訂正有価証券報告書-第117期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/07/07 15:11
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63項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 3 重要な会計方針」に記載しております。
(2) 業績
全般

① 売上高
当連結会計年度の売上高は、2兆288億円と前連結会計年度に比べ 8.2%(1,801億円)減少しました。画像&ソリューション分野、産業分野において前連結会計年度に比べ減収となりました。
画像&ソリューション分野では、国内のネットワークシステムソリューションが伸長したものの、円高の影響に加え、A3モノクロMFPの販売台数やMFPのアフターセールスの売上が減少しました。
産業分野の売上高は、国内ではインダストリ事業を中心に伸長しましたが、海外では円高の影響等により売上高が減少しました。
また、その他分野の売上高は、リース・ファイナンス事業が増収・増益となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ 6.5%(867億円)減少し1兆2,402億円となりました。売上高の減少や対米ドル及びユーロでの円高の影響等により減少しました。
③ 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ 10.6%(933億円)減少し 7,886億円となりました。売上高の減少の影響に加え、カメラ事業の有形固定資産及び無形資産の減損損失 17億円等により、減少しました。
④ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ 5.5%(440億円)減少し 7,553億円となりました。将来の事業成長に向けた構造改革に着手したことによる費用増、カメラ事業の有形固定資産及び無形資産の減損損失 37億円があったものの、継続的にグループをあげて取り組んでいる経費削減活動の成果や為替影響等により、減少しました。
⑤ その他の収益及びその他の費用
その他の収益は、前連結会計年度に比べ大幅に減少しました。
その他の費用は、カメラ事業ののれんの減損損失 39億円が含まれております。
⑥ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、売上総利益の減少等により、前連結会計年度に比べ 66.9%(684億円)減少し 338億円となりました。
⑦ 税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べ 68.7%(657億円)減少し 299億円となりました。営業利益の減少により減少しました。
⑧ 法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ 27.7%(78億円)減少し 205億円となりました。
当連結会計年度における実効税率は68%となりました(前連結会計年度 実効税率30%)。標準法定実効税率32%との差異は、未認識の繰延税金資産等によるものです。
⑨ 親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ 94.5%(594億円)減少し 34億円となりました。

(3) 流動性と資本源泉
キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度に比べ 115億円減少し 882億円となりました。主な減少要因として、市場環境の悪化や競争激化による販売価格の下落の影響やカメラ事業の減損による当期利益の減少等が挙げられます。
投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、前連結会計年度に比べ25億円増加し 1,067億円となりました。主な増加要因として、拠点再配置等の構造改革活動により生じた遊休資産の売却収入の減少等が挙げられます。支出の主な内訳は、有形固定資産の設備投資 754億円、無形資産の購入 267億円、定期預金の純増 75億円等です。このうち、有形固定資産の設備投資には、複写機器及び情報機器生産設備の拡充及び合理化投資、レンタル用資産の取得等が含まれます。
財務活動によるキャッシュ・フローは、199億円の支出となりました。社債発行 515億円や、長期借入債務による調達 3,031億円等により、調達を実施しました。一方で、借入債務の返済 3,246億円、配当金の支払 289億円、社債の償還 200億円等による支出がありました。
現金及び資産負債総合管理

事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。
また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しており、金利の変動が金利支払によるキャッシュ・フローに与える潜在的な悪影響をヘッジするため、金利スワップ契約を結んでおります。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。
資金源泉

当社グループは主に手元資金及び現金同等物、様々な信用枠、コマーシャルペーパー、及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資本源泉の必要額を判断する際、連結財政状態計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は1,264億円、借入枠は7,334億円であり、そのうち未使用残高は7,013億円でありました。当社は1,500億円(借入枠7,334億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。また、リコーリース株式会社は500億円(借入枠7,334億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。借入枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能ですが、これら金融機関からの借入のほとんどが無担保です。
当社及び一部の連結子会社は、コマーシャルペーパー、及び社債の発行により資金を調達しております。当連結会計年度において、当社及び一部の連結子会社が発行するコマーシャルペーパーの金利は1.28%~1.35%、銀行借入の金利は0.01%~13.70%、社債の金利は0.001%~7.30%です。また、当社グループは日本、米国、欧州及びグローバルにキャッシュマネジメントシステムを活用し、有利子負債の残高を継続的に削減しております。
当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下「ムーディーズ」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。当連結会計年度末現在、当社の格付はS&Pが長期A-及び短期A-2、ムーディーズが短期P-1、R&Iが長期A+及び短期A-1となっております。
日本では慣習的に、ほぼすべての銀行借入はそれぞれの銀行との一般契約に従っております。これは、合理的で相当な理由がある場合、銀行は借入金に対して追加的な担保を求めることができ、提出された担保を定期預金と同様に現在及び将来の債務に対する担保として扱えるというものですが、当社は現在までそのような要請を受けたことはありません。
必要資金及び契約債務

当社グループは現金及び現金同等物、並びに営業活動により創出が見込まれる資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している借入枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び既存事業の拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。
当社グループは、翌連結会計年度に760億円の設備投資額を予定しておりますが、主に画像&ソリューション分野、産業分野における生産設備の拡充及び合理化投資に関するものです。
その他に、長期債務の返済として翌連結会計年度に1,676億円、その後3年間で4,733億円を予定しております。
当社及び一部の連結子会社は全従業員に対し様々な従業員年金制度を有しております。連結財務諸表の注記事項21に記載のとおり、確定給付制度債務の積立不足額は、当連結会計年度末現在 1,203億円となりました。この積立不足額を当連結会計年度の連結財政状態計算書に負債計上しております。
年金制度への拠出額は前連結会計年度が212億円、当連結会計年度は194億円でした。
(4)経営戦略の現状と見直し
当社グループの事業において中核をなす画像&ソリューション分野については、市場が大きく変化し業界全体の収益環境が悪化している状況にあります。そうした事業環境の変化に適応し永続的に新しい価値を創造し続ける企業であるため、2014年4月から2017年3月にわたる第18次中期経営計画を策定しました。まず、2020年とその先の未来を見据えた目指す姿を、「お客様の期待を超えて、 安心・快適・便利 を提供しライフスタイルの変革を支援する、環境にやさしい会社」と定めました。そして目指す姿に向けてリコーグループの長期的発展を確実にする変革の3年間として位置づけ、「事業戦略・経営システム・体質改造の三位一体での変革」を進めてまいりました。
事業戦略においては、「①オフィスイメージングでの収益力の強化と成長」と「②新たな事業の柱の構築による成長」の2つを基本戦略と定めました。「①オフィスイメージングでの収益力の強化と成長」においては、"先進国の収益力強化"と、"新興国・サービス事業での新たな収益源の確立”を、重点施策として展開しました。
また「②新たな事業の柱の構築による成長」においては、"商用印刷を中心としたプロダクションプリンティング並びに、産業分野での柱の構築"と、"コアアセットを活用した新規事業の創造"を、重点施策とし展開しました。
①オフィスイメージングでの収益力の強化と成長
オフィスイメージングでは、主力の複合機において、お客様への価値提供をさらに高める新プラットフォームを採用した新製品として、デジタルフルカラー複合機6シリーズ14モデル、デジタルモノクロ複合機8シリーズ14モデルを発売し、中核の製品ラインナップを一新しました。これらの新製品は、10.1インチの大型フルカラータッチパネル「MultiLink-Panel」を全モデルに標準搭載し、スマートデバイスと同様に指先ひとつで直感的な操作を行いながら、専用のアプリケーションサイトに接続し、多彩なアプリを複合機にダウンロードすることが可能です。これにより、オフィスの業務効率向上に貢献するさまざまな拡張機能を、お客様がすぐにお使いいただくことができるとともに、お客様の業務に合わせて、複合機をクラウドサービスの入出力端末として活用いただくことが可能となりました。また、株式会社コンカーと連携し、経費精算・管理を効率化する複合機連携クラウドソリューションの提供を始めました。複合機で領収書をスキャンするだけで、株式会社コンカーが提供する世界標準の出張・経費精算管理クラウドシステムにデータを取り込み、経費精算業務を効率的に行うことができます。
またデジタルフルカラー再生複合機の新製品を2機種発売しました。新製品は、環境を基軸とした事業の創出・拡大を目的に設立した「リコー環境事業開発センター」(静岡県御殿場市)で再生処理を行った製品です。リコーの再生複合機は、カラーで28枚機、40枚機、モノクロでは25~75枚機までの機種を揃えており、全体で9シリーズ17モデルという充実のラインナップでお客様の幅広いニーズに対応し、環境保全意識の高いお客様を中心にご提供しています。
サービス事業においては、ドキュメント、コミュニケーション、業種別のソリューションと連携した高付加価値サービスの提供により、収益力の向上を図りました。リコーグループは、長年にわたるMFPやプリンターの販売・サポートを通じて蓄積したITやネットワークのノウハウを活かし、IT環境の構築から、高水準のサービス・サポートまでをワンストップでお客様のご要望にあわせて提供しています。特に中小企業のお客様は、自社内で専任のIT管理者の確保が困難な場合があります。そこで、お客様に代わり、リコーグループが安心・快適なネットワーク環境の導入構築から運用保守まで、ワンストップでご提供する「NETBegin BBパック Next」を発売しました。お客様先の複合機やプリンターの修理に対応するカスタマーエンジニアが、ネットワーク環境も同様にワンストップでサポートします。このサービスは、2005年5月に前身となる商品の提供を開始して以降、日本国内で10万社以上のお客様に導入いただいています。
さらに、お客様のオフィスにおけるコミュニケーションや働き方が変わりつつある中で、いつでもどこでも働くことを可能とするコミュニケーション支援サービスを拡大しました。これは、プロジェクターやインタラクティブ ホワイトボード、テレビ会議システム等のビジュアルコミュニケーション製品の提供に加えて、これらを活用した仕事の効率化についてのノウハウやソリューション等を提供するものです。プロジェクターでは、LED光源を採用した超小型・短焦点プロジェクター「RICOH PJ WXC1110」を発売しました。手のひらサイズの超小型プロジェクターながら、600ルーメンスの明るさの長寿命LED光源と短い投影距離により、ミーティングコーナーや小規模会議室等の限られたスペースでの有効活用や、営業担当者が持ち歩いてお客様先での説明に活用すること等が可能です。インタラクティブ ホワイトボードでは、大規模会議室や企業の受付、公共施設、イベント会場でのインフォメーションボードとして最適な4K対応・84インチの「RICOH Interactive Whiteboard D8400」を発売しました。
加えて、日本国内で拡大しているインバウンド市場向けに主要7カ国語(英語・中国語・韓国語・タイ語・スペイン語・ポルトガル語・ロシア語)・24時間365日対応の高品質な通訳サービス「RICOH 多言語通訳サービス」を発売しました。これは、テレビ会議システム「RICOH Unified Communication System」のプラットフォームを活用したサービスで、スマートデバイスによる簡単操作による、多言語通訳サービスを提供します。
②新たな事業の柱の構築による成長
プロダクションプリンティングにおいては、お客様のリコーに対するご期待はプリンター単体での提供だけにとどまらず、印刷工程の上流システム、下流システムの課題解決に広がっています。こうしたご期待にお応えするために、プリントMIS(経営情報システム)ベンダー大手のAvanti Computer Systems(アヴァンティコンピューターシステムズ)社(本社:カナダ・トロント)を買収しました。プロダクションプリンティング市場のお客様に対して、生産ワークフローにおける提供価値の拡大を図り、経営効率・生産性向上の支援をグローバルに展開します。既に2014年12月に米国のPTI社を買収し、ウェブトゥープリントやバリアブルプリント等の提供価値を拡大してきました。今回Avanti Computer Systems社が加わったことで、自社製品群でプリントMISを含む生産ワークフロー全体のシステムの提供が可能となりました。
また商用印刷に関する一連のワークフロー(受注から編集、印刷、後加工、梱包、配送まで)をお客様に体感いただく“魅せる印刷工場”として、「RICOH Customer Experience Center(リコーカスタマーエクスペリエンスセンター)TOKYO」を東京都大田区平和島に開設しました。これはヨーロッパ(イギリス)、アメリカ、アジアパシフィック(タイ)に続く、4カ所目の拠点となります。これでリコーグループ4極すべてでの設置が完了となり、各極拠点の事例を共有し、展開しながら、グローバルレベルでご提案することが可能となりました。
産業分野では、リコーグループが培ってきたプリンティングや光学、画像処理技術がさまざまな場面で応用されています。近年特に市場が拡大しているのが、産業用インクジェット技術を応用した領域です。リコーは30年以上培ってきた独自のインクジェット技術を有し、産業分野のお客様に対してインクジェットヘッドやインクの外販から技術サポートまでを担う事業を展開しています。当期は、高精細印刷を実現するインクジェットヘッド「RICOH MH5220」、薄膜ピエゾアクチュエーターを搭載した産業用インクジェットヘッド等を新たに開発しました。ラベルやパッケージ、サイングラフィックス等のプリンティングシステムでの活用が期待されます。
新規事業の拡大においては、24時間連続で360°の全天球ライブストリーミングが可能となるカメラ「RICOH R Development Kit」を開発しました。「RICOH R Development Kit」は、リコー独自の全天球映像技術を活用し、全天球ライブストリーミングを可能にするものです。加えて、ACアダプターを使用した24時間の連続稼働やマイクロSDカードへの映像記録も可能です。また、カメラをコントロールするためのAPIを公開することで、エンターテインメント以外にもテレイグジスタンス技術やコンピュータービジョンの分野等で幅広く活用できます。
2017年3月に終了した第18次中期経営計画においては、上記の事業戦略の展開に加えて、継続的な事業構造改革の取り組みを進めてまいりましたが、想定以上の事業環境の急激な変化や、欧州経済の不透明感の拡大、新興国経済の減速、為替レートの変動等の経済環境の変化等の影響を受け、残念ながら第18次中計で掲げた財務目標を達成することができませんでした。この結果を真摯に捉えて、2017年度からスタートする第19次中期経営計画を策定しました。

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