有価証券報告書-第113期(平成25年12月1日-平成26年11月30日)

【提出】
2015/02/26 15:31
【資料】
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【項目】
149項目

研究開発活動

当社グループでは市場環境の変化と多様化するお客様のニーズに応えることを第一に、独創的で競争力のある製品を提供できるよう研究開発に取り組んでおります。
世界市場においては、新たな価値を付加した新型車の開発が活発に行われると同時に、低価格化、小型化、軽量化のニーズも高まっています。このような環境下、前期実施したValeo社からのアクセスメカニズム事業部の買収に伴い、双方が保有する技術を融合させた新製品開発が行える体制を構築しました。また、日本、欧州、北米、中国、インド、南米の各地域におけるお客様への技術サポートが可能な体制も再構築いたしました。
これらの研究開発活動は当社開発本部を中核として進められ、自動車分野で生まれた技術を基に産業機械、住宅機器に応用した商品開発も同時に進めています。研究開発スタッフは連結会社を含む当社グループ全体で478名(従業員全体の7.3%)であります。当連結会計年度研究開発費は6,080百万円(売上高比3.9%)を支出していますが、何れも互いに技術を共用していますので、セグメント別実績は区分しておりません。
主な研究開発成果等は以下の通りです。
(1) 自動車部門
ドアラッチ、キーセット、電動ステアリングロックには金属部品を多用していることより、CO2排出の削減を目的としたこれらの製品の軽量化に取り組み、実用化に成功しました。また動作時の音や振動を低減して、エンドユーザーに上質な操作感を与える技術開発も進めております。
ドアハンドルにつきましては、当社の持つ機構技術を駆使し、フロントドアの開閉に連動して操作できるリアインナーハンドルを量産化しました。また、車両衝突時の衝撃によるドアの解放を防止する機構の開発も行い、ドアの開閉以外の様々な機能を付加した、高付加価値製品を開発しております。
ヒーターコントロールやスイッチにおきましては、魅力的な車造りへの貢献のため、外観と操作感の向上を目指した技術開発を行い、商品性を大幅に向上した製品を量産化いたしました。これらは国内外の顧客より好評をいただいており、今後も更なる改良を進めて参ります。
また、アクセスメカニズム事業との統合により、双方の持つ技術力を効率的に活用することにより、既存製品の更なる商品価値の向上、市場の拡大、新製品の創出を目指した一体化した研究開発を進めております。
(2) 産業機械部門
農業機械並びに産業機械用の各種スイッチ、センサー及びコントローラを開発し、産業機械部品の電子・電装化に貢献できる幅広い商品を供給しております。また、当社の自動車部門における基幹製品であるドアラッチを農業機械用に提案すべく、開発を進めております。
主な開発商品は次の通りであります。
・コンバイン用として :主変速レバー、ズームオーガユニット、油圧制御コントローラ、メーター
・トラクター用として :OPCリレーユニット、フラッシャーランプ、ヘッドランプ、メーター、水平制御コントローラ、メインコントローラ、ホーンスイッチ、コンビスイッチ、エンジン停止ソレノイド、座席シート
・田植機用として :施肥コントローラ、クーリングユニット、ヘッドランプ、照光スイッチ、
メーター
・フォークリフト用として :燃料センサー、電気車用コンビスイッチ、メーター
・建設機械用として :ワークランプ、LEDストップランプ、ヘッドランプ、コンビスイッチ、ダイヤルスイッチ、ボディコントロールユニット、メーター、座席シート
(3) 住宅機器部門
住宅用錠前及びセキュリティ機器総合メーカーとして市場の将来を見据えた商品開発を進めております。住宅のセキュリティシステムとしては、自動車のエレクトロニクス技術を応用したスマートエントリーシステム、ICカード技術を応用した非接触タイプの電気錠システムなどがあり、その利便性・防犯性の高さにより戸建て住宅、ホテルの他マンションのエントランス用ハンズフリーシステムなど、電気錠システムを採用する現場の比率が年々高まっております。
住宅部門はこのような市場のニーズを先取りし、デザイン性・利便性・防犯性の向上、市場に受入れ易いコストの実現を目指した電気錠の開発を行っております。
その他、従前のメカニカル商品の開発にも力を入れており、当期は主要サッシメーカー製の引戸に対応した取替引違戸錠(KHW)を発売いたしました。
これからの市場の在り方を考え、更に小型、低コストのリフォーム用リモコン錠の開発、鍵を携帯する必要のない生体認証システムの開発にも着手しております。
また、「防犯性の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」のCP製品やメカニカル錠の開発も着実に進め商品ラインナップを順次拡大して市場に提供してまいります。