有価証券報告書-第125期(2024/10/01-2025/09/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末に比べ17億81百万円増加(前連結会計年度末比7.7%増)し、250億56百万円となりました。主なものとしては、棚卸資産の増加15億26百万円、受取手形及び売掛金の増加7億54百万円、現金及び預金の減少5億53百万円であります。
b.負債の部
当連結会計年度末における負債合計額は、前連結会計年度末に比べ9億78百万円増加(前連結会計年度末比8.3%増)し、128億29百万円となりました。主なものとしては、支払手形及び買掛金の増加6億63百万円、前受金の増加7億98百万円、未払金の減少2億29百万円、未払法人税等の減少2億10百万円であります。
なお、有利子負債につきましては、前連結会計年度末に比べ57百万円減少(前連結会計年度末比4.4%減)し、12億33百万円となりました。
c.純資産の部
当連結会計年度末における純資産額は、前連結会計年度末に比べ8億2百万円増加(前連結会計年度比7.0%増)し、122億26百万円となりました。主なものとしては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上9億12百万円、剰余金の配当89百万円であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度の49.1%から48.8%に下落しました。
② 経営成績の状況
当社グループの事業は、事務器等の製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、事業ユニット別に記載しております。
当連結会計年度における我が国経済は、米国の高関税政策の影響を受けやすい製造業の収益にかげりが見えたものの、非製造業では高い水準が維持され、情報関連インフラ等への投資も旺盛であり、国内景気は堅調に推移しました。また大阪・関西万博の開催もあり訪日外国人観光客数が過去最高を記録する等インバウンド需要も景気の押し上げに働きました。
一方、物価上昇はあらゆるところに影響を及ぼしており、先行きは依然不透明な状況が続いております。
販売店事業及びエンタープライズ事業においては、市場環境・業界動向に変化がある中、出社回帰の見直しによって、以前にも増してABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)による多様な働き方が重視されております。昨年12月に開設した大阪プレゼンテーションルーム「soLid LABO(ソリッドラボ)」では、大手パートナーとのコラボ企画や、文教市場向けイベントを行うなど有効に活用し、今後も顧客接点の強化を図る場として、付加価値の高いソリューション提案活動を積極的に行ってまいります。関西圏を中心に今まで以上にスムーズなオフィス提案が進むと考えております。
Web会議やリモート会議が主流となり、個室ブース「DelicaBooth(デリカブース)type S」を中心とした商材が引き続き好評を得ております。またサステナビリティやSDGsへの取り組みとして再生材の有効活用を意識し、背・座シェルと脚端パーツに再生率100%の樹脂を使用した「スタッキングチェアー No.1070シリーズ」等、環境負荷低減に貢献する商品開発を行っております。このほか、2027年に蛍光灯の製造・販売が中止になることを受け、LED照明への切り替え需要も多く見込んでおります。また、オフィス内の電源確保や災害時・緊急時の非常電源としても利用できるポータブルバッテリー「PoPoHu(ポポフ)」などの仕入商材も提案に取り入れ、時流に合わせた働く環境を複合的な面から継続的にサポートする「オフィスまるごと提案」を軸に営業活動を推進しております。
BtoC向け商材として、文具・事務用品では、趣味のコレクション整理等に使用する推し活向けアイテム「Fandes(ファンデス)」と「ポッケde整理A5判」を新たに発売し、幅広い世代をターゲットとして展開しております。
文教事業においては、GIGAスクール需要第1期で導入された端末の更新時期に入ったため、現在利用している端末の運用サポートやICT機器のリプレイス案件が中心となりました。GIGAスクール構想第2期の需要は2026年度にかけて継続する見込みです。また教員用端末や校務システムの更新も多くあり業績の下支えとなりました。前述の「soLid LABO」では「学校×LION」と題し、ICT機器だけでない学校環境の提案を行うイベントを開催し、教育委員会に向けた訴求活動も行いました。少子化が進む中、あらゆる角度から提案の幅を広げてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は370億22百万円(前連結会計年度比6.1%増)、営業利益は11億89百万円(前連結会計年度比9.1%増)、経常利益は12億75百万円(前連結会計年度比9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億12百万円(前連結会計年度比19.7%増)となりました。
当社グループの事業ユニット別の販売の状況は以下のとおりであります。
[販売店事業]
販売店事業におきましては、働き方改革やリニューアル需要を背景に、販売店との協業のもと、提案型営業を強化し活動してまいりました。特に快適で生産性の高いオフィス空間づくりを支援するため、オフィス家具の販売に加えて設計・施工・アフターサービスまでを一貫して行う体制の推進、EC事業であるナビリオンの推進、蛍光灯2027年問題に即したLED照明販売等、「オフィスまるごと提案」を展開してまいりました。
結果、当連結会計年度の売上高は157億14百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。
[エンタープライズ事業]
エンタープライズ事業におきましては、文具・事務用品業界とは異なる大手パートナー企業との協業により、働き方改革およびエンゲージメント強化を織り込んだ「オフィスまるごと提案」を展開いたしました。ナビリオンを活用し新規顧客の開拓に取り組んだほか、伸長が見込まれる福祉医療施設向け市場においては、ユーザー特性に応じた多方面の商材を組み合わせることで、他社との差別化を図りました。
海外市場では当社のグローバルネットワークを活用し、文具・事務用品を販売するとともに、海外展開を目指す文具メーカーとも協業すべく新規開拓・販売促進にも注力いたしました。
また、近年増加傾向にあるECサイト運営会社に対して積極的なアプローチを行い、商材の拡販活動を展開いたしました。
しかしながら、販売先の在庫調整の影響や、得意先のカタログ掲載品の見直しの影響等もあり、売上が減少した得意先もありました。
結果、当連結会計年度の売上高は108億72百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
[文教事業]
文教事業におきましては、校務DXや学校のセキュリティ対策の高度化などが叫ばれている中での既知の課題を解決すべく、現在利用している端末やICT機器の更新、GIGA端末の更新に向けた提案を行いました。
関東圏では、電子黒板や複数自治体での教育用端末の更新が、業績の下支えとなりました。また関西圏におきましては、校務システムや校務端末の更新、各学校ネットワークシステムの更新が業績の下支えとなりました。加えてGIGA端末の更新案件において、関東圏で1自治体・関西圏で3自治体からの受注を獲得したことが、大きく業績を引き上げる結果につながりました。
そして、少子化に伴う学校の統廃合が進む中、soLid LABOにて「学校×LION」と題した学校環境の提案イベントを開催し、ICT機器だけではないソリューションの訴求活動を行いました。また、クラウドシステム・学校の安全安心・不登校対策など、さまざまな切り口での提案活動も継続し努めてまいりました。
結果、当連結会計年度の売上高は104億35百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。
[EC事業]
EC事業におきましては、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」での顧客基盤の拡大と利用促進を目指し、パートナーである販売店との関係強化とその取引先であるユーザーの獲得、および当社直販ユーザーへの提案を推進しました。
また、秋冬号と春夏号の年2回の新カタログ発刊を通じ、オフィスでのニーズに応える多彩な商品や、購買コスト削減に資する商材を訴求しました。また、季節に応じてのニーズを先取りして情報発信を行い、冬季の防寒対策商品や夏季における熱中症対策商品等に対する高い需要に応え、結果として生活用品や食品・飲料カテゴリが堅調に推移し売上に寄与しました。さらに顧客とのエンゲージメント向上を目的としたプレゼントキャンペーンの実施や、オリジナルノベルティの配布を通じ、サービスの周知と魅力を高める取組にも努めてまいりました。
結果、当連結会計年度の売上高は29億27百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。なお、EC事業の売上高は、販売店事業、エンタープライズ事業及び文教事業の中に含まれています。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は59億15百万円となり、前連結会計年度末と比べ資金が4億43百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に使用した資金は6百万円(前連結会計年度は17億53百万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益12億74百万円(前連結会計年度は11億34百万円)、仕入債務の増加額6億74百万円(前連結会計年度は仕入債務の減少額1億88百万円)、前受金の増加額7億77百万円(前連結会計年度は前受金の減少額9億53百万円)、売上債権の増加額7億72百万円(前連結会計年度は売上債権の減少額8億73百万円)、棚卸資産の増加額15億38百万円(前連結会計年度は2億39百万円)、法人税等の支払額5億32百万円(前連結会計年度は1億21百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に使用した資金は2億24百万円(前連結会計年度は1億26百万円の使用)となりました。これは主として固定資産の取得による支出3億16百万円(前連結会計年度は83百万円)、定期預金の払戻による収入1億10百万円(前連結会計年度は60百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に使用した資金は1億75百万円(前連結会計年度は1億96百万円の使用)となりました。これは主として短期借入金の純減少額60百万円(前連結会計年度は短期借入金の純増加額35百万円)、長期借入金の返済による支出96百万円(前連結会計年度は4億13百万円)、配当金の支払額89百万円(前連結会計年度は89百万円)、長期借入れによる収入1億円(前連結会計年度は3億10百万円)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループは、生産実績を事業ユニット別に把握することが困難なため、生産部門の生産高合計を記載しております。
b 商品仕入実績
当社グループは、仕入実績を事業ユニット別に把握することが困難なため、事業部門別に記載しております。
c 受注状況
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d 販売実績
当社グループは単一セグメントであるため、事業ユニット別に記載しております。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日時点の収益、費用の発生、営業債権、棚卸資産、投資等に関し、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り・判断を行っております。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.収益の認識について
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
b.貸倒引当金について
当社グループは、顧客又は取引先の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客又は取引先の財政状態が悪化し、債権の回収可能性が低下した場合に追加の引当が必要となる場合があります。
c.棚卸資産について
当社グループは、継続的に将来の需要及び市場状況に基づく正味売却価額と原価との差額相当分を評価損として計上しております。実際の将来の需要及び実勢価格が見積りより悪化した場合追加の評価減が必要となる可能性があります。
d.投資の減損について
当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、特定の顧客、取引先及び金融機関に対する少数の持分を所有しております。これらの株式等は上場会社の市場価格のあるものと、非上場会社の市場価格のないものが含まれます。市場価格のあるものについては連結会計年度末日の時価が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合に減損処理を行っております。また、市場価格のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合には、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っております。
e.繰延税金資産について
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(経営成績の分析)
a.概況
当社グループの属する業界においては、Web会議やリモート会議が定着してきた一方で、コロナ禍を経てオフィス回帰が本格化しています。対面によるコミュニケーションで生産性や帰属意識を高めようとする動きも広がっており、オフィスの価値の見直しが行われております。
当社グループにおいても、かかる状況下、出社したくなる仕組みづくりとして働く環境を改善するオフィスリニューアル案件が増加し、Web会議やリモート会議の環境が未整備の企業から、個室ブース「DelicaBooth(デリカブース)」を中心とした商材の引き合いが依然好調でした。
b.売上高
当連結会計年度は、販売店事業においては、「オフィスまるごと提案」の訴求、新規得意先獲得強化、既存得意先の継続的な購入・再購入の促進営業強化を方針として活動してまいりました。エンタープライズ事業においては、大手パートナーとの協業展開を強化し、働き方改革・エンゲージメント強化を織り込んだ「オフィスまるごと」のトータル提案を行い、既存顧客の深掘と新規取引開拓促進を目指し活動いたしました。文教事業においては、通常更新案件の提案に加えて、GIGAスクール需要の更新時期にありましたので端末等の更新や運用サポート提案を中心に提案を行いました。また、EC事業においては、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」での営業レスでの利用促進と新規先へのドアノックツールとしての活用に注力しました。
結果、売上高は370億22百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。
c.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ17億20百万円増加し、279億64百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、売上原価率は75.5%(前連結会計年度は75.2%)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、経費削減に尽力するとともに、業績に連動した賞与支給により社員への還元を行っております。その結果、78億68百万円(前連結会計年度比4.1%増)となり、売上高比は21.3%(前連結会計年度は21.7%)となりました。
d.営業外収益及び営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ5百万円増加し、1億20百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ2百万円減少し、33百万円(前連結会計年度比7.3%減)となりました。
e.特別利益及び特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ0百万円減少しました。当連結会計年度の特別利益の計上はありません。
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ32百万円減少し、1百万円となりました。
f.法人税等
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度に比べ10百万円減少し、3億61百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入に係る費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要の主なものは、新製品の金型投資、システム投資によるものであります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ステークホルダーとともに成長し続けることにより企業価値の向上を目指しております。経営成績としては、売上高、営業利益の拡大を一つの指針と考えておりますが、具体的な比率目標等の客観的指標は設けておりません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末に比べ17億81百万円増加(前連結会計年度末比7.7%増)し、250億56百万円となりました。主なものとしては、棚卸資産の増加15億26百万円、受取手形及び売掛金の増加7億54百万円、現金及び預金の減少5億53百万円であります。
b.負債の部
当連結会計年度末における負債合計額は、前連結会計年度末に比べ9億78百万円増加(前連結会計年度末比8.3%増)し、128億29百万円となりました。主なものとしては、支払手形及び買掛金の増加6億63百万円、前受金の増加7億98百万円、未払金の減少2億29百万円、未払法人税等の減少2億10百万円であります。
なお、有利子負債につきましては、前連結会計年度末に比べ57百万円減少(前連結会計年度末比4.4%減)し、12億33百万円となりました。
c.純資産の部
当連結会計年度末における純資産額は、前連結会計年度末に比べ8億2百万円増加(前連結会計年度比7.0%増)し、122億26百万円となりました。主なものとしては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上9億12百万円、剰余金の配当89百万円であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度の49.1%から48.8%に下落しました。
② 経営成績の状況
当社グループの事業は、事務器等の製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、事業ユニット別に記載しております。
当連結会計年度における我が国経済は、米国の高関税政策の影響を受けやすい製造業の収益にかげりが見えたものの、非製造業では高い水準が維持され、情報関連インフラ等への投資も旺盛であり、国内景気は堅調に推移しました。また大阪・関西万博の開催もあり訪日外国人観光客数が過去最高を記録する等インバウンド需要も景気の押し上げに働きました。
一方、物価上昇はあらゆるところに影響を及ぼしており、先行きは依然不透明な状況が続いております。
販売店事業及びエンタープライズ事業においては、市場環境・業界動向に変化がある中、出社回帰の見直しによって、以前にも増してABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)による多様な働き方が重視されております。昨年12月に開設した大阪プレゼンテーションルーム「soLid LABO(ソリッドラボ)」では、大手パートナーとのコラボ企画や、文教市場向けイベントを行うなど有効に活用し、今後も顧客接点の強化を図る場として、付加価値の高いソリューション提案活動を積極的に行ってまいります。関西圏を中心に今まで以上にスムーズなオフィス提案が進むと考えております。
Web会議やリモート会議が主流となり、個室ブース「DelicaBooth(デリカブース)type S」を中心とした商材が引き続き好評を得ております。またサステナビリティやSDGsへの取り組みとして再生材の有効活用を意識し、背・座シェルと脚端パーツに再生率100%の樹脂を使用した「スタッキングチェアー No.1070シリーズ」等、環境負荷低減に貢献する商品開発を行っております。このほか、2027年に蛍光灯の製造・販売が中止になることを受け、LED照明への切り替え需要も多く見込んでおります。また、オフィス内の電源確保や災害時・緊急時の非常電源としても利用できるポータブルバッテリー「PoPoHu(ポポフ)」などの仕入商材も提案に取り入れ、時流に合わせた働く環境を複合的な面から継続的にサポートする「オフィスまるごと提案」を軸に営業活動を推進しております。
BtoC向け商材として、文具・事務用品では、趣味のコレクション整理等に使用する推し活向けアイテム「Fandes(ファンデス)」と「ポッケde整理A5判」を新たに発売し、幅広い世代をターゲットとして展開しております。
文教事業においては、GIGAスクール需要第1期で導入された端末の更新時期に入ったため、現在利用している端末の運用サポートやICT機器のリプレイス案件が中心となりました。GIGAスクール構想第2期の需要は2026年度にかけて継続する見込みです。また教員用端末や校務システムの更新も多くあり業績の下支えとなりました。前述の「soLid LABO」では「学校×LION」と題し、ICT機器だけでない学校環境の提案を行うイベントを開催し、教育委員会に向けた訴求活動も行いました。少子化が進む中、あらゆる角度から提案の幅を広げてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は370億22百万円(前連結会計年度比6.1%増)、営業利益は11億89百万円(前連結会計年度比9.1%増)、経常利益は12億75百万円(前連結会計年度比9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億12百万円(前連結会計年度比19.7%増)となりました。
当社グループの事業ユニット別の販売の状況は以下のとおりであります。
[販売店事業]
販売店事業におきましては、働き方改革やリニューアル需要を背景に、販売店との協業のもと、提案型営業を強化し活動してまいりました。特に快適で生産性の高いオフィス空間づくりを支援するため、オフィス家具の販売に加えて設計・施工・アフターサービスまでを一貫して行う体制の推進、EC事業であるナビリオンの推進、蛍光灯2027年問題に即したLED照明販売等、「オフィスまるごと提案」を展開してまいりました。
結果、当連結会計年度の売上高は157億14百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。
[エンタープライズ事業]
エンタープライズ事業におきましては、文具・事務用品業界とは異なる大手パートナー企業との協業により、働き方改革およびエンゲージメント強化を織り込んだ「オフィスまるごと提案」を展開いたしました。ナビリオンを活用し新規顧客の開拓に取り組んだほか、伸長が見込まれる福祉医療施設向け市場においては、ユーザー特性に応じた多方面の商材を組み合わせることで、他社との差別化を図りました。
海外市場では当社のグローバルネットワークを活用し、文具・事務用品を販売するとともに、海外展開を目指す文具メーカーとも協業すべく新規開拓・販売促進にも注力いたしました。
また、近年増加傾向にあるECサイト運営会社に対して積極的なアプローチを行い、商材の拡販活動を展開いたしました。
しかしながら、販売先の在庫調整の影響や、得意先のカタログ掲載品の見直しの影響等もあり、売上が減少した得意先もありました。
結果、当連結会計年度の売上高は108億72百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
[文教事業]
文教事業におきましては、校務DXや学校のセキュリティ対策の高度化などが叫ばれている中での既知の課題を解決すべく、現在利用している端末やICT機器の更新、GIGA端末の更新に向けた提案を行いました。
関東圏では、電子黒板や複数自治体での教育用端末の更新が、業績の下支えとなりました。また関西圏におきましては、校務システムや校務端末の更新、各学校ネットワークシステムの更新が業績の下支えとなりました。加えてGIGA端末の更新案件において、関東圏で1自治体・関西圏で3自治体からの受注を獲得したことが、大きく業績を引き上げる結果につながりました。
そして、少子化に伴う学校の統廃合が進む中、soLid LABOにて「学校×LION」と題した学校環境の提案イベントを開催し、ICT機器だけではないソリューションの訴求活動を行いました。また、クラウドシステム・学校の安全安心・不登校対策など、さまざまな切り口での提案活動も継続し努めてまいりました。
結果、当連結会計年度の売上高は104億35百万円(前連結会計年度比18.5%増)となりました。
[EC事業]
EC事業におきましては、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」での顧客基盤の拡大と利用促進を目指し、パートナーである販売店との関係強化とその取引先であるユーザーの獲得、および当社直販ユーザーへの提案を推進しました。
また、秋冬号と春夏号の年2回の新カタログ発刊を通じ、オフィスでのニーズに応える多彩な商品や、購買コスト削減に資する商材を訴求しました。また、季節に応じてのニーズを先取りして情報発信を行い、冬季の防寒対策商品や夏季における熱中症対策商品等に対する高い需要に応え、結果として生活用品や食品・飲料カテゴリが堅調に推移し売上に寄与しました。さらに顧客とのエンゲージメント向上を目的としたプレゼントキャンペーンの実施や、オリジナルノベルティの配布を通じ、サービスの周知と魅力を高める取組にも努めてまいりました。
結果、当連結会計年度の売上高は29億27百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。なお、EC事業の売上高は、販売店事業、エンタープライズ事業及び文教事業の中に含まれています。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は59億15百万円となり、前連結会計年度末と比べ資金が4億43百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に使用した資金は6百万円(前連結会計年度は17億53百万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益12億74百万円(前連結会計年度は11億34百万円)、仕入債務の増加額6億74百万円(前連結会計年度は仕入債務の減少額1億88百万円)、前受金の増加額7億77百万円(前連結会計年度は前受金の減少額9億53百万円)、売上債権の増加額7億72百万円(前連結会計年度は売上債権の減少額8億73百万円)、棚卸資産の増加額15億38百万円(前連結会計年度は2億39百万円)、法人税等の支払額5億32百万円(前連結会計年度は1億21百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に使用した資金は2億24百万円(前連結会計年度は1億26百万円の使用)となりました。これは主として固定資産の取得による支出3億16百万円(前連結会計年度は83百万円)、定期預金の払戻による収入1億10百万円(前連結会計年度は60百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度に使用した資金は1億75百万円(前連結会計年度は1億96百万円の使用)となりました。これは主として短期借入金の純減少額60百万円(前連結会計年度は短期借入金の純増加額35百万円)、長期借入金の返済による支出96百万円(前連結会計年度は4億13百万円)、配当金の支払額89百万円(前連結会計年度は89百万円)、長期借入れによる収入1億円(前連結会計年度は3億10百万円)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループは、生産実績を事業ユニット別に把握することが困難なため、生産部門の生産高合計を記載しております。
| 事業部門 | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | |
| 生産高(百万円) | 前期比(%) | |
| 生産部門 | 884 | 99.0 |
| 合計 | 884 | 99.0 |
b 商品仕入実績
当社グループは、仕入実績を事業ユニット別に把握することが困難なため、事業部門別に記載しております。
| 事業部門 | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | |
| 仕入高(百万円) | 前期比(%) | |
| 販売部門 | 28,074 | 112.1 |
| 生産部門 | 194 | 96.2 |
| 物流部門 | 1 | 47.7 |
| 合計 | 28,270 | 112.0 |
c 受注状況
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d 販売実績
当社グループは単一セグメントであるため、事業ユニット別に記載しております。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | |
| 販売高(百万円) | 前期比(%) | |
| 販売店事業 | 15,714 | 106.1 |
| エンタープライズ事業 | 10,872 | 96.3 |
| 文教事業 | 10,435 | 118.5 |
| 合計 | 37,022 | 106.1 |
| (内、EC事業) | (2,927) | (106.0) |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | ||
| 販売高 (百万円) | 割合(%) | 販売高 (百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社大塚商会 | 4,745 | 13.6 | 4,783 | 12.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日時点の収益、費用の発生、営業債権、棚卸資産、投資等に関し、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り・判断を行っております。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.収益の認識について
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
b.貸倒引当金について
当社グループは、顧客又は取引先の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客又は取引先の財政状態が悪化し、債権の回収可能性が低下した場合に追加の引当が必要となる場合があります。
c.棚卸資産について
当社グループは、継続的に将来の需要及び市場状況に基づく正味売却価額と原価との差額相当分を評価損として計上しております。実際の将来の需要及び実勢価格が見積りより悪化した場合追加の評価減が必要となる可能性があります。
d.投資の減損について
当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、特定の顧客、取引先及び金融機関に対する少数の持分を所有しております。これらの株式等は上場会社の市場価格のあるものと、非上場会社の市場価格のないものが含まれます。市場価格のあるものについては連結会計年度末日の時価が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合に減損処理を行っております。また、市場価格のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合には、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っております。
e.繰延税金資産について
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(経営成績の分析)
a.概況
当社グループの属する業界においては、Web会議やリモート会議が定着してきた一方で、コロナ禍を経てオフィス回帰が本格化しています。対面によるコミュニケーションで生産性や帰属意識を高めようとする動きも広がっており、オフィスの価値の見直しが行われております。
当社グループにおいても、かかる状況下、出社したくなる仕組みづくりとして働く環境を改善するオフィスリニューアル案件が増加し、Web会議やリモート会議の環境が未整備の企業から、個室ブース「DelicaBooth(デリカブース)」を中心とした商材の引き合いが依然好調でした。
b.売上高
当連結会計年度は、販売店事業においては、「オフィスまるごと提案」の訴求、新規得意先獲得強化、既存得意先の継続的な購入・再購入の促進営業強化を方針として活動してまいりました。エンタープライズ事業においては、大手パートナーとの協業展開を強化し、働き方改革・エンゲージメント強化を織り込んだ「オフィスまるごと」のトータル提案を行い、既存顧客の深掘と新規取引開拓促進を目指し活動いたしました。文教事業においては、通常更新案件の提案に加えて、GIGAスクール需要の更新時期にありましたので端末等の更新や運用サポート提案を中心に提案を行いました。また、EC事業においては、ECプラットフォーム「ナビリオン(NAVILION)」での営業レスでの利用促進と新規先へのドアノックツールとしての活用に注力しました。
結果、売上高は370億22百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。
c.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ17億20百万円増加し、279億64百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、売上原価率は75.5%(前連結会計年度は75.2%)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、経費削減に尽力するとともに、業績に連動した賞与支給により社員への還元を行っております。その結果、78億68百万円(前連結会計年度比4.1%増)となり、売上高比は21.3%(前連結会計年度は21.7%)となりました。
d.営業外収益及び営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ5百万円増加し、1億20百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ2百万円減少し、33百万円(前連結会計年度比7.3%減)となりました。
e.特別利益及び特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ0百万円減少しました。当連結会計年度の特別利益の計上はありません。
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ32百万円減少し、1百万円となりました。
f.法人税等
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度に比べ10百万円減少し、3億61百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入に係る費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要の主なものは、新製品の金型投資、システム投資によるものであります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、ステークホルダーとともに成長し続けることにより企業価値の向上を目指しております。経営成績としては、売上高、営業利益の拡大を一つの指針と考えておりますが、具体的な比率目標等の客観的指標は設けておりません。