有価証券報告書-第114期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念に基づき、事業活動を行っています。また、「企業は社会の公器」という基本理念に基づき、株主や顧客をはじめとするさまざまなステークホルダーとの対話を通じて説明責任を果たし、透明性の高い事業活動を心掛け、公正かつ正直な行動を迅速に行っていくことで、企業価値を高めていくことが重要であると考えています。当社は、コーポレート・ガバナンスをそのための重要な基盤と認識し、グループ全体に関わる重要な業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する取締役会と、取締役会から独立し、取締役の職務の執行を監査する監査役・監査役会からなる監査役制度を基礎として、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。
また、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、以下の取り組みを行っています。
・株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
・従業員、顧客、取引先、地域社会などのステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果が企業の持続的な成長につながることを認識し、ステークホルダーとの適切な協働に努める。
・会社情報を適切に開示し、企業経営の透明性を確保する。
・取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、企業戦略等の大きな方向性を示し、適切なリスクテイクを支える環境整備を行い、独立した客観的な立場から経営陣・取締役に対する実効性の高い監督を行う。
・持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、株主と建設的な対話を行う。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(a)企業統治の体制の概要
当社は、事業の推進については34の各事業部が「経営の基軸」を担い、担当事業におけるグローバルまたは担当地域での開発・製造・販売及び利益・資金に対する自主責任経営を行っています。この事業部を支える仕組みとしてカンパニー制を導入しており、「アプライアンス社」、「ライフソリューションズ社」、「コネクティッドソリューションズ社」、「オートモーティブ社」及び「インダストリアルソリューションズ社」の5つの事業軸のカンパニーと、「中国・北東アジア社」及び「US社」の2つの地域軸のカンパニーとが、それぞれの担当領域において事業部の進化・変化を促進し、成長戦略の実現を牽引しています。また、グループ全体の経営戦略機能を担う「コーポレート戦略本部」を設置し、グループ中長期戦略の立案・推進によりグループ全体の企業価値向上を図っています。併せて、全社共通の制度・基盤・仕組み等の構築、上場・法人維持のための内部監査・内部統制・コンプライアンス機能やステークホルダーへの対応などの全社経営管理機能を担う「プロフェッショナル ビジネス サポート部門」、及び、新たなビジネスモデルやAI/IoT技術に基づく事業の創出、革新技術や生産技術によるイノベーションでの事業貢献、全社の技術開発・モノづくり・デザインの総括、などの機能を担う「イノベーション推進部門」を設置しています。
<取締役会・執行役員体制>当社の取締役会は、社外取締役6名を含む取締役13名(社外取締役比率3分の1以上)で構成し(うち2名は女性)、取締役会の全体としての知識・経験・能力の多様性を確保しており、議長は業務を執行しない取締役会長が担当しています。取締役会は、会社法及び関連法令(以下、「会社法」と総称する)上、当社の業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する権限を有しています。
当社は、7カンパニーの経営体制に基づき、各カンパニー・事業部への権限委譲を徹底するとともに、コーポレート戦略においてはグループの総合力を結集するため、全社最適視点で国内外の当社グループの事業構造改革を担う執行責任者制度として「執行役員制度」を採用しています。取締役兼任を含む執行役員は20名(うち2名は外国人)であり、社長、副社長、カンパニーの経営責任者や海外地域統括責任者、職能責任者等です。
また、取締役会は、グループ全体に関わる事項の意思決定機関として、スピーディーで戦略的な意思決定と健全で適切なモニタリングの両立を行うべく、コーポレート戦略の決定とカンパニーの監督に集中することとしています。そして、当社グループの事業が広範多岐にわたるという実態を踏まえ、事業に精通した執行責任者が取締役会に参画する体制をとっています。なお、取締役の責任の明確化を図るとともに取締役会の機動的な体制構築を目的とし、取締役の任期を1年としています。
<監査役・監査役会>当社は、会社法に基づき、社外監査役3名を含む5名(社外監査役が過半数)の監査役(うち1名は女性)及び監査役によって構成される監査役会を設置しています。監査役・監査役会は、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常の経営活動の監査を行っています。また、財務・会計に関する相当程度の知見を有する監査役を選任しています。
<任意の「指名・報酬諮問委員会」>当社は、任意の「指名・報酬諮問委員会」を2015年に設置しており、取締役会からの諮問を受けて、取締役・執行役員及び監査役の候補者指名に関する社内検討の結果ならびに取締役・執行役員の報酬制度の妥当性に関する審議を行っています。本報告書提出日現在、本委員会の委員は、社外取締役大田弘子(委員長)、社外取締役冨山和彦、社外取締役筒井義信、取締役会長津賀一宏、代表取締役社長執行役員楠見雄規の5名です。社外取締役が委員長を担うとともに、委員の過半数を社外取締役で構成することで、客観性・透明性を強化しています。
<取締役会の実効性の分析・評価>当社は、取締役会の実効性を一層高めていくため、毎年1回、取締役会出席メンバーを対象としたアンケートを実施し、その結果・評価を取締役会で報告しています。
なお、2020年度のアンケート項目は以下のとおりです。
・2020年度の取締役会運営方針の検証
・持株会社における取締役会の役割
・持株会社における取締役の役割
・その他、実効性評価の方法などについて
当社はアンケート結果の分析を行い、取締役会の実効性について、取締役会の監督・意思決定機能ともに、基本的に現状は適切であると評価いたしました。一方で、持株会社制への移行に向け、取締役会の役割や議論すべき事項などを検討すべきなどの意見も示されましたので、順次対応・改善を実施しています。
<グループ戦略会議>グループの中・長期戦略や重要課題を議論・方向付けする場として、2012年より「グループ戦略会議」を、原則として月2回程度の頻度で開催しています。「グループ戦略会議」は、代表取締役社長執行役員楠見雄規が議長となり、7カンパニー社長、外国人執行役員を含む10名程度の経営幹部から構成される「グループマネジメントチーム」が参加し、検討する案件に応じて、関連する事業や職能の責任者も議論に加わります。なお、7カンパニー社長等の氏名については、「(2) 役員の状況」① 役員一覧の(注)9に記載のとおりです。
(b)当該体制を採用する理由
当社は、取締役会と、監査役・監査役会からなる監査役制度を基礎としつつ、指名・報酬諮問委員会や取締役会実効性評価の仕組みなどを活用し、コーポレート・ガバナンス体制を構築・強化していくことが適当と判断しています。

③内部統制システムに関する基本的な考え方及びその運用状況
当社は、取締役会において、内部統制システムの整備に関する基本方針について以下のとおり決定しています。なお、2020年7月30日開催の取締役会において、経営環境及び当社の現況等を踏まえた見直しを行ったうえ、この基本方針を継続することを決定しました。その内容は以下のとおりです。
<内部統制システムの整備に関する基本方針>(a)取締役の職務執行の適法性を確保するための体制
コンプライアンス意識の徹底を図るとともに、効果的なガバナンス体制及びモニタリング体制を整えることによって、取締役の職務執行の適法性を確保します。
(b)取締役の職務執行に関する情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務執行に関する情報は、法令及び社内規程に従い、適切に保存と管理を行います。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
リスク管理に関する規程を制定し、事業経営に影響を与えるリスクを洗い出して重要リスクを特定します。各重要リスクについて対策を講じるとともに、その進捗をモニタリングし、継続的改善を図ります。
(d)取締役の職務執行の効率性を確保するための体制
意思決定の迅速化を図るとともに、事業戦略に基づいて経営目標を明確化し、その達成状況を検証することによって、取締役の職務執行の効率性を確保します。
(e)使用人の職務執行の適法性を確保するための体制
コンプライアンスに対する方針の明示によって、使用人のコンプライアンス意識の向上を図ります。また、効果的なモニタリング体制を整えることによって、使用人の職務執行の適法性を確保します。
(f)企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は、グループ会社の自主責任経営を尊重しつつも、当社グループとしての業務の適正を確保するために、グループ会社に対して当社の経営方針・経営理念及び内部統制システムの整備に関する基本方針を徹底し、当社への報告体制を整備します。
(g)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役監査の実効性を高め、かつ監査職務を円滑に遂行するため、取締役から独立した組織を設けます。
(h)監査役の職務を補助すべき使用人に対する監査役の指示の実効性の確保に関する事項
監査役スタッフは社内規程に従いますが、監査役スタッフへの指揮命令権は各監査役に属するものとし、人事事項については監査役と事前協議を行うものとします。
(i)当社及び子会社の取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制
当社及びグループ会社の取締役及び使用人等が各社の監査役に対して適切に報告する機会と体制を確保するとともに、カンパニー等の「監査役員」やグループ会社の監査役が当社監査役に対して適切に報告する機会と体制を確保します。
(j)監査役への報告をした者が報告を理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社及びグループ会社の使用人等が監査役に報告する機会と体制の確保にあたり、報告を行った使用人等が報告を理由として不利な取扱いを受けないようにします。
(k)監査役の職務執行について生ずる費用または債務の処理に関する方針
監査の実効性を確保するため、監査役の職務執行について生ずる費用の予算を毎年計上し、計上外で拠出する費用についても、法令に則って会社が前払いまたは償還します。
(l)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役監査を補佐するために、カンパニー等に「監査役員」を設置します。また、監査役が毎年策定する「監査計画」に従い、会計監査人、内部監査部門との相互連携等を含む実効性ある監査を実施できる体制を整えます。
<当社における基本方針の運用状況>(a)取締役の職務執行の適法性を確保するための体制
・「パナソニック行動基準」や「取締役・執行役員倫理規程」等の社内規程を制定し、取締役が法令及び定款に則って行動するように徹底しています。また、取締役就任時には、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を習得する機会を提供し、就任期間中も、適宜社外の有識者による経営やコンプライアンスに関する講演等、取締役が必要な知識を習得する機会を提供しています。
・取締役会における社外取締役の構成比を3分の1以上とし、かつ、取締役会等を通じて社外取締役から発言が積極的に行われる機会を設けることで、監督機能を強化しています。また、社外取締役を委員の過半数とし、かつ委員長とする指名・報酬諮問委員会を設置し、取締役の指名・報酬の決定に関するプロセスの客観性と透明性を確保しています。
・取締役会の実効性を一層高めていくため、毎年1回、取締役会出席メンバーを対象としたアンケートを実施し、その結果・評価を取締役会で報告し、出された意見に対して順次、対応・改善を実施しています。
・監査役及び監査役会による監査等が実施されるとともに、カンパニーにおいては、法人における取締役会に相当する経営会議、監査役に相当する「監査役員」を設けています。
・反社会的勢力に対しては、取締役会メンバーに対する研修の実施や、執行役員規則の一部改定、企業内暴排に関する誓約書の取得等の取り組みにより、一切の関係遮断を図っています。
(b)取締役の職務執行に関する情報の保存及び管理に関する体制
取締役会議事録は、取締役会開催ごとに作成され、取締役会事務局により永久保存されています。また、社長決裁についても、担当部署により永久保存されています。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
「リスクマネジメント基本規程」に従って、「グローバル&グループリスクマネジメント委員会」を中心にリスク情報を一元的・網羅的に収集・評価し、重要リスクを特定するとともに、その重要性に応じてリスクへの対応を図っています。
(d)取締役の職務執行の効率性を確保するための体制
・「重要事項決裁規程」の運用、取締役と執行役員の位置付けの明確化、各カンパニー・事業部等への権限委譲の徹底、「グループ戦略会議」の開催、経営上重要な情報の正確かつ迅速な収集・伝達のためのITシステムの整備等により、意思決定の迅速化を図っています。
・事業戦略等を基に策定した経営目標について、月次決算にて状況を確認・検証のうえ、その対策を立案・実行しています。
(e)使用人の職務執行の適法性を確保するための体制
・「パナソニック行動基準」等の社内規程の制定や当社及びグループ会社を対象としたコンプライアンスの取り組み、階層別研修・eラーニングをはじめとする各種の啓発活動を行っています。
・「業務監査」・「内部統制監査」・「コンプライアンス監査」等の実施、グローバルな言語対応が可能なホットラインの運用等を通じて不正行為の早期発見に努めています。また、「パナソニック行動基準」及び「通報者等への報復行為禁止に関する規程」では、ホットライン等において法令違反またはそのおそれがあることを報告した者が、報告したことを理由として不利益な取扱いを受けないことを定めています。
・コンプライアンスの推進及び監査・事業法務・リスクマネジメント・ガバナンス運営の機能を有する組織を設置し、コンプライアンスを重視した公正な事業慣行の推進強化と環境変化への対応を図っています。
・反社会的勢力に対しては、対応総括部署に不当要求防止責任者を設置し、また、社員就業規則の一部改定や企業内暴排に関する誓約書取得等の取り組みにより、一切の関係遮断を図っています。
(f)企業集団における業務の適正を確保するための体制
・「パナソニック行動基準」及び「重要事項決裁規程」の運用、グループ横断的な職能規程の策定、グループ会社への取締役及び監査役の派遣・株主権の行使、グループ会社が遵守すべきガバナンス規程の制定、内部監査部門による定期的な「業務監査」・「内部統制監査」・「コンプライアンス監査」の実施、経営方針発表による目標の共有化及び通達等により、当社の内部統制システムの基本方針をグループ会社に徹底するとともに、グループ会社との間で適切な情報伝達等を行っています。
・上記各体制のもとで当社グループの業務の適正を確保することにより、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制についても適切な対応を行っています。
(g)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
専任の監査役スタッフが所属する監査役室を監査役会の直轄下に設置し、執行部門の組織から分離させています。監査役スタッフには監査役の要求する適切な能力、知見を有する人材を配置しています。
(h)監査役の職務を補助すべき使用人に対する監査役の指示の実効性の確保に関する事項
・各監査役が、監査役スタッフへの指揮命令を行い、監査役スタッフは、それに従って監査役の職務の補助を行っています。
・監査役スタッフの異動、処遇等の人事事項は、監査役と事前協議のうえ実施しています。
(i)当社及び子会社の取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制
・当社及びグループ会社の取締役及び使用人等が、各社の監査役主催の定例報告会等において業務の運営や課題等について報告するとともに、監査役に対して重要会議へ出席することを要請して適宜報告しています。また、グループ会社の監査役は、各グループ会社における報告内容に関し、当社監査役に対して適宜報告しています。なお、各カンパニーにおける業務の運営や課題等については、「監査役員」が、カンパニーにおいて聴取し、当社の監査役に対して適宜報告しています。
・「監査役通報システム」によって、会計及び監査における不正や懸念事項について、当社及びグループ会社の使用人等が直接、当社の監査役会に通報する体制を構築しています。
(j)監査役への報告をした者が報告を理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
「監査役通報システム」においても、匿名での通報を認めるとともに、通報者が通報を理由として不利益な取扱いを受けないことは、「パナソニック行動基準」及び「通報者等への報復行為禁止に関する規程」によって確保されています。
(k)監査役の職務執行について生ずる費用または債務の処理に関する方針
・「監査役監査基準」に従い、監査の実効性を確保するために、監査役の職務の執行上必要と見込まれる費用についてあらかじめ予算を計上しています。
・緊急または臨時に拠出した費用についても、法令に則って会社が前払いまたは償還しています。
・監査役は監査費用の支出にあたってその効率性及び適正性に留意しています。
(l)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・カンパニー等に「監査役員」を設置し、毎月の報告・連絡会を実施しています。なお、「監査役員」の人事事項は、監査役の同意を必要としています。
・当社監査役とカンパニー等の「監査役員」・グループ会社の監査役との連携を図るために、当社常任監査役が議長を務める「パナソニックグループ監査役全体会議」を設置し運用しています。
・代表取締役と監査役は定期的に及び必要に応じて、意見交換を行っています。また、各部門は監査役による国内外の事業場往査に協力し、内部監査部門も監査役に適宜報告するなど、監査役と連携することにより、監査役監査の実効性向上に協力しています。
・会計監査人による監査計画策定、四半期レビュー、期末監査の際に、監査役と会計監査人は定期的に会合を持ち、説明・報告等を受けるとともに、必要に応じて意見交換を行っています。
(注) グループ会社とは、会社法上の子会社をいいます。
④会社情報の開示に関する内部統制
当社は、「企業は社会の公器」との基本理念のもと、透明性の高い事業活動を心がけ、ステークホルダーに対する説明責任を果たすことに努めています。当社の情報開示に対する基本的な考え方は、当社グループの経営理念を実践するために遵守すべき具体的項目を制定した「パナソニック行動基準」で定めるとともに、これと実務上の基準・方法・社内体制等を合わせて「ディスクロージャーポリシー」として当社企業サイトにおいて公表しており、当社の公正かつ正確な財務情報や、経営方針、事業活動、ESG活動などの企業情報を、適時適切にわかりやすく提供することを、基本方針としています。
この基本方針に則り、当社グループの経営に関する重要な事項は、取締役会規則に基づき取締役会で決議または報告がなされます。これらの重要な事項やその他国内外の関係諸法令等により開示が義務づけられている事項は、社内の情報の各所轄部門から、チーフ・ファイナンシャル・オフィサー(CFO)の監督のもと、情報取扱部門に
対して、適時、正確に報告が行われ、重要な情報が収集される仕組みとなっています。なお、金融商品取引所規則等により開示が義務づけられている事項についても、CFOが監督しています。
また、国内外の関係諸法令及び金融商品取引所規則等により開示が義務づけられている事項が、子会社を含む事業部門にて発生する際には、内容に応じて、速やかに「経理・財務部」または「財務・IR部ディスクロージャー・IR渉外課」に報告することとなっており、これらの事項が入手できる体制を整備しています。
収集・入手した情報については、国内外の関係諸法令及び金融商品取引所規則等に従って、開示の必要性の判断を行い、会社の業務執行を実質的に決定する機関による決議・決定が行われた時点、またはその発生を認識した時点での開示に努めています。
加えて、開示の内容、表現等についても当社内関連部署、ならびに外部弁護士等に確認し、正確、公正、かつ充分な内容となるよう努めています。
また、当社は、国内外の関係諸法令及び金融商品取引所規則等を遵守するとともに当社グループの企業情報等の公正、正確かつ適時適切な情報開示を実施するためディスクロージャー統制手続きを整備しています。有価証券報告書、四半期報告書等の作成や確認作業にあたっては、内部統制・ディスクロージャー統制の確立、維持、有効性の保証に対して責任のある社長及びCFOの監督のもと、その記述内容の妥当性及びその開示に関する手続きの適正性を、当社の主な情報取扱部門の責任者で組織された「ディスクロージャー委員会」にて確認しています。同委員会の委員長は、社長及びCFOにより任命され、同委員会の構成員である「ディスクロージャー委員」は、委員長より任命されます。そして、同委員会は、開示に関する内部統制手続きの整備、維持、改善ならびに評価も行います。
⑤財務報告に関する内部統制
当社は、子会社を含めたグループ全体の財務報告の信頼性を担保すべく、「内部統制推進室」の統括のもと、統制環境から業務の統制活動までの管理実態を文書化しています。具体的には、各カンパニー・事業部等でチェックシートによる自己点検を行ったうえで、各カンパニー等に配置した「カンパニー監査責任者」が監査を行い、これらの監査を踏まえて、「内部統制推進室」がグループ全体の内部統制の監査を統括することにより、内部統制の有効性を確認する体制としています。なお、2020年度においては、グループ全体で延べ約400名が内部統制監査に従事しました。
⑥社外取締役及び社外監査役との間で締結している会社法第427条第1項に規定する契約の概要
当社は、社外取締役全員及び社外監査役全員との間で、会社法第423条第1項の賠償責任について、その職務を行うにつき善意でありかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の契約を締結しています。
⑦役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、保険会社との間で取締役全員及び監査役全員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しており、被保険者の行為に起因して損害賠償請求がなされた場合、被保険者が負担する損害賠償額を当該保険契約によって填補することとしています。ただし、故意による善管注意義務違反の場合は除きます。
⑧取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、剰余金の配当その他会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めています。これは、当社の株主還元方針である連結業績に応じた積極的な配当及び自己株式の取得と消却を、より機動的に行うため、取締役会決議に基づき剰余金の配当等を実施できるようにしようとするものであります。
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項に定める取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨を定款に定めています。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その役割を十分に発揮することができるようにしようとするものであります。
⑨取締役選任の決議要件
当社は、取締役選任の決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の特別決議事項の決議をより確実に行うことを目的とするものであります。
⑪株式会社の支配に関する基本方針
(a)当社の企業価値向上に向けた取り組み
当社は、創業者 松下幸之助の定めた綱領で謳っているとおり、長きに亘り、「社会生活の改善と向上」と「世界文化の進展」に寄与することを社会に対してお約束してまいりました。今後も、この理念を不変の存在意義として継承し、優れた商品やサービスを、より早く、より多くのお客様にお届けすることを通じて、理想的なくらしや社会の実現、地球環境保護といったグローバルでの社会課題の解決に、大きな貢献を生み出すことを目指してまいります。また、ガバナンス強化や組織風土改革、人材マネジメント、地球環境問題への対応などのESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを企業経営の基盤として、社会的責任を果たすとともに事業機会を創出・推進し、株主の皆様や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるような価値提供を通じて、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
(b)大規模買付行為に対する取り組み
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えています。ただし、大規模買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主共同の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。
当社は、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、株主の皆様が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を表明・開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法、及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。また、取締役会の意見等の表明・開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外取締役、社外監査役で構成される独立委員会を設置し、取締役会として意見を諮問するとともに、本委員会の答申を最大限尊重してまいります。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念に基づき、事業活動を行っています。また、「企業は社会の公器」という基本理念に基づき、株主や顧客をはじめとするさまざまなステークホルダーとの対話を通じて説明責任を果たし、透明性の高い事業活動を心掛け、公正かつ正直な行動を迅速に行っていくことで、企業価値を高めていくことが重要であると考えています。当社は、コーポレート・ガバナンスをそのための重要な基盤と認識し、グループ全体に関わる重要な業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する取締役会と、取締役会から独立し、取締役の職務の執行を監査する監査役・監査役会からなる監査役制度を基礎として、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。
また、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、以下の取り組みを行っています。
・株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
・従業員、顧客、取引先、地域社会などのステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果が企業の持続的な成長につながることを認識し、ステークホルダーとの適切な協働に努める。
・会社情報を適切に開示し、企業経営の透明性を確保する。
・取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、企業戦略等の大きな方向性を示し、適切なリスクテイクを支える環境整備を行い、独立した客観的な立場から経営陣・取締役に対する実効性の高い監督を行う。
・持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、株主と建設的な対話を行う。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(a)企業統治の体制の概要
当社は、事業の推進については34の各事業部が「経営の基軸」を担い、担当事業におけるグローバルまたは担当地域での開発・製造・販売及び利益・資金に対する自主責任経営を行っています。この事業部を支える仕組みとしてカンパニー制を導入しており、「アプライアンス社」、「ライフソリューションズ社」、「コネクティッドソリューションズ社」、「オートモーティブ社」及び「インダストリアルソリューションズ社」の5つの事業軸のカンパニーと、「中国・北東アジア社」及び「US社」の2つの地域軸のカンパニーとが、それぞれの担当領域において事業部の進化・変化を促進し、成長戦略の実現を牽引しています。また、グループ全体の経営戦略機能を担う「コーポレート戦略本部」を設置し、グループ中長期戦略の立案・推進によりグループ全体の企業価値向上を図っています。併せて、全社共通の制度・基盤・仕組み等の構築、上場・法人維持のための内部監査・内部統制・コンプライアンス機能やステークホルダーへの対応などの全社経営管理機能を担う「プロフェッショナル ビジネス サポート部門」、及び、新たなビジネスモデルやAI/IoT技術に基づく事業の創出、革新技術や生産技術によるイノベーションでの事業貢献、全社の技術開発・モノづくり・デザインの総括、などの機能を担う「イノベーション推進部門」を設置しています。
<取締役会・執行役員体制>当社の取締役会は、社外取締役6名を含む取締役13名(社外取締役比率3分の1以上)で構成し(うち2名は女性)、取締役会の全体としての知識・経験・能力の多様性を確保しており、議長は業務を執行しない取締役会長が担当しています。取締役会は、会社法及び関連法令(以下、「会社法」と総称する)上、当社の業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する権限を有しています。
当社は、7カンパニーの経営体制に基づき、各カンパニー・事業部への権限委譲を徹底するとともに、コーポレート戦略においてはグループの総合力を結集するため、全社最適視点で国内外の当社グループの事業構造改革を担う執行責任者制度として「執行役員制度」を採用しています。取締役兼任を含む執行役員は20名(うち2名は外国人)であり、社長、副社長、カンパニーの経営責任者や海外地域統括責任者、職能責任者等です。
また、取締役会は、グループ全体に関わる事項の意思決定機関として、スピーディーで戦略的な意思決定と健全で適切なモニタリングの両立を行うべく、コーポレート戦略の決定とカンパニーの監督に集中することとしています。そして、当社グループの事業が広範多岐にわたるという実態を踏まえ、事業に精通した執行責任者が取締役会に参画する体制をとっています。なお、取締役の責任の明確化を図るとともに取締役会の機動的な体制構築を目的とし、取締役の任期を1年としています。
<監査役・監査役会>当社は、会社法に基づき、社外監査役3名を含む5名(社外監査役が過半数)の監査役(うち1名は女性)及び監査役によって構成される監査役会を設置しています。監査役・監査役会は、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常の経営活動の監査を行っています。また、財務・会計に関する相当程度の知見を有する監査役を選任しています。
<任意の「指名・報酬諮問委員会」>当社は、任意の「指名・報酬諮問委員会」を2015年に設置しており、取締役会からの諮問を受けて、取締役・執行役員及び監査役の候補者指名に関する社内検討の結果ならびに取締役・執行役員の報酬制度の妥当性に関する審議を行っています。本報告書提出日現在、本委員会の委員は、社外取締役大田弘子(委員長)、社外取締役冨山和彦、社外取締役筒井義信、取締役会長津賀一宏、代表取締役社長執行役員楠見雄規の5名です。社外取締役が委員長を担うとともに、委員の過半数を社外取締役で構成することで、客観性・透明性を強化しています。
<取締役会の実効性の分析・評価>当社は、取締役会の実効性を一層高めていくため、毎年1回、取締役会出席メンバーを対象としたアンケートを実施し、その結果・評価を取締役会で報告しています。
なお、2020年度のアンケート項目は以下のとおりです。
・2020年度の取締役会運営方針の検証
・持株会社における取締役会の役割
・持株会社における取締役の役割
・その他、実効性評価の方法などについて
当社はアンケート結果の分析を行い、取締役会の実効性について、取締役会の監督・意思決定機能ともに、基本的に現状は適切であると評価いたしました。一方で、持株会社制への移行に向け、取締役会の役割や議論すべき事項などを検討すべきなどの意見も示されましたので、順次対応・改善を実施しています。
<グループ戦略会議>グループの中・長期戦略や重要課題を議論・方向付けする場として、2012年より「グループ戦略会議」を、原則として月2回程度の頻度で開催しています。「グループ戦略会議」は、代表取締役社長執行役員楠見雄規が議長となり、7カンパニー社長、外国人執行役員を含む10名程度の経営幹部から構成される「グループマネジメントチーム」が参加し、検討する案件に応じて、関連する事業や職能の責任者も議論に加わります。なお、7カンパニー社長等の氏名については、「(2) 役員の状況」① 役員一覧の(注)9に記載のとおりです。
(b)当該体制を採用する理由
当社は、取締役会と、監査役・監査役会からなる監査役制度を基礎としつつ、指名・報酬諮問委員会や取締役会実効性評価の仕組みなどを活用し、コーポレート・ガバナンス体制を構築・強化していくことが適当と判断しています。

③内部統制システムに関する基本的な考え方及びその運用状況
当社は、取締役会において、内部統制システムの整備に関する基本方針について以下のとおり決定しています。なお、2020年7月30日開催の取締役会において、経営環境及び当社の現況等を踏まえた見直しを行ったうえ、この基本方針を継続することを決定しました。その内容は以下のとおりです。
<内部統制システムの整備に関する基本方針>(a)取締役の職務執行の適法性を確保するための体制
コンプライアンス意識の徹底を図るとともに、効果的なガバナンス体制及びモニタリング体制を整えることによって、取締役の職務執行の適法性を確保します。
(b)取締役の職務執行に関する情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務執行に関する情報は、法令及び社内規程に従い、適切に保存と管理を行います。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
リスク管理に関する規程を制定し、事業経営に影響を与えるリスクを洗い出して重要リスクを特定します。各重要リスクについて対策を講じるとともに、その進捗をモニタリングし、継続的改善を図ります。
(d)取締役の職務執行の効率性を確保するための体制
意思決定の迅速化を図るとともに、事業戦略に基づいて経営目標を明確化し、その達成状況を検証することによって、取締役の職務執行の効率性を確保します。
(e)使用人の職務執行の適法性を確保するための体制
コンプライアンスに対する方針の明示によって、使用人のコンプライアンス意識の向上を図ります。また、効果的なモニタリング体制を整えることによって、使用人の職務執行の適法性を確保します。
(f)企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は、グループ会社の自主責任経営を尊重しつつも、当社グループとしての業務の適正を確保するために、グループ会社に対して当社の経営方針・経営理念及び内部統制システムの整備に関する基本方針を徹底し、当社への報告体制を整備します。
(g)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役監査の実効性を高め、かつ監査職務を円滑に遂行するため、取締役から独立した組織を設けます。
(h)監査役の職務を補助すべき使用人に対する監査役の指示の実効性の確保に関する事項
監査役スタッフは社内規程に従いますが、監査役スタッフへの指揮命令権は各監査役に属するものとし、人事事項については監査役と事前協議を行うものとします。
(i)当社及び子会社の取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制
当社及びグループ会社の取締役及び使用人等が各社の監査役に対して適切に報告する機会と体制を確保するとともに、カンパニー等の「監査役員」やグループ会社の監査役が当社監査役に対して適切に報告する機会と体制を確保します。
(j)監査役への報告をした者が報告を理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社及びグループ会社の使用人等が監査役に報告する機会と体制の確保にあたり、報告を行った使用人等が報告を理由として不利な取扱いを受けないようにします。
(k)監査役の職務執行について生ずる費用または債務の処理に関する方針
監査の実効性を確保するため、監査役の職務執行について生ずる費用の予算を毎年計上し、計上外で拠出する費用についても、法令に則って会社が前払いまたは償還します。
(l)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役監査を補佐するために、カンパニー等に「監査役員」を設置します。また、監査役が毎年策定する「監査計画」に従い、会計監査人、内部監査部門との相互連携等を含む実効性ある監査を実施できる体制を整えます。
<当社における基本方針の運用状況>(a)取締役の職務執行の適法性を確保するための体制
・「パナソニック行動基準」や「取締役・執行役員倫理規程」等の社内規程を制定し、取締役が法令及び定款に則って行動するように徹底しています。また、取締役就任時には、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を習得する機会を提供し、就任期間中も、適宜社外の有識者による経営やコンプライアンスに関する講演等、取締役が必要な知識を習得する機会を提供しています。
・取締役会における社外取締役の構成比を3分の1以上とし、かつ、取締役会等を通じて社外取締役から発言が積極的に行われる機会を設けることで、監督機能を強化しています。また、社外取締役を委員の過半数とし、かつ委員長とする指名・報酬諮問委員会を設置し、取締役の指名・報酬の決定に関するプロセスの客観性と透明性を確保しています。
・取締役会の実効性を一層高めていくため、毎年1回、取締役会出席メンバーを対象としたアンケートを実施し、その結果・評価を取締役会で報告し、出された意見に対して順次、対応・改善を実施しています。
・監査役及び監査役会による監査等が実施されるとともに、カンパニーにおいては、法人における取締役会に相当する経営会議、監査役に相当する「監査役員」を設けています。
・反社会的勢力に対しては、取締役会メンバーに対する研修の実施や、執行役員規則の一部改定、企業内暴排に関する誓約書の取得等の取り組みにより、一切の関係遮断を図っています。
(b)取締役の職務執行に関する情報の保存及び管理に関する体制
取締役会議事録は、取締役会開催ごとに作成され、取締役会事務局により永久保存されています。また、社長決裁についても、担当部署により永久保存されています。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
「リスクマネジメント基本規程」に従って、「グローバル&グループリスクマネジメント委員会」を中心にリスク情報を一元的・網羅的に収集・評価し、重要リスクを特定するとともに、その重要性に応じてリスクへの対応を図っています。
(d)取締役の職務執行の効率性を確保するための体制
・「重要事項決裁規程」の運用、取締役と執行役員の位置付けの明確化、各カンパニー・事業部等への権限委譲の徹底、「グループ戦略会議」の開催、経営上重要な情報の正確かつ迅速な収集・伝達のためのITシステムの整備等により、意思決定の迅速化を図っています。
・事業戦略等を基に策定した経営目標について、月次決算にて状況を確認・検証のうえ、その対策を立案・実行しています。
(e)使用人の職務執行の適法性を確保するための体制
・「パナソニック行動基準」等の社内規程の制定や当社及びグループ会社を対象としたコンプライアンスの取り組み、階層別研修・eラーニングをはじめとする各種の啓発活動を行っています。
・「業務監査」・「内部統制監査」・「コンプライアンス監査」等の実施、グローバルな言語対応が可能なホットラインの運用等を通じて不正行為の早期発見に努めています。また、「パナソニック行動基準」及び「通報者等への報復行為禁止に関する規程」では、ホットライン等において法令違反またはそのおそれがあることを報告した者が、報告したことを理由として不利益な取扱いを受けないことを定めています。
・コンプライアンスの推進及び監査・事業法務・リスクマネジメント・ガバナンス運営の機能を有する組織を設置し、コンプライアンスを重視した公正な事業慣行の推進強化と環境変化への対応を図っています。
・反社会的勢力に対しては、対応総括部署に不当要求防止責任者を設置し、また、社員就業規則の一部改定や企業内暴排に関する誓約書取得等の取り組みにより、一切の関係遮断を図っています。
(f)企業集団における業務の適正を確保するための体制
・「パナソニック行動基準」及び「重要事項決裁規程」の運用、グループ横断的な職能規程の策定、グループ会社への取締役及び監査役の派遣・株主権の行使、グループ会社が遵守すべきガバナンス規程の制定、内部監査部門による定期的な「業務監査」・「内部統制監査」・「コンプライアンス監査」の実施、経営方針発表による目標の共有化及び通達等により、当社の内部統制システムの基本方針をグループ会社に徹底するとともに、グループ会社との間で適切な情報伝達等を行っています。
・上記各体制のもとで当社グループの業務の適正を確保することにより、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制についても適切な対応を行っています。
(g)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
専任の監査役スタッフが所属する監査役室を監査役会の直轄下に設置し、執行部門の組織から分離させています。監査役スタッフには監査役の要求する適切な能力、知見を有する人材を配置しています。
(h)監査役の職務を補助すべき使用人に対する監査役の指示の実効性の確保に関する事項
・各監査役が、監査役スタッフへの指揮命令を行い、監査役スタッフは、それに従って監査役の職務の補助を行っています。
・監査役スタッフの異動、処遇等の人事事項は、監査役と事前協議のうえ実施しています。
(i)当社及び子会社の取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制
・当社及びグループ会社の取締役及び使用人等が、各社の監査役主催の定例報告会等において業務の運営や課題等について報告するとともに、監査役に対して重要会議へ出席することを要請して適宜報告しています。また、グループ会社の監査役は、各グループ会社における報告内容に関し、当社監査役に対して適宜報告しています。なお、各カンパニーにおける業務の運営や課題等については、「監査役員」が、カンパニーにおいて聴取し、当社の監査役に対して適宜報告しています。
・「監査役通報システム」によって、会計及び監査における不正や懸念事項について、当社及びグループ会社の使用人等が直接、当社の監査役会に通報する体制を構築しています。
(j)監査役への報告をした者が報告を理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
「監査役通報システム」においても、匿名での通報を認めるとともに、通報者が通報を理由として不利益な取扱いを受けないことは、「パナソニック行動基準」及び「通報者等への報復行為禁止に関する規程」によって確保されています。
(k)監査役の職務執行について生ずる費用または債務の処理に関する方針
・「監査役監査基準」に従い、監査の実効性を確保するために、監査役の職務の執行上必要と見込まれる費用についてあらかじめ予算を計上しています。
・緊急または臨時に拠出した費用についても、法令に則って会社が前払いまたは償還しています。
・監査役は監査費用の支出にあたってその効率性及び適正性に留意しています。
(l)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・カンパニー等に「監査役員」を設置し、毎月の報告・連絡会を実施しています。なお、「監査役員」の人事事項は、監査役の同意を必要としています。
・当社監査役とカンパニー等の「監査役員」・グループ会社の監査役との連携を図るために、当社常任監査役が議長を務める「パナソニックグループ監査役全体会議」を設置し運用しています。
・代表取締役と監査役は定期的に及び必要に応じて、意見交換を行っています。また、各部門は監査役による国内外の事業場往査に協力し、内部監査部門も監査役に適宜報告するなど、監査役と連携することにより、監査役監査の実効性向上に協力しています。
・会計監査人による監査計画策定、四半期レビュー、期末監査の際に、監査役と会計監査人は定期的に会合を持ち、説明・報告等を受けるとともに、必要に応じて意見交換を行っています。
(注) グループ会社とは、会社法上の子会社をいいます。
④会社情報の開示に関する内部統制
当社は、「企業は社会の公器」との基本理念のもと、透明性の高い事業活動を心がけ、ステークホルダーに対する説明責任を果たすことに努めています。当社の情報開示に対する基本的な考え方は、当社グループの経営理念を実践するために遵守すべき具体的項目を制定した「パナソニック行動基準」で定めるとともに、これと実務上の基準・方法・社内体制等を合わせて「ディスクロージャーポリシー」として当社企業サイトにおいて公表しており、当社の公正かつ正確な財務情報や、経営方針、事業活動、ESG活動などの企業情報を、適時適切にわかりやすく提供することを、基本方針としています。
この基本方針に則り、当社グループの経営に関する重要な事項は、取締役会規則に基づき取締役会で決議または報告がなされます。これらの重要な事項やその他国内外の関係諸法令等により開示が義務づけられている事項は、社内の情報の各所轄部門から、チーフ・ファイナンシャル・オフィサー(CFO)の監督のもと、情報取扱部門に
対して、適時、正確に報告が行われ、重要な情報が収集される仕組みとなっています。なお、金融商品取引所規則等により開示が義務づけられている事項についても、CFOが監督しています。
また、国内外の関係諸法令及び金融商品取引所規則等により開示が義務づけられている事項が、子会社を含む事業部門にて発生する際には、内容に応じて、速やかに「経理・財務部」または「財務・IR部ディスクロージャー・IR渉外課」に報告することとなっており、これらの事項が入手できる体制を整備しています。
収集・入手した情報については、国内外の関係諸法令及び金融商品取引所規則等に従って、開示の必要性の判断を行い、会社の業務執行を実質的に決定する機関による決議・決定が行われた時点、またはその発生を認識した時点での開示に努めています。
加えて、開示の内容、表現等についても当社内関連部署、ならびに外部弁護士等に確認し、正確、公正、かつ充分な内容となるよう努めています。
また、当社は、国内外の関係諸法令及び金融商品取引所規則等を遵守するとともに当社グループの企業情報等の公正、正確かつ適時適切な情報開示を実施するためディスクロージャー統制手続きを整備しています。有価証券報告書、四半期報告書等の作成や確認作業にあたっては、内部統制・ディスクロージャー統制の確立、維持、有効性の保証に対して責任のある社長及びCFOの監督のもと、その記述内容の妥当性及びその開示に関する手続きの適正性を、当社の主な情報取扱部門の責任者で組織された「ディスクロージャー委員会」にて確認しています。同委員会の委員長は、社長及びCFOにより任命され、同委員会の構成員である「ディスクロージャー委員」は、委員長より任命されます。そして、同委員会は、開示に関する内部統制手続きの整備、維持、改善ならびに評価も行います。
⑤財務報告に関する内部統制
当社は、子会社を含めたグループ全体の財務報告の信頼性を担保すべく、「内部統制推進室」の統括のもと、統制環境から業務の統制活動までの管理実態を文書化しています。具体的には、各カンパニー・事業部等でチェックシートによる自己点検を行ったうえで、各カンパニー等に配置した「カンパニー監査責任者」が監査を行い、これらの監査を踏まえて、「内部統制推進室」がグループ全体の内部統制の監査を統括することにより、内部統制の有効性を確認する体制としています。なお、2020年度においては、グループ全体で延べ約400名が内部統制監査に従事しました。
⑥社外取締役及び社外監査役との間で締結している会社法第427条第1項に規定する契約の概要
当社は、社外取締役全員及び社外監査役全員との間で、会社法第423条第1項の賠償責任について、その職務を行うにつき善意でありかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の契約を締結しています。
⑦役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、保険会社との間で取締役全員及び監査役全員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しており、被保険者の行為に起因して損害賠償請求がなされた場合、被保険者が負担する損害賠償額を当該保険契約によって填補することとしています。ただし、故意による善管注意義務違反の場合は除きます。
⑧取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、剰余金の配当その他会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めています。これは、当社の株主還元方針である連結業績に応じた積極的な配当及び自己株式の取得と消却を、より機動的に行うため、取締役会決議に基づき剰余金の配当等を実施できるようにしようとするものであります。
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項に定める取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨を定款に定めています。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その役割を十分に発揮することができるようにしようとするものであります。
⑨取締役選任の決議要件
当社は、取締役選任の決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の特別決議事項の決議をより確実に行うことを目的とするものであります。
⑪株式会社の支配に関する基本方針
(a)当社の企業価値向上に向けた取り組み
当社は、創業者 松下幸之助の定めた綱領で謳っているとおり、長きに亘り、「社会生活の改善と向上」と「世界文化の進展」に寄与することを社会に対してお約束してまいりました。今後も、この理念を不変の存在意義として継承し、優れた商品やサービスを、より早く、より多くのお客様にお届けすることを通じて、理想的なくらしや社会の実現、地球環境保護といったグローバルでの社会課題の解決に、大きな貢献を生み出すことを目指してまいります。また、ガバナンス強化や組織風土改革、人材マネジメント、地球環境問題への対応などのESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを企業経営の基盤として、社会的責任を果たすとともに事業機会を創出・推進し、株主の皆様や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるような価値提供を通じて、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
(b)大規模買付行為に対する取り組み
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えています。ただし、大規模買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主共同の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。
当社は、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、株主の皆様が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を表明・開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法、及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。また、取締役会の意見等の表明・開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外取締役、社外監査役で構成される独立委員会を設置し、取締役会として意見を諮問するとともに、本委員会の答申を最大限尊重してまいります。