有価証券報告書-第118期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/23 15:10
【資料】
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【項目】
127項目
30.契約上のコミットメントおよび偶発債務
(1)契約上のコミットメント
2021年3月31日および2022年3月31日現在の有形固定資産およびその他の資産ならびにサービスの購入に係る契約上のコミットメントは、それぞれ359,214百万円および349,143百万円です。
(2)保証債務
トヨタは、トヨタの製品販売にあたり、販売店と顧客が締結した割賦契約について、販売店の要請に応じ顧客の割賦債務の支払いに関し保証を行っています。保証期間は2022年3月31日現在において1ヶ月から8年に亘っており、これは割賦債務の弁済期間と一致するよう設定されていますが、一般的に、製品の利用可能期間よりも短い期間となっています。顧客が必要な支払いを行わない場合には、トヨタに保証債務を履行する責任が発生します。
将来の潜在的保証支払額は、2021年3月31日および2022年3月31日現在、最大でそれぞれ3,710,352百万円および3,641,978百万円です。トヨタは、保証債務の履行による損失の発生に備え未払費用を計上しており、2021年3月31日および2022年3月31日現在の残高は、それぞれ18,493百万円および21,869百万円です。保証債務を履行した場合、トヨタは、保証の対象となった主たる債務を負っている顧客から保証支払額を回収する権利を有します。
(3)リコール等の市場処理、損害賠償および訴訟等
トヨタと他の自動車メーカーは、タカタ製エアバッグ問題に関し、メキシコ、カナダ、オーストラリア、イスラエルおよびブラジルの集団訴訟で名前を挙げられていました。メキシコ、イスラエル、ブラジルの集団訴訟は係属中です。オーストラリアの集団訴訟は解決手続き中です。
トヨタは、オーストラリアにおいて、特定の車両モデルの排ガス浄化フィルターに欠陥があるとの主張に基づく経済的損失に関する集団訴訟で被告として名前を挙げられています。2022年4月7日に、一審において特定の車両モデルに関する車両価値毀損等の敗訴判決を受けました。トヨタは今回の判決を不服として控訴しました。なお、車両価値毀損以外の経済的損失については引き続き一審で係争中です。トヨタは、本件の結果として連結財務諸表に計上すべき引当金を算定する際に、当訴訟の法的および事実上の状況、一審の判決内容、弁護士の見解等のさまざまな要素を考慮しています。当訴訟に関わる発生可能性の高い経済的便益の流出の見積りは、トヨタの連結の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローにとって重要ではありません。但し、現時点で、最終的な結果とそれに伴う金銭的負担を確実に予測することはできません。
以前に開示したとおり、トヨタは、排ガス不具合情報の報告要請における手続上の齟齬を解消すべく行った自主届出に起因する調査案件を解決するための同意判決について、2021年1月14日に、米国環境保護局、司法省およびニューヨーク州南部地区連邦検事局民事部と合意しました。当該同意判決に従い、トヨタは、1.8億米ドルの支払いに同意し、これを支払い、また一定の追加的、定期的な報告要件の遵守に同意しています。当該同意判決は、2021年4月2日に、米国ニューヨーク州南部地区裁判所によって承認されました。
2020年4月、トヨタは、タイ子会社に関する贈賄禁止違反の可能性について米国証券取引委員会および司法省に報告し、調査に協力しています。本件に関する調査の結果、民事罰、刑事罰、罰金、その他の制裁を課せられ、または訴訟を提起される可能性があります。現時点で、本件の範囲、期間、結果を予測することはできません。
この他にも、トヨタに対して、知的財産訴訟や、米国における人身傷害や死亡に関わる訴訟および請求を含む、様々な訴訟や請求があり、また、トヨタは行政調査の対象となる場合もあります。
トヨタは、上述の訴訟等に関して見積計上した金額以上の合理的な可能性がある損失の範囲を現時点で予測することはできません。その理由は以下のとおりです。(1)多くの訴訟手続が証拠収集の段階にあること、(2)関連する多くの事実関係が確定される必要があること、(3)申し立ての法的根拠および性質が不明であること、(4)申し立てや上訴に対する今後の裁判所の判断が不明であること、(5)同種の他の案件の結果が様々で、意味ある指針となるような十分な類似性を見出せないことによります。そのため、解決のため協議をおこなっているこれらの訴訟および調査等の結果により、見積計上した金額以上の損失が生じた場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の大部分の従業員は労働協約のもとで勤務していますが、現行の協約の有効期限は2023年12月31日に終了する予定です。