有価証券報告書-第127期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による過去最大の落ち込みに直面したのち、経済政策の総動員とワクチン開発・接種など感染抑制策の進展により、米中を中心に急回復を見る状況となりました。
米国においては、感染者数、死亡者数が世界最多を記録するとともに、政権交代に際しての政治的・社会的混乱も生じましたが、金融緩和や過去最大規模の財政出動により、国内経済は急速に回復しつつあります。新型コロナウイルス感染症による経済への影響がもっとも大きく生じた欧州においては、感染再拡大や変異株の出現により多数の主要国で活動制限が続いていますが、一部の国においては活動制限の効果が出始めています。一方、徹底した対策により感染抑え込みにいち早く成功した中国においては、生産面に続き消費活動も改善し、主要国で唯一の通年プラス成長を維持し、新型コロナウイルス感染症拡大前の経済水準を取り戻しています。
我が国経済は、二度にわたる緊急事態宣言の発令と、それに伴う経済活動の縮小により、特に年度前半において大きく落ち込みましたが、この急激な悪化は夏頃に底を打ち、二度目の緊急事態宣言に際しても消費の落ち込みは昨春と比べれば小さく、感染再拡大による経済への影響は今のところ限られた分野に留まっています。
このような環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、次のとおりとなりました。
当第1四半期から続く新型コロナウイルス感染症拡大下の内食需要を取り込んだ畜産事業は増収となりましたが、緊急事態宣言に伴う外出自粛や営業時間短縮により来店者が減少したモバイル事業や、外食関連販売が減少した食品事業、原油価格低迷を受けたエネルギー事業などで減収となりました。内食需要に加え市況が好転した食糧事業は増益となった一方、減収のモバイル事業、外食関連販売が大幅に減少した畜産事業、掘削需要低迷の影響が続いている鋼管事業などで減益となりました。
その結果、収益は、前連結会計年度比726億60百万円(10.1%)減少の6,491億42百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度比93億89百万円(8.5%)減収の1,015億15百万円となりました。営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの売上総利益の減少により、前連結会計年度比47億17百万円(16.6%)減少の236億35百万円となりました。また、金融収支の良化と持分法による投資損益の良化で、税引前利益は、前連結会計年度比33億64百万円(12.5%)減少の235億80百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比10億84百万円(7.5%)減少の133億15百万円となりました。その結果、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)は、9.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローが369億84百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが99億27百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが374億97百万円の支出となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は810億45百万円となり、前連結会計年度末比100億60百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入の積上げなどにより、369億84百万円の収入(前連結会計年度は242億59百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や持分法適用会社への出資などにより、99億27百万円の支出(前連結会計年度は102億15百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金やリース負債の返済、配当金の支払い、社債の償還による支出などにより、374億97百万円の支出(前連結会計年度は115億90百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
生産は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅱ) 受注実績
受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅲ) 販売実績
「(1) 経営成績等の状況の概要」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記7 セグメント情報」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債、偶発資産・偶発負債の開示および報告期間における収益・費用の金額を認識する際に、必要に応じて会計上の見積りおよび仮定を用いることが必要となります。この会計上の見積りや仮定は、決算日時点で入手可能な合理的な情報等に基づき設定しておりますが、不確実性を伴うため、その変動により将来の実績との間で差異が生じる可能性があります。
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記2 作成の基礎」および「同 注記3 重要な会計方針」に記載しております。
なお、当連結会計年度末における非金融資産の減損判定においては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、一定のストレスをかけたうえで回収可能価額の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
収益
収益は、電子・デバイスセグメント、鉄鋼・素材・プラントセグメントを中心に減収となり、前連結会計年度比726億60百万円減少の6,491億42百万円となりました。
売上総利益
売上総利益は、電子・デバイスセグメント、鉄鋼・素材・プラントセグメントを中心に前連結会計年度比93億89百万円減少の1,015億15百万円となりました。
営業活動に係る利益
営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの売上総利益の減少により、前連結会計年度比47億17百万円減少の236億35百万円となりました。
税引前利益
税引前利益は、金融収支の良化や持分法による投資損益の良化があったものの、営業活動に係る利益の減少により、前連結会計年度比33億64百万円減少の235億80百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
税引前利益から法人所得税費用73億29百万円を控除した結果、当期利益は162億51百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比10億84百万円減少の133億15百万円となりました。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比58億24百万円増加の5,574億95百万円となりました。
有利子負債については、借入金の返済や社債の償還等により、前連結会計年度比212億37百万円減少の1,221億57百万円となりました。現預金を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末比112億87百万円減少の405億20百万円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めておりません。
資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分については、利益剰余金の積上げや円安と株高に伴うその他の資本の構成要素の増加などにより、前連結会計年度末比130億97百万円増加の1,439億26百万円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は25.8%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.3倍となりました。
親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)1,439億26百万円に対して、親会社の所有者に帰属する当期利益133億15百万円となったためROEは前連結会計年度末比1.5ポイント低下の9.7%となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
電子・デバイス
収益は前連結会計年度比284億7百万円減少の2,261億9百万円、営業活動に係る利益は13億88百万円減少の175億75百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は8億44百万円減少の84億84百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。ICTソリューション事業は、製造業やサービス業向けのサーバーおよびストレージ関連の販売が伸び悩んだものの、概ね堅調に推移しました。モバイル事業は、営業時間短縮でモバイルショップへの来店者数が減少したことなどにより低調に推移しました。半導体部品・製造装置事業は、液晶製造装置取引の中国向け出荷などが堅調に推移しました。
新型コロナウイルスの影響下、ICTソリューション事業では事業活動の制限や企業業績の悪化によるIT投資抑制が一部にみられた一方、リモートワークなどの戦略的なIT投資は需要が増加傾向にあり、VDI環境の構築やセキュリティソリューションに加え、サービス提供型ビジネスの更なる拡販を図りました。モバイル事業では時短営業が余儀なくされたほか、業界再編やネット専売プランの導入がありましたが、シェア向上による地位の確保、高収益体質の構築を目的に携帯電話販売代理店の獲得・連結化を促進しました。半導体部品・装置事業では、ICテストハンドラーメーカーからの事業譲受や、レーザーマーキング装置の販売・サービス提供を行う会社を連結化し、ポートフォリオを拡充しました。
食料
収益は前連結会計年度比67億86百万円減少の2,446億17百万円、営業活動に係る利益は8億83百万円減少の14億98百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2億41百万円増加の14億95百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。食糧事業は、内食需要に加え市況が好転したこともあり順調に推移しました。食品事業・畜産事業は、外食関連販売の苦戦などにより低調に推移しました。
食品事業は、新型コロナウイルスの影響を受けましたが、良質な海外産原料の調達力を強化するため、各地サプライヤーとの独占契約や出資、設備貸与を引き続き推進しております。また、日本の消費者が求める品質水準を達成するため、日本人専門家による製造・品質管理体制を強化し、安全・安心な食の安定供給に努めております。畜産事業は、お客様のニーズに合った安全・安心な付加価値の高い商品の安定的な供給体制確立に向けて、バリューチェーンの構築を推進しており、ウルグアイ産牛の肥育農家への出資や大豆植物肉生産会社への出資を行いました。食糧事業は、中国の景気回復を受け、中国の現地資本と合弁で設立した大豆加工工場や北米の牧草生産加工工場が順調に稼働しております。海外取引の更なる拡大、ゲノム編集による品種改良、スマートファームの実現を目指して参ります。
鉄鋼・素材・プラント
収益は前連結会計年度比330億27百万円減少の968億31百万円、営業活動に係る利益は19億79百万円減少の18億40百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1億95百万円減少の20億60百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。エネルギー事業は、国内石油製品取引の採算良化などにより堅調に推移しました。一方、鉄鋼事業は、国内鉄鋼取引においてメーカーの値上げ政策による市況上昇がありましたが、原料価格の高騰や海外市場停滞の影響などで低調に推移しました。また、工作機械・産業機械事業も、設備投資計画の延期等の影響を受け低調、鋼管事業も、掘削需要低迷の影響が続き低調に推移しました。
原油相場の変動や通商問題など逆風の要素が多い環境下、鉄鋼事業は、将来性の高い建材分野において韓国企業に加えベトナム企業へも出資を実施し、建材に係る総合的な商品・サービスの営業力強化を実現しました。将来に向けたビジネス基盤安定化のため、化学品事業における付加価値の高い医薬品、ライフサイエンス分野への取組みの深化、鋼管事業における新工場の建設、エネルギー事業における太陽光発電、バイオマス燃料ビジネスへの取組みの拡大、プラント・船舶事業におけるパッケージ型のプロジェクト提案を軸とした差別化などの打ち手を講じております。
車両・航空
収益は前連結会計年度比35億19百万円減少の710億86百万円、営業活動に係る利益は3億28百万円減少の20億55百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1億69百万円減少の14億97百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。航空宇宙事業は、海外における航空機部品取引が不調であったものの、国内の官公庁向け航空機関連取引は堅調に推移しました。車両・車載部品事業は、世界的な需要減少からやや回復したものの、その影響が残り低調に推移しました。
車両・車載部品事業は、ビジネス領域拡大を目的として、ドライブレコーダ開発・製造企業の買収を行いました。これにより新たなデータビジネスを国内外で推進して参ります。航空宇宙事業は、次世代モビリティとして注目されるeVTOL(空飛ぶクルマ)の地上インフラ整備における協業を行いました。これにより日本国内での同分野での先行者となるべく、礎を築いて参ります。北米シリコンバレーに設立した投資拠点を軸に革新的ビジネスの立ち上げに向けて活動しており、事業投資、新規事業創造の取組みをさらに進化させて参ります。
その他
収益は前連結会計年度比9億21百万円減少の104億97百万円、営業活動に係る利益は1億23百万円減少の6億96百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は90百万円増加の3億80百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容および資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資金調達
当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」の中で掲げている「持続的な成長」を実現するために必要な、低コストで安定的な資金調達を基本方針として資金調達活動に取り組んでおります。
当社グループの資金調達については、メインバンク、地銀、生損保等の金融機関との良好な関係を背景とした間接金融をベースに、長期資金の調達手段の一つとして普通社債を発行し、資本市場からの調達も実施しております。当連結会計年度では、連結有利子負債に占める直接金融からの負債調達割合は8%となりました。
これらの円滑な資金調達を行うため、㈱日本格付研究所(JCR)、ならびに㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを取得しており、当連結会計年度末の当社グループに対する格付け(長期)は、JCRがBBB+(見通しポジティブ)、R&Iが前回からワンノッチ格上げとなるBBB+(安定的)となっております。
加えて、手元流動性の確保を図るため、十分な規模の現金及び現金同等物を保有するほか、主要金融機関においてコミットメントラインを設定しております。
また、連結ベースでの効率的な資金調達を実施するために、国内主要関係会社の資金調達を親会社に集中したうえで、資金需要に応じて配分を行うキャッシュマネジメントシステムを導入しております。当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める当社の有利子負債の割合は65%と、約7割の資金調達を親会社に集中しております。
このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末におけるグロス有利子負債残高は1,221億57百万円で、前連結会計年度末と比べ212億37百万円減少いたしました。また、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は405億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ112億87百万円減少いたしました。その結果、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.3倍と、健全な財務体質を維持しております。
また、当連結会計年度末の有利子負債残高に占める社債および長期借入金(1年以内に返済予定の社債および長期借入金を含む。)の比率は69%(当社では99%)であり、資金調達の状況は安定しております。
配当性向(総還元性向)
当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」の中で、安定した収益基盤の事業分野において持続的成長を実現するとともに、規模の拡大や付加価値の獲得のための事業投資により、連結当期利益の一段の伸長を目指しております。
このために、毎年持続的に創出される営業キャッシュ・フローおよび金融機関や資本市場から調達する財務キャッシュ・フローを重点分野への成長投資に充てるとともに、安定的かつ継続的に株主還元を実施し、資本の効率性にも目を配って参ります。
具体的には、過去平均して100~200億円程度の実績がある営業キャッシュ・フローを原資に成長投資を実行するとともに、株主還元については中期ビジョン「future 135」の見直し後の目標である30~35%の配当性向(総還元性向)の実施を目指して参ります。単年の営業キャッシュ・フローを超えるような多額の事業投資については、健全な財務体質による追加調達余力を活かして機動的に資金調達を実施し、見直し後の連結当期利益目標となる200億円の達成を目指して参ります。
なお、当連結会計年度における配当性向(総還元性向)は37.6%となりました。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による過去最大の落ち込みに直面したのち、経済政策の総動員とワクチン開発・接種など感染抑制策の進展により、米中を中心に急回復を見る状況となりました。
米国においては、感染者数、死亡者数が世界最多を記録するとともに、政権交代に際しての政治的・社会的混乱も生じましたが、金融緩和や過去最大規模の財政出動により、国内経済は急速に回復しつつあります。新型コロナウイルス感染症による経済への影響がもっとも大きく生じた欧州においては、感染再拡大や変異株の出現により多数の主要国で活動制限が続いていますが、一部の国においては活動制限の効果が出始めています。一方、徹底した対策により感染抑え込みにいち早く成功した中国においては、生産面に続き消費活動も改善し、主要国で唯一の通年プラス成長を維持し、新型コロナウイルス感染症拡大前の経済水準を取り戻しています。
我が国経済は、二度にわたる緊急事態宣言の発令と、それに伴う経済活動の縮小により、特に年度前半において大きく落ち込みましたが、この急激な悪化は夏頃に底を打ち、二度目の緊急事態宣言に際しても消費の落ち込みは昨春と比べれば小さく、感染再拡大による経済への影響は今のところ限られた分野に留まっています。
このような環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、次のとおりとなりました。
当第1四半期から続く新型コロナウイルス感染症拡大下の内食需要を取り込んだ畜産事業は増収となりましたが、緊急事態宣言に伴う外出自粛や営業時間短縮により来店者が減少したモバイル事業や、外食関連販売が減少した食品事業、原油価格低迷を受けたエネルギー事業などで減収となりました。内食需要に加え市況が好転した食糧事業は増益となった一方、減収のモバイル事業、外食関連販売が大幅に減少した畜産事業、掘削需要低迷の影響が続いている鋼管事業などで減益となりました。
その結果、収益は、前連結会計年度比726億60百万円(10.1%)減少の6,491億42百万円となり、売上総利益は、前連結会計年度比93億89百万円(8.5%)減収の1,015億15百万円となりました。営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの売上総利益の減少により、前連結会計年度比47億17百万円(16.6%)減少の236億35百万円となりました。また、金融収支の良化と持分法による投資損益の良化で、税引前利益は、前連結会計年度比33億64百万円(12.5%)減少の235億80百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比10億84百万円(7.5%)減少の133億15百万円となりました。その結果、親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)は、9.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローが369億84百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが99億27百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが374億97百万円の支出となりました。これらに、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は810億45百万円となり、前連結会計年度末比100億60百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入の積上げなどにより、369億84百万円の収入(前連結会計年度は242億59百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や持分法適用会社への出資などにより、99億27百万円の支出(前連結会計年度は102億15百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金やリース負債の返済、配当金の支払い、社債の償還による支出などにより、374億97百万円の支出(前連結会計年度は115億90百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
生産は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅱ) 受注実績
受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(ⅲ) 販売実績
「(1) 経営成績等の状況の概要」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記7 セグメント情報」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債、偶発資産・偶発負債の開示および報告期間における収益・費用の金額を認識する際に、必要に応じて会計上の見積りおよび仮定を用いることが必要となります。この会計上の見積りや仮定は、決算日時点で入手可能な合理的な情報等に基づき設定しておりますが、不確実性を伴うため、その変動により将来の実績との間で差異が生じる可能性があります。
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記2 作成の基礎」および「同 注記3 重要な会計方針」に記載しております。
なお、当連結会計年度末における非金融資産の減損判定においては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、一定のストレスをかけたうえで回収可能価額の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
収益
収益は、電子・デバイスセグメント、鉄鋼・素材・プラントセグメントを中心に減収となり、前連結会計年度比726億60百万円減少の6,491億42百万円となりました。
売上総利益
売上総利益は、電子・デバイスセグメント、鉄鋼・素材・プラントセグメントを中心に前連結会計年度比93億89百万円減少の1,015億15百万円となりました。
営業活動に係る利益
営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの売上総利益の減少により、前連結会計年度比47億17百万円減少の236億35百万円となりました。
税引前利益
税引前利益は、金融収支の良化や持分法による投資損益の良化があったものの、営業活動に係る利益の減少により、前連結会計年度比33億64百万円減少の235億80百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
税引前利益から法人所得税費用73億29百万円を控除した結果、当期利益は162億51百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比10億84百万円減少の133億15百万円となりました。
財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比58億24百万円増加の5,574億95百万円となりました。
有利子負債については、借入金の返済や社債の償還等により、前連結会計年度比212億37百万円減少の1,221億57百万円となりました。現預金を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末比112億87百万円減少の405億20百万円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めておりません。
資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分については、利益剰余金の積上げや円安と株高に伴うその他の資本の構成要素の増加などにより、前連結会計年度末比130億97百万円増加の1,439億26百万円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は25.8%、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.3倍となりました。
親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)に対する親会社の所有者に帰属する当期利益率(ROE)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)1,439億26百万円に対して、親会社の所有者に帰属する当期利益133億15百万円となったためROEは前連結会計年度末比1.5ポイント低下の9.7%となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
電子・デバイス
収益は前連結会計年度比284億7百万円減少の2,261億9百万円、営業活動に係る利益は13億88百万円減少の175億75百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は8億44百万円減少の84億84百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。ICTソリューション事業は、製造業やサービス業向けのサーバーおよびストレージ関連の販売が伸び悩んだものの、概ね堅調に推移しました。モバイル事業は、営業時間短縮でモバイルショップへの来店者数が減少したことなどにより低調に推移しました。半導体部品・製造装置事業は、液晶製造装置取引の中国向け出荷などが堅調に推移しました。
新型コロナウイルスの影響下、ICTソリューション事業では事業活動の制限や企業業績の悪化によるIT投資抑制が一部にみられた一方、リモートワークなどの戦略的なIT投資は需要が増加傾向にあり、VDI環境の構築やセキュリティソリューションに加え、サービス提供型ビジネスの更なる拡販を図りました。モバイル事業では時短営業が余儀なくされたほか、業界再編やネット専売プランの導入がありましたが、シェア向上による地位の確保、高収益体質の構築を目的に携帯電話販売代理店の獲得・連結化を促進しました。半導体部品・装置事業では、ICテストハンドラーメーカーからの事業譲受や、レーザーマーキング装置の販売・サービス提供を行う会社を連結化し、ポートフォリオを拡充しました。
食料
収益は前連結会計年度比67億86百万円減少の2,446億17百万円、営業活動に係る利益は8億83百万円減少の14億98百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2億41百万円増加の14億95百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。食糧事業は、内食需要に加え市況が好転したこともあり順調に推移しました。食品事業・畜産事業は、外食関連販売の苦戦などにより低調に推移しました。
食品事業は、新型コロナウイルスの影響を受けましたが、良質な海外産原料の調達力を強化するため、各地サプライヤーとの独占契約や出資、設備貸与を引き続き推進しております。また、日本の消費者が求める品質水準を達成するため、日本人専門家による製造・品質管理体制を強化し、安全・安心な食の安定供給に努めております。畜産事業は、お客様のニーズに合った安全・安心な付加価値の高い商品の安定的な供給体制確立に向けて、バリューチェーンの構築を推進しており、ウルグアイ産牛の肥育農家への出資や大豆植物肉生産会社への出資を行いました。食糧事業は、中国の景気回復を受け、中国の現地資本と合弁で設立した大豆加工工場や北米の牧草生産加工工場が順調に稼働しております。海外取引の更なる拡大、ゲノム編集による品種改良、スマートファームの実現を目指して参ります。
鉄鋼・素材・プラント
収益は前連結会計年度比330億27百万円減少の968億31百万円、営業活動に係る利益は19億79百万円減少の18億40百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1億95百万円減少の20億60百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。エネルギー事業は、国内石油製品取引の採算良化などにより堅調に推移しました。一方、鉄鋼事業は、国内鉄鋼取引においてメーカーの値上げ政策による市況上昇がありましたが、原料価格の高騰や海外市場停滞の影響などで低調に推移しました。また、工作機械・産業機械事業も、設備投資計画の延期等の影響を受け低調、鋼管事業も、掘削需要低迷の影響が続き低調に推移しました。
原油相場の変動や通商問題など逆風の要素が多い環境下、鉄鋼事業は、将来性の高い建材分野において韓国企業に加えベトナム企業へも出資を実施し、建材に係る総合的な商品・サービスの営業力強化を実現しました。将来に向けたビジネス基盤安定化のため、化学品事業における付加価値の高い医薬品、ライフサイエンス分野への取組みの深化、鋼管事業における新工場の建設、エネルギー事業における太陽光発電、バイオマス燃料ビジネスへの取組みの拡大、プラント・船舶事業におけるパッケージ型のプロジェクト提案を軸とした差別化などの打ち手を講じております。
車両・航空
収益は前連結会計年度比35億19百万円減少の710億86百万円、営業活動に係る利益は3億28百万円減少の20億55百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1億69百万円減少の14億97百万円となりました。
営業活動に係る利益についての概況は、次のとおりであります。航空宇宙事業は、海外における航空機部品取引が不調であったものの、国内の官公庁向け航空機関連取引は堅調に推移しました。車両・車載部品事業は、世界的な需要減少からやや回復したものの、その影響が残り低調に推移しました。
車両・車載部品事業は、ビジネス領域拡大を目的として、ドライブレコーダ開発・製造企業の買収を行いました。これにより新たなデータビジネスを国内外で推進して参ります。航空宇宙事業は、次世代モビリティとして注目されるeVTOL(空飛ぶクルマ)の地上インフラ整備における協業を行いました。これにより日本国内での同分野での先行者となるべく、礎を築いて参ります。北米シリコンバレーに設立した投資拠点を軸に革新的ビジネスの立ち上げに向けて活動しており、事業投資、新規事業創造の取組みをさらに進化させて参ります。
その他
収益は前連結会計年度比9億21百万円減少の104億97百万円、営業活動に係る利益は1億23百万円減少の6億96百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は90百万円増加の3億80百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容および資本の財源および資金の流動性についての分析
キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資金調達
当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」の中で掲げている「持続的な成長」を実現するために必要な、低コストで安定的な資金調達を基本方針として資金調達活動に取り組んでおります。
当社グループの資金調達については、メインバンク、地銀、生損保等の金融機関との良好な関係を背景とした間接金融をベースに、長期資金の調達手段の一つとして普通社債を発行し、資本市場からの調達も実施しております。当連結会計年度では、連結有利子負債に占める直接金融からの負債調達割合は8%となりました。
これらの円滑な資金調達を行うため、㈱日本格付研究所(JCR)、ならびに㈱格付投資情報センター(R&I)の2社から格付けを取得しており、当連結会計年度末の当社グループに対する格付け(長期)は、JCRがBBB+(見通しポジティブ)、R&Iが前回からワンノッチ格上げとなるBBB+(安定的)となっております。
加えて、手元流動性の確保を図るため、十分な規模の現金及び現金同等物を保有するほか、主要金融機関においてコミットメントラインを設定しております。
また、連結ベースでの効率的な資金調達を実施するために、国内主要関係会社の資金調達を親会社に集中したうえで、資金需要に応じて配分を行うキャッシュマネジメントシステムを導入しております。当連結会計年度末では、連結有利子負債に占める当社の有利子負債の割合は65%と、約7割の資金調達を親会社に集中しております。
このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末におけるグロス有利子負債残高は1,221億57百万円で、前連結会計年度末と比べ212億37百万円減少いたしました。また、当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は405億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ112億87百万円減少いたしました。その結果、ネット有利子負債資本倍率(ネットDER)は0.3倍と、健全な財務体質を維持しております。
また、当連結会計年度末の有利子負債残高に占める社債および長期借入金(1年以内に返済予定の社債および長期借入金を含む。)の比率は69%(当社では99%)であり、資金調達の状況は安定しております。
配当性向(総還元性向)
当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」の中で、安定した収益基盤の事業分野において持続的成長を実現するとともに、規模の拡大や付加価値の獲得のための事業投資により、連結当期利益の一段の伸長を目指しております。
このために、毎年持続的に創出される営業キャッシュ・フローおよび金融機関や資本市場から調達する財務キャッシュ・フローを重点分野への成長投資に充てるとともに、安定的かつ継続的に株主還元を実施し、資本の効率性にも目を配って参ります。
具体的には、過去平均して100~200億円程度の実績がある営業キャッシュ・フローを原資に成長投資を実行するとともに、株主還元については中期ビジョン「future 135」の見直し後の目標である30~35%の配当性向(総還元性向)の実施を目指して参ります。単年の営業キャッシュ・フローを超えるような多額の事業投資については、健全な財務体質による追加調達余力を活かして機動的に資金調達を実施し、見直し後の連結当期利益目標となる200億円の達成を目指して参ります。
なお、当連結会計年度における配当性向(総還元性向)は37.6%となりました。