有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 15:00
【資料】
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【項目】
158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、2022年度後半からの半導体メーカーの在庫調整の遅れにより、半導体製造装置の需要は引き続き低調に推移いたしましたが、第4四半期に若干持ち直しの動きがみられました。また、FA関連分野については、中国市場の自動化投資の回復が鈍く、需要は伸び悩みました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注高は1,087億81百万円(前連結会計年度比13.0%減)、売上高は1,026億57百万円(同5.7%減)となりました。損益面につきましては、営業利益は100億11百万円(同13.9%減)、経常利益は105億32百万円(同12.2%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は75億6百万円(同7.3%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
[クリーン搬送システム事業]
半導体製造装置メーカーの需要低迷により、受注高は197億58百万円(前連結会計年度比30.9%減)となりました。
売上高は218億14百万円(同27.1%減)となり、損益面につきましては、売上高の減少により営業利益は33億13百万円(同47.8%減)となりました。
[モーション機器事業]
半導体製造装置向けアクチュエータやFA向けクラッチブレーキが減少したものの、防衛省向け修理品や基幹ロケット向け電装品の増加等により航空宇宙関連機器が増加したことから、受注高は428億44百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。
売上高は、半導体製造装置向けアクチュエータの受注が減少したことから、370億63百万円(同4.2%減)となりました。損益面につきましては、売上減の影響はあったものの、航空宇宙関連機器の採算改善により、営業利益は32億25百万円(同29.0%増)となりました。
[パワーエレクトロニクス機器事業]
受注高は242億66百万円(前連結会計年度比26.7%減)となりました。受注高は、前年度の社会インフラ関連の大口受注の影響により前年比で減少しておりますが、EV需要が旺盛な自動車用試験装置については好調に推移しました。
売上高は、自動車用試験装置の増加、LNG搬送ポンプ用モータ等の産業用機器、及び航空機用整備電源の増加により、232億40百万円(同10.8%増)となりました。損益面につきましては、売上高の増加により営業利益は15億79百万円(同12.8%増)となりました。
[エンジニアリング&サービス事業]
受注高はほぼ前年並みの219億10百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。
売上高は、台湾と日本での半導体製造工場向け搬送設備工事や、官需向け電気設備工事の増加により、205億39百万円(同6.9%増)となりました。損益面につきましては、売上高の増加により営業利益は19億61百万円(同41.5%増)となりました。
b 財政状態
当連結会計年度末における総資産は1,370億62百万円となり、前連結会計年度末より97億40百万円増加いたしました。これは、主として投資有価証券が65億67百万円、有形固定資産が30億94百万円、退職給付に係る資産が19億5百万円それぞれ増加したこと、棚卸資産が23億30百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は626億11百万円となり、前連結会計年度末より21億1百万円減少いたしました。これは、主として支払手形及び買掛金が22億39百万円、流動負債その他が19億31百万円、短期借入金が12億90百万円それぞれ減少したこと、繰延税金負債が27億34百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は744億51百万円となり、前連結会計年度末より118億42百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が53億79百万円、その他有価証券評価差額金が45億97百万円、退職給付に係る調整累計額が14億96百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ79百万円増加し、当連結会計年度末には95億72百万円となりました。
各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、98億41百万円となりました。これは、仕入債務の減少28億16百万円、売上債権の増加6億22百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益102億89百万円の計上、減価償却費34億86百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、75億3百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出67億27百万円、無形固定資産の取得による支出5億10百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少額は、23億58百万円となりました。これは、配当金の支払21億11百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
クリーン搬送システム21,108△33.4
モーション機器39,006△1.4
パワーエレクトロニクス機器24,93914.2
エンジニアリング&サービス20,4976.1
合計105,551△6.1

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
クリーン搬送システム19,758△30.95,882△25.9
モーション機器42,8441.340,99116.4
パワーエレクトロニクス機器24,266△26.731,7293.3
エンジニアリング&サービス21,9103.711,45913.6
合計108,781△13.090,0627.3

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
クリーン搬送システム21,814△27.1
モーション機器37,063△4.2
パワーエレクトロニクス機器23,24010.8
エンジニアリング&サービス20,5396.9
合計102,657△5.7

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するに当たり、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りは、その性質上判断及び入手し得る情報に基づいて行うので、実際の結果がそれらの見積りと相違する場合があります。
当社は、連結財務諸表を作成するに当たり、製品保証引当金の計上、受注損失引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性及び退職給付債務等の計算の基礎に関する事項について、特に重要な見積りを行っております。
(製品保証引当金)
当社グループは、販売済の製品等に係る無償補修費用に備えるため、当連結会計年度末において将来の発生が見込まれ、かつ、当該発生額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌連結会計年度以降の損失見込額を製品保証引当金として計上しております。当連結会見度末に用いた見積りの条件や仮定に変化が生じた場合、製品保証引当金に影響を与える可能性があります。
(受注損失引当金)
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末において将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌連結会計年度以降の損失見込額を受注損失引当金として計上しております。当連結会計年度末に用いた見積りの条件や仮定に変化が生じた場合、受注損失引当金に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の課税所得を見積もり、さらに将来減算一時差異の解消時期のスケジューリングを行った結果に基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性の判断に当たり、当連結会計年度末に用いた見積りの条件や仮定に変化が生じた場合、繰延税金資産に影響を与える可能性があります。
(退職給付費用及び退職給付債務)
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。退職給付費用は、割引率、期待運用収益率及び予想昇給率等の様々な仮定に基づいて算出しております。割引率及び期待運用収益率は、金利の変動を含む現在の市場動向などを考慮して決定しており、予想昇給率等の見積りは、実績及び直近の見通しを反映しております。当連結会計年度末に用いた見積りの条件や仮定に変化が生じた場合、退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a 経営成績」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、開発投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保しております。
運転資金は、短期、長期ともに金融機関からの借入を基本としております。また、短期の資金を安定的かつ機動的に確保するため、取引銀行22行と総額150億円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高39億円、借入未実行残高111億円)。
当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は218億21百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は95億72百万円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
2023年度の当社グループでは、前年と比べて半導体製造装置向けの需要が低調な推移であったものの、高水準の売上高や利益率を維持することが出来ました。売上高は計画比26億円増の1,026億円、売上高営業利益率は計画比1.8ポイント増の9.8%となりました。
ROEは高水準の利益率維持等により計画比2.2ポイント増の11.0%となりました。
前年に引き続き今回計画2年目においても、中期計画目標に迫る結果とすることができましたが、重要テーマとしている技術開発力の強化と新商品・新事業の創出活動は未だ継続中であります。今後も引き続き、収益性の向上に努めるとともに、重要テーマの完遂に向け取り組んでまいります。
指標2023年度(計画)2023年度(実績)計画比
売上高1,000億円1,026億円26億円
営業利益率8.0%9.8%1.8ポイント
ROE8.8%11.0%2.2ポイント

(注)「ROE」=親会社株主に帰属する当期純利益/純資産(期末平均残高)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。