有価証券報告書-第75期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 13:46
【資料】
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【項目】
119項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態
① 資産
当連結会計年度末における総資産の残高は2,683億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億26百万円増加しました。流動資産は34億8百万円減少しており、主な要因は、受取手形及び売掛金の減少60億13百万円、仕掛品の増加26億24百万円であります。また、固定資産は63億34百万円増加しており、主な要因は、有形固定資産の増加93億38百万円、投資その他の資産の減少31億49百万円であります。
② 負債
当連結会計年度末における負債の残高は1,149億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億1百万円増加しました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加9億30百万円、未払金の増加9億17百万円、長期借入金の減少14億24百万円であります。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は1,533億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億25百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加147億51百万円、剰余金の配当による減少11億77百万円、その他有価証券評価差額金による減少10億57百万円、為替換算調整勘定による減少98億97百万円であります。
なお、キャッシュ・フローについては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(2)経営成績
① 経営成績の概要
当連結会計年度の連結売上高は2,403億85百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は233億70百万円(前年同期比77.7%増)、経常利益は222億63百万円(前年同期比42.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は147億51百万円(前年同期比35.1%増)となりました。
② 地域別売上高
当連結会計年度の海外売上高比率は89.6%と、前連結会計年度の85.9%に比べ3.7ポイント増加しました。連結売上高に占める地域別売上高の割合は、中国が44.9%、香港が12.4%、その他の国又は地域が32.4%となりました。
③ 電子部品の用途分野別売上高
電子部品の用途分野別売上高の構成比は、民生機器向け15%、情報機器向け15%、通信機器向け46%、自動車・産業機器向け23%、部品その他向け1%となりました。
テレビやパソコン市場などの需要低迷により、前年同期比の売上高は民生機器向けで14%減少、情報機器向けで2%減少しましたが、スマートフォン市場の拡大により、通信機器向けの売上高は前年同期比で20%増加しました。また、当社グループが注力すべき市場として重視している自動車・産業機器市場は電装化が進展し、自動車・産業機器向けの売上高は前年同期比で19%増加しました。
④ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は400億37百万円となり、前連結会計年度に比べ4億41百万円増加しました。主な要因は、従業員給与手当の増加、研究開発費の増加であります。
⑤ 営業外損益
営業外収益は為替差益、助成金収入の減少等により前連結会計年度に比べ28億13百万円減少し、9億92百万円となりました。一方、営業外費用は前連結会計年度に比べ7億93百万円増加し20億98百万円となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は前連結会計年度に比べ66百万円増加し2億6百万円となりました。一方、特別損失は投資有価証券評価損、事業構造改善費用の増加等により前連結会計年度に比べ33億7百万円増加し、41億85百万円となりました。
(3)財務政策
当社グループは、資金効率の向上を目的として、グループ資金の一元管理を行っております。関係会社の余資を集め、他の関係会社へ必要資金を供給し、不足資金は外部調達することとしております。外部からの有利子負債を最小化するためCMS(Cash Management System)を導入しております。
当連結会計年度末の外部からの資金調達は、短期借入金119億79百万円、1年内返済予定の長期借入金62億00百万円、転換社債型新株予約権付社債200億67百万円、長期借入金151億45百万円からなっております。借入金は原則として日本において固定金利で調達しております。更に、財務の安定性のため期間3年、100億円のコミットメントライン借入枠を設定しております。平成26年12月に、この100億円のコミットメントライン借入枠を更新し、有事の場合に備えておりますが、平成28年3月末現在未使用であります。
当社グループは、健全な財務状態と営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力を有しており、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。