有価証券報告書-第94期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 15:48
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83項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易戦争が激化するも、先進国を中心に緩やかに景気拡大が継続してきましたが、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞により、景気後退の動きが急速に進んでいます。また、ヒトやモノの移動制限によるサプライチェーンの寸断、都市封鎖等による工場の操業停止や事業拠点の休業など、新型コロナウイルスの感染拡大による企業活動へのマイナス影響が懸念されています。国内においても、インバウンド需要の減少、イベント等の中止、外食等の手控えなどにより国内消費が急速に落ち込んでいます。
情報通信分野においては、モバイル・ブロードバンド・サービスは質量ともに拡がりを見せ、データ通信量は急速に増加して、ネットワーク・インフラを逼迫させつつあります。それらの課題を解決するために、モバイル通信方式4Gは、LTE(Long Term Evolution)及びLTE-AdvancedそしてLTE-Advanced Pro(Gigabit LTE)と進化しました。加えて、次世代の通信方式5Gの仕様策定が3GPPで進行しています。2017年12月に5G NSA-NR(Non-Standalone New Radio)、2018年6月に5G SA-NR(Standalone New Radio)の標準化が完了し、5Gの超高速通信に関する主要機能の全仕様が規定されました。3GPPでは引き続き、ユースケースの拡張が期待される超低遅延及び多数同時接続の仕様策定(Release 16※)を検討しており、2020年に標準化完了が予定されています。また、3GPPでは、高周波数帯の拡張、通信エリアの拡大、低消費電力・低コスト通信など、5Gのさらなる効率性、性能改善を目的とした新たな仕様(Release 17※)の検討が、2021年の標準化完了を目指して進められる予定です。
その結果、米国、韓国、欧州に次いで、中国でも5Gサービスが開始されるなど、各国オペレータの商用化スケジュールは順調に進展しています。日本においても2020年3月から都市部を中心とした一部のエリアで5Gサービスが開始されました。
このような環境のもと、計測事業グループは、5Gの開発投資需要を獲得するためのソリューションの開発と組織体制の整備に注力し、5Gチップセット及び端末の開発関連需要を獲得しました。
PQA事業の分野においては、加工食品生産ラインの自動化投資が進むとともに、X線を用いた異物検出並びに包装に関する品質保証などの需要が堅調に推移しています。PQA事業グループは、このような状況下でX線を軸としたソリューションの競争力強化と海外の販売体制の整備拡充に取り組みました。
この結果、受注高は107,709百万円(前年同期比6.8%増)、売上収益は107,023百万円(同7.4%増)、営業利益は17,413百万円(同54.8%増)、税引前利益は17,181百万円(同51.2%増)、当期利益は13,397百万円(同49.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は13,355百万円(同49.1%増)となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による当連結会計年度の業績への影響は軽微でした。
当連結会計年度末の資産合計は、138,873百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,405百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、44,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ247百万円減少しました。
当連結会計年度末の資本合計は、94,331百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,653百万円増加しました。
なお、当社グループの当連結会計年度の財政状態の状況は、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 2) 財政状態」に記載しています。
(※)3GPPで標準化される規格番号
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益は外部顧客に対する売上収益を記載しています。
① 計測事業
当事業は、通信事業者、関連機器メーカー、保守工事業者などへ納入する、多機種にわたる通信用及び汎用計測器、測定システム、サービス・アシュアランスの開発、製造、販売を行っています。
当連結会計年度は、モバイル市場において5Gチップセット及び携帯端末の開発需要が順調に推移しました。特にアジア地域において、5G商用化に向けた開発需要が拡大し、5Gビジネスを牽引しました。
この結果、売上収益は75,165百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は15,148百万円(同60.9%増)、調整後営業利益は15,018百万円(同59.6%増)となりました。
(注)調整後営業利益とは、営業利益から一過性の性格を持つ損益項目を排除した恒常的な事業の業績を測る当社独自の利益指標です。
(非監査情報)営業利益から調整後営業利益への調整表
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度前年同期比
営業利益9,41315,1485,73560.9%
(調整項目)
受取保険金及び災害損失
(台風19号関連)
-△129△129
調整後営業利益9,41315,0185,60559.6%

② PQA事業
当事業は、高精度かつ高速の各種自動重量選別機、自動電子計量機、異物検出機などの食品・医薬品・化粧品産業向けの生産管理・品質保証システム等の開発、製造、販売を行っています。
当連結会計年度は、国内・海外とも食品市場の品質保証プロセスの改善強化、自動化、省力化に向けた設備投資需要は堅調であるものの、顧客先での製品の受入検収期間が長期化した影響等により減収となりました。この結果、売上収益は22,575百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1,287百万円(同20.0%減)となりました。
③ その他の事業
その他の事業は、情報通信事業、デバイス事業、物流、厚生サービス、不動産賃貸等からなっております。
当連結会計年度は、デバイス事業の利益が、前年同期と比較して増加しました。この結果、売上収益は9,282百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は1,900百万円(同65.9%増)となりました。
2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、47,669百万円となり、前期末に比べ2,572百万円増加しました。なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、11,035百万円のプラス(前期は11,631百万円のプラス)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、純額で14,721百万円(前年同期は12,247百万円の獲得)となりました。これは、税引前利益並びに減価償却費及び償却費の計上により資金が増加した一方、棚卸資産並びに営業債権及びその他の債権の増加により資金が減少したことが主な要因です。なお、減価償却費及び償却費は4,999百万円(前年同期比612百万円増)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、純額で3,686百万円(前年同期は616百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、純額で7,592百万円(前年同期は2,052百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済3,500百万円及び配当金の支払額3,365百万円(前年同期の配当金支払額は2,198百万円)が主な要因です。
3) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
計測(百万円)78,173112.2
PQA (百万円)22,950101.5
報告セグメント計(百万円)101,124109.6
その他(百万円)9,202106.8
合計(百万円)110,326109.4

(注1)金額は販売価格によっております。
(注2)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
計測75,579109.816,673104.3
PQA22,99998.64,937107.7
報告セグメント計98,579107.021,610105.0
その他9,130105.01,394106.2
合計107,709106.823,003105.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
計測(百万円)75,165110.3
PQA (百万円)22,57597.8
報告セグメント計(百万円)97,740107.1
その他(百万円)9,282110.3
合計(百万円)107,023107.4

(注1)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注2)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の結果は、将来に関する事項の記述とは異なる可能性があります。その主な要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますが、それらに限定されるものではありません。
1) 経営成績
当社グループは、計測事業、PQA事業の2つを報告セグメントとしています。
① 計測事業
当社グループの売上収益の70%を占める計測事業は、「モバイル市場」「ネットワーク・インフラ市場」「エレクトロニクス市場」向けの3つのサブセグメントに区分しております。
a. モバイル市場
モバイル市場には、携帯電話サービスを行うサービスプロバイダの端末受入検査用途向け計測器や、スマートフォン等の携帯電話端末やICチップセット、その他関連電子部品メーカーでの設計、生産、機能・性能検証、保守用途向けの計測器等を含めております。
当市場の需要は、携帯電話サービスの技術革新や普及率、加入者数の推移のほか、端末/チップセット・メーカーの新規参入又は撤退、端末やチップセットのモデルチェンジや出荷数などに影響される傾向があります。
これまで、世界各国で展開されてきたLTE方式は、データ通信量の急速な増加によるネットワークインフラの逼迫を解決するために、LTE-Advanced 、LTE-Advanced Proへと進化してきました。現在、次世代の5G通信システムの超高速通信に関する仕様が確定し、米国、韓国、欧州に次いで中国や日本でも5Gサービスが開始されるなど、各国オペレータでも5G商用化が進められつつあります。端末製造市場ではLTEスマートフォン製造需要が減縮する一方で、端末開発市場では5GをサポートするICチップセットや携帯電話端末の開発が本格化し、5G開発用計測器への需要が高まっています。
加えて、超低遅延及び多数同時接続の仕様策定が進められており、5Gのユースケースとして期待されるIoT分野や自動車業界での自動運転・車載通信分野では、新たなサービスの実現に向けたモバイル通信技術の開発も事業機会として顕在化しています。
当社は、引き続き競争力のある最先端計測ソリューションを開発・投入するとともに、開発ポートフォリオ・マネジメントを的確に遂行することで、収益基盤の強化に努めてまいります。
b. ネットワーク・インフラ市場
ネットワーク・インフラ市場には、有線・無線通信事業者のネットワーク建設、保守、監視及びサービス品質保証用途向けのソリューションや、ネットワーク機器メーカーの設計、生産、試験及び調整用途向けソリューション等を含めております。
当市場においては、クラウドサービスの高度化や5Gサービスの進展によりデータ・トラフィックが急増しているため、ネットワークの更なる高速化を進めるサービスプロバイダでは100Gbpsサービスの導入が本格化するとともに、ネットワーク機器メーカーでは、400Gbpsネットワーク装置の開発も進展しています。また、モバイル端末からの接続性を向上させるため、有線・無線通信技術を統合活用することにより基地局ネットワークを効率的に高密度化することが進められています。これらの市場動向の変化に伴い、有線・無線技術を最適化した計測ソリューションの需要が本格化しています。さらに、クラウドサービスを支えるデータセンターの増加などを背景に、高速データ通信装置の市場が拡大するとともに、高速光通信モジュールの研究開発や製造市場が増加基調にあり競争が激しくなっています。
当社は、通信機器の研究・開発向けソリューションに加え、通信インフラの構築・監視からサービス品質保証までの総合ソリューションを提供することで、事業の拡大に取り組んでまいります。
c. エレクトロニクス市場
エレクトロニクス市場には、通信ネットワークに関連する通信機器やその他の電子機器に使用される電子デバイスの設計、生産、評価をはじめ、エレクトロニクス分野で幅広く利用されている計測器等を含めております。
当市場の需要は、通信機器や情報家電、自動車等に使用される電子部品及び電子機器の生産規模に影響を受ける傾向があります。モバイル・ブロードバンド・サービスやLPWA(Low Power Wide Area)デバイスなどを使用したIoTサービスの拡大により、多岐にわたる用途の無線モジュールの開発・製造用計測ソリューション需要が増加しております。また、周波数資源の有効利用のために各種無線システムのデジタル化が進められ、無線システムの製造及び保守用計測ソリューションの需要は堅調に推移しています。
当社は、エレクトロニクス市場に対するソリューションを拡充し、更なる事業の拡大に努めてまいります。
② PQA事業
PQA事業は、当社グループの売上収益の21%を占めています。当事業は、食品産業向けの売上収益が8割以上を占めているため、食の安全安心に関する意識の高まりや食品メーカーの業績に影響を及ぼす消費支出水準の変化に大きな影響を受けます。
主力製品には、食品製造ラインにおいて高速搬送しながら高精度に計量する重量選別機や食品中に混入する金属や石などの異物を高感度に検出し製造ラインから排除する異物検査機器(X線検査機等)などがあります。日本市場においては異物混入に対する顧客の関心に加え、人手不足による自動化ニーズの高まりを背景に、食品生産ラインの自動化、省人化を目的とした設備投資が堅調でした。
また、海外市場では、米州、欧州、中国などでグローバルに事業を展開する重要顧客の需要が堅調に推移し、当事業の海外売上比率は約4割となっています。
食品メーカーの品質検査への関心は高く、この需要に応えるために、新製品及び品質保証ソリューションの開発、提供に努めるとともに、海外現地生産を含むサプライ・チェーンの最適化とグローバルオペレーションの効率化を推進し、事業拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。
2) 財政状態
① 資産
資産合計は、138,873百万円となり、前期末に比べ8,405百万円増加しました。主に現金及び現金同等物並びに棚卸資産が増加したことによるものです。
② 負債
負債合計は、44,541百万円となり、前期末に比べ247百万円減少しました。主に社債及び借入金が減少した一方、IFRS第16号の適用に伴い、リース債務が増加したこと等によりその他の金融負債が増加しました。
③ 資本
資本合計は、94,331百万円となり、前期末に比べ8,653百万円増加しました。これは、主に利益剰余金が増加した一方、その他の資本の構成要素が減少しました。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は67.8%(前期末は65.6%)となりました。
有利子負債残高は14,594百万円(前期末は16,435百万円)、デット・エクイティ・レシオは0.15(前期末は0.19)となりました。また、リース債務を除く有利子負債残高は12,876百万円(前期末は16,248百万円)、リース債務を除くデット・エクイティ・レシオは0.14(前期末は0.19)となりました。
なお、IFRS第16号の適用に伴い、当連結会計年度からリース債務の残高が増加しています。その影響により有利子負債が増加しましたが、長期借入金を返済したため、前期末に比べ有利子負債及びデット・エクイティ・レシオが減少しました。
3) キャッシュ・フロー
当社グループは、当連結会計年度末において47,669百万円の資金を保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しています。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度の設備投資額は、4,518百万円(前年同期比85.5%増)となりました。主に新製品開発と原価低減に向けた投資を実施しました。研究開発投資については、13,321百万円(前年同期比10.9%増)となりました。主にソリューションの競争力強化に向けた投資を実施しました。これらの設備投資額及び研究開発投資は、主に自己資金によって賄われました。
翌連結会計年度においては、約5,000百万円の設備投資と約13,500百万円の研究開発投資を予定しています。設備投資額は、開発環境基盤強化を目的とした通常の投資のほか、グローバルな情報システムへの投資、気候変動対策として再生可能エネルギー設備への投資等を見込んでおります。研究開発投資については、更なる事業拡大にむけて、主力の計測事業においては、5Gにおける競争力強化、PQA事業については、グローバルビジネス展開を目的とした投資を行っていきます。これらの設備投資額及び研究開発費投資を、主に自己資金によって賄う予定です。
4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発費が主なものであり、主に営業活動によって獲得した内部資金のほか、直接調達・間接調達により十分な資金枠を確保しています。また、2020年3月に設定した借入枠75億円のコミットメントライン(2023年3月まで有効)により財務の安定性を確保しています。今後とも、大きく変動する市場環境のなかで、国内外の不測の金融情勢に備えるとともに、運転資金、長期借入債務の償還資金及び事業成長のための資金需要に迅速、柔軟に対応してまいります。
当期末の有利子負債残高は、14,594百万円(前期末の有利子負債残高は16,435百万円)となりました。また、デット・エクイティ・レシオは0.15(前期末は0.19)、ネット・デット・エクイティ・レシオは△0.35(前期末は△0.33)となっております。当期の売上収益に対する期末平均棚卸残高の回転率は5.4回となりました。
今後ともACEの改善(投下資本コストを上回る税引後営業利益の達成)とCCC向上によるキャッシュ・フロー創出及びグループ内キャッシュ・マネジメント・システム等による資金効率化を原資として、有利子負債の削減、デット・エクイティ・レシオの改善、株主資本の充実等、財務体質の強化に努めてまいります。
2020年3月期末の当社の格付(R&I:㈱格付投資情報センター)は、短期格付が「a-1」、長期格付が「A-」となっています。当社は、更なる格付向上に向けて、財務安定性の改善に引き続き取り組んでまいります。
株主還元ついては、連結当期利益の上昇に応じて、親会社所有者帰属持分配当率(DOE:Dividend On Equity)を上げることを基本に、連結配当性向30%以上の配当を行うとともに、総還元性向も勘案した株主還元施策も動機的に行っていくことを基本方針としています。
また、剰余金については、5G/IoTを活用した産業分野への事業拡大やクラウドサービス市場等への事業展開及び6Gをはじめとした次世代技術の獲得等に向けた戦略的投資(含むM&A)のための資金需要に備える計画です。このような新規事業への投資も含めて、企業価値の向上に取り組みます。
(注1)デット・エクイティ・レシオ:有利子負債/親会社の所有者に帰属する持分
(注2)ネット・デット・エクイティ・レシオ:(有利子負債-現金及び現金同等物)/親会社の所有者に帰属する持分
(注3)ACE (Anritsu Capital-cost Evaluation): 税引後営業利益-資本コスト(5%)
(注4)CCC:キャッシュ・コンバージョン・サイクル
5) 経営戦略と今後の方針について
経営戦略と今後の方針は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、予想される将来のキャッシュ・フローや、経営者の定めた会計方針に従って財務諸表に報告される数値に影響を与える項目について、経営者が見積りを行うことが要求されます。これらの見積りは過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、結果として、これらの見積りと実際の結果が異なる場合があります。
重要な会計方針及び見積りの内容は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針」に記載しています。連結財務諸表に関して、特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。
① 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産については、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。
繰延税金資産の評価は、取締役会で承認された事業計画を基礎とした将来の課税所得の見積りと、税務上実現可能と見込まれる計画に基づいており、仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
② 確定給付制度債務
当社及び一部の子会社の従業員を対象とした確定給付年金制度から生じる退職給付費用及び債務は、割引率、退職率及び死亡率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。
当社グループでは、確定給付年金制度の純額の再測定により生じる調整額をその発生時に連結純損益及びその他の包括利益計算書の「その他の包括利益」で認識し、確定給付年金制度の再測定により生じた調整の累計額を連結財政状態計算書の「利益剰余金」に計上しております。
割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有する期末日の優良社債の利回りを使用しております。割引率は測定日現在の確定給付制度債務を計算するために使用されます。
確定給付制度債務の見込額を算出する基礎となる割引率等の数理計算上の仮定に変動が生じた場合は、将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響をもたらします。

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