四半期報告書-第64期第1四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)

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2015/08/06 9:02
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、当第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は、円安による輸入資材価格の高騰が継続したものの、雇用情勢の改善、株高などを背景に緩やかな景気回復基調が続きました。海外においては、中国など新興国経済の勢いの鈍化や、欧州でのギリシャの債務問題などによる不透明感がある一方で、米国での個人消費、住宅投資の再加速の動きが見られ、全体的には緩やかな景気回復が続きました。
当社グループの主要顧客であります国内自動車メーカーにおきましては、北米を中心に生産、販売が伸び、海外自動車メーカーにおきましても、欧州、アジアでの伸びが見られ堅調に推移しました。
このような状況の中、当社グループの当第1四半期連結累計期間の連結売上高は、前年同期比23.5%増の641億9千3百万円となりました。
利益面では、償却負担などの固定費の増加が見られたものの、売上高の増加に伴う利益増や変動費率の引下げ等の原価改善もあり、連結営業利益は前年同期比34.7%増の72億2千5百万円となりました。連結経常利益は前年同期比45.8%増の73億4千万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比64.0%増の46億2千1百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①合成樹脂成形品事業
合成樹脂成形品事業は、国内においては円安を背景に比較的堅調に推移し、海外ではアジア、北米で大きな伸びがみられ、欧州でもM&A効果などにより伸びがみられるなど総じて好調に推移しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の合成樹脂成形品事業の売上高は前年同期比24.5%増の580億4千7百万円となりました。営業利益につきましては、売上高の増加による利益増や原価低減もあり、前年同期比27.8%増の77億8千万円となりました。
②ベッド及び家具事業
ベッド及び家具事業は、国内においては、競争が激化するなか「シモンズベッド」としての高級ブランド戦略を推し進め、前期並みに推移しましたが、アジアでは販促効果もあり好調に推移し、総じて堅調に推移しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間のベッド及び家具事業の売上高は前年同期比15.1%増の55億2百万円となりました。営業利益につきましては、物流センター関連費用もありましたが、原価改善や稼働率の向上などにより前年同期比28.6%増の7億7千9百万円となりました。
③その他の事業
その他の事業は主に新聞及び出版事業であります。当第1四半期連結累計期間のその他の事業の売上高は、出版売上の増加もあり前年同期比8.2%増の6億4千4百万円となりました。営業利益につきましては3百万円(前年同期は営業損失3千6百万円)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループの主要なマーケットである自動車産業については、グローバル・ベースでは特に新興市場を中心に今後も成長が期待できますが、技術の進歩は著しく、また顧客からの要求等も市場によって多様化しているため、そうしたニーズに応える必要があります。
そのためには、単品サプライヤーからユニット・システムサプライヤーへ成長するとともに、グローバル市場で常に魅力ある製品を安定して提供し自動車部品メーカーとしてグローバルでの存在感を高めたいと考えております。
また、グローバル市場における対応力を向上させるため、日本人社員のみならず外国人社員を活用したグローバル化を進め、グローバル開発体制並びにグローバル財務管理体制を確立し充実させると同時にグローバル・ベースで、もの作り能力を高めてまいります。
その前提として、社員が活躍するための土壌作りを進める必要があり、共通の目的意識を共有できる人事報酬制度を確立したうえで、国籍、性別等にとらわれないダイバーシティを推進しなければなりません。
さらに、当社グループの企業価値を最大化するため、成長ポテンシャルのある事業ポートフォリオを構築したうえで、売上高の伸びと収益性の向上を共にバランスをとりつつ追求していくことが究極の課題であると考えております。
なお、海外拠点の拡充を積極的に進めるなか、子会社を新設するだけでなく既存の地場企業を買収することも行っていますので、これに伴うリスク管理を平時から強化するとともに、緊急の事態にも対応・支援できる体制強化が喫緊の課題であります。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7億2百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、合成樹脂成形品事業においては自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますので、世界の自動車需要及び自動車生産の動向次第で、経営成績が重要な影響を受ける場合があります。
一方、ベッド及び家具事業では、当該事業活動を展開している日本及びアジアの経済状況によって業績が影響される場合があります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産・負債及び純資産の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ135億9千8百万円増加して、2,793億5千万円となりました。主な増加要因は、有価証券の満期償還等により50億5千3百万円減少したものの転換社債型新株予約権付社債の発行等により現金及び預金の増加185億6千9百万円があったことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ215億1千5百万円増加し1,589億6千万円となりました。主な増加要因は、低コストで安定的な資金として調達しました転換社債型新株予約権付社債の増加200億9千6百万円があったことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ79億1千6百万円減少し1,203億9千万円となりました。主な減少要因は、利益剰余金が22億4千万円増加したものの、自己株式の増加79億8千8百万円があったことや、為替換算調整勘定が26億2千7百万円減少したことなどによるものであります。
②資金需要
当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出された内部資金により賄っております。
設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、最近における国内、海外での積極的な設備投資については、社債発行及び外部借入で調達しております。
③財務政策
当社グループは、健全な財政状態での自己資金及び営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び設備投資資金を賄っておりましたが、成長資金としての積極的な設備投資や資本効率性の向上・株主還元としての自己株式の取得等に対応するため、長期でゼロコストの調達として平成27年4月に転換社債型新株予約権付社債を発行しております。
これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識については、「(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題」並びに「(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し」において説明したとおりであります。
今後の方針については、当社グループのビジネスがますますグローバル化していく中で、各市場及び顧客ごとのニーズをくみ上げた事業展開を図ることにより優良企業として長期的な観点から企業価値を高めていきます。