有価証券報告書-第57期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/26 15:17
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国は個人消費の改善などを背景に堅調に推移しましたが、中国の景気減速ならびに欧州や中東での地政学的リスクもあり、総じて先行き不透明な状況となっております。一方、日本では、雇用・所得環境の改善や企業の設備投資など前向きな動きは見られたものの、エネルギーや食料品など物価上昇を主因に個人消費が停滞するなど景気は緩やかな回復にとどまりました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、自動車の電装化・電動化を背景に車載関連向け需要は堅調に推移し、産業機器や事務機器向けでは在庫調整緩和の動きが見られる一方、空調機器向けなど一部の分野では調整局面が長引きました。
このような経営環境の下、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高は、電子部品事業において在庫調整の長期化や海外子会社の特定大口顧客向け取引終息による減収、また情報機器事業でも特定大口案件の一巡により伸び悩みましたが、ソフトウェア事業およびその他事業は堅調に推移したことにより、前年比微増の5,477億79百万円(前年同期比0.9%増)となりました。
売上総利益は、売上高が伸びない中で比較的好採算の製品の販売が伸長した一方、低採算であった大口取引が終息するなど販売ミックスの良化もあり、716億65百万円(前年同期比1.7%増)と僅かながら増益となり、売上総利益率も0.1ポイント改善しました。
営業利益は、当期に実施した賃上げによる人件費の増加や物流コスト上昇の影響などにより、販売費及び一般管理費が増加し、236億1百万円(前年同期比8.7%減)、経常利益は、為替変動にともなう為替差損の増加などにより、225億93百万円(前年同期比13.0%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に計上した投資有価証券売却益(14億20百万円)や負ののれん発生益(4億81百万円)の剥落などにより、170億83百万円(前年同期比16.0%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a.電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
当事業では、部品販売ビジネスは、主要顧客における在庫調整の影響が長引く中、加賀FEI株式会社におけるSoC(注)製品の販売伸び悩み、株式会社エクセルの海外子会社における特定大口顧客向け取引の終息などにより減収となりました。EMSビジネスでは、車載向けおよび医療向けが堅調に推移し、産業機器向けが回復したこと、在庫調整局面にあった空調機器向けも第2四半期からの緩やかな回復傾向が持続し、増収となりました。
これらの結果、売上高は4,729億10百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は169億27百万円(前年同期比19.0%減)となりました。
(注)System on a Chipの略語。ある装置やシステムの動作に必要な機能のすべてを、一つの半導体チップに実装する設計手法。
b.情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品など完成品の販売など)
当事業では、パソコン販売ビジネスは、教育機関向けは好調を維持しましたが、量販店向けは主要PCメーカーにおける商品ラインナップ減少の影響を受け低調に推移しました。加えて、LED設置ビジネスは前々期より本格展開していた大口案件が一巡したことにより売上高は減少しました。一方、比較的採算性の高いセキュリティソフトの販売が好調であったことから利益率は向上し、売上高は伸びない中で増益を確保しました。
これらの結果、売上高は426億52百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益は33億7百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
c.ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
当事業では、CG映像制作の受注が好調に推移し、売上高は33億87百万円(前年同期比31.9%増)、セグメント利益は5億9百万円(前年同期比37.8%増)となりました。
d.その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
当事業では、PC製品およびPC周辺機器のリサイクルビジネスは堅調に推移しました。また、大型遊戯施設向けに機器・サービスを提供するアミューズメント機器ビジネスは、米国向け販売が好調に推移しました。
これらの結果、売上高は288億29百万円(前年同期比24.0%増)、セグメント利益は27億7百万円(前年同期比74.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、726億81百万円(前連結会計年度比102億63百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、250億47百万円の収入(前年同期は293億85百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、99億67百万円の支出(前年同期は29億68百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得および投資有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、73億43百万円の支出(前年同期は169億73百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払および借入金の返済によるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度のセグメント別の仕入実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
電子部品事業(百万円)379,2751.9
情報機器事業(百万円)39,7992.4
ソフトウェア事業(百万円)--
その他事業(百万円)19,15121.7
合計(百万円)438,2272.7

b.受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注実績は次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
電子部品事業479,72414.7186,8393.8
情報機器事業43,713△1.31,779147.6
ソフトウェア事業3,17315.5219△49.3
その他事業26,354△2.13,113△44.3
合計552,96512.4191,9512.8

c.販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
電子部品事業(百万円)472,9100.1
情報機器事業(百万円)42,652△3.7
ソフトウェア事業(百万円)3,38731.9
その他事業(百万円)28,82924.0
合計(百万円)547,7790.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
・資産合計
当連結会計年度末における総資産は3,056億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ188億79百万円の増加となりました。
流動資産は2,571億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ125億35百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が135億92百万円増加したことによるものであります。
固定資産は485億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億44百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産が33億9百万円、投資有価証券が20億83百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・負債合計
負債は1,392億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億31百万円の増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が19億47百万円、未払法人税等が17億80百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・純資産合計
純資産は1,663億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ151億48百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益170億83百万円の計上などにより利益剰余金が113億2百万円、為替換算調整勘定が31億55百万円それぞれ増加したことによるものであります。
b.経営成績
・売上高
売上高は前連結会計年度に比べ0.9%増加の5,477億79百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に比べ3.4%減少の3,091億58百万円となり、海外売上高は7.2%増加の2,386億20百万円となりました。
・セグメント別概要
電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
売上高は4,729億10百万円(前年同期比0.1%増)となりました。これは主に、電子部品事業における在庫調整の長期化やEMSビジネスにおいて、車載向けおよび医療向けが堅調に推移したことなどの結果によるものであります。
情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品など完成品の販売など)
売上高は426億52百万円(前年同期比3.7%減)となりました。これは主に、主要PCメーカーにおける商品ラインナップ減少の影響や、LED設置ビジネスが前々期より本格展開していた大口案件が一巡したことによるものであります。
ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
売上高は33億87百万円(前年同期比31.9%増)となりました。これは主に、CG映像制作の受注が好調に推移したことによるものであります。
その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
売上高288億29百万円(前年同期比24.0%増)となりました。これは主に、PC製品およびPC周辺機器のリサイクルビジネスが堅調に推移し、大型遊戯施設向けに機器・サービスを提供するアミューズメント機器ビジネスの米国向け販売が好調に推移したことによるものであります。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度より38億69百万円増加し4,761億13百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は86.9%となっております。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度より34億57百万円増加し480億64百万円となりました。販売費及び一般管理費増加の主な要因は、売上高増加に伴う販売費の増加によるものであります。
・営業利益
営業利益は前連結会計年度に比べ8.7%減少の236億1百万円となりました。
・営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は前連結会計年度より11億38百万円減少し10億7百万円の費用(純額)となりました。主な要因は、為替変動による為替差損の計上によるものであります。
・経常利益
経常利益は上記記載の結果、前連結会計年度より33億82百万円減少し225億93百万円となりました。
・特別利益(損失)
特別利益(損失)は投資有価証券売却益7億54百万円、減損損失戻入益6億42百万円などの特別利益14億39百万円を計上し、投資有価証券評価損2億41百万円などの特別損失3億24百万円を計上しております。
・親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度より43億90百万円減少し237億9百万円となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純損失を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より32億62百万円減少し170億83百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、2024年10月1日を効力発生日として実施した1株につき2株の割合での株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定すると、前連結会計年度より62円22銭減少し325円08銭となりました。
・今後の見通し
2026年3月期における当社グループを取り巻く国内外の経済情勢は、金融・関税などの政策変更にともなう景気後退懸念や為替変動リスク、欧州や中東をはじめとした地政学的リスクなど、その先行きは依然不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、IT・デジタル技術の進展を背景に、自動車の電動化や自動運転の進化、地球温暖化への環境対応、人手不足への省力化対応などテクノロジー分野における変化は著しく、中長期的には需要は確実に拡大していくものと予想されます。その一方、短期的には一部顧客においては在庫調整が継続しており、本格的な需要回復は2026年3月期後半になるものと思われます。
このような前提のもと、当社グループは、2026年3月期を初年度とする『中期経営計画 2027』の基本方針に沿って、創業60周年を迎える2029年3月期には「売上高1兆円企業」となることを見据え、事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じ、中核事業の拡大を図りつつ、引き続き新規M&Aや新規事業の創出に取り組みます。また、「成長投資」ならびに「株主還元」に重点配分する戦略的なキャッシュアロケーションを実践するとともに人的資本への投資を継続、強化します。加えて、「環境」「社会」「ガバナンス」のESG経営課題への対応を加速し、企業価値向上と社会価値の両立による持続的な成長を目指します。
2026年3月期の連結業績につきましては、USドルの想定為替レートを前期に比べて12円強円高の140円としたことによる為替換算差などのリスク要因を織り込み、売上高5,300億円、営業利益230億円、経常利益230億円、親会社株主に帰属する当期純利益165億円を見込みます。
なお、米国における関税政策が当社業績へ与える影響を合理的に算定することは困難でありますが、現時点で認識している米国顧客向け直接取引に関して一定の想定の下で影響を算定の上、業績見通しに反映させております。
また、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える大きな要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④資本の財源および流動性
a.資金需要
運転資金需要のうち主なものは、当社取扱商品の購入費用及び製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、新規事業あるいは商権獲得のためのM&A費用等によるものであります。
b.財政政策
短期運転資金の調達に関しましてはグループ内での資金効率化を行ったうえで金融機関からの借入を基本としております。
M&A・設備投資・長期運転資金の調達に関しましては、直接金融から間接金融まで様々な調達方法の中からその時点の財政状況、資金需要の期間及び目的を勘案し、最適な調達を行うことを基本としております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な指標の一つとしてROEを採用しており、中期経営計画2027ではROE12.0%以上の確保を目標としております。
なお、当連結会計年度における当社グループのROEは、10.8%となりました。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

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