有価証券報告書-第41期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 13:02
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180項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、関税等の貿易摩擦の拡大といった逆風はありましたが、人工知能(AI)を含むテクノロジー関連の投資の急増、財政・金融政策による支援、緩和的な金融環境に支えられ、概ね安定的に推移しました。わが国経済は、雇用・所得環境の改善が進み、日中関係の緊張化はありましたが訪日外国人消費も伸長し、企業側では事業拡大や人手不足解消に向けたAI活用を含むIT投資が活発化するなど、総じて緩やかな回復を見せました。一方で、AI関連の投資急増に起因する半導体等の価格高騰、また米ドル建て仕入取引が多い当社のような企業にとって円安の継続とインフレ進行が引き続き懸念材料となるなど、先行き不透明な状況が続いております。加えて、2026年2月末に中東で勃発した紛争で、エネルギー供給を中心にサプライチェーンの混乱、インフレ率の上昇、金融政策を含む金融市場への影響が、日本を含む各国で懸念されております。
このような環境の中、エレコムグループは、より良き製品・サービス・ソリューション、より良き社会、より良き会社を追求しつづけ、パーパス「Better being」を引き続き実践しております。2027年3月までの中期経営計画で掲げるあるべき姿、“お客様に愛される日本発・唯一無二のグローバルブランド”を創るため、市場の変化を捉えて俊敏に対応し、お客様満足度を高める商品・サービスによる新たな価値創造と、持続可能な成長を実現するための人材育成と強い事業基盤構築を重点戦略とし、長期的・持続的成長と企業価値向上を実現するための取り組みを進めてまいりました。
特にM&Aでは、2025年11月25日に、日本アンテナ株式会社(以下「日本アンテナ」)を当社との株式交換によりグループ会社化しました。日本アンテナは、官需向けのデジタル無線アンテナを含め、放送系と通信系の多様な顧客基盤や、放送・通信の領域で一貫して築き上げた放送用アンテナ及び通信技術・施工技術、質の高い充実した試験設備等を有しております。エレコムグループと日本アンテナは経営統合を進めており、調達・開発・製造・販売等に係るエレコムグループの事業基盤の積極活用やリソースの投入を行い、エレコムグループ既存事業と相互の知見を活かした連携を深めていくことで、更なる成長と企業価値向上を目指しております。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は132,132百万円(前連結会計年度比12.0%増)、売上総利益は52,359百万円(前連結会計年度比13.4%増)、営業利益は15,524百万円(前連結会計年度比14.7%増)、経常利益は16,605百万円(前連結会計年度比25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,191百万円(前連結会計年度比117.1%増)となりました。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも過去最高益[注]を更新しております。([注]営業利益は「収益認識に関する会計基準」遡及適用後ベース)
売上高は、利益重視の販売活動を進めてきた周辺機器のストレージ・メモリ製品で減収となりましたが、一方で、堅調な需要にも支えられ、戦略的に新商品を投入してきたパワーサプライ(モバイルバッテリー、AC充電器、電源タップ)やドッキングステーションの販売が拡大しました。また、法人向け事業では、次世代GIGAスクール構想等の政策需要やWindows10サポート終了に伴う企業側でのパソコン更新需要の高まりに伴い、キーボードや関連商品が伸長し、注力領域では保守サービスをセットにした堅牢タブレットの受注が拡大しました。加えて、M&Aによる日本アンテナの新規連結効果により、売上高全体は増収となりました。
売上総利益は、海外から商品を米ドルで仕入れる当社にとって、ドル建取引の為替予約を含めた円換算額が前連結会計年度より増加し、原価上昇要因となりましたが、増収効果に加え、前年度以前から継続して取り組んでいる付加価値の高い新商品の投入、価格改定、コストダウン、一部商品の在庫適正化といった利益重視の取り組みの成果により、増益となりました。結果として、売上総利益率も改善しました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の増加はありましたが、売上総利益の良化が上回り、増益となり、営業利益率も改善しました。販売費及び一般管理費の主な増加要因として、販売が大きく伸長しているEC販路の販売促進活動や、企業ブランディングのための広告宣伝の強化に伴い販売費が増加し、またM&A関連費用の増加等により管理費が増えたことに加え、日本アンテナの新規連結により人件費や管理費が増加しました。
経常利益は、営業利益の増益と為替差損益の改善等により増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、上記に加え、負ののれん発生益、税効果会計適用後の法人税等の負担率の低下などにより、増益となりました。
品目別の概況は、次のとおりであります。なお、当社グループは、パソコン・デジタル機器・家電関連製品の開発・製造・販売及び関連サービスの提供を事業とする単一セグメントであるため、商品・サービス区分である品目別で概況を記載しております。
(パワー&I/Oデバイス関連)
政策需要(次世代GIGAスクール構想等)を受けキーボードが大きく伸長し、また新商品投入に加え、Windows10サポート終了に伴うパソコン更新需要の高まりもあり、電源タップ、ドッキングステーション等の販売が拡大しました。マウスや需要が堅調なモバイルバッテリー・AC充電器も、新商品投入により増収を継続しております。
これらの結果、パワー&I/Oデバイス関連に係る当連結会計年度の売上高は、42,996百万円(前連結会計年度比7.8%増)となりました。
(家電)
テスコムブランドのヘアドライヤーで、競合からのシェア獲得には苦戦したものの、より高価格帯製品の国内販売に注力し、理美容家電が増収となりました。加えて、新規開発の電動エアダスターなど、ホームアクセサリの販売も拡大しました。
これらの結果、家電に係る当連結会計年度の売上高は、13,471百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。
(BtoBソリューション)
当社が注力するカテゴリーでは、セキュリティ関連事業が受注に苦戦しましたが、保守サービスをセットにした堅牢タブレットの受注が伸長し、また、企業のデータ管理需要の拡大に伴ってNAS(Network Attached Storage)も増収となりました。前年度に投資需要減速で苦戦していたグループ会社の産業機器向けメモリや、新築着工件数の低迷等の影響が見られた受信関連機器及び関連工事でも、それぞれ需要拡大や受注活動強化により、業績が回復基調となりました。加えて、日本アンテナの6か月の業績を取り込む新規連結効果により、販売が大きく伸長しました。
これらの結果、BtoBソリューションに係る当連結会計年度の売上高は、42,909百万円(前連結会計年度比29.6%増)となりました。
(周辺機器・アクセサリ)
周辺機器では、売上高は、ネットワーク機器で新製品投入等により販売が拡大しましたが、ストレージ・メモリ製品で利益重視の販売方針に注力したため、微減となりました。一方で利益は、ストレージ・メモリ製品が下期に入り原価高騰の影響を大きく受けましたが、前年度に在庫適正化を進めたネットワーク機器の貢献などにより、改善しております。アクセサリでは、プリンタ関連での苦戦はありましたが、iPhone新機種発売に伴うスマートフォン関連の拡販や、タブレット関連の新商品投入や法人需要拡大により、増収となりました。
これらの結果、周辺機器・アクセサリに係る当連結会計年度の売上高は、31,291百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、以下の増加要因により前連結会計年度末に比べ30,465百万円増加し、145,205百万円となりました。
・現金及び預金:M&A(日本アンテナの子会社化)、及び配当の支払を上回るフリー・キャッシュフローの創出により増加しました。
・受取手形及び売掛金:M&A、及び販売拡大により増加しました。
・商品及び製品:M&A、一部商品(ストレージ・メモリ製品)の価格高騰、需要動向を踏まえた仕入れ、及びドル建取引の為替予約を含めた円換算額の上昇により増加しました。
・有形固定資産:M&A、物流センター投資により増加しました。
負債は4,974百万円増加し、37,022百万円となりました。これは主に、M&A及び仕入債務の増加によるものです。
純資産は25,490百万円増加し、108,183百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加及び株式交換による株主資本の増加(資本剰余金の増加と自己株式の減少)によるものです。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の71.9%から微増の74.4%となり、引き続き強固な財務基盤が維持されています。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は58,497百万円を保有しており、高い手元流動性を確保しております。地政学リスクの高まり等が見られる不透明な事業環境下において、事業の継続性を第一義とし、引き続きM&Aなど当社の成長に繋がる投資を行ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は、営業活動の結果増加した資金が9,877百万円、投資活動の結果減少した資金が3,076百万円、財務活動の結果減少した資金が3,794百万円、株式交換に伴って増加した現金及び現金同等物が10,534百万円となったこと等により、前連結会計年度末に比べ14,778百万円増加し58,497百万円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は9,877百万円(前連結会計年度は17,354百万円の資金の増加)となりました。主な要因は、負ののれん発生益7,648百万円、法人税等の支払額3,650百万円、棚卸資産の増加額2,510百万円、未払金の減少額2,404百万円、売上債権の増加額1,283百万円といった資金減少項目があった一方で、税金等調整前当期純利益24,742百万円、減価償却費3,308百万円といった資金増加項目があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は3,076百万円(前連結会計年度は4,419百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入1,689百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出4,442百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は3,794百万円(前連結会計年度は10,642百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払額3,818百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目の名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比増減率(%)
パワー&I/Oデバイス関連 (百万円)980△7.5
家電 (百万円)1,24481.6
BtoBソリューション (百万円)11,22253.0
周辺機器・アクセサリ (百万円)4,660△1.4
その他 (百万円)55650.7
合 計 (百万円)18,16331.5

b.製品・商品仕入実績
当連結会計年度の製品・商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目の名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比増減率(%)
パワー&I/Oデバイス関連 (百万円)22,01910.0
家電 (百万円)5,77717.9
BtoBソリューション (百万円)19,33946.0
周辺機器・アクセサリ (百万円)18,226△1.7
その他 (百万円)309△31.1
合 計 (百万円)65,67214.9

c.受注実績
当社グループは、見込生産・仕入を主体としており、総販売高に占める受注生産・仕入の割合は極めて僅少のため、受注実績の記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目の名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比増減率(%)
パワー&I/0デバイス関連 (百万円)42,9967.8
家電 (百万円)13,4712.8
BtoBソリューション (百万円)42,90929.6
周辺機器・アクセサリ (百万円)31,2910.2
その他 (百万円)1,463119.2
合 計 (百万円)132,13212.0

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
アマゾンジャパン(同)12,88210.915,11911.4

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び検討内容
当社グループはパソコン・デジタル機器・家電関連製品及び関連サービスを事業領域としておりますが、これら製品・サービスに関わる分野は技術革新の進歩が早く、商品サイクルが非常に短い傾向にあります。また、競合他社との競争環境も厳しく、原材料価格の高騰等により仕入価格が上昇した場合であっても、販売価格に転嫁することが困難となる可能性があります。当社グループは継続的な新製品開発と調達コストの削減に取組んでおりますが、関連分野製品の新製品開発の遅れ、為替相場の変動、原油価格や原材料価格の動向等による売上原価の上昇が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、半導体等の需給逼迫による価格上昇、中東等の地政学リスクの高まりによるサプライチェーンの混乱、インフレの再燃・加速、金融政策の引き締めによる急激な金利や為替等の変動、及び金融市場の急変を介した世界経済の混乱・減速といったリスクや懸念もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、パーパス「Better being」を根底として、中期経営計画の重点戦略である、お客様満足度を高める商品・サービスによる新たな価値創造と、持続可能な成長を実現するための人材育成と強い事業基盤構築の取り組みを推進し、長期的・持続的成長を実現してまいります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(棚卸資産評価損)
棚卸資産評価損については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(返金負債に含まれる売上値引見込相当額)
主要な販売先である家電量販店や代理店に対して支払うリベートや値引等について、期末時点において支払が確定していないものについて、顧客に返金すると見込んでいる対価を収益から控除して返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績に基づく最頻値法を用いております。
③経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12.0%増の132,132百万円となりました。これは主に「パワー&I/Oデバイス関連」の販売が増加し、加えてM&Aの新規連結効果などで「BtoBソリューション」の販売が大きく伸長したことによるものです。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比11.1%増の79,773百万円となりました。これは主に売上高の増加によりますが、前年度以前から継続して取り組んでいる付加価値の高い新商品の投入、価格改定、コストダウン、一部商品の在庫適正化といった利益重視の取り組みにより、売上原価率は改善しております。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比12.8%増の36,834百万円となりました。これは主に、販売が大きく伸長しているEC販路の販売促進活動や、企業ブランディングのための広告宣伝の強化に伴い販売費が増加したこと、またM&A関連費用の増加等により管理費が増えたことに加え、日本アンテナの新規連結により人件費や管理費が増加したことによるものです。
(営業外収益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比29.1%増の1,117百万円となりました。これは主に為替差益を323百万円計上したことによるものです。
(営業外費用)
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度比97.0%減の36百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に計上していた為替差損1,119百万円が、当連結会計年度は発生しなかったことによるものです。
(特別利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度の23百万円から8,499百万円増加し、8,522百万円となりました。これは主に、有形固定資産売却益の709百万円増加や、負ののれん発生益7,648百万円を計上したことによるものです。
(特別損失)
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度比55.4%増の385百万円となりました。これは主に、事業構造改善費用171百万円を計上したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
前述の結果、及び負ののれん発生益の計上等による税効果会計適用後の法人税等の負担率低下などにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比117.1%増の20,191百万円となりました。
④ 財政状態の分析
財政状態の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」に記載のとおりです。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金の主なものはパソコン・デジタル機器・家電関連製品に関わる仕入代金及び販売費及び一般管理費があります。また、設備投資需要としては新製品の金型投資や情報処理のための無形固定資産投資等があります。
当社グループはそれらの資金需要に対応するため、内部留保を蓄積することで流動性を確保することとしております。また、重要な資本的支出やM&A等により多額の資金需要が生じた場合の財源としては、金融機関からの借入や新株及び社債の発行等により資金の調達を行うこととしております。

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