有価証券報告書-第131期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/20 14:20
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国は個人消費や設備投資などの伸びが拡大したことで底堅く推移しましたが、欧州は引き続き低成長にとどまりました。また、中国は政府による支援策があったものの個人消費や不動産市場などの低迷により厳しい状況が続いています。一方、我が国においては、訪日外国人の増加によるインバウンド効果があったものの、食料品などの価格高騰による買い控えなどによる個人消費の低迷や数多くの自然災害、自動車生産台数の減少などもあって停滞感が続いています。
このような情勢の下、当社グループの事業環境につきましては、売上高は半導体・電子部品関連製品が好調な需要に支えられ大幅に増加したことに加え、米国においてシール・ラベル用粘着製品の販売数量が回復したことなどもあり総じて好調に推移しました。利益面においては、原燃料価格や物流コストは引き続き上昇傾向にあったものの、半導体・電子部品関連製品に加えて他の製品についても販売数量が増加したことによる増益効果がありました。
以上の結果、売上高は315,978百万円(前期比14.4%増)、営業利益は24,562百万円(同131.1%増)、経常利益は26,090百万円(同126.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,476百万円(同176.1%増)となりました。
なお、当社の洋紙事業を取り巻く事業環境は、主力の封筒用紙を中心に受注が低迷し、加えてパルプや薬品などの原材料価格や物流コストが引き続き上昇傾向にあることから、極めて厳しい事業環境が続いていることを踏まえ、洋紙事業の将来の回収可能性を検討した結果、当連結会計年度において減損損失7,728百万円を特別損失に計上いたしました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
[印刷材・産業工材関連]
前連結
会計年度
当連結
会計年度
前期比
増減額増減率
百万円百万円百万円%
売上高168,970184,64715,6769.3
印刷情報材事業部門133,175146,66513,48910.1
産業工材事業部門35,79537,9812,1866.1
営業利益又は営業損失(△)△1,1155,4626,577-

当セグメントの売上高は販売数量の増加や円安効果により184,647百万円(前期比9.3%増)となりました。利益面については米国で販売数量が大幅に増加した効果もあり営業利益は5,462百万円(同-%)となりました。
当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。
(印刷情報材事業部門)
シール・ラベル用粘着製品は、国内では物価高騰の影響により食品関連を中心に需要が減少したほか、アイキャッチラベルや飲料キャンペーン用なども総じて低調に推移しました。海外では米国で買収効果により販売数量が大幅に増加したほか、中国、アセアン地域においても堅調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は146,665百万円(前期比10.1%増)となりました。
(産業工材事業部門)
国内では自動車生産台数減少の影響を受け自動車用粘着製品やウインドーフィルムが低調に推移しました。海外においては米国で防犯用ウインドーフィルムやスパッタリングフィルムが好調であったほか、インドで自動車用粘着製品が増加しました。この結果、当事業部門の売上高は37,981百万円(前期比6.1%増)となりました。
[電子・光学関連]
前連結
会計年度
当連結
会計年度
前期比
増減額増減率
百万円百万円百万円%
売上高73,89296,31222,41930.3
アドバンストマテリアルズ事業部門59,97885,00825,03041.7
オプティカル材事業部門13,91411,303△2,611△18.8
営業利益11,66118,5056,84458.7

当セグメントの売上高は光学ディスプレイ関連粘着製品は韓国・台湾子会社の閉鎖の影響を受け大きく減少しましたが、半導体・電子部品関連製品の需要が大幅に増加したことにより96,312百万円(前期比30.3%増)となりました。利益面については半導体関連粘着テープや装置の売り上げが増加したことにより営業利益は18,505百万円(同58.7%増)となりました。
当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。
(アドバンストマテリアルズ事業部門)
半導体関連粘着テープは生成AI関連の需要増加などにより好調に推移しました。また、半導体関連装置についてもHBM製造用などで大幅に増加しました。積層セラミックコンデンサ関連テープはスマートフォンやデータセンター向けなどの需要増加により大きく伸長しました。この結果、当事業部門の売上高は85,008百万円(前期比41.7%増)となりました。
(オプティカル材事業部門)
OLEDスマートフォン用粘着テープは堅調であったものの、韓国・台湾子会社の閉鎖の影響もあり売上高は大幅に減少しました。この結果、当事業部門の売上高は11,303百万円(前期比18.8%減)となりました。
[洋紙・加工材関連]
前連結
会計年度
当連結
会計年度
前期比
増減額増減率
百万円百万円百万円%
売上高33,45835,0191,5614.7
洋紙事業部門15,32914,876△452△3.0
加工材事業部門18,12920,1422,01311.1
営業利益215355142,443.1

当セグメントの売上高は洋紙事業部門においてカラー封筒用紙の需要減少の影響を受けましたが、加工材事業部門で電子材料用剥離紙や合成皮革用工程紙の販売数量が増加したことにより35,019百万円(前期比4.7%増)となりました。利益面については洋紙事業部門は厳しい結果となりましたが、加工材事業部門の販売数量増加などにより営業利益は535百万円(同2,443.1%増)となりました。
当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。
(洋紙事業部門)
クリーンペーパーや耐油耐水紙が堅調に推移したものの、主力のカラー封筒用紙や色画用紙、建材用紙が需要減少により低調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は14,876百万円(前期比3.0%減)となりました。
(加工材事業部門)
電子材料用剥離紙や光学関連製品用剥離フィルムがスマートフォン用などの需要増加により好調に推移したほか、合成皮革用工程紙やレジャー用の炭素繊維複合材料用工程紙も増加しました。この結果、当事業部門の売上高は20,142百万円(前期比11.1%増)となりました。
2026年3月期の業績見通しにつきましては、海外売上高が60%を超え、さらなるグローバル化を目指す当社グループにとりましては、米国政府における関税政策による世界経済への影響、地政学リスクの高まり、各国金融政策による為替変動など、当社の経営環境に大きな影響を及ぼすとみています。
そのような中、当社グループでは2030年を最終年度とした長期ビジョン「LSV2030」を掲げ、基本方針を「イノベーションによる企業体質の強靭化と持続的成長に向けた新製品・新事業の創出を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献する」とし、「社会的課題の解決」、「イノベーションによる企業体質の強靭化」、「持続的成長に向けた新製品・新事業の創出」の三つの重点テーマに対する諸施策に取り組んでおり、2026年3月期はその中間点にあたります。
今後も前述のような世界情勢に加えて、原燃料や輸送コストの上昇、人件費や新規生産設備導入による減価償却費などの固定費増加が利益押し下げ要因となりますが、全社員が一丸となり取り組みを一層強化することで、現下の厳しい経営環境を乗り越え計画達成に向けて邁進してまいります。
2026年3月期の連結業績予想は、売上高は3,170億円(当期比0.3%増)、営業利益は240億円(同2.3%減)、経常利益は240億円(同8.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は180億円(同24.3%増)を予想しております。
(2)財政状態の状況
[資産]
当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産の増加に加え有形固定資産が積極的な設備投資などにより増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて6,881百万円増加の340,471百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
・「受取手形」の減少△1,395百万円
・「売掛金」の増加1,332百万円
・「棚卸資産」の増加4,505百万円
・「有形固定資産」の増加2,776百万円
・「のれん」の減少△3,220百万円
・「繰延税金資産」の増加3,627百万円

[負債]
当連結会計年度末の負債は、支払手形及び買掛金や長期借入金の減少などにより、前連結会計年度末に比べて6,324百万円減少の94,345百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
・「支払手形及び買掛金」の減少△5,354百万円
・「未払法人税等」の増加3,022百万円
・「関係会社整理損失引当金」の減少△1,147百万円
・「長期借入金」の減少△2,094百万円
・「退職給付に係る負債」の増加1,005百万円

[純資産]
当連結会計年度末の純資産は、為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べて13,206百万円増加の246,126百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
・「自己株式」の増加5,864百万円
・「為替換算調整勘定」の増加8,921百万円

(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は50,703百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,692百万円の減少となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して5,489百万円減少の33,715百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
・「税金等調整前当期純利益」の増加9,300百万円
・「関係会社整理損失引当金の増減額」の減少△2,249百万円
・「売上債権の増減額」の増加5,084百万円
・「棚卸資産の増減額」の減少△12,867百万円
・「仕入債務の増減額」の減少△12,137百万円
・「減損損失」の増加6,713百万円
・「法人税等の支払額又は還付額」の減少△1,153百万円

[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して3,154百万円減少の△24,666百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
・「定期預金の払戻による収入」の減少△3,306百万円
・「有形固定資産の取得による支出」の減少△9,329百万円
・「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得
による支出」の増加
1,090百万円
・「事業譲受による支出」の増加7,007百万円

[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して11,044百万円減少の△12,332百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
・「長期借入れによる収入」の減少△6,795百万円
・「自己株式の取得による支出」の減少△3,092百万円

また、資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業キャッシュ・フロー内において、主な設備投資や借入金の返済などを実施しており、自己キャッシュ・フローにより流動性は確保できております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
[のれんの減損及び子会社株式の評価]
当連結会計年度末ののれん残高は11,771百万円であります。主なものは印刷情報材事業の製品を製造・販売するMACTAC AMERICAS, LLCにおいて11,554百万円の残高を計上しており、同社は、米国におけるTopic350「無形資産-のれん及びその他」を適用し、のれんを10年間の定額法で償却しています。また、年4回(四半期決算期末)減損の兆候の判定を行っております。
減損の兆候の判定には、主にマクロ経済の動向、業界及び市場の動向、原材料費や輸送コスト等の調達コストの動向、業績の動向などを判断材料としており、これらの判断材料が大きく変化した場合、のれんの減損損失を認識する可能性があります。
当連結会計年度における減損の兆候を判定した結果、減損の兆候はなく、のれんの減損損失を認識することはありませんでした。
また、当事業年度末の子会社株式残高は61,956百万円であり、主なものは当社の米国子会社であるLINTEC USA HOLDING, INC.の48,731百万円であります。LINTEC USA HOLDING, INC.は、上記のMACTAC AMERICAS, LLCの持分を100%所有しており、MACTAC AMERICAS, LLCがのれんの減損損失を認識した場合、子会社株式の評価損を認識する可能性があります。
[固定資産の減損]
当連結会計年度において、洋紙・加工材関連セグメントのうち、洋紙事業の収益性が低下したため減損の兆候があると判断し、洋紙事業の固定資産に係る資産グループ11,119百万円について、減損損失の認識の要否判定を行いました。
判定の結果、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がその帳簿価額を下回ったことから、当該事業に係る資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額7,728百万円を減損損失として特別損失に計上しております。
なお、当該見積りに用いた仮定などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(5)生産、受注及び販売の実績
[生産実績]
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
印刷材・産業工材関連140,5576.1
電子・光学関連65,34434.6
洋紙・加工材関連43,3083.6
合計249,21011.8

(注) 1 セグメント間およびセグメント内の取引が多様で、各セグメントの生産高を正確に算出することが困難であるため、概算金額を表示しております。また、セグメント間の内部振替高に伴う生産高を含めております。
2 金額は、製造原価によっております。
[受注実績]
製品及び商品の大部分が受注即出荷となりますので、受注状況は販売実績とほぼ同じであります。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
印刷材・産業工材関連184,6479.3
電子・光学関連96,31230.3
洋紙・加工材関連35,0194.7
合計315,97814.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

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