有価証券報告書-第57期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 15:25
【資料】
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【項目】
121項目

研究開発活動

ロームグループは、「エレクトロニクスで社会に貢献する」ことを基本理念に、あらゆる開発業務を通じて社会に役立つ製品作りを進めております。さらに次世代を見据えた新技術開発においても、材料、設計技術、製造技術、品質向上にいたるまで調和の取れた研究開発活動を継続的に進展させております。
当連結会計年度におけるセグメント別の主な成果は下記のとおりであります。
(1)「LSI」における製品開発
・低消費電力でありながら高速処理が可能な汎用16bitローパワーマイコンシリーズ「ML620500シリーズ」を開発。
・自動車のアイドリングストップや産業機器のエネルギー回生、瞬低(瞬時電圧低下)対策などに採用されるEDLC(電気二重層キャパシタ)の安定化・長寿命化、小型化に貢献するセルバランスIC「BD14000EFV-C」を開発。
・世界で初めて、電力線搬送通信(PLC)規格の「HD-PLC」inside規格に準拠するベースバンドIC「BU82204MWV」を開発。
・自動車のボディ・パワートレイン系マイコンの電源に最適なLDO(※1)「BD4xxMxシリーズ」16機種を開発。
・世界で初めて、SiC-MOSFET駆動用AC/DCコンバータ制御IC「BD7682FJ-LB」を開発。
・業界最高クラスの高度検出精度(±20cm)と温度特性を実現する超小型気圧センサ「BM1383GLV」を開発。
・業界最高の赤外線除去特性を実現し、筺体のデザイン性向上に貢献するカラー(色)センサ「BH1745NUC」を開発。
※1.LDO(Low Drop Out)
入力と出力の電圧差が少なくても動作する電源ICで、電力変換のロスが少ない。
(2)「半導体素子」における製品開発
・各種電子回路の定電圧用途や保護用途として使用されるツェナーダイオード(※2)シリーズに、新たに高電圧タイプ「UDZLVシリーズ」をラインアップ。
※2.ツェナーダイオード
一時的に規定外の大きな電流が回路に流れた場合に電子機器が壊れるのを防いだり、供給される電圧を一定に保つために使用されるダイオード。
(3)「モジュール」における製品開発
・業界初の「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」対応の汎用無線通信モジュール「BP35A1」を開発。
・Wi-SUN対応無線通信モジュール「BP35A1」をベースにしたUSB端子接続タイプの無線通信モジュール「WSR35A1-00」をJorjin Technologies Inc.(本社:台北市)と共同で開発。
(4)「その他」における製品開発
・0603サイズ(0.6mm×0.3mm)の厚膜タイプとしては業界最高クラスの低抵抗100mΩを実現した電流検出用チップ抵抗器「UCR006」を開発。
(5)将来に向けての研究開発
・業界初、薄膜圧電(ピエゾ)素子を用いたMEMS(※3)ファウンドリビジネスを開始。
※3.MEMS
Micro Electro Mechanical Systems(微小電気機械システム)の略称で、機械要素部品、センサやアクチュエータ(駆動部)等を一つの基板上に集積化したデバイス。
・神戸大学大学院システム情報学研究科情報科学専攻の吉本雅彦教授と共同で、NEDO(※4)のプロジェクトである「ノーマリーオフコンピューティング基盤技術開発」において、次世代のウェアラブル生体センサに最適な世界最小となる超低消費電力技術を開発。
※4.NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organizationの略)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のことで、日本最大級の公的研究開発マネジメント機関として、経済産業行政の一翼を担い、エネルギー・環境問題の解決及び産業技術力の強化の二つのミッションに取り組んでいる。
当連結会計年度のセグメント別の研究開発費は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)
LSI28,352
半導体素子7,905
モジュール2,309
報告セグメント計38,567
その他1,428
合計39,996