有価証券報告書-第89期(2023/01/01-2023/12/31)
(4) 【役員の報酬等】
① 各役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1 上記「基本報酬」の額は、2023年度に支払った報酬等の合計額(全額金銭報酬)です。
2 期中で退任した監査役1名を含んでいます。
3 上記『全社業績連動賞与』及び『個人業績連動賞与』の額は、2023年度の業績等の結果を踏まえて、2024年4月に支給する見込みの額(全額金銭報酬)です。なお、上記のほか、2022年度の業績等の結果を踏まえて、2023年4月に取締役(社外取締役を除く)に対して個人業績連動賞与として22百万円を支給しています。
4 株式報酬に関しましては、当社は、社外取締役を除く取締役及び執行役員(外国人執行役員を除く。)に対する株式報酬として、従来、業績条件のない譲渡制限付株式報酬制度(以下「旧制度」といいます。)に基づき、当社役員としての地位を退任するまで譲渡しないこと等を条件に、当社普通株式(譲渡制限付株式)を交付していましたが、2022年3月23日開催の第87期定時株主総会の決議に基づき、旧制度に替えて、当社のTSR(株主総利回り)評価に連動して譲渡制限付株式の交付数を定める業績連動型株式報酬制度を導入しました。また、上記「業績連動型株式報酬」の額は、下記③及び下記⑥(c)に記載の方針及び算定方法に従い、2023年度のTSR評価等の結果を踏まえて、2024年4月以降に支給する見込みの額(全額、当社の普通株式について発行又は処分を受けるために現物出資財産として払い込まれる金銭報酬債権)です。なお、2022年度に係る事業報告において開示した2023年4月以降に支給する見込みの額は154百万円でしたが、2023年4月に支給した額は161百万円となりました。
5 株主総会でご承認いただいた取締役及び監査役の報酬等の上限金額等は以下のとおりです。取締役及び監査役の基本報酬並びに取締役の業績連動型株式報酬については、2022年3月23日開催の第87期定時株主総会にて決議しており、当該株主総会終結時点の取締役の員数は10名(うち社外取締役5名)、監査役の員数は4名(うち社外監査役2名)です(なお、当社は、2024年1月1日を効力発生日として当社普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っているため、以下の業績連動型株式報酬の上限株式数は当該株式分割による調整後の数を記載しています。)。取締役の業績連動賞与については、2019年3月27日開催の第84期定時株主総会にて決議しており、当該株主総会終結時点の取締役の員数は11名(うち社外取締役4名)です。なお、業績連動賞与及び業績連動型株式報酬は、社外取締役を除く取締役のみを対象として決議しています。
② 業績連動賞与の算定方法と評価結果
[全社業績連動賞与]
取締役に対する全社業績連動賞与は、株主との利益共有の視点及び高い事業収益力を継続的に保持する視点から、親会社株主に帰属する当期純利益の一定割合(0.14%)に連結総資産営業利益率(ROA)評価係数(0~2.0の範囲内で決定)を乗じた額を総原資として、役職ごとに予め定めた係数に応じて各取締役に配分しています。
全社業績連動賞与原資 =(親会社株主に帰属する当期純利益 × 0.14%)× ROA評価係数
個人別支給額 = 全社業績連動賞与原資 × 役職別係数
当事業年度では、ROAの3年平均値は11.3%となりました。但し、新型コロナウイルス感染症の影響に対応するため緊急的に積み増した長期借入金は、計算から除外しています。ROA評価係数は、良好な事業環境の継続を受け3年連続の最高益であり、総合的な経営業績の評価を行い、役員報酬規程どおりの1.75としました。全社業績連動賞与の総原資額は、役員報酬規程により、親会社株主に帰属する当期純利益が1,500億円を超える場合は1,500億円として算出するため、取締役に対する全社業績連動賞与の総原資額は、親会社株主に帰属する当期純利益1,500億円×0.14%×ROA評価係数1.75=367百万円となり、これを各取締役に配分する予定です。
なお、取締役を兼務しない執行役員についても同様の算定方法(親会社株主に帰属する当期純利益×0.09%×ROA評価係数)により総原資を決定し、役職ごとに定める係数に応じて各執行役員に配分する予定です。
[個人業績連動賞与]
個人業績連動賞与は、代表取締役を除く取締役を対象として、役職ごとに定める基準額に財務評価・非財務評価係数(0~2.0の範囲内で決定)を乗じて算定します。財務評価は担当事業の継続的な成長と収益力の向上を目的として、売上高、営業利益、ROA等の予算達成度や前期比で評価しています。非財務評価は長期視点での経営を促進することを目的として、中期経営計画における取組みの進捗度や役員後継者・経営幹部候補の育成状況、その他企業価値・ブランド価値への寄与度等を評価しています。
個人業績賞与支給額 = 役職別基準額 ×(財務評価 × 50% + 非財務評価 × 50%)
当事業年度では、これらの財務・非財務評価指標の結果を考慮して、取締役ごとに総合評価を行った結果、基準額に対して100%~150%の支給率となりました。
なお、取締役を兼務しない執行役員についても同様の算定方法(役職別基準額×財務・非財務評価係数)により支給額を決定しており、支給率は2024年3月以降に決定する予定です。
③ 業績連動型株式報酬の算定方法と評価結果
社外取締役を除く取締役(以下、本項において「対象取締役」といいます。)に対する業績連動型株式報酬は、配当込みTOPIX(東証株価指数)成長率をベンチマークとした当社のTSR(株主総利回り)評価に連動して交付数を定め、譲渡制限付株式を交付することとしています。
業績連動型株式報酬制度においては、原則として、対象取締役に対する金銭報酬債権を付与することを決定する取締役会(以下「付与取締役会」といいます。)の開催日の属する事業年度の前事業年度(以下「役務提供期間」といいます。)を最終事業年度とする過去3事業年度(以下「TSR評価期間」といいます。)を評価期間とし(※)、TSR評価期間における当社のTSR(株主総利回り)評価に応じた数の当社の普通株式の発行又は処分のための金銭報酬債権を支給し、対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払い込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとしています。その具体的な算定方法は以下のとおりです。
(※)業績連動型株式報酬制度の導入に伴う移行措置として、2022年度を役務提供期間とするTSR評価期間は1事業年度(2022年度)のみとし、2023年度を役務提供期間とするTSR評価期間は2事業年度(2022年度及び2023年度)のみとします。
(a)支給する金銭報酬債権の額の算定方法
各対象取締役に対して支給する金銭報酬債権の額は、業績連動型株式報酬制度に基づき各対象取締役に対して最終的に交付する株式数(以下「個人別交付株式数」といいます。)に、付与取締役会の日の前営業日における東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値(同日に取引が成立していない場合には、それに先立つ直近取引日の終値。)を基礎として当社株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲内において付与取締役会が定める1株当たりの払込金額(以下「交付時株価」といいます。)を乗じることにより算出されます。
対象取締役に支給する金銭報酬債権の額 = 個人別交付株式数(下記(b))× 交付時株価
(b)個人別交付株式数の算定方法
個人別交付株式数は、TSR評価期間における当社のTSR(株主総利回り)評価を踏まえて算出された係数(以下「TSR評価係数」といいます。)を、交付する株式の数の基準として予め役職ごとに定められた株式数(TSR評価係数が100%となる場合に交付する譲渡制限付株式の数。以下「役職別基準交付数」といいます。)に乗ずることにより算出されます。
個人別交付株式数 = 役職別基準交付数(下記(ⅰ))× TSR評価係数(下記(ⅱ))
(ⅰ)役職別基準交付数
役職別基準交付数は、業績連動型株式報酬に係る役職別の1年当たりの基準額(以下「役職別基準額」といいます。)を、役務提供期間の直前の月における1ヶ月間の当社株式の普通取引の終値の平均(以下「基準株価」といいます。)で除することによって算出されます。役職別基準交付数及び役職別基準額は、役務提供期間の期初に、役員人事委員会の答申を経て、取締役会で決定します。
役職別基準交付数 = 役職別基準額 ÷ 基準株価
(ⅱ)TSR評価係数
TSR評価係数は、以下の算定式による配当込みTOPIX(東証株価指数)成長率をベンチマークとした当社のTSR(株主総利回り)評価に基づいて、0%から150%の範囲内で算出します。
TSR評価係数 = 当社TSR ÷ 配当込みTOPIX成長率
当事業年度では、前記のとおり、業績連動型株式報酬制度を前事業年度から導入したことに伴う移行措置として、当事業年度を役務提供期間とするTSR評価期間は2事業年度(2022年度及び2023年度)であるところ、当社TSRは142.6%、配当込みTOPIX成長率は125.1%となり、その結果、TSR評価係数は114%となる見込みです。
④ 2023年度報酬の妥当性・相当性
当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (b)現状の体制と概要 ・役員人事委員会」に記載のとおり、独立社外取締役を中心とした役員人事委員会において、審議に必要な客観的・専門的な情報を踏まえ、決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っているため、取締役会は、その内容が当該決定方針に沿うものであり、妥当と判断しています。
なお、事業環境が大きく変化するなか、マテリアリティ(重要な社会課題)解決への当社らしい取り組みを強く推進し、企業価値・ブランド価値の持続的な創造を実現するため、2022年からの中期経営計画の開始とあわせて、業績連動報酬を拡大し、マテリアリティやTSR(株主総利回り)に係る評価を導入しています。
⑤ 役員報酬等の決定に関する方針の決定方法
当社取締役・監査役及び執行役員の個人別の報酬等の決定方針は、取締役会の指名・報酬に関する任意の諮問機関である役員人事委員会(社外取締役が過半数となる構成)の審議・答申を踏まえて、取締役会において決定しています。役員人事委員会の審議においては、経営環境の変化や株主・投資家の皆様からのご意見等を踏まえるとともに、グローバルに豊富な経験・知見を有する第三者機関(ウイリス・タワーズワトソン社)より審議に必要な情報等を得ています。
⑥ 役員報酬等の決定に関する方針
(a)基本方針
・経営理念・行動指針に則した職務の遂行を最大限に促すものとする。
・長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画等の目標達成を強く動機付けるものとする。
・企業価値の持続的成長に向けたインセンティブとして機能させるもので、株主の皆様と経営者の利益を共有するものとする。
・経営者の役割・職責にふさわしい、多様で優秀な人材を確保・維持できる報酬水準とする。
・マテリアリティ(重要な社会課題)解決への当社らしい取り組みを最大限に促すものとする。
(b)報酬構成・報酬水準
取締役等(取締役を兼務しない執行役員を含む)の報酬は、「基本報酬(月額固定報酬)」、「業績連動賞与」、「業績連動型株式報酬」により構成されています。構成割合は、代表取締役社長は図表1を基準値として設定しており、また、その他の役員も代表取締役社長に準じて職位ごとに報酬構成比率(基準値)を設定しており、基本報酬の割合は60%を上限としています。
社外取締役及び監査役については、独立かつ客観的な立場から当社の経営を監督・監査するという役割に鑑みて、固定報酬のみとしています。
図表1.代表取締役社長の報酬構成比率(基準値)

報酬水準は、客観的な報酬市場調査データ(グローバルに事業を展開する当社と同規模の製造業企業の報酬水準)を参考に、適切な金額に設定しています。
(c)変動報酬の仕組み
業績連動賞与
業績連動賞与は「全社業績連動賞与」と「個人業績連動賞与」で構成され、全社業績連動賞与:個人業績連動賞与の割合は、代表取締役は1:0、代表取締役を除く取締役は基準額で概ね2:1、取締役を兼務しない執行役員は基準額で概ね1:3となるように設定しています。
「全社業績連動賞与」は、短期業績の達成に向けた動機付けの観点から、取締役に対して「親会社株主に帰属する当期純利益」の一定割合0.14%(取締役を兼務しない執行役員は0.09%)に、「総資産営業利益率(ROA)」に基づく評価係数(0~2倍)を乗じた額を総原資として、役職ごとに定める係数等に応じて配分しています。
ROA評価係数は、総資産営業利益率(ROA)の3年平均値に対して図表2のように規定しています。この評価係数は、連結売上高・連結営業利益の達成状況、長期ビジョンの実現に向けた中期経営計画等の進捗度、マテリアリティ解決への取り組みの総合的な進捗度及び社外からのESG評価、その他企業価値・ブランド価値への影響事象等に応じて、役員人事委員会の審議を経て調整しています。
図表2.評価係数

「個人業績連動賞与」は、「財務評価連動部分」と「非財務評価連動部分」で構成されており、構成比は基準額で1:1となるように設定しています。それぞれ、予め定める指標を考慮して、役職ごとに定める基準額の0~2倍の範囲で決定しています。
業績連動賞与の構成

「全社業績連動賞与」及び「個人業績連動賞与」は、毎年、評価対象事業年度に係る定時株主総会終了後に一括して支給しています。
業績連動型株式報酬
業績連動型株式報酬は、当社取締役等と株主の皆様との価値共有を進めるとともに、企業価値の持続的向上が図られる制度としています。具体的には、取締役等(外国人執行役員を除く。)に対して、毎年1回、配当込みTOPIX(東証株価指数)成長率をベンチマークとした当社のTSR(株主総利回り)評価に連動して交付数を定める譲渡制限付株式を交付することとしています。具体的な算定方法は、上記③をご参照ください。譲渡制限付株式の交付に際し、各取締役等は金銭報酬債権の付与を受け、当社との間で譲渡制限付株式の割当契約を締結し、当該債権を当社に現物出資することで株式の交付を受けるものとします。割当契約における譲渡制限期間は30年とし、譲渡制限期間中に取締役が任期満了等その他正当な事由により退任する場合には、譲渡制限は解除することとします。
なお、非居住者である執行役員(外国人執行役員を除く。)については、株式の交付に代えて、役員持株会を通じて、役職別に定める基準額相当の当社普通株式を購入するための現金を支給しています。
(d)個人別の報酬等の決定方法
取締役・取締役を兼務しない執行役員及び監査役の個人別の報酬等に関しては、決定プロセスの透明性・客観性を担保するため、当社が任意に設置する指名・報酬に関する諮問機関である役員人事委員会(社外取締役が過半数となる構成)における審議・答申を踏まえて、取締役・取締役を兼務しない執行役員については取締役会で、監査役については監査役の協議により決定しています。
(e)その他の重要事項
当社の業績が悪化した場合や当社の企業価値・ブランド価値を毀損するような品質問題、重大事故または不祥事等が発生した場合は、役員人事委員会の審議・答申を踏まえて、臨時に役員の報酬を減額または不支給とすることがあります。
業績連動賞与については、期初の目標設定時に想定していなかった一時的な特殊要因として勘案すべき要素が発生した場合に、その影響を排除した上で業績等の評価を行い、個人別の賞与支給額を算定することがあります。また、業績連動賞与を支給する前に法令や役員としての善管注意義務または忠実義務に違反した場合、又は支給後2年以内にその事実が判明した場合、その他これらに準ずる事由が生じた場合において、当該事実に係る役員の賞与受給権は消滅し、または当社は現に支給した賞与の返還を請求することがあります。
業績連動型株式報酬については、譲渡制限付株式の交付を受ける前に法令や役員としての善管注意義務または忠実義務に違反した場合、その他これらに準ずる事由が生じた場合において、当該受給予定者の受給権は消滅することがあります。また、譲渡制限付株式を交付した後、譲渡制限を解除する前に上記事実が判明した場合には、当該交付を受けた者の譲渡制限付株式の全部または一部を無償取得することがあります。さらに、譲渡制限付株式の譲渡制限を解除した後2年以内に上記事実が判明した場合には、当社は、当該交付を受けた者に対して、交付した株式の全部または一部の返還、もしくは当該株式に代わる時価相当額の金銭の支払いを請求することがあります。
⑦ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
① 各役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
区分 | 報酬等の総額 (百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数 (人) | |||
基本報酬 | 業績連動賞与 | 業績連動型 株式報酬 | ||||
全社業績 連動賞与 | 個人業績 連動賞与 | |||||
取締役 (社外取締役を除く) | 800 | 256 | 367 | 22 | 153 | 5 |
社外取締役 | 99 | 99 | - | - | - | 5 |
監査役 (社外監査役を除く) | 76 | 76 | - | - | - | 3 |
社外監査役 | 54 | 54 | - | - | - | 3 |
合計 | 1,030 | 486 | 367 | 22 | 153 | 16 |
(注)1 上記「基本報酬」の額は、2023年度に支払った報酬等の合計額(全額金銭報酬)です。
2 期中で退任した監査役1名を含んでいます。
3 上記『全社業績連動賞与』及び『個人業績連動賞与』の額は、2023年度の業績等の結果を踏まえて、2024年4月に支給する見込みの額(全額金銭報酬)です。なお、上記のほか、2022年度の業績等の結果を踏まえて、2023年4月に取締役(社外取締役を除く)に対して個人業績連動賞与として22百万円を支給しています。
4 株式報酬に関しましては、当社は、社外取締役を除く取締役及び執行役員(外国人執行役員を除く。)に対する株式報酬として、従来、業績条件のない譲渡制限付株式報酬制度(以下「旧制度」といいます。)に基づき、当社役員としての地位を退任するまで譲渡しないこと等を条件に、当社普通株式(譲渡制限付株式)を交付していましたが、2022年3月23日開催の第87期定時株主総会の決議に基づき、旧制度に替えて、当社のTSR(株主総利回り)評価に連動して譲渡制限付株式の交付数を定める業績連動型株式報酬制度を導入しました。また、上記「業績連動型株式報酬」の額は、下記③及び下記⑥(c)に記載の方針及び算定方法に従い、2023年度のTSR評価等の結果を踏まえて、2024年4月以降に支給する見込みの額(全額、当社の普通株式について発行又は処分を受けるために現物出資財産として払い込まれる金銭報酬債権)です。なお、2022年度に係る事業報告において開示した2023年4月以降に支給する見込みの額は154百万円でしたが、2023年4月に支給した額は161百万円となりました。
5 株主総会でご承認いただいた取締役及び監査役の報酬等の上限金額等は以下のとおりです。取締役及び監査役の基本報酬並びに取締役の業績連動型株式報酬については、2022年3月23日開催の第87期定時株主総会にて決議しており、当該株主総会終結時点の取締役の員数は10名(うち社外取締役5名)、監査役の員数は4名(うち社外監査役2名)です(なお、当社は、2024年1月1日を効力発生日として当社普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っているため、以下の業績連動型株式報酬の上限株式数は当該株式分割による調整後の数を記載しています。)。取締役の業績連動賞与については、2019年3月27日開催の第84期定時株主総会にて決議しており、当該株主総会終結時点の取締役の員数は11名(うち社外取締役4名)です。なお、業績連動賞与及び業績連動型株式報酬は、社外取締役を除く取締役のみを対象として決議しています。
役員 区分 | 基本報酬 | 業績連動賞与 | 業績連動型株式報酬 | ||
全社業績連動 | 個人業績連動 | ||||
取締役 | 6億円 (うち社外取締役:2億円) | 親会社株主に帰属する当期純利益の0.5% | 1億円 | 6億円 | 90万株 |
監査役 | 2億円 | - | - | - |
② 業績連動賞与の算定方法と評価結果
[全社業績連動賞与]
取締役に対する全社業績連動賞与は、株主との利益共有の視点及び高い事業収益力を継続的に保持する視点から、親会社株主に帰属する当期純利益の一定割合(0.14%)に連結総資産営業利益率(ROA)評価係数(0~2.0の範囲内で決定)を乗じた額を総原資として、役職ごとに予め定めた係数に応じて各取締役に配分しています。
全社業績連動賞与原資 =(親会社株主に帰属する当期純利益 × 0.14%)× ROA評価係数
個人別支給額 = 全社業績連動賞与原資 × 役職別係数
当事業年度では、ROAの3年平均値は11.3%となりました。但し、新型コロナウイルス感染症の影響に対応するため緊急的に積み増した長期借入金は、計算から除外しています。ROA評価係数は、良好な事業環境の継続を受け3年連続の最高益であり、総合的な経営業績の評価を行い、役員報酬規程どおりの1.75としました。全社業績連動賞与の総原資額は、役員報酬規程により、親会社株主に帰属する当期純利益が1,500億円を超える場合は1,500億円として算出するため、取締役に対する全社業績連動賞与の総原資額は、親会社株主に帰属する当期純利益1,500億円×0.14%×ROA評価係数1.75=367百万円となり、これを各取締役に配分する予定です。
なお、取締役を兼務しない執行役員についても同様の算定方法(親会社株主に帰属する当期純利益×0.09%×ROA評価係数)により総原資を決定し、役職ごとに定める係数に応じて各執行役員に配分する予定です。
[個人業績連動賞与]
個人業績連動賞与は、代表取締役を除く取締役を対象として、役職ごとに定める基準額に財務評価・非財務評価係数(0~2.0の範囲内で決定)を乗じて算定します。財務評価は担当事業の継続的な成長と収益力の向上を目的として、売上高、営業利益、ROA等の予算達成度や前期比で評価しています。非財務評価は長期視点での経営を促進することを目的として、中期経営計画における取組みの進捗度や役員後継者・経営幹部候補の育成状況、その他企業価値・ブランド価値への寄与度等を評価しています。
個人業績賞与支給額 = 役職別基準額 ×(財務評価 × 50% + 非財務評価 × 50%)
当事業年度では、これらの財務・非財務評価指標の結果を考慮して、取締役ごとに総合評価を行った結果、基準額に対して100%~150%の支給率となりました。
なお、取締役を兼務しない執行役員についても同様の算定方法(役職別基準額×財務・非財務評価係数)により支給額を決定しており、支給率は2024年3月以降に決定する予定です。
③ 業績連動型株式報酬の算定方法と評価結果
社外取締役を除く取締役(以下、本項において「対象取締役」といいます。)に対する業績連動型株式報酬は、配当込みTOPIX(東証株価指数)成長率をベンチマークとした当社のTSR(株主総利回り)評価に連動して交付数を定め、譲渡制限付株式を交付することとしています。
業績連動型株式報酬制度においては、原則として、対象取締役に対する金銭報酬債権を付与することを決定する取締役会(以下「付与取締役会」といいます。)の開催日の属する事業年度の前事業年度(以下「役務提供期間」といいます。)を最終事業年度とする過去3事業年度(以下「TSR評価期間」といいます。)を評価期間とし(※)、TSR評価期間における当社のTSR(株主総利回り)評価に応じた数の当社の普通株式の発行又は処分のための金銭報酬債権を支給し、対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払い込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとしています。その具体的な算定方法は以下のとおりです。
(※)業績連動型株式報酬制度の導入に伴う移行措置として、2022年度を役務提供期間とするTSR評価期間は1事業年度(2022年度)のみとし、2023年度を役務提供期間とするTSR評価期間は2事業年度(2022年度及び2023年度)のみとします。
(a)支給する金銭報酬債権の額の算定方法
各対象取締役に対して支給する金銭報酬債権の額は、業績連動型株式報酬制度に基づき各対象取締役に対して最終的に交付する株式数(以下「個人別交付株式数」といいます。)に、付与取締役会の日の前営業日における東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値(同日に取引が成立していない場合には、それに先立つ直近取引日の終値。)を基礎として当社株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲内において付与取締役会が定める1株当たりの払込金額(以下「交付時株価」といいます。)を乗じることにより算出されます。
対象取締役に支給する金銭報酬債権の額 = 個人別交付株式数(下記(b))× 交付時株価
(b)個人別交付株式数の算定方法
個人別交付株式数は、TSR評価期間における当社のTSR(株主総利回り)評価を踏まえて算出された係数(以下「TSR評価係数」といいます。)を、交付する株式の数の基準として予め役職ごとに定められた株式数(TSR評価係数が100%となる場合に交付する譲渡制限付株式の数。以下「役職別基準交付数」といいます。)に乗ずることにより算出されます。
個人別交付株式数 = 役職別基準交付数(下記(ⅰ))× TSR評価係数(下記(ⅱ))
(ⅰ)役職別基準交付数
役職別基準交付数は、業績連動型株式報酬に係る役職別の1年当たりの基準額(以下「役職別基準額」といいます。)を、役務提供期間の直前の月における1ヶ月間の当社株式の普通取引の終値の平均(以下「基準株価」といいます。)で除することによって算出されます。役職別基準交付数及び役職別基準額は、役務提供期間の期初に、役員人事委員会の答申を経て、取締役会で決定します。
役職別基準交付数 = 役職別基準額 ÷ 基準株価
(ⅱ)TSR評価係数
TSR評価係数は、以下の算定式による配当込みTOPIX(東証株価指数)成長率をベンチマークとした当社のTSR(株主総利回り)評価に基づいて、0%から150%の範囲内で算出します。
TSR評価係数 = 当社TSR ÷ 配当込みTOPIX成長率
当社TSR = | TSR評価期間最終年度の最後の月(12月)の株価終値平均 + TSR評価期間中の配当金総額 |
TSR評価期間開始前の月(12月)の株価終値平均 |
配当込みTOPIX成長率 = | TSR評価期間最終年度の最後の月(12月)の配当込みTOPIX終値平均 |
TSR評価期間開始前の月(12月)の配当込みTOPIX終値平均 |
当事業年度では、前記のとおり、業績連動型株式報酬制度を前事業年度から導入したことに伴う移行措置として、当事業年度を役務提供期間とするTSR評価期間は2事業年度(2022年度及び2023年度)であるところ、当社TSRは142.6%、配当込みTOPIX成長率は125.1%となり、その結果、TSR評価係数は114%となる見込みです。
④ 2023年度報酬の妥当性・相当性
当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (b)現状の体制と概要 ・役員人事委員会」に記載のとおり、独立社外取締役を中心とした役員人事委員会において、審議に必要な客観的・専門的な情報を踏まえ、決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っているため、取締役会は、その内容が当該決定方針に沿うものであり、妥当と判断しています。
なお、事業環境が大きく変化するなか、マテリアリティ(重要な社会課題)解決への当社らしい取り組みを強く推進し、企業価値・ブランド価値の持続的な創造を実現するため、2022年からの中期経営計画の開始とあわせて、業績連動報酬を拡大し、マテリアリティやTSR(株主総利回り)に係る評価を導入しています。
⑤ 役員報酬等の決定に関する方針の決定方法
当社取締役・監査役及び執行役員の個人別の報酬等の決定方針は、取締役会の指名・報酬に関する任意の諮問機関である役員人事委員会(社外取締役が過半数となる構成)の審議・答申を踏まえて、取締役会において決定しています。役員人事委員会の審議においては、経営環境の変化や株主・投資家の皆様からのご意見等を踏まえるとともに、グローバルに豊富な経験・知見を有する第三者機関(ウイリス・タワーズワトソン社)より審議に必要な情報等を得ています。
⑥ 役員報酬等の決定に関する方針
(a)基本方針
・経営理念・行動指針に則した職務の遂行を最大限に促すものとする。
・長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画等の目標達成を強く動機付けるものとする。
・企業価値の持続的成長に向けたインセンティブとして機能させるもので、株主の皆様と経営者の利益を共有するものとする。
・経営者の役割・職責にふさわしい、多様で優秀な人材を確保・維持できる報酬水準とする。
・マテリアリティ(重要な社会課題)解決への当社らしい取り組みを最大限に促すものとする。
(b)報酬構成・報酬水準
取締役等(取締役を兼務しない執行役員を含む)の報酬は、「基本報酬(月額固定報酬)」、「業績連動賞与」、「業績連動型株式報酬」により構成されています。構成割合は、代表取締役社長は図表1を基準値として設定しており、また、その他の役員も代表取締役社長に準じて職位ごとに報酬構成比率(基準値)を設定しており、基本報酬の割合は60%を上限としています。
社外取締役及び監査役については、独立かつ客観的な立場から当社の経営を監督・監査するという役割に鑑みて、固定報酬のみとしています。
図表1.代表取締役社長の報酬構成比率(基準値)

報酬水準は、客観的な報酬市場調査データ(グローバルに事業を展開する当社と同規模の製造業企業の報酬水準)を参考に、適切な金額に設定しています。
(c)変動報酬の仕組み
業績連動賞与
業績連動賞与は「全社業績連動賞与」と「個人業績連動賞与」で構成され、全社業績連動賞与:個人業績連動賞与の割合は、代表取締役は1:0、代表取締役を除く取締役は基準額で概ね2:1、取締役を兼務しない執行役員は基準額で概ね1:3となるように設定しています。
「全社業績連動賞与」は、短期業績の達成に向けた動機付けの観点から、取締役に対して「親会社株主に帰属する当期純利益」の一定割合0.14%(取締役を兼務しない執行役員は0.09%)に、「総資産営業利益率(ROA)」に基づく評価係数(0~2倍)を乗じた額を総原資として、役職ごとに定める係数等に応じて配分しています。
ROA評価係数は、総資産営業利益率(ROA)の3年平均値に対して図表2のように規定しています。この評価係数は、連結売上高・連結営業利益の達成状況、長期ビジョンの実現に向けた中期経営計画等の進捗度、マテリアリティ解決への取り組みの総合的な進捗度及び社外からのESG評価、その他企業価値・ブランド価値への影響事象等に応じて、役員人事委員会の審議を経て調整しています。
図表2.評価係数

「個人業績連動賞与」は、「財務評価連動部分」と「非財務評価連動部分」で構成されており、構成比は基準額で1:1となるように設定しています。それぞれ、予め定める指標を考慮して、役職ごとに定める基準額の0~2倍の範囲で決定しています。
業績連動賞与の構成

「全社業績連動賞与」及び「個人業績連動賞与」は、毎年、評価対象事業年度に係る定時株主総会終了後に一括して支給しています。
業績連動型株式報酬
業績連動型株式報酬は、当社取締役等と株主の皆様との価値共有を進めるとともに、企業価値の持続的向上が図られる制度としています。具体的には、取締役等(外国人執行役員を除く。)に対して、毎年1回、配当込みTOPIX(東証株価指数)成長率をベンチマークとした当社のTSR(株主総利回り)評価に連動して交付数を定める譲渡制限付株式を交付することとしています。具体的な算定方法は、上記③をご参照ください。譲渡制限付株式の交付に際し、各取締役等は金銭報酬債権の付与を受け、当社との間で譲渡制限付株式の割当契約を締結し、当該債権を当社に現物出資することで株式の交付を受けるものとします。割当契約における譲渡制限期間は30年とし、譲渡制限期間中に取締役が任期満了等その他正当な事由により退任する場合には、譲渡制限は解除することとします。
なお、非居住者である執行役員(外国人執行役員を除く。)については、株式の交付に代えて、役員持株会を通じて、役職別に定める基準額相当の当社普通株式を購入するための現金を支給しています。
(d)個人別の報酬等の決定方法
取締役・取締役を兼務しない執行役員及び監査役の個人別の報酬等に関しては、決定プロセスの透明性・客観性を担保するため、当社が任意に設置する指名・報酬に関する諮問機関である役員人事委員会(社外取締役が過半数となる構成)における審議・答申を踏まえて、取締役・取締役を兼務しない執行役員については取締役会で、監査役については監査役の協議により決定しています。
(e)その他の重要事項
当社の業績が悪化した場合や当社の企業価値・ブランド価値を毀損するような品質問題、重大事故または不祥事等が発生した場合は、役員人事委員会の審議・答申を踏まえて、臨時に役員の報酬を減額または不支給とすることがあります。
業績連動賞与については、期初の目標設定時に想定していなかった一時的な特殊要因として勘案すべき要素が発生した場合に、その影響を排除した上で業績等の評価を行い、個人別の賞与支給額を算定することがあります。また、業績連動賞与を支給する前に法令や役員としての善管注意義務または忠実義務に違反した場合、又は支給後2年以内にその事実が判明した場合、その他これらに準ずる事由が生じた場合において、当該事実に係る役員の賞与受給権は消滅し、または当社は現に支給した賞与の返還を請求することがあります。
業績連動型株式報酬については、譲渡制限付株式の交付を受ける前に法令や役員としての善管注意義務または忠実義務に違反した場合、その他これらに準ずる事由が生じた場合において、当該受給予定者の受給権は消滅することがあります。また、譲渡制限付株式を交付した後、譲渡制限を解除する前に上記事実が判明した場合には、当該交付を受けた者の譲渡制限付株式の全部または一部を無償取得することがあります。さらに、譲渡制限付株式の譲渡制限を解除した後2年以内に上記事実が判明した場合には、当社は、当該交付を受けた者に対して、交付した株式の全部または一部の返還、もしくは当該株式に代わる時価相当額の金銭の支払いを請求することがあります。
⑦ 役員ごとの連結報酬等の総額等
氏名 | 総額 (百万円) | 役員区分 | 会社区分 | 報酬等の種類別の総額(百万円) | |||
基本報酬 | 業績連動賞与 | 業績連動型 株式報酬 | |||||
全社業績 連動賞与 | 個人業績 連動賞与 | ||||||
渡部 克明 | 195 | 取締役 | 提出会社 | 80 | 80 | - | 33 |
日髙 祥博 | 343 | 取締役 | 提出会社 | 80 | 185 | - | 77 |
丸山 平二 | 104 | 取締役 | 提出会社 | 38 | 40 | 8 | 16 |
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。