有価証券報告書-第90期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 16:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
160項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国が好調に推移する中、米中貿易摩擦による不安定な状況が続いていました。国内経済においては雇用の改善がみられるものの、世界経済の減速を受けて製造業を中心に企業業績が悪化するなど、力強さに欠ける展開となりました。また、第4四半期に入り、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により、各国における経済活動が抑制され、国内外ともに景気の停滞感が急速に強まりました。
このような環境の下、情報電子事業では減収の展開となりましたが、ライフサイエンス事業で日用品向包装材の拡販が寄与したこと、さらに建築資材事業で販売が好調だったことで、当社グループの売上は前年同期比で増収となりました。
損益面では、研究開発費等の固定費の増加に加え、情報電子事業の主力事業のプロテクトフィルムにおいてパネル業界の需要減退に伴う減収影響を大きく受けましたが、ライフサイエンス事業、建築資材事業における増収効果、海外子会社の収支改善などにより、前年同期比で営業利益、経常利益は増益となりました。一方、米国子会社で減損損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
この結果、当連結会計年度における業績は、売上高1,143億4百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益88億56百万円(前年同期比9.0%増)、経常利益90億62百万円(前年同期比6.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益53億28百万円(前年同期比3.7%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(ライフサイエンス事業)
日用品向包装材で大容量の複数回詰替袋の拡販が大きく寄与しました。さらに、医薬・医療用包装材において、バイオ医薬品製造用シングルユースバッグ及び関連製品を中心に売上が増大したこと、液体容器、食品用包装材、その他商品販売においても売上を伸ばしたことなどから、事業全体として増収となりました。
この結果、売上高は565億34百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
(情報電子事業)
情報記録用材については、パソコン・サーバー向け、スマートフォン向けが堅調に推移し、増収となりました。プロテクトフィルムでは、米中貿易摩擦が長期化する中、昨年度は駆け込み需要があり堅調に推移しましたが、その反動から今年度に入り需要が減退に転じるなど、売上は前年を下回る展開となりました。
この結果、売上高は383億62百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
(建築資材事業)
建材関連においては、空調用配管並びに集合住宅向けボイドスラブ(床構造部材)の売上が増加したことに加え、煙突工事の売上も堅調に推移いたしました。土木関連についても、トンネル用資材の売上が増加いたしました。
この結果、売上高は194億7百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
世界的に広がるCOVID-19感染拡大は、経済、社会活動において日を追うごとに深刻さを増しており、世界的な消費の落ち込みや生産活動の停滞等、内外経済が大きく減速することが懸念されております。
当社グループへの事業に与える影響は現時点では軽微ですが、各セグメントへのCOVID-19の影響は次のとおりです。
事業区分需要増需要減
ライフ
サイエンス
・消毒液、ハンドソープ等包装・容器
・インスタント、保存食等包装
・米国向け薬液バッグ
・バイオ医薬品培養バッグ
・業務用食品包装
・化粧品包装
・東南アジア医薬品包装
情報電子・PC、モニター用偏光板プロテクトフィルム・TV用偏光板プロテクトフィルム
建築資材-・建築資材

収束時期が不透明であることから、今後COVID-19が事業へ与える影響については、予測が非常に困難なものになっております。
予想される大きな影響としては、情報電子事業における主力事業である偏光板プロテクトフィルムは、液晶テレビ販売減からパネル業界における在庫調整影響等を受け、第2四半期に受注が減少する可能性があると予想しております。第3四半期以降は徐々に回復していくと想定しておりますが、COVID-19感染拡大が我々の想定以上の影響だった場合は、当社グループの業績にさらに大きな影響を与える可能性があります。
財政状態については、次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金、売上債権などが減少しましたが、有形固定資産、有価証券などが増加したことにより、前年度末に対して3億1百万円増加の1,083億48百万円となりました。
負債は、未払金が増加しましたが、仕入債務が減少したことなどにより、前年度末に対して44億92百万円減少の368億14百万円となりました。
純資産は、利益剰余金が増加したことなどにより、前年度末に対して47億94百万円増加の715億33百万円となり、自己資本比率は61.4%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末より9億19百万円減少して232億96百万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローへのCOVID-19の影響は軽微であります。
各キャッシュ・フローの状況とその主な増減理由は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、78億98百万円(前年同期は74億58百万円の収入)となりました。
これは、仕入債務の減少、法人税等の支払などの資金減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益83億35百万円や減価償却費45億73百万円などの資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は、67億75百万円(前年同期は55億73百万円の支出)となりました。
これは、有形固定資産の取得67億13百万円などの資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は、21億34百万円(前年同期は19億46百万円の支出)となりました。
これは、配当金の支払、借入金の返済などの資金減少要因があったことによるものであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。
2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)59.855.756.557.761.4
時価ベースの自己資本比率(%)56.961.168.853.551.4
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.20.70.40.40.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)637.9162.2280.6228.8149.8

(注)1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
自己資本比率 自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ 営業キャッシュ・フロー÷利払い
2. 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4. 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ライフサイエンス(百万円)45,1521.2
情報電子(百万円)37,462△5.7
建築資材(百万円)8,0628.4
合計(百万円)90,678△1.2

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ライフサイエンス(百万円)10,9574.0
情報電子(百万円)57927.4
建築資材(百万円)11,4097.5
合計(百万円)22,9466.2

(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
ライフサイエンス58,2995.812,19116.9
情報電子38,729△2.43,78810.7
建築資材18,699△11.66,756△9.5
合計115,727△0.222,7366.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ライフサイエンス(百万円)56,5343.3
情報電子(百万円)38,362△2.9
建築資材(百万円)19,4078.1
合計(百万円)114,3041.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当連結会計年度における売上高は、1,143億4百万円(前連結会計年度1,122億16百万円)となり、前連結会計年度比で20億88百万円増加いたしました。
売上総利益は、249億32百万円(前連結会計年度238億77百万円)となり、前連結会計年度比で10億54百万円増加いたしました。売上総利益率は、前連結会計年度から0.5ポイント増加し、21.8%となりました。情報電子事業の主力事業のプロテクトフィルムでは需要減退に伴う減収影響があったものの、ライフサイエンス事業、建築資材事業、情報電子事業の中の情報記録用材での増収効果や、海外子会社の収支改善などの増益要因が上回り、売上総利益率も上昇いたしました。
営業利益は、88億56百万円(前連結会計年度81億26百万円)となり、前連結会計年度比で7億30百万円増加いたしました。その結果、営業利益率は7.7%となりました。研究開発費の投入推進等により販売費及び一般管理費は増加したものの、売上総利益までの増益影響の方が上回ったことで、営業利益も増益となりました。
経常利益は、90億62百万円(前連結会計年度85億19百万円)となり、前連結会計年度比で5億42百万円増加いたしました。その結果、経常利益率は7.9%となりました。営業外収支で為替差損2億19百万円の計上があったものの、営業利益までの増益影響の方が上回ったことで、経常利益も増益となりました。
税金等調整前当期純利益は、83億35百万円(前連結会計年度85億28百万円)となり、前連結会計年度比で1億92百万円減少いたしました。その結果、税金等調整前当期純利益率は7.3%となりました。米国子会社で減損損失を計上したことなどにより、経常利益までの増益影響を上回る水準で特別収支が悪化したことで、税金等調整前当期純利益は減益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、53億28百万円(前連結会計年度55億32百万円)となり、前連結会計年度比で2億3百万円減少いたしました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益率は4.7%となりました。海外子会社の収支改善を主要因として税負担率が低下しましたが、税金等調整前当期純利益までの影響に加え、非支配株主に帰属する当期純利益が増加したことなどにより、減益となりました。
なお、セグメント別の経営成績、財政状態に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社グループでは、以下を重要な経営指標と位置づけ、これらの向上を目指しております。
・営業利益
・営業利益率
・ROA(総資産営業利益率)
・ROE(自己資本当期純利益率)
企業としての本来の事業活動の成果を示す営業利益及び営業利益率、投下資本の運用効率・収益性を測る指標としてROA(総資産営業利益率)、株主重視の観点からROEを選定しております。
2020年3月期を含む、過去5ヶ年の上記指標の推移は以下のとおりであります。
2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
営業利益(百万円)8,1606,8708,5778,1268,856
営業利益率(%)8.57.07.97.27.7
ROA(総資産営業利益率)(%)9.37.48.67.78.2
ROE(自己資本当期純利益率)(%)9.65.19.59.18.3

当社グループの持続的な発展のため、既存の強固な基盤事業を軸に更なる業績向上を目指してまいります。
また、更なる事業拡大に向けて、販売力の一層の強化、将来の成長・発展に向けた戦略的投資・研究開発力の拡充を継続して推進していきます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検証内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
主な資金需要は、原材料の購入費用、製造・販売費・一般管理費等の運転資金、設備投資や研究開発費・戦略費・M&A等も見据えた広義での成長投資、ならびに株主還元となります。
設備投資については、前年同期の50億33百万円から29億24百万円増加し、79億58百万円となりました。その主な内容は当社における建物及び機械装置を中心とした投資です。また重要な設備の新設計画として、情報電子事業の精密塗加工設備64億63百万円を予定しております。
研究開発費は29億78百万円(前年同期比9.4%増)となり、売上高研究開発費比率は2.6%となりました。
運転資金及び成長投資資金については、内部留保資金又は借入により資金調達しております。
株主還元については、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本とし、業績の伸展状況に応じて、配当性向・株主資本配当率等を勘案して実行してまいります。
現時点においては、COVID-19感染拡大が当社グループの資金繰りに与える影響は軽微ですが、更なる感染拡大の影響から市況に大きな変動が生じた場合など、資金調達について柔軟に対応を進めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積もりを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりです。
・固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
なお、世界的に広がるCOVID-19の感染拡大は、経済、社会活動において日を追うごとに深刻さを増しており、世界的な消費の落ち込みや生産活動の停滞等、内外経済が大きく減速することが懸念されております。
当期において、米国子会社で減損損失を計上しておりますが、医療用途の液体容器を主要製品として取り扱っ
ていることから、COVID-19の感染拡大は当該見積りに重要な影響を与えないと仮定しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。