有価証券報告書-第53期(2025/01/01-2025/12/31)
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境が改善し、インバウンド需要の増加などにより緩やかな回復基調が見られました。一方で、世界経済は、米国の関税引き上げ政策や、東欧・中東地域における紛争の長期化、中国経済の不振などを要因として、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境の中、為替相場の変動や資源価格・原材料コストの動向が企業収益に影響を及ぼし、当社グループを取り巻く環境は、高い不確実性を前提とした柔軟かつ慎重な経営判断が求められています。また、環境・社会課題への対応やコーポレート・ガバナンスの強化についても、中長期的な企業価値向上に向けた重要な経営課題と位置付け、継続的な取り組みを進めています。さらに、自然災害や予期せぬ事象による事業への影響についても想定し、リスク管理体制の整備を進めています。
遊技機事業では、スマートパチスロのシェア拡大が順調に進み、遊技の多様性を目的としたボーナストリガー(BT)搭載機の登場など、パチスロ市場は堅調に推移しました。パチンコ機においても、ラッキートリガー(LT)3.0プラスを搭載したスマートパチンコの市場投入が広がっています。当連結会計年度は、パチスロ8タイトル、パチンコ8タイトルを市場投入し、総販売台数は115,000台となりました。
統合型リゾート(IR)事業においては、フィリピンのゲーミング市場全体がVIPマーケットの縮小という構造的な逆風に直面し、当社グループもその影響を大きく受けました。加えて、悪天候や政情不安による来訪者数の減少などの一時的要因も重なり、ゲーミング収益は前年を下回りました。
この結果、売上高は122,827百万円(前期比 2.8%減)、販売費及び一般管理費はオカダ・マニラにおける減価償却費の増加もあり、営業損失は3,228百万円(前年同期 営業利益3,024百万円)となりました。加えて、前年同期より円高ドル安による為替差損の計上があり、経常損失は18,497百万円(前年同期 経常損失5,599百万円)、主にオカダ・マニラにおける減損損失の発生により親会社株主に帰属する当期純損失は231,425百万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失15,569百万円)となりました。
なお、事業セグメント別の業績は以下のとおりです。各業績数値はセグメント間売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。
①遊技機事業
当連結会計年度における遊技機事業の売上高は56,708百万円(前期比 30.4%増)、営業利益は10,662百万円(前期比 45.8%増)となりました。
遊技機業界では、スマートパチスロの普及が順調に進み、新台販売の大半を占めるまでに成長しました。その高い人気がパチスロ市場全体を牽引しており、市場環境は良好に推移しています。パチンコ機においては、ラッキートリガー(LT)3.0プラスを搭載したスマートパチンコの市場投入を契機に、スマート遊技機の普及が加速しています。
かかる状況下で当社は、まどか☆マギカシリーズ最新作『スマスロ マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』、A PROJECT 初のスマスロ『アレックス ブライト』、沖ドキ!シリーズ史上最高スペックを搭載した『スマスロ 沖ドキ!DUO アンコール』等の販売を行いました。パチンコ機においては、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの国民的野球ゲームをモチーフとした『Pハネモノ ファミリースタジアム』、LT3.0プラスを搭載した当社グループ初のスマートパチンコ『eシャーマンキング』『eシャーマンキング でっけぇえなver.』等の販売を行いました。
②統合型リゾート(IR)事業
当連結会計年度における統合型リゾート(IR)事業の売上高(1) は65,409百万円(前期比 20.2%減)、営業損失は7,114百万円(前年同期 営業利益2,871百万円)となりました。また、調整後EBITDA(2) は10,282百万円(前期比 47.4%減)となりました。
フィリピン・マニラのエンターテインメントシティにおけるゲーミング市場は、依然として調整局面にあり、当該市場全体が縮小傾向にある中、悪天候や政情不安による来場者の一時的な減少の影響等により、オカダ・マニラの実績は前年を下回りました。
ゲーミング収益部門では課題がある一方、主要な事業指標では回復力と成長を示しました。特に会員数と参加率の大幅な改善が見られ、ロイヤルティプログラム「REWARD CIRCLE」の新規登録者数は10万2,000人となり、前年の7万9,000人から約29%増加するとともに、月間ユニークアクティブ会員数は0.8%の緩やかな増加となり、顧客基盤における安定したエンゲージメントが確認されました。
マーケティング施策では、特にロイヤルティプログラム「REWARD CIRCLE」を通じ、顧客エンゲージメントとロイヤルティの醸成に注力しました。主な取り組みとして、4回にわたるVIPトーナメントシリーズの開催、主要なカルチャーフェスティバル期間中の限定コンサートの実施、そして恒例の「Christmas Village」は「Christmas Carnival」へと刷新したことで1日平均7,400人の参加者を集めました。
さらに、新たなアトラクションとして、BTSの楽曲「Dynamite」をフィーチャーした噴水ショーの開始により、ゲスト体験を一層充実させるとともに、リゾートへの新規訪問者を誘致しました。
オカダ・マニラは様々な課題に直面しながらも、顧客エンゲージメントの強化、革新的なマーケティング戦略、市場環境への柔軟な対応により、持続的な成長の基盤を築きました。今後も、ブランド価値の向上と、大切なゲストの皆様に卓越した体験を提供することに尽力してまいります。
(1)売上高は、総売上高からゲーミング税及びジャックポット費用を控除したもの
(2)調整後EBITDA = 営業損益 + 減価償却費 + その他の調整項目
③その他
当連結会計年度におけるその他の売上高は534百万円(前期比 12.1%増)、営業利益は113百万円(前年同期 営業損失198百万円)となりました。
メディアコンテンツ事業においては、App Store・Google Play にて『沖ドキ!ゴージャス』『アレックス ブライト』のシミュレーターアプリを配信しました。『アレックス ブライト』は、ゲームカテゴリの有料ランキングで上位10位以内に入るなど好評をいただきました。月額制サービスの「ユニバ王国」及び基本プレイ無料のソーシャルカジノゲーム「スロットストリート」では、ゲーム内イベントを常時開催し、新規ユーザーの獲得と満足度向上に努めています。
楽曲配信では、主要サイト Apple Music・Spotify・YouTube Music をはじめとする24のサイトへ「スマスロ 沖ドキ!DUOアンコール オリジナルサウンドトラック」等、8タイトルを提供しました。
なお、「その他」セグメントの売上高及びび営業利益は、いずれもセグメント間取引を消去した後の金額により表示しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.統合型リゾート(IR)事業及びその他事業については、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.統合型リゾート(IR)事業及びその他事業については、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.相手先別販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
3.上記販売高のほか、各報告セグメントに配分していない全社販売高174百万円があります。
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
以下の当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析等の内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、必要と思われる見積り及び仮定は合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
②当期の財政状態の概況
総資産の額は、現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加した一方、減損損失の計上による固定資産の減少、開発仕掛償却による仕掛品減少といった減少項目もあり、前連結会計年度末に比べて259,161百万円減少し373,634百万円となりました。
総負債の額は、連結子会社における長期借入金の返済ならびに新規調達による増加、繰延税金負債の減少、関係会社長期預り金の減少、円高ペソ安の進行によるリース債務の減少により、前連結会計年度末に比べて19,117百万円減少し243,947百万円となりました。
純資産の額は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、前連結会計年度末に比べて240,043百万円減少し129,687百万円となりました。
③経営成績の分析
(売上高、売上原価)
売上高の総額は122,827百万円(前期比 2.8%減)となりました。
遊技機事業においては、スマートパチスロの普及が進むとともに、パチンコ市場においてもスマート遊技機の普及が加速する中、主要タイトルを集中して市場投入した結果、当連結会計年度のパチスロ・パチンコ機総販売台数は、前期の92,150台から115,000台となり、売上高は30.4%増加となりました。
統合型リゾート(IR)事業においては、フィリピン市場全体のVIPマーケット縮小という構造的な逆風に加え、悪天候や政情不安による来訪者数の一時的な減少もあり、売上高は20.2%減少となりました。
売上原価の総額は50,846百万円(前期比 0.7%減)(内訳:遊技機事業 36.6%増、統合型リゾート(IR)事業 31.3%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費の総額は75,208百万円(前期比 4.3%増)となりました。
主な増減理由としては、遊技機事業及び統合型リゾート(IR)事業における減価償却費の増加によるものです。
(営業外損益)
営業外収益は5,884百万円(前期比 54.6%減)、営業外費用は21,154百万円(前期比 2.0%減)となりました。
当連結会計年度における主な科目毎の内訳は、借入金消滅差益2,692百万円、持分法による投資利益 2,027百万円、支払利息・社債利息15,719百万円となります。主な増減理由としては、前連結会計年度における多額の為替差益が円高ドル安の進行により当連結会計年度において為替差損に転じたことによるものです。
(特別損益ならびに法人税等)
特別利益は6,530百万円(前連結会計年度 特別利益156百万円)、特別損失は230,304百万円(前連結会計年度 特別損失1,399百万円)となりました。当連結会計年度における主な内訳は、賠償金収入3,512百万円、固定資産売却益3,010百万円、減損損失229,115百万円です。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は231,425百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失 15,569百万円)、1株当たり当期純損失は2,986.48円(前連結会計年度 1株当たり当期純損失は200.92円)となりました。
④キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて12,483百万円増加し、36,279百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は次のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、11,053百万円の収入となりました。これは主に、減価償却費、減損損失、為替差損や貸倒引当金の増減額を除く税金等調整前当期純利益10,341百万円によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、3,923百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入 3,371百万円、子会社株式の売却による収入 1,345百万円、有形・無形固定資産の取得による支出 9,255百万円によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、9,250百万円の収入となりました。これは主に、長期借入れによる収入71,990百万円、長期借入金の返済による支出 62,633百万円によるものです。
なお当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
資金需要は統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」の建設費、遊技機事業の材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発費等が主なものであります。これらの資金需要に対する資金財源は、手持資金、私募債、金融機関からの借入により必要とする資金を調達しております。当連結会計年度末における社債・借入金(リース債務除く)有利子負債の残高は133,417百万円、現金及び現金同等物の残高は36,279百万円となります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
①遊技機事業
遊技機業界では、スマートパチスロが堅調な稼働を背景に着実にシェアを拡大しています。さらに、遊技の多様性向上を目的としたボーナストリガー(BT)搭載機の普及が進むなか、高く評価される機種も登場しており、パチスロ市場は引き続き拡大傾向にあります。一方、パチンコ機の稼働は全体的にやや低調ですが、メーカー各社によるラッキートリガー(LT)3.0プラス搭載のスマートパチンコの市場投入が広がっています。LT3.0プラスによりゲーム性が拡充された新機種が継続的に市場に登場していることから、今後はスマートパチンコの普及率上昇と市場活性化が期待されます。
2026年12月期の遊技機販売は、ハナビシリーズ初のスマートパチスロ『スマスロ ハナビ』の市場投入、遊技機業界で圧倒的な人気を誇るGODシリーズから『スマスロ ミリオンゴッド-神々の軌跡-』等の販売を開始しています。また、パチンコ機においては、LT搭載機『Pえとたま2 神祭 干支甘』『eラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫』の販売を開始しています。
当社グループは引き続き、独自性のある魅力的な遊技機の創出に努め、遊技機業界全体の活性化に貢献するとともに、販売シェアの拡大に努めてまいります。
②統合型リゾート(IR)事業
フィリピンのゲーミング市場は今後も競争の激化が予測されます。オカダ・マニラは、マスマーケット顧客の獲得に引き続き注力し、ロイヤルティマーケティングプログラムを通じて顧客基盤の拡大を目指します。加えて、アジア各国の旅行代理店や多様なパートナー企業との連携を推進し、海外からの顧客誘致を図ります。また、主要国にマーケティングオフィスを設置し、国際的なブランド認知度とプレゼンスの向上を図ってまいります。
非ゲーミング事業においては、パールウイング客室改修プログラムが進行中で、追加2フロアの改装完了を2026年内に予定しています。客室体験の質を高めるため、タブレット端末のアップグレードと刷新されたゲスト体験トレーニングプログラムの導入を計画しています。
オカダ・マニラは、今後も新しいゲーミング製品の導入と市場におけるイノベーションの推進に注力してまいります。ゲーミング業界のレベルアップにつながる、常に新鮮で刺激的な体験を提供するとともに、お客様に一層ダイナミックで魅力的なサービスの提供に努めてまいります。
③その他
メディアコンテンツ事業においては、App Store・Google Play にて高品質なシミュレーターアプリを配信してまいります。月額制サービスの「ユニバ王国」及び基本プレイ無料のソーシャルカジノゲーム「スロットストリート」においても、サービスの改善、ユーザー満足度の向上に努めてまいります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ④キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
②キャッシュ・フロー指標のトレンド
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債・借入金を対象としております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境が改善し、インバウンド需要の増加などにより緩やかな回復基調が見られました。一方で、世界経済は、米国の関税引き上げ政策や、東欧・中東地域における紛争の長期化、中国経済の不振などを要因として、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境の中、為替相場の変動や資源価格・原材料コストの動向が企業収益に影響を及ぼし、当社グループを取り巻く環境は、高い不確実性を前提とした柔軟かつ慎重な経営判断が求められています。また、環境・社会課題への対応やコーポレート・ガバナンスの強化についても、中長期的な企業価値向上に向けた重要な経営課題と位置付け、継続的な取り組みを進めています。さらに、自然災害や予期せぬ事象による事業への影響についても想定し、リスク管理体制の整備を進めています。
遊技機事業では、スマートパチスロのシェア拡大が順調に進み、遊技の多様性を目的としたボーナストリガー(BT)搭載機の登場など、パチスロ市場は堅調に推移しました。パチンコ機においても、ラッキートリガー(LT)3.0プラスを搭載したスマートパチンコの市場投入が広がっています。当連結会計年度は、パチスロ8タイトル、パチンコ8タイトルを市場投入し、総販売台数は115,000台となりました。
統合型リゾート(IR)事業においては、フィリピンのゲーミング市場全体がVIPマーケットの縮小という構造的な逆風に直面し、当社グループもその影響を大きく受けました。加えて、悪天候や政情不安による来訪者数の減少などの一時的要因も重なり、ゲーミング収益は前年を下回りました。
この結果、売上高は122,827百万円(前期比 2.8%減)、販売費及び一般管理費はオカダ・マニラにおける減価償却費の増加もあり、営業損失は3,228百万円(前年同期 営業利益3,024百万円)となりました。加えて、前年同期より円高ドル安による為替差損の計上があり、経常損失は18,497百万円(前年同期 経常損失5,599百万円)、主にオカダ・マニラにおける減損損失の発生により親会社株主に帰属する当期純損失は231,425百万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失15,569百万円)となりました。
なお、事業セグメント別の業績は以下のとおりです。各業績数値はセグメント間売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。
①遊技機事業
当連結会計年度における遊技機事業の売上高は56,708百万円(前期比 30.4%増)、営業利益は10,662百万円(前期比 45.8%増)となりました。
遊技機業界では、スマートパチスロの普及が順調に進み、新台販売の大半を占めるまでに成長しました。その高い人気がパチスロ市場全体を牽引しており、市場環境は良好に推移しています。パチンコ機においては、ラッキートリガー(LT)3.0プラスを搭載したスマートパチンコの市場投入を契機に、スマート遊技機の普及が加速しています。
かかる状況下で当社は、まどか☆マギカシリーズ最新作『スマスロ マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』、A PROJECT 初のスマスロ『アレックス ブライト』、沖ドキ!シリーズ史上最高スペックを搭載した『スマスロ 沖ドキ!DUO アンコール』等の販売を行いました。パチンコ機においては、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの国民的野球ゲームをモチーフとした『Pハネモノ ファミリースタジアム』、LT3.0プラスを搭載した当社グループ初のスマートパチンコ『eシャーマンキング』『eシャーマンキング でっけぇえなver.』等の販売を行いました。
②統合型リゾート(IR)事業
当連結会計年度における統合型リゾート(IR)事業の売上高(1) は65,409百万円(前期比 20.2%減)、営業損失は7,114百万円(前年同期 営業利益2,871百万円)となりました。また、調整後EBITDA(2) は10,282百万円(前期比 47.4%減)となりました。
フィリピン・マニラのエンターテインメントシティにおけるゲーミング市場は、依然として調整局面にあり、当該市場全体が縮小傾向にある中、悪天候や政情不安による来場者の一時的な減少の影響等により、オカダ・マニラの実績は前年を下回りました。
ゲーミング収益部門では課題がある一方、主要な事業指標では回復力と成長を示しました。特に会員数と参加率の大幅な改善が見られ、ロイヤルティプログラム「REWARD CIRCLE」の新規登録者数は10万2,000人となり、前年の7万9,000人から約29%増加するとともに、月間ユニークアクティブ会員数は0.8%の緩やかな増加となり、顧客基盤における安定したエンゲージメントが確認されました。
マーケティング施策では、特にロイヤルティプログラム「REWARD CIRCLE」を通じ、顧客エンゲージメントとロイヤルティの醸成に注力しました。主な取り組みとして、4回にわたるVIPトーナメントシリーズの開催、主要なカルチャーフェスティバル期間中の限定コンサートの実施、そして恒例の「Christmas Village」は「Christmas Carnival」へと刷新したことで1日平均7,400人の参加者を集めました。
さらに、新たなアトラクションとして、BTSの楽曲「Dynamite」をフィーチャーした噴水ショーの開始により、ゲスト体験を一層充実させるとともに、リゾートへの新規訪問者を誘致しました。
オカダ・マニラは様々な課題に直面しながらも、顧客エンゲージメントの強化、革新的なマーケティング戦略、市場環境への柔軟な対応により、持続的な成長の基盤を築きました。今後も、ブランド価値の向上と、大切なゲストの皆様に卓越した体験を提供することに尽力してまいります。
(1)売上高は、総売上高からゲーミング税及びジャックポット費用を控除したもの
(2)調整後EBITDA = 営業損益 + 減価償却費 + その他の調整項目
③その他
当連結会計年度におけるその他の売上高は534百万円(前期比 12.1%増)、営業利益は113百万円(前年同期 営業損失198百万円)となりました。
メディアコンテンツ事業においては、App Store・Google Play にて『沖ドキ!ゴージャス』『アレックス ブライト』のシミュレーターアプリを配信しました。『アレックス ブライト』は、ゲームカテゴリの有料ランキングで上位10位以内に入るなど好評をいただきました。月額制サービスの「ユニバ王国」及び基本プレイ無料のソーシャルカジノゲーム「スロットストリート」では、ゲーム内イベントを常時開催し、新規ユーザーの獲得と満足度向上に努めています。
楽曲配信では、主要サイト Apple Music・Spotify・YouTube Music をはじめとする24のサイトへ「スマスロ 沖ドキ!DUOアンコール オリジナルサウンドトラック」等、8タイトルを提供しました。
なお、「その他」セグメントの売上高及びび営業利益は、いずれもセグメント間取引を消去した後の金額により表示しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | 前期比(%) |
| 遊技機事業(百万円) | 57,516 | 174.1 |
| 合計(百万円) | 57,516 | 174.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.統合型リゾート(IR)事業及びその他事業については、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) |
| 遊技機事業 | 58,729 | 146.4 | 2,233 | 575.6 |
| 合計 | 58,729 | 146.4 | 2,233 | 575.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.統合型リゾート(IR)事業及びその他事業については、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | 前期比(%) |
| 遊技機事業(百万円) | 56,708 | 130.4 |
| 統合型リゾート(IR)事業(百万円) | 65,409 | 79.8 |
| その他(百万円) | 534 | 112.1 |
| 合計(百万円) | 122,653 | 97.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.相手先別販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
3.上記販売高のほか、各報告セグメントに配分していない全社販売高174百万円があります。
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
以下の当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析等の内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、必要と思われる見積り及び仮定は合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
②当期の財政状態の概況
総資産の額は、現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加した一方、減損損失の計上による固定資産の減少、開発仕掛償却による仕掛品減少といった減少項目もあり、前連結会計年度末に比べて259,161百万円減少し373,634百万円となりました。
総負債の額は、連結子会社における長期借入金の返済ならびに新規調達による増加、繰延税金負債の減少、関係会社長期預り金の減少、円高ペソ安の進行によるリース債務の減少により、前連結会計年度末に比べて19,117百万円減少し243,947百万円となりました。
純資産の額は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、前連結会計年度末に比べて240,043百万円減少し129,687百万円となりました。
③経営成績の分析
(売上高、売上原価)
売上高の総額は122,827百万円(前期比 2.8%減)となりました。
遊技機事業においては、スマートパチスロの普及が進むとともに、パチンコ市場においてもスマート遊技機の普及が加速する中、主要タイトルを集中して市場投入した結果、当連結会計年度のパチスロ・パチンコ機総販売台数は、前期の92,150台から115,000台となり、売上高は30.4%増加となりました。
統合型リゾート(IR)事業においては、フィリピン市場全体のVIPマーケット縮小という構造的な逆風に加え、悪天候や政情不安による来訪者数の一時的な減少もあり、売上高は20.2%減少となりました。
売上原価の総額は50,846百万円(前期比 0.7%減)(内訳:遊技機事業 36.6%増、統合型リゾート(IR)事業 31.3%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費の総額は75,208百万円(前期比 4.3%増)となりました。
主な増減理由としては、遊技機事業及び統合型リゾート(IR)事業における減価償却費の増加によるものです。
(営業外損益)
営業外収益は5,884百万円(前期比 54.6%減)、営業外費用は21,154百万円(前期比 2.0%減)となりました。
当連結会計年度における主な科目毎の内訳は、借入金消滅差益2,692百万円、持分法による投資利益 2,027百万円、支払利息・社債利息15,719百万円となります。主な増減理由としては、前連結会計年度における多額の為替差益が円高ドル安の進行により当連結会計年度において為替差損に転じたことによるものです。
(特別損益ならびに法人税等)
特別利益は6,530百万円(前連結会計年度 特別利益156百万円)、特別損失は230,304百万円(前連結会計年度 特別損失1,399百万円)となりました。当連結会計年度における主な内訳は、賠償金収入3,512百万円、固定資産売却益3,010百万円、減損損失229,115百万円です。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は231,425百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失 15,569百万円)、1株当たり当期純損失は2,986.48円(前連結会計年度 1株当たり当期純損失は200.92円)となりました。
④キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて12,483百万円増加し、36,279百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は次のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、11,053百万円の収入となりました。これは主に、減価償却費、減損損失、為替差損や貸倒引当金の増減額を除く税金等調整前当期純利益10,341百万円によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、3,923百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入 3,371百万円、子会社株式の売却による収入 1,345百万円、有形・無形固定資産の取得による支出 9,255百万円によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、9,250百万円の収入となりました。これは主に、長期借入れによる収入71,990百万円、長期借入金の返済による支出 62,633百万円によるものです。
なお当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
資金需要は統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」の建設費、遊技機事業の材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発費等が主なものであります。これらの資金需要に対する資金財源は、手持資金、私募債、金融機関からの借入により必要とする資金を調達しております。当連結会計年度末における社債・借入金(リース債務除く)有利子負債の残高は133,417百万円、現金及び現金同等物の残高は36,279百万円となります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
①遊技機事業
遊技機業界では、スマートパチスロが堅調な稼働を背景に着実にシェアを拡大しています。さらに、遊技の多様性向上を目的としたボーナストリガー(BT)搭載機の普及が進むなか、高く評価される機種も登場しており、パチスロ市場は引き続き拡大傾向にあります。一方、パチンコ機の稼働は全体的にやや低調ですが、メーカー各社によるラッキートリガー(LT)3.0プラス搭載のスマートパチンコの市場投入が広がっています。LT3.0プラスによりゲーム性が拡充された新機種が継続的に市場に登場していることから、今後はスマートパチンコの普及率上昇と市場活性化が期待されます。
2026年12月期の遊技機販売は、ハナビシリーズ初のスマートパチスロ『スマスロ ハナビ』の市場投入、遊技機業界で圧倒的な人気を誇るGODシリーズから『スマスロ ミリオンゴッド-神々の軌跡-』等の販売を開始しています。また、パチンコ機においては、LT搭載機『Pえとたま2 神祭 干支甘』『eラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫』の販売を開始しています。
当社グループは引き続き、独自性のある魅力的な遊技機の創出に努め、遊技機業界全体の活性化に貢献するとともに、販売シェアの拡大に努めてまいります。
②統合型リゾート(IR)事業
フィリピンのゲーミング市場は今後も競争の激化が予測されます。オカダ・マニラは、マスマーケット顧客の獲得に引き続き注力し、ロイヤルティマーケティングプログラムを通じて顧客基盤の拡大を目指します。加えて、アジア各国の旅行代理店や多様なパートナー企業との連携を推進し、海外からの顧客誘致を図ります。また、主要国にマーケティングオフィスを設置し、国際的なブランド認知度とプレゼンスの向上を図ってまいります。
非ゲーミング事業においては、パールウイング客室改修プログラムが進行中で、追加2フロアの改装完了を2026年内に予定しています。客室体験の質を高めるため、タブレット端末のアップグレードと刷新されたゲスト体験トレーニングプログラムの導入を計画しています。
オカダ・マニラは、今後も新しいゲーミング製品の導入と市場におけるイノベーションの推進に注力してまいります。ゲーミング業界のレベルアップにつながる、常に新鮮で刺激的な体験を提供するとともに、お客様に一層ダイナミックで魅力的なサービスの提供に努めてまいります。
③その他
メディアコンテンツ事業においては、App Store・Google Play にて高品質なシミュレーターアプリを配信してまいります。月額制サービスの「ユニバ王国」及び基本プレイ無料のソーシャルカジノゲーム「スロットストリート」においても、サービスの改善、ユーザー満足度の向上に努めてまいります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ④キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
②キャッシュ・フロー指標のトレンド
| 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | |
| 自己資本比率(%) | 59.2 | 58.6 | 61.8 | 58.4 | 34.7 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 33.0 | 30.9 | 28.4 | 12.7 | 16.5 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 62.8 | 4.7 | 4.2 | 83.0 | 12.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 0.3 | 2.7 | 2.0 | 0.1 | 1.0 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、社債・借入金を対象としております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。