四半期報告書-第176期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)
有報資料
以下に記載する事項は、当四半期報告書提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものです。
(1) 業績等の概要
(注)1.単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
2.「当社株主に帰属する四半期純損益」を四半期純損益として表示しています(以下、同じ)。
当第2四半期連結累計期間(以下「当期」という。)の世界経済は、米国が1月~3月期の景気悪化から大幅な回復を見せたのに対し、欧州は英、独を除き低迷が続き景気回復の足取りが重い状態が続きました。中国も不動産価格下落や内需減速などで成長鈍化が続きました。一方、東南アジアは全体では緩やかに成長し、インドも緩やかな成長軌道に乗りつつあります。また、国内経済は、今後は個人消費の回復が期待されている一方、輸出が拡大せず、民間設備投資が本格化しないなどの状況があり、消費増税の影響、サービス業、建設業の雇用ひっ迫の影響等、景気減速傾向があります。
こうした状況下、当社グループの売上高は、電力・社会インフラ部門が大幅な増収となり、コミュニティ・ソリューション部門も増収となった結果、全体として前年同期比1,077億円増加し3兆1,084億円になりました。営業損益は、電子デバイス部門が引き続き高い利益水準を維持し、電力・社会インフラ部門、コミュニティ・ソリューション部門が増益となり、ライフスタイル部門が改善しました。これらの結果、パソコン事業において200億円の構造改革費用を計上しましたが、全体として前年同期比82億円増加し1,151億円になりました。営業外損益では将来に向けた構造改革費用を計上しましたが、資産軽量化の効果や為替の影響もあり、継続事業税引前損益は前年同期比138億円増加し673億円になりました。四半期純損益も堅調に推移し前年同期比93億円増加の308億円になりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
(注)単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
①電力・社会インフラ部門
原子力発電システム、火力・水力発電システム、電力流通システム、太陽光発電システム、鉄道向けシステム等の増収により、部門全体が伸長し増収になりました。
損益面では、火力・水力発電システムが引き続き好調を維持し、原子力発電システム、太陽光発電システム、鉄道向けシステム等が増益となった結果、部門全体として増益になりました。
②コミュニティ・ソリューション部門
流通・事務用機器事業、自治体向け太陽光発電システム、昇降機事業、海外の業務用空調事業等が増収となった結果、部門全体として増収になりました。
損益面では、流通・事務用機器事業、昇降機事業、海外の業務用空調事業等が増収により増益となった結果、部門全体として増益になりました。
③ヘルスケア部門
主力のCTは引き続き堅調だったものの、国内における第1四半期を中心とする消費増税の駆け込み需要の反動や診療報酬改定、欧米の医療費抑制施策の影響等がありましたが、新興経済地域等が増収となった結果、ほぼ前同並みの売上になりました。
損益面では、将来の成長の前倒しを図るべく診断機器を中心とした次世代開発研究と新規事業への先行投資等を増やしたことにより、部門全体として減益になりました。
④電子デバイス部門
ストレージは3.5インチハードディスクを中心に増収になり、半導体はディスクリートが増収になりましたが、メモリは売価が下落したことにより第1四半期を中心に減収になりました。これらの結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、ストレージが増収により増益となり、半導体はディスクリートが増益により黒字を確保しました。一方、メモリが引き続き高い利益水準を確保したものの減益になりました。これらの結果、部門全体として減益になりました。
⑤ライフスタイル部門
テレビ等の映像事業が販売地域の絞り込み等により減収になり、白物家電事業も家庭用エアコンが天候不順の影響を受け減収になりました。これらの結果、部門全体としても減収になりました。
損益面では、パソコン事業において構造改革費用を計上しましたが、同事業は構造改革費用を除くと黒字を確保しました。また、白物家電事業が商品力強化や円安対策等により大幅に改善し増益となり、テレビ等の映像事業も改善しました。これらの結果、部門全体として改善しました。
⑥その他部門
売上高は前年同期比で増収になり、営業損益は減益になりました。
なお、上記の事業の種類別の売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれています。
(2) 流動性及び資金の財源
①キャッシュ・フロー
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の145億円の支出から44億円増加し、189億円の支出になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の1,322億円の支出から51億円増加し、1,373億円の支出になりました。
これらの結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは、前年同期の1,467億円の支出から95億円増加し、1,562億円の支出になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が増加したこと等により、前年同期の1,183億円の収入から329億円増加し、1,512億円の収入になりました。
その他に為替の影響によるキャッシュの増加が61億円あり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末の1,713億円から11億円増加し、1,724億円になりました。
②流動性管理と資金調達
<流動性管理>当期末の状況としては、現金及び現金同等物の1,724億円、コミットメントライン未使用枠の2,988億円を合わせ、4,712億円の手許流動性を確保しました。
<資金調達>当社グループは、金利上昇局面への対応及び事業に必要な基本的資産である固定資産の手当てとして、安定的な長期資金をバランスよく調達・確保するよう配慮しています。固定資産については、株主資本・固定負債を含めた長期資金で賄えるよう、長期資金比率の適正化を図っています。
資金調達の直接・間接調達の比率については、資金調達環境等を十分鑑み、バランスの取れた資金構成の維持を基本方針としています。
<格付け>当社は、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下「ムーディーズ」という。)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱(以下「S&P」という。)、㈱格付投資情報センター(以下「R&I」という。)の3社から格付けを取得しています。当期末の格付状況(長期/短期)は、ムーディーズ:Baa2(見通しは安定的)/P-2、S&P:BBB(アウトルックは安定的)/A-2、R&I:A-(格付けの方向性は安定的)/a-1です。
③資産、負債及び資本の状況
総資産は、前年同期末に比べ4,335億円増加し、6兆5,383億円になりました。
株主資本は、配当の支払があったものの、当期純損益の増加に加え、円安傾向の継続とそれを受けた株式市場の好転により、その他の包括損益累計額が大幅に改善した結果、前年同期末に比べ1,679億円増加し、1兆2,956億円になりました。
借入金・社債残高は、社会インフラ部門の受注増加に伴う資金需要の増加、将来の成長のための戦略的投資等により、前年同期末に比べ342億円増加し、1兆5,884億円になりました。
この結果、2014年9月末の株主資本比率は前年同期末に比べ1.3ポイント増加し、19.8%になり、D/Eレシオ(有利子負債/株主資本)は前年同期末に比べ15ポイント改善し、123%になりました。
(注)・四半期連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。但し、当社グループの営業損益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除して算出したものであり、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となる損益を示しています。事業構造改革費用の一部及び固定資産売廃却損益等は、当社グループの営業損益には含まれていません。
・光学ドライブ事業は、Accounting Standards Codification 205-20「財務諸表の表示-非継続事業」に従い、連結損益計算書上非継続事業として取り扱われるため、売上高、営業損益、継続事業税引前損益にはこれらの事業に係る経営成績は含まれていません。当社グループの四半期純損益は、継続事業税引前損益にこれらの事業に係る経営成績を加減して算出されています。これに伴い、過年度の数値を組み替えて表示しています。
・セグメント情報における過年度の業績を現組織ベースに組み替えて表示しています。
・当連結会計年度から、各セグメントの営業損益の算定方法を変更しており、過年度の数値は変更後の算定方式により組み替えて表示しています。
・ハードディスク装置、SSD等を「ストレージ」と表記しています。
・なお、以上の定性的情報は、特記のない限り前年同期との比較で記載しています。
(3) 対処すべき課題
前事業年度の第175期有価証券報告書に記載された「対処すべき課題」は、当四半期報告書提出日現在において、次のとおり変更しています。
当社グループは環境変化を見据え、成長が見込まれる分野への積極的な先行投資と既存事業の一層の収益力強化、利益ある成長が困難と判断した事業の売却等、集中と選択による事業の新陳代謝に努めてきました。今後も、新たな価値創造と生産性向上の追求により、市場の伸長に過度に依存せず、当社グループならではの事業領域と手法で自ら成長のエンジンを創り出していく「創造的成長」の実現を目指していきます。
◎価値創造
当社グループは社内外の技術を組み合わせ、より一層の市場の深耕を図り新たな価値創造を実現し、安心・安全・快適な暮らしの提供に貢献していきます。この価値創造の新たな事業領域として、従来のエネルギー、ストレージに加え、人々の健康・生活をサポートするヘルスケアを第三の柱として強化していきます。また、新興経済地域を中心にグローバルに競争力のある商品、サービスを展開していきます。
①エネルギー
多様化するエネルギー需要、無駄のないエネルギー活用に対応し、高効率で安全性の高い発電、送配電、蓄電の各システムを総合的に提供します。
②ストレージ
情報の大容量化が更に進む中、特に伸長が見込まれるエンタープライズ向け市場への対応を着実に進めていきます。NAND型フラッシュメモリの技術と、エンタープライズHDDで培ったストレージ技術、及び顧客基盤を最大限活用して競争力を高めます。
③ヘルスケア
高いシェアを誇る画像診断装置で海外展開を積極的に行うなど従来の医療領域の高度化に対応するとともに、今後はヘルスケア領域の「予防・予後ビジネス」への展開を図ります。
④新興経済地域への展開
今後も高い成長が見込まれる新興経済地域では、事業拠点や販路の増強、海外要員の増員を含めた営業力の強化により、利益ある売上拡大を実現していきます。また、タイムリーに新興経済地域のニーズを商品に反映させるため、製造に加えて開発の現地化も進めます。さらに、新興経済地域で開発した優れた商品、サービスを先進国にも提供し、グローバルに競争力のある商品、サービスの拡大を目指していきます。
◎生産性向上
当社グループは製造業として生産性向上に継続的に取り組んでいますが、今後は製造活動を含めたすべての領域、業務において現状のプロセスを根本的に見直すことにより本来あるべき成果領域・成果指標を再設定し、生産性向上を進めていきます。また、シェアードサービス(間接業務の機能別集約化)のグローバルな展開等、21世紀にふさわしい業務品質を実現していきます。
◎部門別の施策
①電力・社会インフラ部門
海外での更なる需要拡大に向けた最適な拠点展開及び経営資源の投入により現地との結びつきを強化し、地産地消の加速と規模の拡大を進めていきます。インドをはじめとするアジア、中近東・アフリカ・中南米向けを中心に火力、水力、地熱など発電プラントの建設や安定的な送変電網の確立を通じ、エネルギーを安定供給するシステムの構築を通じて海外展開を図ります。
②コミュニティ・ソリューション部門
ビル、工場、住宅等のファシリティ(施設関連)事業から都市関連事業、リテール(小売)事業まで、都市・地域における複合的なソリューション事業を展開し、エネルギーを効率的に使い、安心・安全・快適な社会づくりに貢献します。
③ヘルスケア部門
当社グループが強みを持つCTシステム等の画像診断装置を中心とする「診断・治療」のメディカル領域に加え、病気の発症リスクを低減する「予防」、病気・けがの治癒後の「予後・介護」、食、水、空気等の生活環境を整備する「健康増進」の4分野で事業を推進し、当社グループの様々な技術を融合させる「ニュー・コンセプト・イノベーション」によって、当社ならではのヘルスケア分野の商品・サービスを提供していきます。
④電子デバイス部門
NAND型フラッシュメモリと、SSD・HDDのストレージを軸に、成長と安定した利益創出を実現します。
また、次世代NAND型フラッシュメモリや白色LEDの生産を着実に立ち上げ、ガリウムナイトライド等の次世代を支える新規材料を使用した商品や、車載向けシステムLSIの開発にも注力していきます。
⑤ライフスタイル部門
映像事業と家電事業を一体運営する目的で2014年4月1日に発足させた東芝ライフスタイル㈱において、経営資源の共通化、コスト最適化を進め効率的な事業運営を図ります。
PC事業については、安定的な黒字確保を可能にするため、現在も継続的に黒字を計上しているBtoB分野への構造転換を一層加速します。
◎CSR経営、環境経営
当社グループは、環境アクションプランに基づき引き続きエコ・リーディングカンパニーとして環境経営を推進し、環境性能No.1の商品創出、先進的低炭素化技術のグローバル展開による事業拡大、世界No.1の低環境負荷の実現等に精力的に取り組んでいます。また、政府が定めたスコープ3(企業のサプライチェーンを含めた温室効果ガス排出量の算定・報告基準)を採択し、事業の上流から下流までの全領域において環境アセスメントを推進します。これらの一環として事業活動により発生する温室効果ガスの総排出量を、2015年度に1990年度比で67%以下にすることを目標に掲げて削減に取り組んでいます。
また、東日本大震災の被災地に対しては、民間交流、雇用支援、医療支援、産業復興、人財育成等を通じ、中長期的に支援を継続していきます。
当社グループは、以上のような経営方針に基づいて、グローバルトップへの挑戦に全力を尽くしていきます。
<株式会社の支配に関する基本方針>1)基本方針の内容
当社グループが株主の皆様に還元する適正な利潤を獲得し、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上を実現するためには、株主の皆様はもちろん、お客様、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持、発展させていくことも必要であり、これらのステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行う必要があると考えています。
また、当社株式の買付の提案を受けた場合に、その買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断するためには、各事業分野の有機的結合により実現され得るシナジー効果、当社グループの実情、その他当社の企業価値を構成する要素が十分に把握される必要があると考えます。
当社取締役会は、上記の要素に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上に資さない当社株式の大量取得行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による当社株式の大量取得行為に関しては、必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
2)基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは環境変化に強く高収益な企業体質を確立するための事業構造改革を継続し深化させるとともに、新たな収益基盤の確立に向けた事業構造転換を強力に推進してまいります。
3)基本方針に照らして不適切な者によって支配されることを防止するための取組み(買収防衛策)
当社は、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本プラン」といいます。)を、2006年6月開催の定時株主総会における承認を得て導入し、2009年6月及び2012年6月の定時株主総会における承認を得て更新しています。
本プランは、当社株式の大量買付が行われる場合の手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、買付者との交渉の機会を確保することにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
具体的には、当社の発行済株式総数の20%以上となる株式の買付又は公開買付け等を実施しようとする買付者には、必要な情報を事前に当社取締役会に提出していただきます。当社経営陣から独立した社外取締役のみで構成される特別委員会は、外部専門家等の助言を独自に得て、買付内容の評価・検討、株主の皆様への情報開示と代表執行役の提示した代替案の評価、検討、開示、買付者との交渉等を行います。買付者が本プランの手続を遵守しない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を侵害する買付である場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合は、対抗措置の発動(買付者等による権利行使は原則として認められない旨の行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項を付した新株予約権の無償割当ての実施)がなされ、当社の企業価値・株主共同の利益を確保します。
4)本プランの特徴(合理性)
当社取締役会は、以下の理由から、本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社経営陣の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
なお、本プランは、以下のとおり、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した企業価値ひいては株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則(①企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性の原則)を全て充足しており、また、その後の買収防衛策に関する実務や司法界等の関係機関の議論等を踏まえています。
ア.株主意思の反映
本プランは、2006年6月開催の定時株主総会における承認を得て導入し、2009年6月及び2012年6月開催の定時株主総会における承認を得て更新したものです。
また、当社取締役会は、一定の場合に、本プランの発動の是非について、株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認することとしています。
イ.独立性の高い社外者の判断による判断と情報開示
当社は委員会設置会社であり、当社の執行役を監督する立場にある3名以上の独立性のある社外取締役のみからなる特別委員会を構成することにより、当社経営陣の恣意的判断を排し、その客観性、合理性を担保すると同時に、特別委員会は当社の実情を把握し当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、対象買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断できると考えています。
更に、特別委員会の判断の透明性を高めるため、買付者から提出された買付説明書の概要、買付者の買付内容に対する当社代表執行役の意見、代替案の概要、その他特別委員会が適切と判断する事項について、原則として株主の皆様に対し速やかに情報開示を行います。
ウ.本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定
本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されています。これにより、当社の会社役員による恣意的な発動を防止します。
エ.第三者専門家の意見の取得
特別委員会は、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、税理士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができます。これにより、特別委員会による判断の公正さ、客観性がより強く担保されます。
(注)以上は買収防衛策の概要ですので、詳しい内容については当社ウェブサイト(http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20120508_1.pdf)をご参照ください。
(4) 研究開発活動
当期における研究開発費は1,752億円でした。
なお、当四半期連結会計期間における主要な研究開発の成果は以下のとおりです。
①新商品
・全閉式永久磁石同期電動機(全閉PMSM(※1))にSiC(※2)ダイオード適用のVVVF(※3)インバータ装置を組み合わせた駆動システムを東京地下鉄㈱の銀座線に納入しました。本駆動システムは、世界で初めての実運用となり、駆動システム全体の消費電力は、従来の誘導電動機(IM(※4))主回路システムと比較し、約37%の削減(※5)になります。なお、本駆動システムは、SiCダイオードを含めたデバイスから駆動システムまで、全て当社で開発、製造したものです。
・当社所有の遊休施設を活用して、無菌に近い状態(※6)を実現した植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」で、雑菌による傷みが少なく長期保存が可能な野菜の生産を開始しました。同工場では、LEDや植物育成向けに光の波長を最適化した蛍光灯、均一な温度・湿度の環境を実現する空調機器、栽培状況を把握するための遠隔監視システム、梱包材等を消毒する除菌システム、半導体事業で培った生産管理技術等、当社が持つ幅広い技術・ノウハウを活用しています。今後は海外に大規模な植物工場を建設するとともに機器やシステムの販売による事業拡大を目指します。
②研究開発
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、次世代がん診断システム開発の産学官連携プロジェクトである「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」の委託先に採択されました。本プロジェクトは、早期にがんや認知症を診断できる世界最先端の診断機器・検査システムの開発を目指すものです。DNAチップの研究開発で培ってきた電流検出型DNA検査技術に関する経験を生かし、マイクロRNA(※7)を利用した高感度、かつ、高精度な検査システムの実現に向け貢献していきます。
・視線の先に映像を表示できるウェアラブル・ディスプレイ「東芝グラス™」の映像表示技術を開発しました。メガネフレームの内側に付けられた投影装置からレンズに投影することで、視線の先に画像を見ることができます。そのため、投影装置が視界を遮らず、作業の邪魔になりません。投影装置を小形・軽量(42g)化し、普通のメガネのような装着感を実現したため、長時間装着による疲労を軽減できます。今後は高画質化、広画角化の技術開発を進め、社会インフラを中心とした保守・点検業務の効率化への活用を目指します。
(注)※1:Permanent Magnet Synchronous Motorの略。
※2:Silicon Carbideの略。
※3:Variable Voltage Variable Frequency(可変電圧可変周波数制御)の略。
※4:Induction Motor の略。
※5:社内試験結果に基づく予測値。
※6:付着している雑菌数が土耕野菜と比べて1000分の1程度に抑制された環境。
※7:マイクロRNAとは、血液、唾液、尿等の体液中に存在する約18~25塩基程度の長さのRibonucleic acid(リボ核酸)で、新しい疾患マーカーとして期待されている。
(5) 生産、受注及び販売の状況
当期において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(6) 主要な設備等
前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
なお、電子デバイス部門において、当社は、三次元構造のNAND型フラッシュメモリ(3Dメモリ)の専用設備を設置する拡張スペースを確保するために、四日市工場の新第2製造棟を建設しています。2015年夏に一部が竣工し、2016年前半には全体が竣工する予定です。具体的な設備導入・生産開始時期や生産能力、生産計画等については、市場動向を踏まえ、今後決定していきます。
(1) 業績等の概要
| 売上高 | 31,084 (+1,077) |
| 営業損益 | 1,151 (+ 82) |
| 継続事業税引前損益 | 673 (+ 138) |
| 四半期純損益 | 308 (+ 93) |
(注)1.単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
2.「当社株主に帰属する四半期純損益」を四半期純損益として表示しています(以下、同じ)。
当第2四半期連結累計期間(以下「当期」という。)の世界経済は、米国が1月~3月期の景気悪化から大幅な回復を見せたのに対し、欧州は英、独を除き低迷が続き景気回復の足取りが重い状態が続きました。中国も不動産価格下落や内需減速などで成長鈍化が続きました。一方、東南アジアは全体では緩やかに成長し、インドも緩やかな成長軌道に乗りつつあります。また、国内経済は、今後は個人消費の回復が期待されている一方、輸出が拡大せず、民間設備投資が本格化しないなどの状況があり、消費増税の影響、サービス業、建設業の雇用ひっ迫の影響等、景気減速傾向があります。
こうした状況下、当社グループの売上高は、電力・社会インフラ部門が大幅な増収となり、コミュニティ・ソリューション部門も増収となった結果、全体として前年同期比1,077億円増加し3兆1,084億円になりました。営業損益は、電子デバイス部門が引き続き高い利益水準を維持し、電力・社会インフラ部門、コミュニティ・ソリューション部門が増益となり、ライフスタイル部門が改善しました。これらの結果、パソコン事業において200億円の構造改革費用を計上しましたが、全体として前年同期比82億円増加し1,151億円になりました。営業外損益では将来に向けた構造改革費用を計上しましたが、資産軽量化の効果や為替の影響もあり、継続事業税引前損益は前年同期比138億円増加し673億円になりました。四半期純損益も堅調に推移し前年同期比93億円増加の308億円になりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
| セグメント | 売上高 | 営業損益 |
| 電力・社会インフラ | 9,158 (+1,327:117%) | 301 (+ 145) |
| コミュニティ・ソリューション | 6,457 (+ 459:108%) | 158 (+ 65) |
| ヘルスケア | 1,856 (△ 2:100%) | 65 (△ 41) |
| 電子デバイス | 8,329 (△ 197: 98%) | 1,067 (△ 107) |
| ライフスタイル | 5,822 (△ 292: 95%) | △ 293 (+ 59) |
| その他 | 2,544 (+ 174:107%) | 23 (△ 41) |
| セグメント間消去又は全社 | △ 3,082 (△ 392: ― ) | △ 170 (+ 2) |
| 合 計 | 31,084 (+1,077:104%) | 1,151 (+ 82) |
(注)単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
①電力・社会インフラ部門
原子力発電システム、火力・水力発電システム、電力流通システム、太陽光発電システム、鉄道向けシステム等の増収により、部門全体が伸長し増収になりました。
損益面では、火力・水力発電システムが引き続き好調を維持し、原子力発電システム、太陽光発電システム、鉄道向けシステム等が増益となった結果、部門全体として増益になりました。
②コミュニティ・ソリューション部門
流通・事務用機器事業、自治体向け太陽光発電システム、昇降機事業、海外の業務用空調事業等が増収となった結果、部門全体として増収になりました。
損益面では、流通・事務用機器事業、昇降機事業、海外の業務用空調事業等が増収により増益となった結果、部門全体として増益になりました。
③ヘルスケア部門
主力のCTは引き続き堅調だったものの、国内における第1四半期を中心とする消費増税の駆け込み需要の反動や診療報酬改定、欧米の医療費抑制施策の影響等がありましたが、新興経済地域等が増収となった結果、ほぼ前同並みの売上になりました。
損益面では、将来の成長の前倒しを図るべく診断機器を中心とした次世代開発研究と新規事業への先行投資等を増やしたことにより、部門全体として減益になりました。
④電子デバイス部門
ストレージは3.5インチハードディスクを中心に増収になり、半導体はディスクリートが増収になりましたが、メモリは売価が下落したことにより第1四半期を中心に減収になりました。これらの結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、ストレージが増収により増益となり、半導体はディスクリートが増益により黒字を確保しました。一方、メモリが引き続き高い利益水準を確保したものの減益になりました。これらの結果、部門全体として減益になりました。
⑤ライフスタイル部門
テレビ等の映像事業が販売地域の絞り込み等により減収になり、白物家電事業も家庭用エアコンが天候不順の影響を受け減収になりました。これらの結果、部門全体としても減収になりました。
損益面では、パソコン事業において構造改革費用を計上しましたが、同事業は構造改革費用を除くと黒字を確保しました。また、白物家電事業が商品力強化や円安対策等により大幅に改善し増益となり、テレビ等の映像事業も改善しました。これらの結果、部門全体として改善しました。
⑥その他部門
売上高は前年同期比で増収になり、営業損益は減益になりました。
なお、上記の事業の種類別の売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれています。
(2) 流動性及び資金の財源
①キャッシュ・フロー
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の145億円の支出から44億円増加し、189億円の支出になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の1,322億円の支出から51億円増加し、1,373億円の支出になりました。
これらの結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは、前年同期の1,467億円の支出から95億円増加し、1,562億円の支出になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が増加したこと等により、前年同期の1,183億円の収入から329億円増加し、1,512億円の収入になりました。
その他に為替の影響によるキャッシュの増加が61億円あり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末の1,713億円から11億円増加し、1,724億円になりました。
②流動性管理と資金調達
<流動性管理>当期末の状況としては、現金及び現金同等物の1,724億円、コミットメントライン未使用枠の2,988億円を合わせ、4,712億円の手許流動性を確保しました。
<資金調達>当社グループは、金利上昇局面への対応及び事業に必要な基本的資産である固定資産の手当てとして、安定的な長期資金をバランスよく調達・確保するよう配慮しています。固定資産については、株主資本・固定負債を含めた長期資金で賄えるよう、長期資金比率の適正化を図っています。
資金調達の直接・間接調達の比率については、資金調達環境等を十分鑑み、バランスの取れた資金構成の維持を基本方針としています。
<格付け>当社は、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下「ムーディーズ」という。)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱(以下「S&P」という。)、㈱格付投資情報センター(以下「R&I」という。)の3社から格付けを取得しています。当期末の格付状況(長期/短期)は、ムーディーズ:Baa2(見通しは安定的)/P-2、S&P:BBB(アウトルックは安定的)/A-2、R&I:A-(格付けの方向性は安定的)/a-1です。
③資産、負債及び資本の状況
総資産は、前年同期末に比べ4,335億円増加し、6兆5,383億円になりました。
株主資本は、配当の支払があったものの、当期純損益の増加に加え、円安傾向の継続とそれを受けた株式市場の好転により、その他の包括損益累計額が大幅に改善した結果、前年同期末に比べ1,679億円増加し、1兆2,956億円になりました。
借入金・社債残高は、社会インフラ部門の受注増加に伴う資金需要の増加、将来の成長のための戦略的投資等により、前年同期末に比べ342億円増加し、1兆5,884億円になりました。
この結果、2014年9月末の株主資本比率は前年同期末に比べ1.3ポイント増加し、19.8%になり、D/Eレシオ(有利子負債/株主資本)は前年同期末に比べ15ポイント改善し、123%になりました。
(注)・四半期連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。但し、当社グループの営業損益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除して算出したものであり、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となる損益を示しています。事業構造改革費用の一部及び固定資産売廃却損益等は、当社グループの営業損益には含まれていません。
・光学ドライブ事業は、Accounting Standards Codification 205-20「財務諸表の表示-非継続事業」に従い、連結損益計算書上非継続事業として取り扱われるため、売上高、営業損益、継続事業税引前損益にはこれらの事業に係る経営成績は含まれていません。当社グループの四半期純損益は、継続事業税引前損益にこれらの事業に係る経営成績を加減して算出されています。これに伴い、過年度の数値を組み替えて表示しています。
・セグメント情報における過年度の業績を現組織ベースに組み替えて表示しています。
・当連結会計年度から、各セグメントの営業損益の算定方法を変更しており、過年度の数値は変更後の算定方式により組み替えて表示しています。
・ハードディスク装置、SSD等を「ストレージ」と表記しています。
・なお、以上の定性的情報は、特記のない限り前年同期との比較で記載しています。
(3) 対処すべき課題
前事業年度の第175期有価証券報告書に記載された「対処すべき課題」は、当四半期報告書提出日現在において、次のとおり変更しています。
当社グループは環境変化を見据え、成長が見込まれる分野への積極的な先行投資と既存事業の一層の収益力強化、利益ある成長が困難と判断した事業の売却等、集中と選択による事業の新陳代謝に努めてきました。今後も、新たな価値創造と生産性向上の追求により、市場の伸長に過度に依存せず、当社グループならではの事業領域と手法で自ら成長のエンジンを創り出していく「創造的成長」の実現を目指していきます。
◎価値創造
当社グループは社内外の技術を組み合わせ、より一層の市場の深耕を図り新たな価値創造を実現し、安心・安全・快適な暮らしの提供に貢献していきます。この価値創造の新たな事業領域として、従来のエネルギー、ストレージに加え、人々の健康・生活をサポートするヘルスケアを第三の柱として強化していきます。また、新興経済地域を中心にグローバルに競争力のある商品、サービスを展開していきます。
①エネルギー
多様化するエネルギー需要、無駄のないエネルギー活用に対応し、高効率で安全性の高い発電、送配電、蓄電の各システムを総合的に提供します。
②ストレージ
情報の大容量化が更に進む中、特に伸長が見込まれるエンタープライズ向け市場への対応を着実に進めていきます。NAND型フラッシュメモリの技術と、エンタープライズHDDで培ったストレージ技術、及び顧客基盤を最大限活用して競争力を高めます。
③ヘルスケア
高いシェアを誇る画像診断装置で海外展開を積極的に行うなど従来の医療領域の高度化に対応するとともに、今後はヘルスケア領域の「予防・予後ビジネス」への展開を図ります。
④新興経済地域への展開
今後も高い成長が見込まれる新興経済地域では、事業拠点や販路の増強、海外要員の増員を含めた営業力の強化により、利益ある売上拡大を実現していきます。また、タイムリーに新興経済地域のニーズを商品に反映させるため、製造に加えて開発の現地化も進めます。さらに、新興経済地域で開発した優れた商品、サービスを先進国にも提供し、グローバルに競争力のある商品、サービスの拡大を目指していきます。
◎生産性向上
当社グループは製造業として生産性向上に継続的に取り組んでいますが、今後は製造活動を含めたすべての領域、業務において現状のプロセスを根本的に見直すことにより本来あるべき成果領域・成果指標を再設定し、生産性向上を進めていきます。また、シェアードサービス(間接業務の機能別集約化)のグローバルな展開等、21世紀にふさわしい業務品質を実現していきます。
◎部門別の施策
①電力・社会インフラ部門
海外での更なる需要拡大に向けた最適な拠点展開及び経営資源の投入により現地との結びつきを強化し、地産地消の加速と規模の拡大を進めていきます。インドをはじめとするアジア、中近東・アフリカ・中南米向けを中心に火力、水力、地熱など発電プラントの建設や安定的な送変電網の確立を通じ、エネルギーを安定供給するシステムの構築を通じて海外展開を図ります。
②コミュニティ・ソリューション部門
ビル、工場、住宅等のファシリティ(施設関連)事業から都市関連事業、リテール(小売)事業まで、都市・地域における複合的なソリューション事業を展開し、エネルギーを効率的に使い、安心・安全・快適な社会づくりに貢献します。
③ヘルスケア部門
当社グループが強みを持つCTシステム等の画像診断装置を中心とする「診断・治療」のメディカル領域に加え、病気の発症リスクを低減する「予防」、病気・けがの治癒後の「予後・介護」、食、水、空気等の生活環境を整備する「健康増進」の4分野で事業を推進し、当社グループの様々な技術を融合させる「ニュー・コンセプト・イノベーション」によって、当社ならではのヘルスケア分野の商品・サービスを提供していきます。
④電子デバイス部門
NAND型フラッシュメモリと、SSD・HDDのストレージを軸に、成長と安定した利益創出を実現します。
また、次世代NAND型フラッシュメモリや白色LEDの生産を着実に立ち上げ、ガリウムナイトライド等の次世代を支える新規材料を使用した商品や、車載向けシステムLSIの開発にも注力していきます。
⑤ライフスタイル部門
映像事業と家電事業を一体運営する目的で2014年4月1日に発足させた東芝ライフスタイル㈱において、経営資源の共通化、コスト最適化を進め効率的な事業運営を図ります。
PC事業については、安定的な黒字確保を可能にするため、現在も継続的に黒字を計上しているBtoB分野への構造転換を一層加速します。
◎CSR経営、環境経営
当社グループは、環境アクションプランに基づき引き続きエコ・リーディングカンパニーとして環境経営を推進し、環境性能No.1の商品創出、先進的低炭素化技術のグローバル展開による事業拡大、世界No.1の低環境負荷の実現等に精力的に取り組んでいます。また、政府が定めたスコープ3(企業のサプライチェーンを含めた温室効果ガス排出量の算定・報告基準)を採択し、事業の上流から下流までの全領域において環境アセスメントを推進します。これらの一環として事業活動により発生する温室効果ガスの総排出量を、2015年度に1990年度比で67%以下にすることを目標に掲げて削減に取り組んでいます。
また、東日本大震災の被災地に対しては、民間交流、雇用支援、医療支援、産業復興、人財育成等を通じ、中長期的に支援を継続していきます。
当社グループは、以上のような経営方針に基づいて、グローバルトップへの挑戦に全力を尽くしていきます。
<株式会社の支配に関する基本方針>1)基本方針の内容
当社グループが株主の皆様に還元する適正な利潤を獲得し、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上を実現するためには、株主の皆様はもちろん、お客様、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持、発展させていくことも必要であり、これらのステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行う必要があると考えています。
また、当社株式の買付の提案を受けた場合に、その買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断するためには、各事業分野の有機的結合により実現され得るシナジー効果、当社グループの実情、その他当社の企業価値を構成する要素が十分に把握される必要があると考えます。
当社取締役会は、上記の要素に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上に資さない当社株式の大量取得行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による当社株式の大量取得行為に関しては、必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
2)基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは環境変化に強く高収益な企業体質を確立するための事業構造改革を継続し深化させるとともに、新たな収益基盤の確立に向けた事業構造転換を強力に推進してまいります。
3)基本方針に照らして不適切な者によって支配されることを防止するための取組み(買収防衛策)
当社は、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本プラン」といいます。)を、2006年6月開催の定時株主総会における承認を得て導入し、2009年6月及び2012年6月の定時株主総会における承認を得て更新しています。
本プランは、当社株式の大量買付が行われる場合の手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、買付者との交渉の機会を確保することにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
具体的には、当社の発行済株式総数の20%以上となる株式の買付又は公開買付け等を実施しようとする買付者には、必要な情報を事前に当社取締役会に提出していただきます。当社経営陣から独立した社外取締役のみで構成される特別委員会は、外部専門家等の助言を独自に得て、買付内容の評価・検討、株主の皆様への情報開示と代表執行役の提示した代替案の評価、検討、開示、買付者との交渉等を行います。買付者が本プランの手続を遵守しない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を侵害する買付である場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合は、対抗措置の発動(買付者等による権利行使は原則として認められない旨の行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項を付した新株予約権の無償割当ての実施)がなされ、当社の企業価値・株主共同の利益を確保します。
4)本プランの特徴(合理性)
当社取締役会は、以下の理由から、本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社経営陣の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
なお、本プランは、以下のとおり、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した企業価値ひいては株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則(①企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性の原則)を全て充足しており、また、その後の買収防衛策に関する実務や司法界等の関係機関の議論等を踏まえています。
ア.株主意思の反映
本プランは、2006年6月開催の定時株主総会における承認を得て導入し、2009年6月及び2012年6月開催の定時株主総会における承認を得て更新したものです。
また、当社取締役会は、一定の場合に、本プランの発動の是非について、株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認することとしています。
イ.独立性の高い社外者の判断による判断と情報開示
当社は委員会設置会社であり、当社の執行役を監督する立場にある3名以上の独立性のある社外取締役のみからなる特別委員会を構成することにより、当社経営陣の恣意的判断を排し、その客観性、合理性を担保すると同時に、特別委員会は当社の実情を把握し当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、対象買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断できると考えています。
更に、特別委員会の判断の透明性を高めるため、買付者から提出された買付説明書の概要、買付者の買付内容に対する当社代表執行役の意見、代替案の概要、その他特別委員会が適切と判断する事項について、原則として株主の皆様に対し速やかに情報開示を行います。
ウ.本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定
本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されています。これにより、当社の会社役員による恣意的な発動を防止します。
エ.第三者専門家の意見の取得
特別委員会は、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、税理士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができます。これにより、特別委員会による判断の公正さ、客観性がより強く担保されます。
(注)以上は買収防衛策の概要ですので、詳しい内容については当社ウェブサイト(http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20120508_1.pdf)をご参照ください。
(4) 研究開発活動
当期における研究開発費は1,752億円でした。
なお、当四半期連結会計期間における主要な研究開発の成果は以下のとおりです。
①新商品
・全閉式永久磁石同期電動機(全閉PMSM(※1))にSiC(※2)ダイオード適用のVVVF(※3)インバータ装置を組み合わせた駆動システムを東京地下鉄㈱の銀座線に納入しました。本駆動システムは、世界で初めての実運用となり、駆動システム全体の消費電力は、従来の誘導電動機(IM(※4))主回路システムと比較し、約37%の削減(※5)になります。なお、本駆動システムは、SiCダイオードを含めたデバイスから駆動システムまで、全て当社で開発、製造したものです。
・当社所有の遊休施設を活用して、無菌に近い状態(※6)を実現した植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」で、雑菌による傷みが少なく長期保存が可能な野菜の生産を開始しました。同工場では、LEDや植物育成向けに光の波長を最適化した蛍光灯、均一な温度・湿度の環境を実現する空調機器、栽培状況を把握するための遠隔監視システム、梱包材等を消毒する除菌システム、半導体事業で培った生産管理技術等、当社が持つ幅広い技術・ノウハウを活用しています。今後は海外に大規模な植物工場を建設するとともに機器やシステムの販売による事業拡大を目指します。
②研究開発
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、次世代がん診断システム開発の産学官連携プロジェクトである「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」の委託先に採択されました。本プロジェクトは、早期にがんや認知症を診断できる世界最先端の診断機器・検査システムの開発を目指すものです。DNAチップの研究開発で培ってきた電流検出型DNA検査技術に関する経験を生かし、マイクロRNA(※7)を利用した高感度、かつ、高精度な検査システムの実現に向け貢献していきます。
・視線の先に映像を表示できるウェアラブル・ディスプレイ「東芝グラス™」の映像表示技術を開発しました。メガネフレームの内側に付けられた投影装置からレンズに投影することで、視線の先に画像を見ることができます。そのため、投影装置が視界を遮らず、作業の邪魔になりません。投影装置を小形・軽量(42g)化し、普通のメガネのような装着感を実現したため、長時間装着による疲労を軽減できます。今後は高画質化、広画角化の技術開発を進め、社会インフラを中心とした保守・点検業務の効率化への活用を目指します。
(注)※1:Permanent Magnet Synchronous Motorの略。
※2:Silicon Carbideの略。
※3:Variable Voltage Variable Frequency(可変電圧可変周波数制御)の略。
※4:Induction Motor の略。
※5:社内試験結果に基づく予測値。
※6:付着している雑菌数が土耕野菜と比べて1000分の1程度に抑制された環境。
※7:マイクロRNAとは、血液、唾液、尿等の体液中に存在する約18~25塩基程度の長さのRibonucleic acid(リボ核酸)で、新しい疾患マーカーとして期待されている。
(5) 生産、受注及び販売の状況
当期において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(6) 主要な設備等
前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
なお、電子デバイス部門において、当社は、三次元構造のNAND型フラッシュメモリ(3Dメモリ)の専用設備を設置する拡張スペースを確保するために、四日市工場の新第2製造棟を建設しています。2015年夏に一部が竣工し、2016年前半には全体が竣工する予定です。具体的な設備導入・生産開始時期や生産能力、生産計画等については、市場動向を踏まえ、今後決定していきます。