有価証券報告書-第197期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 14:19
【資料】
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【項目】
173項目

事業等のリスク

当社グループでは、事業活動に与えるリスクを、中長期に亘り経営戦略に影響を及ぼすリスク、短期的な業績に影響を与えるリスク、大規模な受注・投資案件に関するリスクに分類し、リスクマネジメント体制の整備・拡充を図っています。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある重要な事項は下記のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 新型コロナウイルス感染症拡大に係るもの
現在感染が拡大している新型コロナウイルスは、未だその収束時期を見通すことはおろか、現時点ではその影響も正確に把握することが困難です。このような状況の下、事業活動を継続するため、情報収集やサプライチェーンの維持等様々な施策を講じているところです。しかしながら、想定以上に新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、世界経済の更なる悪化を招く場合や、コロナ後の社会構造が一変し事業環境が大きく変化する場合等、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。かかる状況下ではありますが、市場回復局面における事業挽回の機会にも備えつつ、感染拡大防止等の社会課題の解決にも取り組んでいきます。なお、新型コロナウイルスの事業に与えるセグメント別の影響は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況 ② セグメント別業績の概要」を、具体的な対応策に関しては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の[経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題]をご参照下さい。
(2) 為替レートの変動に係るもの
当社グループの連結売上高に占める海外向け売上高は、航空宇宙システム事業やモーターサイクル&エンジン事業を中心に約60%あり、米ドル、ユーロ等の外貨建取引が多く存在します。為替変動による影響は費用より収益が大きくなっているため、急激な円高外貨安は当社グループの業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。海外調達・海外生産拡大により外貨建コストの比率を高める、顧客先との契約代価に占める円建契約の比率を高める等、為替変動リスクの軽減に努めるとともに、為替動向を考慮しながら、各事業の特性に応じて計画的に為替予約等のヘッジを行っています。
(3) 個別プロジェクトリスクに係るもの
当社グループの連結売上高の約60%は、アフターサービスを含む個別受注生産品が占めています。これまでも個別プロジェクトリスク管理を徹底してきましたが、政治・経済情勢の変動等による資材費や労務費の高騰、設計変更や工程の混乱による費用増等、当初見積り以上にコストが膨らみ、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
大規模プロジェクトにおいては、受注前のリスク検知が重要課題であると認識し、リスクの洗い出しを目的とした見識者による受注前審査の充実、初品要素の多い案件に係る技術リスクの重点確認等、事前のリスクチェック機能を強化してきました。 また、プロジェクトリスク管理委員会において、主要プロジェクトの進捗状況を定期的にモニタリングする等、履行中における変化点の管理強化等も進めてきました。今後は、従来の事前のリスクチェックに加え、これまでのプロジェクトの失敗事例などから得た教訓を活かし受注や投資における規律を整備するとともに、リスク総量の統制を図る等、プロジェクトリスク管理を強化していきます。