有価証券報告書-第39期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 9:20
【資料】
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【項目】
120項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。これらは当社グループに関するリスクを網羅したものではなく、記載した事項以外に予見できないリスクが存在します。当社グループの事業や業績及び財政状態は、これらのリスクのいずれによっても影響を受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
①経済及び半導体市場の動向によるリスク
当社グループが展開している半導体製造装置事業は、電子機器等の最終製品の需要やその消費地の景気動向、半導体の需給バランスによる半導体価格の変動等に基づき、各半導体メーカーが実施する設備投資に大きな影響を受けます。当社グループは、変化の激しい半導体市場においても適切な経営判断が行えるよう、顧客や外部機関等から広く情報を収集し、各半導体メーカーの投資動向や半導体の需給予測等に基づき当社の在庫手配や生産設備に対する投資等を慎重に判断しております。
しかしながら、世界的な金融危機や経済の混乱等が発生した場合には、各半導体メーカーの設備投資が急減する等の事態が考えられ、結果的に当社グループにおいても受注高・売上高の急減や、在庫・設備が過剰となること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②為替リスク
当社グループが展開している半導体製造装置事業は、海外売上高比率が高く、為替リスクを回避するために可能な限り円建てによる取引を行っております。しかしながら、やむを得ず外貨建てによる取引とする場合もあり、その比率は上昇する傾向にあります。また、取引そのものは円建てであっても、商談において外貨換算後の価格による交渉となる場合には、実質的に販売価格の下落という形で為替リスクを受ける場合があります。したがいまして、急激な為替変動は、当社グループの収益を圧迫することとなり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③新製品の開発リスク
当社グループは、半導体製造装置事業における超精密金型やモールディング装置において、市場や顧客が求めるニーズを形にする研究開発活動を継続的に実施し、新製品をタイムリーに市場投入することにより市場シェアを獲得してまいりました。しかしながら、変化の激しい半導体業界において、将来のニーズを予測し、それに見合った新たな技術や製品を開発し続けることは容易ではありません。また、予測を上回るスピードで技術革新が進行し、既存技術の陳腐化が激しく進んだ場合や、当社グループの新製品の開発が著しく遅れた場合等には、当社グループの収益力が低下すると共に、市場シェアを失う可能性があり、業績や将来の見通しに影響を及ぼす可能性があります。
④価格競争に関するリスク
当社グループが展開している半導体製造装置事業は、国内外を問わず厳しい競合状態にあるため、今後、他社と競合する製品群においてはさらに製品価格の下落が進むものと予想されます。市場シェアの維持・拡大のため、製品原価の低減やコスト削減により価格下落に対応していく方針ですが、極端な競合状況や急激な製品の市場価格の下落は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤有利子負債に関するリスク
当社グループの当連結会計年度末の有利子負債が総資産に占める割合は約11%であります。今後もキャッシュ・フロー重視の経営を徹底し、引き続き有利子負債の圧縮による財務体質の強化に努める方針でありますが、大幅な金利変動等が発生した場合には、当社グループの支払利息が増加する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、資金調達の効率化及び安定化を図るため、取引銀行6行と総額68億50百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約には財務制限条項が設けられており、その制限に抵触した場合には借入金の繰上げ返済請求を受け、当社グループの資金繰りや財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥固定資産の減損処理に関するリスク
固定資産に対する減損会計の適用に伴い、不動産価格の変動や各生産設備等が属する事業や拠点の収益状況により、減損処理が必要となる場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦海外展開に伴うリスク
当社グループは、世界各国で生産や販売等の事業活動を展開しております。したがいまして、当社グループの各拠点や活動する市場において、戦争やテロ等により経済や政治が混乱するリスクや、予期しない法律・規制・税制等の改正に起因するリスクがあります。また、文化や商慣習等の違いから、労務問題や社会的な非難を受ける等の事態も考えられ、こうしたリスクが顕在化した場合には、大きな損失や多額の費用が発生する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧販売先や地域の集中に関するリスク
当社グループは世界各国の半導体メーカーと取引を行っておりますが、各半導体メーカーの設備投資動向によっては、特定の半導体メーカーとの取引金額が大きくなり、当該半導体メーカーに対する売上債権等の金額が一時的に大きく膨らむことがあります。また、特定の半導体メーカーが短期間に大規模な設備投資を行う場合や、限定された数少ない半導体メーカーのみが設備投資を行う場合等には、極端な競合状況が発生し、製品価格の下落や短納期対応等によるコスト増加により事業の収益性が低下する可能性があります。また、当社グループは台湾及び中国地域の売上高比率が高く、各地域の経済状況や政治情勢等の変化は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑨人材の採用や育成に関するリスク
当社グループは、競争の激しい半導体業界において事業を継続し、今後も成長を続けるためには、高度な専門技術をもったエンジニア等の人材や、経営戦略・組織運営等のマネージメント能力に優れた人材の確保と育成が必須であると考えております。しかしながら、有能なエンジニアやキーパーソン等の人材を今後も常に確保できる保証はなく、人材採用や育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの将来的な競争力の低下や事業活動の制限など、当社グループの業績や成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑩知的財産に関するリスク
当社グループは、各事業を遂行する上で多くの知的財産権を利用しております。このためライセンスの取得、維持等が予定通りに行われなかった場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業に係る知的財産権に関する訴訟において、当社グループが当事者となる可能性があり、その結果、多額の費用等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪自然災害等のリスク
地震等の自然災害や伝染病等の発生により、当社グループの主要な生産拠点や事業所等が壊滅的な損害を被った場合や従業員の多くが被害を受けた場合等には、当社グループの生産・販売活動が大きな影響を受け、その復旧や代替のために多額の費用が必要となること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑫原材料等の調達に関するリスク
当社グループは、当社グループの各種製品を構成する部品や材料等を多くの外部供給先から購入し、受注動向に応じた適量な在庫を確保しております。そのため、供給者が事故や自然災害、品質不良等の要因により、当社グループへの部品や材料等の供給を中断せざるを得ない事態となった場合や、製品需要の急増による供給量の不足等が発生した場合には、当社グループの生産活動を制限、あるいは停止せざるを得ない状況となる可能性があります。また、必要な部品や材料等において、市場における需給バランスが極端に崩れた場合には、当該部材の価格が急騰する等の事態が想定されます。このような事態が発生した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。