有価証券報告書-第83期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米国を中心とした高金利政策の長期化や地政学リスクの継続、中国経済の減速と構造調整、エネルギー価格の不安定化といった世界情勢の影響を受けつつ、円安を追い風とした輸出やインバウンド需要、賃上げを背景とする個人消費の持ち直しが下支えとなる一方、物価上昇による実質所得の伸び悩みや少子高齢化に伴う労働力不足、財政制約の中で成長力の底上げが課題となり、総じて緩やかな回復基調を維持しながらも内外リスクに左右されやすい不安定な局面が続いた一年となりました。
このような環境のもと、当社グループは第7次中期経営計画の2年目として、小泉産業グループ・ビジョン2030で定義した『経済価値』『社会価値』『人財価値』の3つの価値の最大化を掲げ、活動を推進してまいりました。
グループ各社においては、主力である照明事業において、基幹システム移行時の不具合に起因する納期遅延が発生し、売上機会の喪失や物流経費の増加を招きました。また、事業存続をかけて再生に取り組んできた家具事業については、少子化の進行や業界環境の悪化といった外部要因の影響もあり、業績を回復するには至りませんでした。一方で、インバウンド需要を背景としたホテル開業の増加を受け、セットアップサービス事業は前年に引き続き好調を維持し、物流事業においても利益率の改善により黒字化を達成しました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は392億56百万円(前年同期比97.2%)の減収、営業利益は7億30百万円(前年同期比44.6%)の減益、経常利益は11億74百万円(前年同期比78.8%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は6億82百万円(前年同期比73.6%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a. 照明事業
Ⅰ.国内市場
(イ)住宅照明では、SDGsへの取り組みを継続的に推進し、再生可能エネルギーを利用したソーラーパネル搭載のガーデンライトやポールライトを拡充するとともに、主力のパネルダウンライトシリーズの準耐火構造への刷新と大幅な使用電力削減を実現し、環境負荷低減を図りました。また、意匠性の追求においては、伝統技法と調和する「Japan Minimal」シリーズに対して新機種を投入し、高付加価値デザインによる空間提案を強化しました。
(ロ)店舗照明では、環境負荷低減への対応として、「ライトバー間接照明」144機種に再生アルミを採用し、約190t/年のCO2削減を図りました。また、店舗・リニューアル市場に向けて、新たな無線制御システム「waybee(ウェイビー)」を発売し、約700アイテムの対象商品との制御設定を簡易にして省施工を図りました。省エネルギーにも貢献し、シーン演出における利便性を向上させました。
(ハ)施設照明では、25ミリ幅の「Solid Seamless Slim」にアンビエントおよびグレアレスタイプを追加しました。また、高い意匠性を備えた「インダイレクト階段通路誘導灯」を発売し、空間デザインを損なわない製品のラインナップを拡充しました。
Ⅱ.海外市場
グローバル戦略商品の小型ダウンライトシリーズ「CAMOS(カモス)」やエクステリアシリーズ「eX-Pro」の発売に際して、ドイツや香港のインターナショナルライティングフェアなどへの出展により、ライティングコンサルタントなどの決定権者への商品の販促活動を推進しました。また、シンガポールではSNSの発信やラボ施設を活用した展示会を開催し、ライティングコンサルタントへのマーケティング活動を推進しました。
しかしながら、基幹システム移行の不具合に伴う商品供給の遅れにより、大きく業績を落とし、翌期への持ち越し課題となりました。
以上の結果、照明事業の売上高は295億36百万円(前年同期比99.5%)、セグメント利益は4億82百万円(前年同期比30.1%)となり、減収・減益となりました。
b. 家具事業
家具事業におきましては、抜本的な「経営再建」に向けた構造改革に注力いたしました。グループ内への人員配置や拠点の集約再編など、固定費および変動費の両面から徹底した経費削減を継続するとともに、当社からの財務・経営両面での支援を通じて事業基盤の立て直しを図りました。しかしながら、売上減少に歯止めがかからず、当初掲げた再建計画を完遂するまでには至らず、依然として課題の残る結果となりました。
以上の結果、家具事業の売上高は18億41百万円(前年同期比83.9%)、セグメント損失は70百万円(前年同期はセグメント損失1億54百万円)となり、減収・増益(損失の減少)となりました。
c. 物流事業
物流事業におきましては、「物流2024年問題」の本格化や改正物流関連二法の施行など、業界の商慣行が大きく変革する中、当社は持続可能な物流体制の構築に注力いたしました。具体的には、現場の生産性向上や物流ネットワークの再編、荷主ごとの効率化策を推進するとともに、事業構造の変革による収益基盤の再構築を図りました。
また、外販新領域における受託拡大や取引条件の適正化、不採算業務の改善など、付加価値の向上に取り組みました。これらの活動が現場力として定着した結果、売上総利益率は大幅に改善し、収益性の向上に大きく寄与いたしました。
以上の結果、物流事業の売上高は28億88百万円(前年同期比82.1%)、セグメント利益は62百万円(前年同期はセグメント損失4百万円)となり、減収・増益となりました。
d. その他事業
その他事業は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主に住宅設備機器の販売・施工、商業施設等への家具・什器の搬入・設置及び情報通信事業等であります。
その他事業の売上高は49億89百万円(前年同期比100.5%)、セグメント利益は10億74百万円(前年同期比98.4%)となり、増収・減益となりました。
また、当社グループの財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4億19百万円増加して381億11百万円となりました。
流動資産は68百万円増加して177億93百万円、固定資産は3億51百万円増加して203億17百万円となりました。流動資産につきましては、主として現金及び預金が5億79百万円減少したこと、および商品及び製品が8億54百万円増加したことによるものであります。固定資産につきましては、主として投資有価証券が5億97百万円増加したこと、およびソフトウエアが6億55百万円増加したこと、およびソフトウェア仮勘定が9億36万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億64百万円減少して123億37百万円となりました。
流動負債は1億40百万円減少して88億61百万円、固定負債は1億24百万円減少して34億76百万円となりました。流動負債につきましては、主として電子記録債務が15億28百万円減少したこと、および短期借入金が15億円増加したことによるものであります。固定負債につきましては、主として退職給付に係る負債が3億13百万円減少したこと、およびリース債務が1億68百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億83百万円増加して257億73百万円となりました。これは主として利益剰余金が5億23百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.6%から67.6%へ増加し、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の942円55銭から968円24銭へ増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ5億79百万円減少し、24億17百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、税金等調整前当期純利益9億54百万円、非資金損益取引である減価償却費8億10百万円、仕入債務の減少額14億5百万円、棚卸資産の増加額7億23百万円などの計上により、10億70百万円の支出(前年同期は10億31百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、固定資産の取得による支出6億30百万円、保険積立金解約収入1億15百万円などにより、7億65百万円の支出(前年同期は8億91百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、短期借入金の増加額15億円、配当金の支払額1億59百万円などにより、12億36百万円の収入(前年同期は6億90百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 金額は製造原価によっております。
b. 受注状況
取り扱い商品のほとんどを受注即納入体制をとっており、特に記載すべき事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、時価が著しく下落した有価証券及び発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく下落した市場価格のない株式について、必要な減損処理を行っており、商品及び製品のうち不良品、陳腐化品等についても必要な評価減を行なっております。また、取立不能のおそれのある債権等に対しては、必要と認められる額の引当金を計上しております。
なお、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、減収・減益となりました。照明事業において、基幹システムの移行不具合に起因する納期遅延が発生し、売上機会の喪失および物流経費の増加を招いたほか、少子化や業界環境の悪化による家具事業の業績不振が主な要因となります。
当社グループは主に照明器具、住・生活関連用品、家具等の商品を扱っており、新築住宅着工件数など住宅業界及び消費者動向に影響を受けやすい状況にあります。このような状況下において、環境の変化、消費者ニーズに柔軟に適応し、現事業での売上の底上げと周辺事業領域の開拓及び拡大が最優先課題であると認識しております。
また、当社グループは運転資金及び設備投資等の長期的な計画に必要な資金は、銀行借入により調達しておりますが、自己資本比率は年々改善しております。さらなる財務健全性の維持・向上を図りながら投資・研究開発活動等を推進してまいります。なお、研究開発設備の導入など設備投資については、随時決定しておりますが、今後の重要な資本的支出等の予定は、提出日現在ございません。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
a. 照明事業
照明事業を取り巻く環境は、インバウンド需要の定着や都市再開発による国内経済の緩やかな回復が見られる一方、緊迫化する中東情勢や長期化するロシア・ウクライナ情勢といった地政学リスクの増大、さらに歴史的な円安水準の継続によるエネルギー・原材料価格の高止まりなど、予断を許さない状況が続いております。 片や、日本の照明市場においては、蛍光灯の製造・輸出入の禁止への市場の対応が活発化し、前年を上回る伸率を示しています。
このような経営環境下において、当社は、新基幹システムの稼働後のオペレーションのトラブルと一部のサプライヤーの納期トラブルにより、充分な商品供給ができない事態が発生し、お得意先様にご迷惑をお掛けすることとなり、受注に多大な影響を及ぼし、この結果、減収減益となりました。
今後も、さらなる為替変動や資源価格の高騰、さらには競合他社との市場競争が一段と激化するものと予測されます。これに対し、当社は顧客からの信頼回復を最重要ポイントとし、地政学リスクや電子部品の枯渇リスクなどに左右されない強靭なサプライチェーンの構築により商品の安定供給を果たしてまいります。
更には、SDGs活動を積極的に推進し、GX(グリーントランスフォーメーション)を牽引するソリューション企業としての体制強化を図るとともに、住宅・店舗事業では、環境負荷の低減や省エネ性能を追求した高付加価値商品へのシフトを加速させます。また、施設事業においては、国際規格に準拠した制御システムの拡大や環境負荷を低減した商品を投入し、ウェルビーイングや環境課題への提案により、景観・環境ビジネスでの売上拡大を図ります。一方、グローバル市場においては、プレゼンスの確立のために、商品開発や販促活動を迅速に対応してまいります。また、新基幹システムの安定稼働により、顧客満足度の向上と在庫運営の最適化を実現し、変化の激しい市場において持続的な成長を目指してまいります。
b. 家具事業
家具事業については、昨今の中東情勢の緊迫化により、原油価格の高騰に伴う輸入コスト及び海外生産地盤に
おける物流費、人件費、原材料費の値上げに加え、為替相場の不確実性及び国内市場での家具専門店の集客・販売苦戦及び学習机の購入率の低下、購入場所やニーズの多様化等、厳しい環境が続いており、減収となりました。
今後は、家具事業の再興に向けて、下期よりグループ内への事業移管を行い、組織統合により経営資源の集中化と収益性の抜本的改善を図ります。上期は事業移管の準備として、既存顧客の集約化と併せ全ての商品の整理・改廃を通じ在庫の大幅な縮小を図り事業効率を改善します。またブランドメーカーとして、売り方、造り方、持ち方、届け方のサプライチェーンシステム全体の再設計により適切な収益の確保に努めます。
c. 物流事業
物流事業について、グループ事業会社の新基幹システムへの対応、長野エリアにおいては輸配送ネットワーク再構築、グループシナジーの強化を進めました。西日本エリアにおいては倉庫全面運用により拠点収支大幅改善致しました。東日本エリアは顧客の撤退、新規3PL案件の受託遅れもあり倉庫全面活用には至りませんでした。東日本エリアの収支改善に向け空き保管・空き運賃の解消、運用コスト含め変動費の見直しをはかり運賃・保管・荷役での収益体質強化に努めます。
今後も外販を中心とした事業構造(売上構成比:外販70%)に変革し、量から質へ経営方針を継続し、売上総利益額の改善に努めます。
d. その他事業
その他事業については、ホテルや商業施設等への家具・什器の搬入設置を行う事業において、 訪日外国人数が過去最高を更新するなどインバウンド需要が極めて旺盛に推移し ており、東京を始め、地方案件の外資系ラグジュアリーホテルの案件を継続受注できたことにより4期連続の増収となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米国を中心とした高金利政策の長期化や地政学リスクの継続、中国経済の減速と構造調整、エネルギー価格の不安定化といった世界情勢の影響を受けつつ、円安を追い風とした輸出やインバウンド需要、賃上げを背景とする個人消費の持ち直しが下支えとなる一方、物価上昇による実質所得の伸び悩みや少子高齢化に伴う労働力不足、財政制約の中で成長力の底上げが課題となり、総じて緩やかな回復基調を維持しながらも内外リスクに左右されやすい不安定な局面が続いた一年となりました。
このような環境のもと、当社グループは第7次中期経営計画の2年目として、小泉産業グループ・ビジョン2030で定義した『経済価値』『社会価値』『人財価値』の3つの価値の最大化を掲げ、活動を推進してまいりました。
グループ各社においては、主力である照明事業において、基幹システム移行時の不具合に起因する納期遅延が発生し、売上機会の喪失や物流経費の増加を招きました。また、事業存続をかけて再生に取り組んできた家具事業については、少子化の進行や業界環境の悪化といった外部要因の影響もあり、業績を回復するには至りませんでした。一方で、インバウンド需要を背景としたホテル開業の増加を受け、セットアップサービス事業は前年に引き続き好調を維持し、物流事業においても利益率の改善により黒字化を達成しました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は392億56百万円(前年同期比97.2%)の減収、営業利益は7億30百万円(前年同期比44.6%)の減益、経常利益は11億74百万円(前年同期比78.8%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は6億82百万円(前年同期比73.6%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a. 照明事業
Ⅰ.国内市場
(イ)住宅照明では、SDGsへの取り組みを継続的に推進し、再生可能エネルギーを利用したソーラーパネル搭載のガーデンライトやポールライトを拡充するとともに、主力のパネルダウンライトシリーズの準耐火構造への刷新と大幅な使用電力削減を実現し、環境負荷低減を図りました。また、意匠性の追求においては、伝統技法と調和する「Japan Minimal」シリーズに対して新機種を投入し、高付加価値デザインによる空間提案を強化しました。
(ロ)店舗照明では、環境負荷低減への対応として、「ライトバー間接照明」144機種に再生アルミを採用し、約190t/年のCO2削減を図りました。また、店舗・リニューアル市場に向けて、新たな無線制御システム「waybee(ウェイビー)」を発売し、約700アイテムの対象商品との制御設定を簡易にして省施工を図りました。省エネルギーにも貢献し、シーン演出における利便性を向上させました。
(ハ)施設照明では、25ミリ幅の「Solid Seamless Slim」にアンビエントおよびグレアレスタイプを追加しました。また、高い意匠性を備えた「インダイレクト階段通路誘導灯」を発売し、空間デザインを損なわない製品のラインナップを拡充しました。
Ⅱ.海外市場
グローバル戦略商品の小型ダウンライトシリーズ「CAMOS(カモス)」やエクステリアシリーズ「eX-Pro」の発売に際して、ドイツや香港のインターナショナルライティングフェアなどへの出展により、ライティングコンサルタントなどの決定権者への商品の販促活動を推進しました。また、シンガポールではSNSの発信やラボ施設を活用した展示会を開催し、ライティングコンサルタントへのマーケティング活動を推進しました。
しかしながら、基幹システム移行の不具合に伴う商品供給の遅れにより、大きく業績を落とし、翌期への持ち越し課題となりました。
以上の結果、照明事業の売上高は295億36百万円(前年同期比99.5%)、セグメント利益は4億82百万円(前年同期比30.1%)となり、減収・減益となりました。
b. 家具事業
家具事業におきましては、抜本的な「経営再建」に向けた構造改革に注力いたしました。グループ内への人員配置や拠点の集約再編など、固定費および変動費の両面から徹底した経費削減を継続するとともに、当社からの財務・経営両面での支援を通じて事業基盤の立て直しを図りました。しかしながら、売上減少に歯止めがかからず、当初掲げた再建計画を完遂するまでには至らず、依然として課題の残る結果となりました。
以上の結果、家具事業の売上高は18億41百万円(前年同期比83.9%)、セグメント損失は70百万円(前年同期はセグメント損失1億54百万円)となり、減収・増益(損失の減少)となりました。
c. 物流事業
物流事業におきましては、「物流2024年問題」の本格化や改正物流関連二法の施行など、業界の商慣行が大きく変革する中、当社は持続可能な物流体制の構築に注力いたしました。具体的には、現場の生産性向上や物流ネットワークの再編、荷主ごとの効率化策を推進するとともに、事業構造の変革による収益基盤の再構築を図りました。
また、外販新領域における受託拡大や取引条件の適正化、不採算業務の改善など、付加価値の向上に取り組みました。これらの活動が現場力として定着した結果、売上総利益率は大幅に改善し、収益性の向上に大きく寄与いたしました。
以上の結果、物流事業の売上高は28億88百万円(前年同期比82.1%)、セグメント利益は62百万円(前年同期はセグメント損失4百万円)となり、減収・増益となりました。
d. その他事業
その他事業は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主に住宅設備機器の販売・施工、商業施設等への家具・什器の搬入・設置及び情報通信事業等であります。
その他事業の売上高は49億89百万円(前年同期比100.5%)、セグメント利益は10億74百万円(前年同期比98.4%)となり、増収・減益となりました。
また、当社グループの財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4億19百万円増加して381億11百万円となりました。
流動資産は68百万円増加して177億93百万円、固定資産は3億51百万円増加して203億17百万円となりました。流動資産につきましては、主として現金及び預金が5億79百万円減少したこと、および商品及び製品が8億54百万円増加したことによるものであります。固定資産につきましては、主として投資有価証券が5億97百万円増加したこと、およびソフトウエアが6億55百万円増加したこと、およびソフトウェア仮勘定が9億36万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億64百万円減少して123億37百万円となりました。
流動負債は1億40百万円減少して88億61百万円、固定負債は1億24百万円減少して34億76百万円となりました。流動負債につきましては、主として電子記録債務が15億28百万円減少したこと、および短期借入金が15億円増加したことによるものであります。固定負債につきましては、主として退職給付に係る負債が3億13百万円減少したこと、およびリース債務が1億68百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億83百万円増加して257億73百万円となりました。これは主として利益剰余金が5億23百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.6%から67.6%へ増加し、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の942円55銭から968円24銭へ増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ5億79百万円減少し、24億17百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、税金等調整前当期純利益9億54百万円、非資金損益取引である減価償却費8億10百万円、仕入債務の減少額14億5百万円、棚卸資産の増加額7億23百万円などの計上により、10億70百万円の支出(前年同期は10億31百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、固定資産の取得による支出6億30百万円、保険積立金解約収入1億15百万円などにより、7億65百万円の支出(前年同期は8億91百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、短期借入金の増加額15億円、配当金の支払額1億59百万円などにより、12億36百万円の収入(前年同期は6億90百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年比(%) |
| 照明事業 | 5,314 | 95.0 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 金額は製造原価によっております。
b. 受注状況
取り扱い商品のほとんどを受注即納入体制をとっており、特に記載すべき事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年比(%) |
| 照明事業 | 29,536 | 99.5 |
| 家具事業 | 1,841 | 83.9 |
| 物流事業 | 2,888 | 82.1 |
| その他(情報通信事業他) | 4,989 | 100.5 |
| 合計 | 39,256 | 97.2 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、時価が著しく下落した有価証券及び発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく下落した市場価格のない株式について、必要な減損処理を行っており、商品及び製品のうち不良品、陳腐化品等についても必要な評価減を行なっております。また、取立不能のおそれのある債権等に対しては、必要と認められる額の引当金を計上しております。
なお、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、減収・減益となりました。照明事業において、基幹システムの移行不具合に起因する納期遅延が発生し、売上機会の喪失および物流経費の増加を招いたほか、少子化や業界環境の悪化による家具事業の業績不振が主な要因となります。
当社グループは主に照明器具、住・生活関連用品、家具等の商品を扱っており、新築住宅着工件数など住宅業界及び消費者動向に影響を受けやすい状況にあります。このような状況下において、環境の変化、消費者ニーズに柔軟に適応し、現事業での売上の底上げと周辺事業領域の開拓及び拡大が最優先課題であると認識しております。
また、当社グループは運転資金及び設備投資等の長期的な計画に必要な資金は、銀行借入により調達しておりますが、自己資本比率は年々改善しております。さらなる財務健全性の維持・向上を図りながら投資・研究開発活動等を推進してまいります。なお、研究開発設備の導入など設備投資については、随時決定しておりますが、今後の重要な資本的支出等の予定は、提出日現在ございません。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
a. 照明事業
照明事業を取り巻く環境は、インバウンド需要の定着や都市再開発による国内経済の緩やかな回復が見られる一方、緊迫化する中東情勢や長期化するロシア・ウクライナ情勢といった地政学リスクの増大、さらに歴史的な円安水準の継続によるエネルギー・原材料価格の高止まりなど、予断を許さない状況が続いております。 片や、日本の照明市場においては、蛍光灯の製造・輸出入の禁止への市場の対応が活発化し、前年を上回る伸率を示しています。
このような経営環境下において、当社は、新基幹システムの稼働後のオペレーションのトラブルと一部のサプライヤーの納期トラブルにより、充分な商品供給ができない事態が発生し、お得意先様にご迷惑をお掛けすることとなり、受注に多大な影響を及ぼし、この結果、減収減益となりました。
今後も、さらなる為替変動や資源価格の高騰、さらには競合他社との市場競争が一段と激化するものと予測されます。これに対し、当社は顧客からの信頼回復を最重要ポイントとし、地政学リスクや電子部品の枯渇リスクなどに左右されない強靭なサプライチェーンの構築により商品の安定供給を果たしてまいります。
更には、SDGs活動を積極的に推進し、GX(グリーントランスフォーメーション)を牽引するソリューション企業としての体制強化を図るとともに、住宅・店舗事業では、環境負荷の低減や省エネ性能を追求した高付加価値商品へのシフトを加速させます。また、施設事業においては、国際規格に準拠した制御システムの拡大や環境負荷を低減した商品を投入し、ウェルビーイングや環境課題への提案により、景観・環境ビジネスでの売上拡大を図ります。一方、グローバル市場においては、プレゼンスの確立のために、商品開発や販促活動を迅速に対応してまいります。また、新基幹システムの安定稼働により、顧客満足度の向上と在庫運営の最適化を実現し、変化の激しい市場において持続的な成長を目指してまいります。
b. 家具事業
家具事業については、昨今の中東情勢の緊迫化により、原油価格の高騰に伴う輸入コスト及び海外生産地盤に
おける物流費、人件費、原材料費の値上げに加え、為替相場の不確実性及び国内市場での家具専門店の集客・販売苦戦及び学習机の購入率の低下、購入場所やニーズの多様化等、厳しい環境が続いており、減収となりました。
今後は、家具事業の再興に向けて、下期よりグループ内への事業移管を行い、組織統合により経営資源の集中化と収益性の抜本的改善を図ります。上期は事業移管の準備として、既存顧客の集約化と併せ全ての商品の整理・改廃を通じ在庫の大幅な縮小を図り事業効率を改善します。またブランドメーカーとして、売り方、造り方、持ち方、届け方のサプライチェーンシステム全体の再設計により適切な収益の確保に努めます。
c. 物流事業
物流事業について、グループ事業会社の新基幹システムへの対応、長野エリアにおいては輸配送ネットワーク再構築、グループシナジーの強化を進めました。西日本エリアにおいては倉庫全面運用により拠点収支大幅改善致しました。東日本エリアは顧客の撤退、新規3PL案件の受託遅れもあり倉庫全面活用には至りませんでした。東日本エリアの収支改善に向け空き保管・空き運賃の解消、運用コスト含め変動費の見直しをはかり運賃・保管・荷役での収益体質強化に努めます。
今後も外販を中心とした事業構造(売上構成比:外販70%)に変革し、量から質へ経営方針を継続し、売上総利益額の改善に努めます。
d. その他事業
その他事業については、ホテルや商業施設等への家具・什器の搬入設置を行う事業において、 訪日外国人数が過去最高を更新するなどインバウンド需要が極めて旺盛に推移し ており、東京を始め、地方案件の外資系ラグジュアリーホテルの案件を継続受注できたことにより4期連続の増収となりました。