有価証券報告書-第112期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 15:42
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱などの不透明な要素を抱えながら、景気減速の気配が徐々に強まっていきました。その中にあって、米国経済はトランプ減税の効果もあり堅調に推移しましたが、年度末にかけて、やや減速の兆しが見えてまいりました。中国では、米中貿易摩擦などにより投資が冷え込んだことなどから景気の減速が進み、その影響からアジア諸国や欧州の一部でも景気が弱含みました。
わが国経済は、世界経済減速の影響を受け、外需は弱い状態が続きました。一方、就業者数が過去最多を更新し、さらに実質賃金も増加傾向で推移しており、雇用・所得情勢は堅調に推移しました。また、個人消費も自然災害による一時的な落込みを除けば穏やかな持ち直しが続き、さらに、省力化投資への需要が高まったことを背景に、設備投資が増加を続けるなど、企業活動も好調に推移したため、景気拡大期間の戦後最長記録を更新したとの見方が広がりました。しかし中国を中心としたアジア経済の需要の減少がわが国の輸出の下押し圧力となり、2019年に入って輸出がさらに弱含むと、景気悪化の懸念が台頭しました。
当社グループの主要産業分野である自動車業界につきましては、国内新車販売見込台数(2018年度)は、前年度比2.5%増の約533万台が見込まれ、3年連続で500万台をこえ、堅調に推移しております。しかしながら、世界最大の市場である中国の新車販売台数(2018年暦年)は、前年比2.8%減の約2,808万台強と28年ぶりの前年割れとなりました。他方、米国の新車販売台数(同)は、約1,727万台強となり、前年比ほぼ横ばいの0.3%増と高水準を維持しました。米国と中国の関税問題に端を発した自動車販売の伸び悩みから、2018年の世界新車販売台数は、約9,700万台強と前年比約1%強にとどまり、世界の自動車販売の先行きにも不透明感が増しております。
非自動車分野における造船業界につきましては、2018年末時点の世界の新造船手持工事量は、前年末比5.1%増の15,097万総トンとなり、3年ぶりに増加に転じました。これは、2020年のSOx規制など環境規制強化に備えたもので、世界的に受注は持ち直しに転じてきており、これを受けて日本における手持工事量につきましても3,127万総トン(同比2.8%増)となりました。世界の新造船受注量も5,143万総トン(前年比19.1%増)となり、2年連続で前年比プラスとなりました。しかし、世界の新造船受注量は持ち直し傾向が見受けられますが、船腹過剰状況は解消に至っておらず、また、米中貿易摩擦の影響から、今後も回復軌道を進めるか不透明な状況にあります。
一方、建設機械業界につきましては、2018年度の内需は、一部機種で2014年次排出ガス規制生産猶予期間の終了に伴う旧型機需要の反動減がなくなり、安定した建設投資により3年ぶりに増加しました。輸出は、北米・欧州・アジアの三大輸出先を中心に海外需要が好調に推移し、2年連続でプラスとなりました。また、国内外の需要も増加となりました。
また、一般産業分野につきましては、電力・エネルギー関連の発電設備用の特殊軸受、個体潤滑軸受、ポンプ関連製品及び電気二重層キャパシタ用電極シートの需要などが押し並べて堅調に推移いたしました。
このような市場環境下、当連結会計年度における当社グループ全体の業績につきましては、売上高は前年同期に比べ1.0%増収の107,718百万円(前連結会計年度は106,648百万円)となりました。
利益面につきましては、自動車用エンジン軸受及び自動車用エンジン以外軸受のセグメントにおいて、中国や韓国の景気減速の影響や、市場環境の変化による売上の製品構成の変化、国内の労働環境の変化などのマイナス要因が発生しました。しかし、非自動車用軸受及び自動車用軸受以外部品のセグメントにおける販売拡大や合理化による費用削減などにより、営業利益は前年同期に比べ6.7%増益の6,944百万円(前連結会計年度は6,511百万円)となりました。また、目標とする経営指標の売上高営業利益率は6.4%(前連結会計年度は6.1%)となりました。
経常利益につきましては、前年同期に比べ4.0%増益の6,976百万円(前連結会計年度は6,708百万円)となりました。また、売上高経常利益率は6.5%(前連結会計年度は6.3%)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、大同メタル佐賀株式会社の工場進出に伴う補助金による特別利益1,000百万円などもあり、前年同期に比べ39.1%増益の4,565百万円(前連結会計年度は3,281百万円)となりました。また、売上高当期純利益率は4.2%(前連結会計年度は3.1%)となりました。
1株当たり当期純利益は103円44銭(前連結会計年度は82円42銭)、目標とする経営指標であります自己資本利益率は8.5%(前連結会計年度は6.9%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、セグメントの売上高に含めております。
① 自動車用エンジン軸受
国内は、2018年度新車販売台数が3年連続で500万台超えが見込まれるなど堅調に推移いたしました。これにより、主に乗用車用軸受の売上高が増加し、トラック用軸受は、前年度比微増と大きな変動なく推移いたしました。一方、ターボチャージャー用軸受については、グローバルでの需要減の影響から、減少となったものの、全体では売上高は増加となりました。海外は、北米では高水準を維持したものの、中国や韓国、欧州での自動車の販売不振の影響を受け、売上高は減少となりました。
これらの結果、売上高は前年同期に比べ0.9%減収の64,835百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ10.7%減益の8,292百万円となりました。
② 自動車用エンジン以外軸受
売上高比率の高い国内向け自動車部品用軸受等が堅調に推移したことにより、売上高は前年同期に比べ5.4%増収の16,985百万円、セグメント利益は前年同期に比べ9.0%増益の3,228百万円となりました。
③ 非自動車用軸受
船舶分野は、世界の新造船受注量が2年連続前年比プラスとなるなど底打ち感が見られ、また、建設機械分野は、北米・欧州・アジア(中国)向け輸出が好調に推移しました。さらに、一般産業分野におけるエネルギー関連の特殊軸受などは、堅調に推移し前年度並みを確保することができました。
これらの結果、売上高は前年同期に比べ6.1%増収の9,919百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ24.9%増益の1,295百万円となりました。
④ 自動車用軸受以外部品
アルミダイカスト製品の受注が増加したほか、曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品は、世界の自動車産業が概ね堅調であったことから、売上高は前年同期に比べ4.0%増収の16,219百万円となり、セグメント利益は213百万円となり、前年同期のセグメント損失890百万円から1,103百万円の改善となりました。
⑤ その他
電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受事業及びポンプ関連製品事業に不動産賃貸事業等を加えたその他のセグメントも底堅く推移して、売上高は前年同期に比べ1.2%増収の2,753百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ2.1%増益の694百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比増減(%)
自動車用エンジン軸受64,861△3.9
自動車用エンジン以外軸受14,4976.1
非自動車用軸受10,42910.8
自動車用軸受以外部品15,8463.6
報告セグメント計105,634△0.2
その他1,860△0.7
合計107,495△0.3

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であるため記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比増減(%)
自動車用エンジン軸受64,427△1.3
自動車用エンジン以外軸受15,0465.5
非自動車用軸受9,8896.1
自動車用軸受以外部品16,1333.6
報告セグメント計105,4961.0
その他2,2220.1
合計107,7181.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比ベ1.3%増加し163,118百万円となりました。
これは主に現金及び預金が増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度に比ベ14.8%増加し66,490百万円となりました。
これは主に利益剰余金、及び増資、自己株式の処分に伴い資本金、資本剰余金が増加したことによります。
(自己資本比率)
当連結会計年度における自己資本比率は、利益剰余金、及び増資、自己株式の処分に伴い資本金、資本剰余金が増加したこと等により前連結会計年度に比ベ4.8ポイント増加し35.4%となりました。
(1株当たり純資産額)
当連結会計年度における1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比ベ23円52銭減少し1,216円02銭となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ5,260百万円(44.3%)の増加となり17,127百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動において獲得した資金は11,709百万円となり、前連結会計年度に比べ523百万円(4.7%)の収入の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益7,976百万円、減価償却費8,528百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、法人税等の支払額が891百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益が1,408百万円増加し、売上債権の増減額が2,214百万円減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は5,462百万円となり、前連結会計年度に比べ6,869百万円(55.7%)の支出の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出5,540百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、有形固定資産の取得による支出が5,976百万円減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において使用した資金は746百万円となり、前連結会計年度に比べ692百万円の支出の増加となりました。これは主に株式の発行による収入2,259百万円、自己株式の処分による収入4,574百万円の一方、短期借入金の純増減額△4,441百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,089百万円、配当金の支払額1,307百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、長期借入金の返済による支出が9,259百万円増加し、長期借入れによる収入が3,147百万円減少した一方、短期借入金の純増減額が6,280百万円増加し、株式の発行による収入2,259百万円が増加し、自己株式の処分による収入4,574百万円が増加したことによります。
② 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。
設備投資の概況については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。
③ 資金調達の状況
当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として内部資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。
当社は、2018年9月に公募による新株式発行及び自己株式の処分、並びにオーバーアロットメントによる売出しに関連して行う第三者割当による新株式発行をいたしました。当社は、これらにより総額7,150百万円を調達しております。
当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、新株式発行及び自己株式の処分、内部資金と借入れにより充当いたしました。
今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスをとった財務運営を目指してまいります。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の年度別返済額は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑤連結附属明細表 借入金等明細表」に記載のとおりです。
④ 財務戦略
収益力強化・キャッシュマネジメントにより有利子負債を削減しながら、既存事業の競争力維持のため年平均10,000百万円程度の投資を継続します。さらに、自動車用エンジン軸受関連の投資は、市場の縮小が急速に進む可能性に備え、中期経営計画期間後半について慎重に対処しつつ、研究開発、新規事業、M&A等については積極的に投資を行う等、自己資本比率35%を念頭に財務の健全性を確保しつつ、成長分野へ積極投資を試みます。
また、投資効率改善のためにハードルレートの見直し、投資後の効果測定を厳格に行うことで投資の精度を上げる等、健全な設備投資を試みます。
当社株主に対する安定的な配当を継続しながら、自己資本利益率(ROE)は株主資本コストを意識して2023年度に10.0%の達成を目指しており、運転資金の効率化や通常投資の見直し等、さらなるキャッシュ・フローの改善を進めます。

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