有価証券報告書-第130期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/28 16:03
【資料】
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【項目】
148項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、インフレ鈍化を背景に各国の金融引締め政策が転換点を迎え景気は軟着陸に向かいつつある一方、中国の景気停滞長期化、中東情勢悪化による地政学リスクの高まりなどが世界景気の下振れ要因として懸念されます。
米国では、堅調な雇用情勢が個人消費を下支えしながらもインフレは鈍化し、金融引締めが終了を迎えつつある一方、2024年11月に控える大統領選の結果による景気への影響など先行きは注視が必要な状況です。
欧州では、インフレ鈍化により金融緩和の方向に向かいつつあるものの、足元の消費や雇用は低調が続いていることに加え、中東情勢悪化による地政学的緊張の高まりも懸念されるなど、景気回復の見通しは不透明な状況です。
中国では、不動産不況の継続や個人消費の低迷などにより景気は低調が続いており、本格的な景気の回復には時間が掛かる可能性が懸念されます。
日本経済は、インバウンド需要の回復、デジタル化の進展などを背景にした設備投資が堅調に推移し景気は回復傾向にある一方、マイナス金利政策の解除に続く利上げの影響など、景気の先行きは注視が必要な状況です。
このような環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、次のとおりとなりました。
販売が好調なモバイル事業や円安などの影響を受けたエネルギー事業を中心に増収となりました。持分法による投資の減損損失を計上した鉄鋼事業や好調に推移した前年同期に対して国内の需要減の影響を受けたエネルギー事業は減益となった一方、ICTソリューション事業やモバイル事業、食品事業などを中心に増益となりました。
その結果、収益は、前連結会計年度比745億85百万円(8.2%)増加の9,859億93百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度比116億63百万円(8.9%)増加の1,425億57百万円となりました。営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は増加しましたが売上総利益の増加により、前連結会計年度比49億74百万円(12.8%)増加の438億70百万円となりました。また、税引前利益は、金融収支の悪化や持分法による投資の減損損失があった一方、営業活動に係る利益の増加などにより、前連結会計年度比15億45百万円(4.3%)増加の372億41百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比46億43百万円(25.0%)増加の232億18百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)は、16.1%、投下資本利益率(ROIC)※は、6.4%となりました。
※ROIC = 当期利益 ÷ 投下資本(有利子負債 + 自己資本)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローが355億82百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが124億23百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが501億2百万円の支出となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は534億31百万円となり、前連結会計年度末比260億31百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入の積上げなどにより、355億82百万円の収入(前連結会計年度は2億96百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却などによる収入があった一方で、新規事業投資の実行などにより、124億23百万円の支出(前連結会計年度は166億84百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、兼松エレクトロニクス㈱の公開買付けに伴い借り入れた短期借入金の返済、およびその完全子会社化に伴う株式取得対価の支払いなどにより、501億2百万円の支出(前連結会計年度は47億51百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
生産は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅱ) 受注実績
受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅲ) 販売実績
「(1) 経営成績等の状況の概要」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記6 セグメント情報」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債、偶発資産・偶発負債の開示および報告期間における収益・費用の金額を認識する際に、必要に応じて会計上の見積りおよび仮定を用いることが必要となります。この会計上の見積りや仮定は、決算日時点で入手可能な合理的な情報等に基づき設定しておりますが、不確実性を伴うため、その変動により将来の実績との間で差異が生じる可能性があります。
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記2 作成の基礎」および「同 注記3 重要性がある会計方針」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
収益
収益は、電子・デバイスセグメント、鉄鋼・素材・プラントセグメントを中心に前連結会計年度比745億85百万円増加の9,859億93百万円となりました。
売上総利益
売上総利益は、電子・デバイスセグメントを中心に前連結会計年度比116億63百万円増加の1,425億57百万円となりました。
営業活動に係る利益
営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は増加したものの、売上総利益の増加により、前連結会計年度比49億74百万円増加の438億70百万円となりました。
税引前利益
税引前利益は、金融収支の悪化や持分法による投資の減損損失があった一方、営業活動に係る利益の増加などにより、前連結会計年度比15億45百万円増加の372億41百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
税引前利益から法人所得税費用126億55百万円を控除した結果、当期利益は245億86百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比46億43百万円増加の232億18百万円となりました。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比477億59百万円増加の7,253億47百万円となりました。
有利子負債については、借入金の返済などにより、前連結会計年度末比133億48百万円減少の2,145億46百万円となりました。現預金を差し引いたネット有利子負債は、運転資金の増加などにより、前連結会計年度末比114億77百万円増加の1,594億25百万円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めておりません。
資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分については、親会社の所有者に帰属する当期利益の積上げおよび円安や株高に伴うその他の資本の構成要素の増加などにより、前連結会計年度末比307億93百万円増加の1,593億18百万円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は22.0%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は1.00倍となりました。
親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)1,593億18百万円に対して、親会社の所有者に帰属する当期利益232億18百万円となったためROEは前連結会計年度末比3.2ポイント上昇の16.1%となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
電子・デバイス
収益はモバイル事業や半導体部品・製造装置事業などの増収により前連結会計年度比460億69百万円増加の3,285億82百万円、営業活動に係る利益はモバイル事業などの増益により24億86百万円増加の228億17百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は60億64百万円増加の148億40百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。ICTソリューション事業は、セキュリティ対策やDX需要の高まりを背景としたネットワークおよびセキュリティ関連の案件が堅調に推移したことに加え、兼松エレクトロニクス㈱の100%株式取得による効果が見られました。モバイル事業は、店舗再編の効果や販売台数の増加などにより好調に推移しました。
食料
収益は食品事業や食糧事業の増収により前連結会計年度比12億48百万円増加の3,416億96百万円、営業活動に係る利益は畜産事業や食品事業などの増益により39億5百万円増加の79億68百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は12億88百万円増加の34億80百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。食品事業は、飲料原料などの販売、海外加工食品ビジネスなどにより好調に推移しました。畜産事業は、軟調な国内相場により苦戦したものの、ウルグアイ産牛肉の販売貢献などもあり、前期と比較すると順調に推移しました。食糧事業は、前期と比較すると主要穀物相場が軟調に推移しました。
鉄鋼・素材・プラント
収益はエネルギー事業や鋼管事業の増収により前連結会計年度比202億75百万円増加の2,136億68百万円、営業活動に係る利益は鋼管事業やエネルギー事業などの減益により29億15百万円減少の94億24百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は40億53百万円減少の26億41百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。鉄鋼事業は、持分法投資に係る減損損失の影響を受けました。エネルギー事業は、国内の需要減の影響を受け、前期と比較すると低調に推移しました。
車両・航空
収益は航空宇宙事業などの増収により前連結会計年度比91億42百万円増加の904億86百万円、営業活動に係る利益は航空宇宙事業などの増益により16億3百万円増加の30億88百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は9億15百万円増加の17億18百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益についての概況は、次のとおりであります。航空宇宙事業は、航空・艦船関連取引が好調に推移しました。車両・車載部品事業は、市況改善などにより好調に推移しました。
その他
収益は前連結会計年度比21億47百万円減少の115億60百万円、営業活動に係る利益は1億11百万円減少の5億51百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は3億52百万円増加の5億71百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容および資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資金調達
当社グループは、中期経営計画「integration 1.0」の基本方針のひとつに掲げる「株主価値の向上」を実現するために必要な、低コストで安定的な資金調達を基本方針として資金調達活動に取り組んでおります。
当社グループの資金調達については、各取引銀行、生損保等の金融機関との良好な関係を背景とした間接金融をベースとしており、当連結会計年度では兼松エレクトロニクス㈱の完全子会社化に対する資金調達のひとつとして、㈱三菱UFJ銀行をエージェントとするシンジケートローン350億円の借入れを実行いたしました。また、長期資金の調達手段のひとつとして普通社債を発行し、資本市場からの調達も実施しております。この結果、当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める直接金融からの負債調達割合は7%となりました。
これらの円滑な資金調達を行うため、㈱日本格付研究所(JCR)、ならびに㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを取得しており、当連結会計年度末の当社グループに対する格付け(長期)は、JCRがA-(ポジティブ)、R&IがA-(安定的)となっております。
加えて、手元流動性の確保を図るため、十分な規模の現金及び現金同等物を保有するほか、主要金融機関においてコミットメントラインを設定しております。
また、連結ベースでの効率的な資金調達を実施するために、国内主要関係会社の資金調達を親会社に集中したうえで、資金需要に応じて配分を行うキャッシュマネジメントシステムを導入しております。当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める当社の有利子負債の割合は70%と、資金調達の大半を親会社に集中しております。
このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末におけるグロス有利子負債残高は2,145億46百万円で、前連結会計年度末と比べ133億48百万円減少いたしました。現金及び現金同等物の残高が前連結会計年度末に比べ減少したため、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は1,594億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ114億77百万円増加いたしました。その結果、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は1.00倍となりました。
また、当連結会計年度末の有利子負債残高に占める社債および長期借入金(1年以内に返済予定の社債および長期借入金を含む。)の比率は59%(当社では81%)となりました。
配当性向(総還元性向)
当社グループは、中期経営計画「integration 1.0」期間の中で、年間配当金を下限90円と定め、累進配当を実施いたします。総還元性向は30%~35%として、親会社の所有者に帰属する当期利益の成長に応じて増配を行う方針です。これを達成するために、創出される営業キャッシュ・フローおよび金融機関や資本市場から調達する財務キャッシュ・フローを重点分野への成長投資に充てるとともに、安定的かつ継続的に株主還元を実施し、資本の効率性と財務バランスにも目を配って参ります。
なお、当連結会計年度における配当性向(総還元性向)は32.4%となりました。
(注意事項)
上記の見通しなどの将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

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