有価証券報告書-第63期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、国内外の移動制限や不要不急の外出自粛など経済活動が大幅に制限されたことで第1四半期におきましては、景気が急速に悪化いたしました。第2四半期以降は景気回復の兆しが見られましたが、2021年1月に再度緊急事態宣言が発令され、経済活動が制限されるなど依然として厳しい状況が続いております。
海外につきましては、各国で第1四半期にロックダウンが実施されるなど、経済活動に大きな影響を及ぼしました。その後、各国政府におきまして経済対策が実施されたことや新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたこともあり、米国や中国などでは経済が回復基調にあります。しかしながら、欧州では未だ経済活動の制限が長期化しており、世界的な感染の終息には時間を要することが想定されます。
当社グループを取り巻く環境につきましては、日本国内の新設住宅着工戸数は、経済の先行き不透明感による影響もあり、前年同期から減少いたしました。一方で既存のインターホン設備等の更新に対する関心は高く、一時は感染懸念により工期の延期や営業活動の制限等が発生しておりましたが、感染予防の対策をとりつつ順次活動を再開してまいりました。海外市場におきましては、欧米の取引先にて店舗等の休業措置が実施されたことで販売活動が停滞した期間があったものの、取引先とのテレビ会議や電話会議などのオンライン営業や少人数での対面打ち合わせの実施など、現在の環境に配慮した営業活動を行ってまいりました。
当社グループは、社内外への感染拡大防止のため、テレワークや時差出勤を行うとともにオンライン会議システムを活用するなど、厳しい制約がある状況の中で、従業員とその家族の安全と健康に配慮しつつ、事業活動を継続してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、資産638億2千9百万円(前連結会計年度末比48億5百万円増)、負債115億5千9百万円(同7億1千3百万円増)、純資産522億7千万円(同40億9千2百万円増)となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高461億4千1百万円(前連結会計年度比4.9%減)、経費削減等により営業利益36億2千2百万円(同27.8%増)、経常利益36億9千3百万円(同27.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30億7百万円(同26.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(日本セグメント)
国内の住宅市場につきましては、戸建住宅におきまして、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が減少し大手ハウスメーカーの着工戸数も伸び悩んだものの、戦略的に取り組みを進めた高機能商品の販売が増加し、売上は増加いたしました。また、リニューアルでは、市場ニーズの高いワイヤレステレビドアホンシリーズの販売が好調に推移したことにより、売上は増加いたしました。この結果、戸建住宅市場全体としての売上は増加いたしました。
集合住宅につきましては、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が減少する中、賃貸マンションにおきましては新商品を中心に販売が好調に推移いたしました。しかしながら、分譲マンションへの販売が苦戦したことにより、売上は減少いたしました。一方、リニューアルでは、賃貸マンションにおきましては戦略的な営業活動により販売が好調に推移いたしました。また、分譲マンションにおきましては新型コロナウイルスへの感染懸念から工期が延期されていた案件が再開されるとともに、消防法が絡む設備更新の総合提案を進めるなどソリューション営業を強化し、積極的な受注活動を進めた結果、下半期の販売は前年同期を大幅に上回りました。しかしながら、活動制限による上半期の販売の減少幅が大きく、売上は減少いたしました。この結果、集合住宅市場全体としての売上は減少いたしました。
ケア市場につきましては、リニューアルでは、戦略的に推進してきたソリューション営業や保守サービス活動の強化による効果が見られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大により活動が厳しく制限されたことが影響し、売上は減少いたしました。一方、新築では病院の新設着工件数が減少する中、前期の積極的な受注活動が功を奏して、病院・高齢者施設への販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。この結果、ケア市場全体としての売上は微増いたしました。
業務市場につきましては、販売価格の見直しやIPネットワーク対応インターホンシステムのバリエーションの拡充による効果が見られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大により飲食店関連等への販売が減少するとともに、交通インフラ等への新たな提案活動が制限されたことにより、売上は減少いたしました。
これらの結果、売上高は418億3百万円(前連結会計年度比4.4%減)となりました。なお、営業利益につきましては、経費削減やグループ間取引価格の変更の影響等もあり26億9千8百万円(同53.2%増)となりました。
(北米セグメント)
アメリカの販売子会社であるアイホンコーポレーションにつきましては、集合住宅向けに新たに市場投入したIXGシステムの積極的な営業活動や、需要の高い小規模オフィス向けにテレビドアホンを中心とした販売促進活動を行うなど、コロナ禍におきましても新市場の開拓を進めてまいりました。しかしながら、業務市場におきましては新型コロナウイルス対策費の予算が優先され、学校案件や政府系案件の受注金額が縮小するとともに、集合住宅市場におけるリニューアル案件の停滞が影響し、売上は減少いたしました。
これらの結果、売上高は63億6千8百万円(前連結会計年度比17.5%減)となりました。また、営業利益につきましては、経費削減等もあり4億1百万円(同33.1%増)となりました。
(欧州セグメント)
フランスの販売子会社であるアイホンS.A.S.につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限措置等の規制の強化と緩和が繰り返される中、テレビドアホンの積極的なプロモーション活動等により第2四半期以降の販売は前年同期並みに回復いたしました。しかしながら、第1四半期の経済活動制限の影響が大きく、売上は減少いたしました。
イギリスの販売子会社であるアイホンUKにつきましては、第3四半期以降に新型コロナウイルスの感染が再拡大し外出制限措置が取られたことにより、集合住宅市場及び業務市場が停滞し、売上は減少いたしました。
これらの結果、売上高は34億7千1百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。また、営業利益につきましては、経費削減等もあり1億8百万円(同167.6%増)となりました。
(タイセグメント)
生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(タイランド)は、当社グループ向けに製品等を生産・出荷しておりますが、第1四半期に新型コロナウイルスの感染拡大により部品調達の一部に遅延等が発生し、製品の供給量は減少いたしました。当社グループ間で部品調整等を行うことで生産は維持いたしましたが、売上高は72億1千万円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。また、営業利益につきましては、グループ間取引価格の変更の影響等もあり2億7千1百万円(同35.6%減)となりました。
(ベトナムセグメント)
生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(ベトナム)は、当社グループ向けに製品等を生産・出荷しております。日本等で生産しておりました製品の一部を生産移管したことにより、売上高は46億1千4百万円(前連結会計年度比42.9%増)となり、営業利益は1億7千9百万円(同34.7%増)となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない販売子会社といたしまして、オーストラリアの販売子会社であるアイホンPTYにつきましては、IPネットワーク対応インターホンシステムやWi-Fi対応テレビドアホンの販売が好調に推移いたしました。また、新型コロナウイルスの影響により停滞していた集合住宅市場におけるリニューアル案件が下半期におきまして回復基調となったことなどにより、売上は微増となりました。
シンガポールの販売子会社であるアイホンPTE.につきましては、新型コロナウイルスの影響が長期化し、主力となる集合住宅向けシステム及び業務市場向けシステムの案件において工期の延期等が相次ぎ、売上は大きく減少いたしました。
これらの結果、セグメントに含まれない販売子会社におきましては、売上高は8億8千2百万円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。また、営業利益につきましては、3百万円(同89.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ10億9千4百万円増加し、179億9千8百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は31億1千5百万円(前連結会計年度比24.6%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益36億8千7百万円に加え、減価償却費9億8千1百万円の計上があったものの、法人税等の支払額9億2千5百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は12億9千6百万円(同96.7%増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出9億3千6百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は9億3千9百万円(同11.0%増)となりました。これは主に、配当金の支払額8億3千3百万円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当社グループは、主として需要見込による生産方式をとっておりますので記載を省略しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
当連結会計年度末における資産は638億2千9百万円(前連結会計年度末590億2千4百万円)となり48億5百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が19億1千7百万円増加、現金及び預金が16億7千3百万円増加、たな卸資産が16億1千7百万円増加、有価証券が3億2百万円減少したこと等によるものであります。
負債は115億5千9百万円(前連結会計年度末108億4千5百万円)となり7億1千3百万円増加いたしました。これは主に、仕入債務が10億7千1百万円増加、製品保証引当金が1億8千6百万円増加、未払費用が5億7千4百万円減少したこと等によるものであります。
純資産は522億7千万円(前連結会計年度末481億7千8百万円)となり40億9千2百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が30億7百万円増加、その他有価証券評価差額金が10億4千万円増加、為替換算調整勘定が6億7千万円増加、剰余金の配当が8億3千3百万円減少したこと等によるものであります。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、461億4千1百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (ロ)経営成績」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、209億4千2百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。主な減少要因としましては、売上高の減少によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、173億2千万円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。主な減少要因としましては、全社的な経費削減等によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、36億2千2百万円(前連結会計年度比27.8%増)となりました。主な増加要因としましては、売上高の減少に伴い売上総利益が減少したものの販売費及び一般管理費が減少したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、36億9千3百万円(前連結会計年度比27.6%増)となりました。主な増加要因としましては、営業利益が増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、30億7百万円(前連結会計年度比26.8%増)となりました。主な増加要因としましては、経常利益が増加したことによるものであります。
なお、当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としている連結売上高営業利益率は売上高が減少したものの販売費及び一般管理費も減少したことにより、7.9%(前連結会計年度比2.1ポイント増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的な成長のための積極的投資と株主への利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。運転資金需要の主なものは、製品を生産するための材料仕入、外注費等の製造費用や新商品開発のための新商品開発費及び販売費であります。また、設備資金需要の主なものは、製品を生産するための機械装置等の固定資産購入であります。なお、当社グループはこれらの資金を全額自己資金で充当しております。
また、株主還元につきましては、長期的な視点に立った安定的な配当を実施するとともに、経営基盤の強化と収益見通しを勘案しつつ積極的な配当を検討しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大により、先行不透明な状況ではありますが、当社グループにおいて入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(製品保証引当金)
製品保証引当金は、将来発生する修理費用の見積額を計上しております。修理費用の見積額は、過去の発生実績率や特定案件の合理的な見積りに基づいて計上しておりますが、実際の発生実績率または修理費用が見積りと異なる場合、製品保証引当金に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、国内外の移動制限や不要不急の外出自粛など経済活動が大幅に制限されたことで第1四半期におきましては、景気が急速に悪化いたしました。第2四半期以降は景気回復の兆しが見られましたが、2021年1月に再度緊急事態宣言が発令され、経済活動が制限されるなど依然として厳しい状況が続いております。
海外につきましては、各国で第1四半期にロックダウンが実施されるなど、経済活動に大きな影響を及ぼしました。その後、各国政府におきまして経済対策が実施されたことや新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたこともあり、米国や中国などでは経済が回復基調にあります。しかしながら、欧州では未だ経済活動の制限が長期化しており、世界的な感染の終息には時間を要することが想定されます。
当社グループを取り巻く環境につきましては、日本国内の新設住宅着工戸数は、経済の先行き不透明感による影響もあり、前年同期から減少いたしました。一方で既存のインターホン設備等の更新に対する関心は高く、一時は感染懸念により工期の延期や営業活動の制限等が発生しておりましたが、感染予防の対策をとりつつ順次活動を再開してまいりました。海外市場におきましては、欧米の取引先にて店舗等の休業措置が実施されたことで販売活動が停滞した期間があったものの、取引先とのテレビ会議や電話会議などのオンライン営業や少人数での対面打ち合わせの実施など、現在の環境に配慮した営業活動を行ってまいりました。
当社グループは、社内外への感染拡大防止のため、テレワークや時差出勤を行うとともにオンライン会議システムを活用するなど、厳しい制約がある状況の中で、従業員とその家族の安全と健康に配慮しつつ、事業活動を継続してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、資産638億2千9百万円(前連結会計年度末比48億5百万円増)、負債115億5千9百万円(同7億1千3百万円増)、純資産522億7千万円(同40億9千2百万円増)となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高461億4千1百万円(前連結会計年度比4.9%減)、経費削減等により営業利益36億2千2百万円(同27.8%増)、経常利益36億9千3百万円(同27.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30億7百万円(同26.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(日本セグメント)
国内の住宅市場につきましては、戸建住宅におきまして、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が減少し大手ハウスメーカーの着工戸数も伸び悩んだものの、戦略的に取り組みを進めた高機能商品の販売が増加し、売上は増加いたしました。また、リニューアルでは、市場ニーズの高いワイヤレステレビドアホンシリーズの販売が好調に推移したことにより、売上は増加いたしました。この結果、戸建住宅市場全体としての売上は増加いたしました。
集合住宅につきましては、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が減少する中、賃貸マンションにおきましては新商品を中心に販売が好調に推移いたしました。しかしながら、分譲マンションへの販売が苦戦したことにより、売上は減少いたしました。一方、リニューアルでは、賃貸マンションにおきましては戦略的な営業活動により販売が好調に推移いたしました。また、分譲マンションにおきましては新型コロナウイルスへの感染懸念から工期が延期されていた案件が再開されるとともに、消防法が絡む設備更新の総合提案を進めるなどソリューション営業を強化し、積極的な受注活動を進めた結果、下半期の販売は前年同期を大幅に上回りました。しかしながら、活動制限による上半期の販売の減少幅が大きく、売上は減少いたしました。この結果、集合住宅市場全体としての売上は減少いたしました。
ケア市場につきましては、リニューアルでは、戦略的に推進してきたソリューション営業や保守サービス活動の強化による効果が見られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大により活動が厳しく制限されたことが影響し、売上は減少いたしました。一方、新築では病院の新設着工件数が減少する中、前期の積極的な受注活動が功を奏して、病院・高齢者施設への販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。この結果、ケア市場全体としての売上は微増いたしました。
業務市場につきましては、販売価格の見直しやIPネットワーク対応インターホンシステムのバリエーションの拡充による効果が見られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大により飲食店関連等への販売が減少するとともに、交通インフラ等への新たな提案活動が制限されたことにより、売上は減少いたしました。
これらの結果、売上高は418億3百万円(前連結会計年度比4.4%減)となりました。なお、営業利益につきましては、経費削減やグループ間取引価格の変更の影響等もあり26億9千8百万円(同53.2%増)となりました。
(北米セグメント)
アメリカの販売子会社であるアイホンコーポレーションにつきましては、集合住宅向けに新たに市場投入したIXGシステムの積極的な営業活動や、需要の高い小規模オフィス向けにテレビドアホンを中心とした販売促進活動を行うなど、コロナ禍におきましても新市場の開拓を進めてまいりました。しかしながら、業務市場におきましては新型コロナウイルス対策費の予算が優先され、学校案件や政府系案件の受注金額が縮小するとともに、集合住宅市場におけるリニューアル案件の停滞が影響し、売上は減少いたしました。
これらの結果、売上高は63億6千8百万円(前連結会計年度比17.5%減)となりました。また、営業利益につきましては、経費削減等もあり4億1百万円(同33.1%増)となりました。
(欧州セグメント)
フランスの販売子会社であるアイホンS.A.S.につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限措置等の規制の強化と緩和が繰り返される中、テレビドアホンの積極的なプロモーション活動等により第2四半期以降の販売は前年同期並みに回復いたしました。しかしながら、第1四半期の経済活動制限の影響が大きく、売上は減少いたしました。
イギリスの販売子会社であるアイホンUKにつきましては、第3四半期以降に新型コロナウイルスの感染が再拡大し外出制限措置が取られたことにより、集合住宅市場及び業務市場が停滞し、売上は減少いたしました。
これらの結果、売上高は34億7千1百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。また、営業利益につきましては、経費削減等もあり1億8百万円(同167.6%増)となりました。
(タイセグメント)
生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(タイランド)は、当社グループ向けに製品等を生産・出荷しておりますが、第1四半期に新型コロナウイルスの感染拡大により部品調達の一部に遅延等が発生し、製品の供給量は減少いたしました。当社グループ間で部品調整等を行うことで生産は維持いたしましたが、売上高は72億1千万円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。また、営業利益につきましては、グループ間取引価格の変更の影響等もあり2億7千1百万円(同35.6%減)となりました。
(ベトナムセグメント)
生産子会社であるアイホンコミュニケーションズ(ベトナム)は、当社グループ向けに製品等を生産・出荷しております。日本等で生産しておりました製品の一部を生産移管したことにより、売上高は46億1千4百万円(前連結会計年度比42.9%増)となり、営業利益は1億7千9百万円(同34.7%増)となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない販売子会社といたしまして、オーストラリアの販売子会社であるアイホンPTYにつきましては、IPネットワーク対応インターホンシステムやWi-Fi対応テレビドアホンの販売が好調に推移いたしました。また、新型コロナウイルスの影響により停滞していた集合住宅市場におけるリニューアル案件が下半期におきまして回復基調となったことなどにより、売上は微増となりました。
シンガポールの販売子会社であるアイホンPTE.につきましては、新型コロナウイルスの影響が長期化し、主力となる集合住宅向けシステム及び業務市場向けシステムの案件において工期の延期等が相次ぎ、売上は大きく減少いたしました。
これらの結果、セグメントに含まれない販売子会社におきましては、売上高は8億8千2百万円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。また、営業利益につきましては、3百万円(同89.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ10億9千4百万円増加し、179億9千8百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は31億1千5百万円(前連結会計年度比24.6%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益36億8千7百万円に加え、減価償却費9億8千1百万円の計上があったものの、法人税等の支払額9億2千5百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は12億9千6百万円(同96.7%増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出9億3千6百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は9億3千9百万円(同11.0%増)となりました。これは主に、配当金の支払額8億3千3百万円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 30,544 | 93.5 |
| タイ | 7,065 | 88.3 |
| ベトナム | 4,594 | 139.2 |
| 合計 | 42,204 | 96.0 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当社グループは、主として需要見込による生産方式をとっておりますので記載を省略しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 35,447 | 97.4 |
| 北米 | 6,344 | 82.6 |
| 欧州 | 3,468 | 98.4 |
| その他 | 881 | 98.7 |
| 合計 | 46,141 | 95.2 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
当連結会計年度末における資産は638億2千9百万円(前連結会計年度末590億2千4百万円)となり48億5百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が19億1千7百万円増加、現金及び預金が16億7千3百万円増加、たな卸資産が16億1千7百万円増加、有価証券が3億2百万円減少したこと等によるものであります。
負債は115億5千9百万円(前連結会計年度末108億4千5百万円)となり7億1千3百万円増加いたしました。これは主に、仕入債務が10億7千1百万円増加、製品保証引当金が1億8千6百万円増加、未払費用が5億7千4百万円減少したこと等によるものであります。
純資産は522億7千万円(前連結会計年度末481億7千8百万円)となり40億9千2百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が30億7百万円増加、その他有価証券評価差額金が10億4千万円増加、為替換算調整勘定が6億7千万円増加、剰余金の配当が8億3千3百万円減少したこと等によるものであります。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、461億4千1百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (ロ)経営成績」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、209億4千2百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。主な減少要因としましては、売上高の減少によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、173億2千万円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。主な減少要因としましては、全社的な経費削減等によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、36億2千2百万円(前連結会計年度比27.8%増)となりました。主な増加要因としましては、売上高の減少に伴い売上総利益が減少したものの販売費及び一般管理費が減少したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、36億9千3百万円(前連結会計年度比27.6%増)となりました。主な増加要因としましては、営業利益が増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、30億7百万円(前連結会計年度比26.8%増)となりました。主な増加要因としましては、経常利益が増加したことによるものであります。
なお、当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としている連結売上高営業利益率は売上高が減少したものの販売費及び一般管理費も減少したことにより、7.9%(前連結会計年度比2.1ポイント増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的な成長のための積極的投資と株主への利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。運転資金需要の主なものは、製品を生産するための材料仕入、外注費等の製造費用や新商品開発のための新商品開発費及び販売費であります。また、設備資金需要の主なものは、製品を生産するための機械装置等の固定資産購入であります。なお、当社グループはこれらの資金を全額自己資金で充当しております。
また、株主還元につきましては、長期的な視点に立った安定的な配当を実施するとともに、経営基盤の強化と収益見通しを勘案しつつ積極的な配当を検討しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大により、先行不透明な状況ではありますが、当社グループにおいて入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(製品保証引当金)
製品保証引当金は、将来発生する修理費用の見積額を計上しております。修理費用の見積額は、過去の発生実績率や特定案件の合理的な見積りに基づいて計上しておりますが、実際の発生実績率または修理費用が見積りと異なる場合、製品保証引当金に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。