有価証券報告書-第74期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 14:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期という)における我が国経済は、企業による積極的な設備投資を背景にリース関連を中心とした改善が進んだほか、個人消費の回復を受けて消費関連分野を中心に底堅く推移し景気は緩やかな持ち直し基調にあります。海外に目を転じますと、中国経済では、米国向け輸出の減少をアジア、EU、アフリカ向け輸出の拡大が補完し外需は増勢を維持しているものの、内需面では個人消費及び投資の鈍化が続き、景気は足踏み状態となっています。欧州経済については、防衛費を中心とする政府支出の拡大や堅調な個人消費を背景に、ユーロ圏全体で景況の回復が見られます。一方、英国では雇用・所得環境の弱さが家計を圧迫し、内外需ともに低調な状況が継続しております。米国経済においては、非製造業が堅調に推移する一方、製造業の低迷が長期化しており景況感の二極化が続いておりますが、AI関連需要が設備投資を下支えし景気の底堅さは維持されております。このように世界経済は持ち直しの動きがみられる中、中東での軍事的緊張の高まりにより各国がエネルギー供給リスクに直面するなど、依然として先行き不透明な状況にあります。
このような状況の中、当期の連結業績の売上高は、前期比0.1%減の3,526億5千万円となりました。営業利益は前期比2.3%減の480億7千8百万円となりました。経常利益は前期比1.7%減の512億7千5百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比23.9%減の340億7千9百万円となりました。
資産合計は、前期比137億7千4百万円増加し、3,935億9千万円となりました。負債合計は、前期比70億7千2百万円減少し、940億1千8百万円となりました。純資産合計については、前期比208億4千6百万円増加して、2,995億7千1百万円となりました。その結果、自己資本比率は75.3%、1株当たり純資産は3,183円40銭となりました。
セグメントの経営成績を示すと次のとおりです。
各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。
合成樹脂成形品事業
合成樹脂成形品事業の売上高は前期比0.1%減の3,156億9千1百万円となりました。セグメント利益は、前期比2.8%減の476億6千3百万円となりました。
ベッド及び家具事業
ベッド及び家具事業は、売上高は前期比0.4%減の369億5千8百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比0.1%増の59億7千万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、471億6千3百万円の資金の増加となり、前期が542億1千7百万円の資金の増加であったことと比べて、70億5千4百万円の減少となりました。これは主に売上債権の増減額が減少したことや、仕入債務の増減額が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、181億3千万円の資金の減少となり、前期が238億9千1百万円の資金の減少であったことと比べて、57億6千万円の増加となりました。これは主に前年同期は連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、313億5千5百万円の資金の減少となり、前期が351億5千4百万円の資金の減少であったことと比べて、37億9千8百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の返済が減少したことや、自己株式の取得が減少したこと等によるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比較して5億6千2百万円増加し、1,416億5千9百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
合成樹脂成形品事業(百万円)211,23799.6
ベッド及び家具事業(百万円)13,56199.4
合計(百万円)224,79999.6

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
合成樹脂成形品事業(百万円)20,702123.6
ベッド及び家具事業(百万円)2,90591.0
合計(百万円)23,608118.4

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c 受注実績
当社及び連結子会社は受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込生産によっております。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
合成樹脂成形品事業(百万円)315,69199.9
ベッド及び家具事業(百万円)36,95899.6
合計(百万円)352,65099.9

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって、決算日における資産、負債、偶発資産及び偶発債務並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。
a 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の推定される将来需要及び市場状況等に基づく収益性の悪化について、評価減を計上しております。実際の将来需要又は市場状況等が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b 投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の開拓・維持等のため特定の顧客の株式及び余資の運用としての株式等を所有しております。これら株式等には価格変動性が高い市場価格のあるものと、市場価格等の算定が困難である非公開会社が含まれております。当社グループは、原則として市場価格のあるものについては投資原価の下落率が50%以上のもの、また市場価格のないものについては、それら会社の財政状態が悪化し純資産の下落率が50%以上のものについて、それぞれ減損処理を行っております。また30%~50%程度下落したものについては、金額の重要性、回復可能性等を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
c 退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。親会社及び一部の国内子会社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りをもとに退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産の運用率の低下は、当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。未認識の数理計算上の差異及び制度変更等による過去勤務費用にかかる償却は、年金費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や実際の結果との違いの影響を規則的に費用認識したものであります。
d 有形固定資産の減損
当社グループは、自社利用の事業用資産については、事業所単位もしくは連結子会社単位で、賃貸用不動産、遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っております。その上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。対象資産又は資産グループの業績が当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)当連結会計年度の経営成績等
当社グループの主要事業分野であります自動車関連市場につきましては、日本市場では、当期において対前年同期比で、生産台数はやや下回る状況となりました。海外におきましては、対前年同期比で、欧州市場、韓国市場及び北米市場では生産台数が下回った一方で、中国市場及びインド市場では上回る結果となっております。
このような事業環境のもと、当期の連結業績の売上高は、前期比0.1%減の3,526億5千万円となりました。利益面では、管理可能経費の削減をはじめとした各種施策に積極的に取り組んだものの、物価及び人件費の上昇などの影響を受け、営業利益は前期比2.3%減の480億7千8百万円となりました。また、経常利益につきましても前期比1.7%減の512億7千5百万円となりました。特別損益につきましては、減損損失などを特別損失として11億1千5百万円計上した一方、固定資産売却益を特別利益として11億9千6百万円計上いたしました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比23.9%減の340億7千9百万円となりました。
資産合計は、前期比137億7千4百万円増加し、3,935億9千万円となりました。主な増加要因としては、建物及び構築物が73億3千6百万円、機械装置及び運搬具が26億4千9百万円、現金及び預金が23億8千9百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
負債合計は、前期比70億7千2百万円減少し、940億1千8百万円となりました。主な減少要因としては、未払法人税等が31億2千1百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が43億5千7百万円、1年内償還予定の社債が100億円それぞれ減少したことなどによるものであります。
純資産合計は、前期比208億4千6百万円増加して、2,995億7千1百万円となりました。自己株式が93億円増加したものの、利益剰余金が259億9千3百万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が39億8千8百万円増加したことなどによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前期比2.9ポイント増加し、75.3%、1株当たり純資産は3,183円40銭となりました。
(2)経営成績に重要な影響を与える要因
a 経済状況
当社グループでは、自動車メーカー、特に主要日系自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますが、これら日系自動車メーカー向けの製品の需要は、世界経済の動向、特に主要市場である日本をはじめ米国、中国などの経済状況に影響を受け、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす場合があります。
当連結会計年度において、日本は米国関税政策の影響は軽微でしたが、中国のレアアース輸出規制、天災、中東情勢等の影響による減産および稼働停止が相次ぎ、挽回生産はあったものの生産台数は前年比同等となりました。
b 原油及びナフサ価格の高騰
当社グループは、原油価格及びナフサ等の石油製品の価格が高騰し、その期間が長期に及ぶ場合には原材料価格の上昇により、経営成績に影響が生じる可能性があります。
当連結会計年度においては、原材料価格の市況変動適用拡大の交渉を推進し、高騰分の価格転嫁を実現しました。
c 取引先からの値引き要請
当社グループは、取引先からの価格値引き要請に対して生産コストの削減等の努力をしておりますが、予想以上に値引き要請が強い場合、経営成績に重要な影響を受ける場合があります。
当連結会計年度においては、値引き要請に応じると同時に、金型保管費、エネルギー費や労務費高騰分の費用請求を実施し、様々な方法で価格転嫁への取り組みを推進しました。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。
設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。
当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。
これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。
(4)セグメントごとの経営成績等
a 合成樹脂成形品事業
[国内自動車業界向け]
国内の自動車生産につきましては、中国のレアアース輸出規制、天災、新型車の立上げ延期、中東情勢等による減産および稼働停止が相次ぎ、当社売上もその影響を受け減収となりました。しかし、新車立上げに伴う金型売上や電力料補填、材料費・労務費の価格転嫁等の貢献により、売上の通期合計は当初計画を上回る結果となりました。
[海外自動車業界向け]
海外においては、韓国自動車メーカー向け事業は引き続き好調を維持しました。日系自動車メーカー向け事業も、米国での追加関税の影響はあったものの、売上水準を維持しつつ、着実な増益を達成しました。そのほか、アセアンではインド、インドネシアを中心に堅調さを維持し、また効率化のためタイでの工場集約も実施しました。一方で、中国においては、引き続き日系自動車メーカーの販売不振により苦戦を強いられ、前年比で減収減益の結果となりましたが、最適化を実行し対計画比では増収増益を確保しました。欧州においても、英国での新車種販売の後ろ倒しによる販売減もあり減収となりましたが、最適化を行い増益となりました。今後も北米、インドでの日系および韓国自動車メーカー事業への設備投資を増強し、加えて1台当たりの搭載額の増加を行うことで更なる収益力の向上を目指してまいります。
[その他業界向け]
住生活分野においては、当期住宅着工戸数が過去61年間で最低水準となり、当社グループが供給する住宅関連部品の需要も大きく減少した結果、売上高は前年同期を下回る結果となりました。一方、スポーツ・アウトドア分野におきましては、中国スポーツブランドへの当社製品の採用が拡大したほか、採算性の高い製品構成へのシフトが進んだことから、利益面におきましても改善が見られ、当セグメントは増収増益となりました。
以上の結果、合成樹脂成形品事業は、売上高は前期比0.1%減の3,156億9千1百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比2.8%減の476億6千3百万円となりました。
b ベッド及び家具事業
ベッド及び家具事業は、国内においてはホテル向けおよび輸出向けの売上が伸びたものの、販売店向け売上が苦戦し、また 4月に横浜ギャラリーを開設したことによる家賃増加等の影響もあり、減収減益となりました。一方、海外においては香港にて昨年度の廃棄分有料化対応によるホテル特需の反動が大きくホテル向け売上が大幅に減少し、シンガポールにおいても卸売上が低調となりましたが、中国において2024年の8月に中央政府が打ち出した消費促進策が2025年9月まで継続されたことにより、卸・小売に加えてホテル向けも好調に推移し、昨年度設立したタイ工場も操業安定化が進んだ結果、増収増益となりました。この結果、ベッド及び家具事業売上高は前期比0.4%減の369億5千8百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比0.1%増の59億7千万円となりました。
(5)経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2021年度より、ローリング型の3ヶ年中期経営計画を採用してまいりましたが、2026年度よりその運営方針を見直しました。具体的には、「第一部企業の情報 第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますとおり、2035年の長期ビジョンを起点としたバックキャスト型の経営計画体系へ移行し、長期ビジョンの実現に向けて、3回の中期経営計画(フェーズ①~③)を段階的に策定する方針としています。
このうち、フェーズ①を次期中期経営計画として位置づけ、3年後の到達目標を予め固定したうえで、当該目標に対する具体的な施策を策定・実行する「固定型中期経営計画」へ移行しました。本移行により、中期経営計画の位置づけをより明確化するとともに、目標達成に向けた経営陣の責任とコミットメントを一層強化することを意図しております。
2025年度実績2028年度2035年度
目標2025年度比目標
売上高3,526億円4,000億円+13.4%5,000億円
営業利益480億円580億円+20.5%750億円
営業利益率13.6%14.5%+0.9%pt15%
当期純利益340億円400億円+17.6%500億円
ROE11.9%13.0%+1.0%pt16.0%
従業員エンゲージメント84%87%+3%pt89%
為替前提1ドル=149.6円1ドル=153円1ドル=135円

(注)1.当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を指します。
(注)2.従業員エンゲージメントは、隔年で実施するグローバル従業員エンゲージメントサーベイにおける「持続可能なエンゲージメント」の好意的回答率を指します。

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