百万円増(15.0%増)の103,330百万円となりました。売上高は国内外の大型案件の工事進捗や事業統合の影響などにより、前期に比べ7,798百万円増(8.6%増)の97,998百万円、利益に関しては、一部案件のコストアップや案件構成の変化などにより、営業利益は前期に比べ197百万円減の3,504百万円、経常利益は前期に比べ214百万円減の3,529百万円となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の計上があり、前期に比べ286百万円増の2,728百万円となりました。
当連結会計年度末の連結財政状態につきましては、総資産は84,694百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,141百万円減少しました。流動資産は61,356百万円となり、前連結会計年度末に比べ964百万円減少しました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少4,251百万円によるものです。固定資産は23,337百万円となり、前連結会計年度末に比べ177百万円減少しました。
負債合計は55,329百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,963百万円減少しました。流動負債は45,008百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,141百万円減少しました。主な要因は、電子記録債務の減少2,013百万円、短期借入金の減少1,803百万円、未払法人税等の増加1,397百万円によるものです。固定負債は10,320百万円となり、前連結会計年度末に比べ178百万円増加しました。
純資産合計は29,365百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,821百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,728百万円の計上による増加、配当金725百万円の支払いによる減少によるものです。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、34.4%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、未払又は未収消費税等の増減、短期借入金の減少等の支出要因はありましたが、税金等調整前当期純利益、売上債権の減少等による収入要因により、前連結会計年度末に比べ295百万円増(5.9%増)の5,311百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、5,256百万円(前年同期は869百万円の支出)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益4,179百万円、売上債権の減少3,971百万円、解約金の受取額による収入1,931百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、2,291百万円(前年同期は2,731百万円の支出)となりました。
これは主に有形固定資産の取得925百万円、短期貸付金の増加による支出1,193百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2,955百万円(前年同期は6,010百万円の収入)となりました。
これは主に短期借入金の減少による支出1,774百万円、配当金の支払額725百万円によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業セグメントは水処理関連事業、廃棄物処理関連事業、化学・食品機械関連事業で構成しており、セグメント別の経営成績等は次のとおりであります。
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 水処理関連事業 | 37,467 | 7.7 |
| 廃棄物処理関連事業 | 51,811 | 15.5 |
| 化学・食品機械関連事業 | 9,548 | △6.5 |
| 小計 | 98,827 | 10.0 |
| 調整額 | 83 | - |
| 合計 | 98,911 | 10.0 |
(注)1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.金額は販売価格で表示しております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 水処理関連事業 | 40,228 | 5.6 | 29,813 | 11.4 |
| 廃棄物処理関連事業 | 52,533 | 24.1 | 43,456 | 1.9 |
| 化学・食品機械関連事業 | 10,548 | 12.0 | 7,275 | 25.3 |
| 小計 | 103,310 | 15.0 | 80,544 | 7.1 |
| 調整額 | 19 | - | 14 | - |
| 合計 | 103,330 | 15.0 | 80,558 | 7.1 |
(注)1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.金額は販売価格で表示しております。
3.当連結会計年度の受注高に含まれる海外受注高は6,190百万円であります。
4.当連結会計年度末の受注残高には長期運転維持管理業務の受託額は含めておりません。
5.当連結会計年度末の受注残高に含まれる海外受注残高は9,509百万円であります。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 水処理関連事業 | 37,181 | 6.4 |
| 廃棄物処理関連事業 | 51,710 | 15.1 |
| 化学・食品機械関連事業 | 9,082 | △11.9 |
| 小計 | 97,974 | 8.7 |
| 調整額 | 23 | - |
| 合計 | 97,998 | 8.6 |
(注)1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.金額は販売価格で表示しております。
3.当連結会計年度の販売実績に含まれる海外売上高は6,380百万円であります。
(水処理関連事業)
水処理関連事業では、熊本市の「中部浄化センターA消化槽建設工事」を竣工しました。この工事で建設した鋼板製消化槽は、下水処理場向けとしては九州地方では初めての採用になります。また、神戸市から浄水場施設の建設・運営を行う「上ヶ原浄水場再整備等事業」を受注しました。海外においては、カンボジアで初めて日本企業が実施する水道事業に供する浄水場が竣工し、住民約20,000人及び商業施設を対象とする上水供給を開始しました。また、同国の「シェムリアップ上水道拡張事業」において浄水場建設等を受注しました。
業績につきましては、受注高は前期に比べ2,140百万円増の40,228百万円、受注残高は前期に比べ3,047百万円増の29,813百万円となりました。また、売上高は前期に比べ2,246百万円増の37,181百万円となり、経常利益は一部案件のコストアップがあったものの、増収等により、前期に比べ599百万円増の545百万円となりました。セグメント資産は前期に比べ3,165百万円増の22,755百万円、セグメント負債は前期に比べ873百万円増の13,924百万円となりました。
(廃棄物処理関連事業)
廃棄物処理関連事業では、富山県射水市から「クリーンピア射水基幹的設備改良工事」、並びに石川県加賀市から「加賀市環境美化センター基幹的設備改良工事」を受注しました。最新設備の導入や施設の改造などにより更なる安定燃焼と発電効率アップを実現し、CO2排出量の削減に貢献します。
業績につきましては、受注高は上記案件の受注や事業統合などにより、前期に比べ10,218百万円増の52,533百万円、受注残高は前期に比べ822百万円増の43,456百万円となりました。また、売上高は事業統合などにより、前期に比べ6,793百万円増の51,710百万円となりましたが、経常利益は一部案件のコストアップや案件構成の変化などにより前期に比べ674百万円減の2,710百万円となりました。セグメント資産は前期に比べ6,488百万円減の32,774百万円、セグメント負債は前期に比べ2,743百万円減の17,489百万円となりました。
(化学・食品機械関連事業)
化学・食品機械関連事業では、国内において、企業収益に下支えされた堅調な設備投資により、継続して高い水準の需要があり、加えて、海外案件での複数の大型受注がありました。また、医薬やファインケミカル向けに高機能性グラスライニング製機器の新シリーズの販売を開始しました。
業績につきましては、受注高は前期に比べ1,131百万円増の10,548百万円、受注残高は前期に比べ1,466百万円増の7,275百万円となりました。また、売上高は前期に比べ1,223百万円減の9,082百万円、経常利益は前期に比べ273百万円減の951百万円となりました。セグメント資産は前期に比べ358百万円増の8,826百万円、セグメント負債は前期に比べ37百万円減の2,879百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、個別受注生産が主体の事業形態となっており、様々な外部要因の影響をうけることにより、売上高及び利益が計画通りに達成されない可能性があります。
なお、詳細は、「2.事業等のリスク」に記載しましたとおりであります。
前連結会計年度と当連結会計年度のセグメント別の売上高、経常損益、及び差異分析の概要は次の通りです。
(売上高) (経常利益)


現行中期経営計画で掲げた重要課題の解決への取組みにより、最終目標の達成に向け着実に進捗していると認識しております。特に、アフターサービスの収益基盤は、廃棄物処理施設関連事業の統合効果もあり、より強固なものとなっております。加えて、高シェア事業の更なる地位向上の推進や新規事業の開始により、当社グループの事業規模は拡大傾向にあります。
一方、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る市場は、国内外とも厳しい競争環境にあることに加え、不測の要因からのコストアップが発生するなど、収益改善への取組みが急がれる状況にあると認識しております。
更なる企業価値向上に向け、事業運営を行う中で直面した諸課題の解決に取組み、現行中期経営計画の目標を達成するとともに、次期中期経営計画に向け経営体質を一層強化する必要があると考えております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、[ROA(総資産利益率)5%以上、D/Eレシオ(負債資本倍率)1.0倍以下]としております。当連結会計年度のROAは4.1%、D/Eレシオは0.29倍であります。目標値を達成することにより、企業価値の向上を図り、現中期経営計画の2020年度の数値目標の達成を目指してまいります。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る国内公共投資は、概ね現状の水準で推移するとの認識でありますが、国内外を問わず、新型コロナウイルス感染症が経済活動や社会生活に大きな影響を与えていることから、全般的に予断を許さないものと考えております。
水処理関連事業では、自然災害に対する国土強靭化政策により、当面の需要は継続するものの、人口減少・広域化・官民連携などの市場変化への迅速な対応が必要であると考えております。廃棄物処理関連事業では、基幹改良ニーズが引き続き堅調であり、また、CO2排出削減要請や廃プラスチック問題への対応が必要であると認識しております。水処理関連事業及び化学・食品機械関連事業に係る国内の民間設備投資の動向については、新型コロナウイルス感染症に起因する変動に十分に留意する必要があると考えております。
海外においても、新型コロナウイルス感染症による影響などの海外経済リスクが懸念され、全体として、不透明感が深まってきていると思われます。そのような中で、東南アジアの新興国では、水処理関連インフラの整備や大規模工業団地の排水処理などのニーズは継続しております。
(注)当社はその事業の性質上、セグメント横断的に分析・検討を行っております。そのため、セグメント毎ではなく包括的に事業の分析・検討事項を記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、神戸製鋼グループのCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参加しており、管理会社であるコベルコフィナンシャルセンター株式会社より運転資金を調達し、余剰資金が生じた場合には同社へ預け入れを行っております。また、大型の設備投資資金については、金融機関からの長期借入等を利用しております。
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(機器材・外注費及び人件費等)、受注獲得のための販売費、競争力強化・技術力向上に資するための研究開発費が主な内容であります。支払は検収の都度行われるのに対し、入金は一定期間の出来高に基づき入金時期が決定する案件が多く、工事進捗期間は支出が先行する傾向にあります。また、官公庁からの売掛金入金が第1四半期に集中することから年間を通じて運転資金の変動が大きくなる傾向にあるため、CMSを活用し、資金の流動性を維持していきます。
投資活動については、設備投資・投融資のほか、企業統合に関する投資、上記のCMSにおける余剰資金の貸付が主な内容であります。今後、成長分野に対しては必要な投資や研究開発等を継続していきます。
2020年3月31日現在の有利子負債の内訳につきましては以下の通りであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 5,801 | 5,801 | ― | ― | ― |
| 長期借入金 | 2,915 | 366 | 652 | 572 | 1,324 |
| リース債務 | 140 | 83 | 51 | 6 | ― |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの変化が親会社の所有者に帰属する当期利益に重要な影響を及ぼす可能性があり、特に以下の会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.工事進行基準
成果の確実性が認められる工事契約等については、工事進行基準(工事の進捗度は、見積総原価に対する発生原価の進捗度の割合で測定)により売上高を計上しています。見積総原価の策定上にて想定していない原価の発生等により工事進捗度に影響がある場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
b.工事損失引当金
工事契約等における未引渡案件のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることが出来る案件については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しています。
当初予想しえなかった追加原価等により、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
c.製品保証引当金
当社グループは、製品の販売後の保証費用の支出に備えるため保証費用の見積額について、製品保証引当金を計上しております。当該引当額は、個別案件に対する見積額、及び売上高に対する過去の実績率を基準とした見積額を計上しております。想定していなかった製品の不具合による保証義務の発生等により、実際の保証費用が見積額を超える場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
d.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れ時に発生する損失の見積額について、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につきましては個別に債権の回収可能性を勘案し、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態の変化により、貸倒引当金の修正が必要となる場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について算出しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額の前提条件や仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産が増額又は減額され、損益及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
f.退職給付費用及び債務
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合は、その影響は、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。