訂正有価証券報告書-第53期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、年度前半において新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、断続的なロックダウンにともなう需要落ち込みや一部製造業における生産停止など厳しい状況が続きました。しかしながら、他国に先駆けて感染拡大を封じ込めた中国では早期に経済活動が再開され、米国でも雇用者数の増加に支えられて消費者マインドは改善、生産にも持ち直しの動きが見られました。欧州においては感染再拡大の影響により経済活動は抑制された状況が続きました。我が国経済も、緊急事態宣言が解除された2020年5月で景気は底打ちしたものの緩やかな回復に留まり、その後の緊急事態宣言再発令を受け、全般に景気回復は弱い動きとなりました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、テレワークやオンライン授業の導入が急速に拡がり、パソコン関連需要が大幅に拡大いたしました。コロナ禍による移動自粛の中での巣ごもり需要を背景にDIY関連工具や工作機器も伸長し、また第1四半期に各国のロックダウンによって大きく低迷した自動車販売の回復にともない、車載関連市場も堅調に推移いたしました。
このような環境の中、当社グループは2019年4月より始動した3ヵ年計画の『中期経営計画2021(2019‐2021)』の中間年度として、その成長戦略の両輪である、電子部品販売ビジネスとモノづくりのEMSビジネスの拡大に向けて、更なる競争力強化に注力してまいりました。
具体的には、部品販売ビジネスでは、2020年4月より電子部品商社の同業である株式会社エクセル(以下、「エクセル」)をグループ会社に加え、取り扱い商材や顧客の共有・拡大に取り組みました。一方、EMSビジネスでは、加賀FEI株式会社(以下、「加賀FEI」)の既存顧客に対する営業活動に注力し、グループ一丸となって事業拡大に取り組みました。更に2020年11月には、旭東電気株式会社をグループ会社化し、同社が鳥取県に持つ工場群を西日本地区におけるEMS拠点とし、青森県の加賀EMS十和田株式会社と併せて、当社の国内生産体制強化に努めました。また、2020年12月には自動車産業が集積する中国湖北省に新工場を竣工いたしました。このように国内外において生産能力の増強を図りました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、テレワーク需要におけるパソコンなどの需要取込みや製造業における需要回復への対応、更にはグループ会社化したエクセルの増収効果がありましたが、加賀FEIにおける主要取引先との販売代理店契約解消の影響が残り、4,223億65百万円(前期比4.8%減)となりました。
利益面では、主力ビジネスでの堅調な販売に支えられて売上総利益が増加したことに加え、テレワークやオンライン会議など業務効率化を進めるとともに、旅費交通費や交際費など販売費及び一般管理費の抑制・縮減に努めた結果、営業利益は114億67百万円(前期比14.5%増)、経常利益は112億41百万円(前期比10.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として企業買収にともなう「負ののれん発生益」(79億63百万円)を計上した一方、特別損失として新設の海外EMS生産拠点などに係る減損損失(18億93百万円)や大口取引先に対する貸倒引当金繰入(17億50百万円)など、コロナ禍の長期化にともなう一過性の損金を織り込み、前年を大きく上回る113億99百万円(前期比94.8%増)となりました。
なお、営業利益、経常利益は2期連続の最高益更新、親会社株主に帰属する当期純利益は2019年3月期以来、2期ぶりの最高益更新となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a.電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
当事業では、部品販売ビジネスは、2020年4月よりエクセルを当社のグループ会社としたことによる増収効果に加え、年度後半から広範な業界において急ピッチで回復した需要にしっかり対応いたしました。しかしながら、加賀FEIにおける主要取引先との販売代理店契約解消の影響が残り、当期の売上高は前年を下回りました。
EMSビジネスは、年度初めには新型コロナウイルスの感染拡大にともない、各国におけるロックダウンの中で、当社および顧客企業の海外生産拠点において生産休止するなどの影響を受けましたが、一時は大きく落ち込んだ自動車をはじめとする消費の回復を背景に、車載向けや産業機器向けを中心として年度半ばからは需要が急回復し、当期の売上高は前年を上回りました。
これらの結果、売上高は3,534億54百万円(前期比6.4%減)、セグメント利益は81億51百万円(前期比8.6%増)となりました。
b.情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
当事業では、企業ではテレワークが、学校ではオンライン授業が増加したことによりパソコンやPC周辺機器ならびにセキュリティソフトの販売が伸長いたしました。また、新型コロナウイルス対策商材として企業向けに検温用サーモグラフィや抗ウイルス性能を持つ除菌脱臭機の販売が堅調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は483億89百万円(前期比11.3%増)、セグメント利益は24億82百万円(前期比45.3%増)となりました。
c.ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
当事業では、CGアニメーション制作やゲームソフト開発などにおいて、巣ごもり需要の下支えによる受注案件の増加や顧客からの前倒し発注などにより堅調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は29億32百万円(前期比5.5%増)、セグメント利益は2億63百万円(前期比11.4%増)となりました。
d.その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
当事業では、パソコンおよびPC周辺機器のリサイクルビジネスは堅調に推移いたしましたが、アミューズメント業界向けゲーム機器やゴルフ用品の販売は、新型コロナウイルスの感染拡大にともない全国各地における行政からの大型商業施設に対する営業自粛要請の影響を受け、低調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は175億89百万円(前期比11.1%減)、セグメント利益は4億74百万円(前期比4.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、443億33百万円(前連結会計年度比16億39百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、99億99百万円の収入(前年同期は224億6百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、24億53百万円の支出(前年同期は36億51百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、68億51百万円の支出(前年同期は75億44百万円の支出)となりました。これは主に、加賀FEI株式会社の株式追加取得および配当金の支払いによるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度のセグメント別の仕入実績は次のとおりであります。
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
b.受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注実績は次のとおりであります。
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
c.販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は次のとおりであります。
(注)1.上記金額は消費税等を含んでおりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
・資産合計
当連結会計年度末における総資産は2,370億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ293億66百万円の増加となりました。
流動資産は2,001億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ258億47百万円の増加となりました。株式会社エクセルのグループ会社化が影響し、主に受取手形及び売掛金が182億78百万円、商品及び製品が44億50百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は368億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億18百万円の増加となりました。これは主に、投資先の株価上昇などにより投資有価証券が22億69百万円、繰延税金資産が6億68百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・負債合計
負債は1,419億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ205億53百万円の増加となりました。株式会社エクセルのグループ化が影響し、主に支払手形及び買掛金が96億65百万円、借入金が85億93百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・純資産合計
純資産は950億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ88億12百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益113億99百万円などによる利益剰余金94億77百万円の増加によるものであります。
b.経営成績
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、大きな変革期に入っており、特にエレクトロニクス商社における企業間競争は激しさを増しております。同時に、今般の新型コロナウイルス感染症拡大により、取引先への影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが持続的に成長するためには、高付加価値の創出が必要と認識しております。これらを踏まえ当社グループは、「中期経営計画 2021」を定め、「収益基盤の強化」、「経営基盤の安定化」、「新規事業の創出」を基本方針として取り組んでおります。
また、加賀FEIやエクセルなどにおいて、M&Aによるシナジー効果を最大限に発揮するため、事業の協業や新規商材の獲得および営業拠点の統合など様々な施策を行なっております。
当連結会計年度における経営成績は、売上高は4,223億65百万円(前期比4.8%減)、営業利益は114億67百万円(前期比14.5%増)、経常利益は112億41百万円(前期比10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は113億99百万円(前期比94.8%増)となりました。なお、当連結会計年度の新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありますが、今後の業績への影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。
・売上高
売上高は前連結会計年度に比べ4.8%減少の4,223億65百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に比べ11.2%減少の2,402億40百万円となり、海外売上高は5.3%増加の1,821億25百万円となりました。
・セグメント別概要
電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
売上高は3,534億54百万円(前期比6.4%減)となりました。これは主に、加賀FEIにおける主要取引先との販売代理店契約解消などによるものであります。
情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
売上高は483億89百万円(前期比11.3%増)となりました。これは主に、パソコンやPC周辺機器ならびにセキュリティソフトの販売が伸張したことなどによるものであります。
ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
売上高は29億32百万円(前期比5.5%増)となりました。これは主に、CGアニメーション制作やゲームソフト開発の受注増などによるものであります。
その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
売上高は175億89百万円(前期比11.1%減)となりました。これは主に、アミューズメント業界向けゲーム機器販売やゴルフ用品販売が低迷したことなどによるものであります。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度より221億69百万円減少し3,744億28百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は88.7%となっております。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度より5億32百万円減少し364億69百万円となりました。販売費及び一般管理費減少の主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワークやオンライン会議など業務効率化を進めるとともに、旅費交通費や交際費などの抑制・縮減によるものであります。
・営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は前連結会計年度より3億47百万円減少し2億25百万円の費用(純額)となりました。その減少の主な要因は、為替変動による為替差損の計上によるものであります。
・経常利益
経常利益は上記記載の結果、前連結会計年度より11億4百万円増加し112億41百万円となりました。
・特別利益(損失)
特別利益(損失)は負ののれん発生益79億63百万円などの特別利益81億22百万円を計上し、減損損失18億93百万円、貸倒引当金繰入額17億50百万円、投資有価証券評価損5億25百万円などの特別損失48億92百万円を計上しております。
・親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度より51億85百万円増加し144億72百万円となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より55億47百万円増加し113億99百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より201円86銭増加し415円7銭となりました。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える大きな要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④資本の財源および流動性
a.資金需要
運転資金需要のうち主なものは、当社取扱商品の購入費用及び製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、新規事業あるいは商権獲得のためのM&A費用等によるものであります。
b.財政政策
短期運転資金の調達に関しましてはグループ内での資金効率化を行ったうえで金融機関からの借入を基本としております。
M&A・設備投資・長期運転資金の調達に関しましては、直接金融から間接金融まで様々な調達方法の中からその時点の財政状況、資金需要の期間及び目的を勘案し、最適な調達を行なうことを基本としております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な指標の一つとしてROEを採用しており、中期経営計画2021(2018年11月6日付公表)ではROE8%以上の継続的、安定的な確保を目標としております。 当連結会計年度における当社グループのROEは負ののれん発生益が寄与し、13.5%となりました。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、年度前半において新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、断続的なロックダウンにともなう需要落ち込みや一部製造業における生産停止など厳しい状況が続きました。しかしながら、他国に先駆けて感染拡大を封じ込めた中国では早期に経済活動が再開され、米国でも雇用者数の増加に支えられて消費者マインドは改善、生産にも持ち直しの動きが見られました。欧州においては感染再拡大の影響により経済活動は抑制された状況が続きました。我が国経済も、緊急事態宣言が解除された2020年5月で景気は底打ちしたものの緩やかな回復に留まり、その後の緊急事態宣言再発令を受け、全般に景気回復は弱い動きとなりました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、テレワークやオンライン授業の導入が急速に拡がり、パソコン関連需要が大幅に拡大いたしました。コロナ禍による移動自粛の中での巣ごもり需要を背景にDIY関連工具や工作機器も伸長し、また第1四半期に各国のロックダウンによって大きく低迷した自動車販売の回復にともない、車載関連市場も堅調に推移いたしました。
このような環境の中、当社グループは2019年4月より始動した3ヵ年計画の『中期経営計画2021(2019‐2021)』の中間年度として、その成長戦略の両輪である、電子部品販売ビジネスとモノづくりのEMSビジネスの拡大に向けて、更なる競争力強化に注力してまいりました。
具体的には、部品販売ビジネスでは、2020年4月より電子部品商社の同業である株式会社エクセル(以下、「エクセル」)をグループ会社に加え、取り扱い商材や顧客の共有・拡大に取り組みました。一方、EMSビジネスでは、加賀FEI株式会社(以下、「加賀FEI」)の既存顧客に対する営業活動に注力し、グループ一丸となって事業拡大に取り組みました。更に2020年11月には、旭東電気株式会社をグループ会社化し、同社が鳥取県に持つ工場群を西日本地区におけるEMS拠点とし、青森県の加賀EMS十和田株式会社と併せて、当社の国内生産体制強化に努めました。また、2020年12月には自動車産業が集積する中国湖北省に新工場を竣工いたしました。このように国内外において生産能力の増強を図りました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、テレワーク需要におけるパソコンなどの需要取込みや製造業における需要回復への対応、更にはグループ会社化したエクセルの増収効果がありましたが、加賀FEIにおける主要取引先との販売代理店契約解消の影響が残り、4,223億65百万円(前期比4.8%減)となりました。
利益面では、主力ビジネスでの堅調な販売に支えられて売上総利益が増加したことに加え、テレワークやオンライン会議など業務効率化を進めるとともに、旅費交通費や交際費など販売費及び一般管理費の抑制・縮減に努めた結果、営業利益は114億67百万円(前期比14.5%増)、経常利益は112億41百万円(前期比10.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として企業買収にともなう「負ののれん発生益」(79億63百万円)を計上した一方、特別損失として新設の海外EMS生産拠点などに係る減損損失(18億93百万円)や大口取引先に対する貸倒引当金繰入(17億50百万円)など、コロナ禍の長期化にともなう一過性の損金を織り込み、前年を大きく上回る113億99百万円(前期比94.8%増)となりました。
なお、営業利益、経常利益は2期連続の最高益更新、親会社株主に帰属する当期純利益は2019年3月期以来、2期ぶりの最高益更新となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a.電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
当事業では、部品販売ビジネスは、2020年4月よりエクセルを当社のグループ会社としたことによる増収効果に加え、年度後半から広範な業界において急ピッチで回復した需要にしっかり対応いたしました。しかしながら、加賀FEIにおける主要取引先との販売代理店契約解消の影響が残り、当期の売上高は前年を下回りました。
EMSビジネスは、年度初めには新型コロナウイルスの感染拡大にともない、各国におけるロックダウンの中で、当社および顧客企業の海外生産拠点において生産休止するなどの影響を受けましたが、一時は大きく落ち込んだ自動車をはじめとする消費の回復を背景に、車載向けや産業機器向けを中心として年度半ばからは需要が急回復し、当期の売上高は前年を上回りました。
これらの結果、売上高は3,534億54百万円(前期比6.4%減)、セグメント利益は81億51百万円(前期比8.6%増)となりました。
b.情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
当事業では、企業ではテレワークが、学校ではオンライン授業が増加したことによりパソコンやPC周辺機器ならびにセキュリティソフトの販売が伸長いたしました。また、新型コロナウイルス対策商材として企業向けに検温用サーモグラフィや抗ウイルス性能を持つ除菌脱臭機の販売が堅調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は483億89百万円(前期比11.3%増)、セグメント利益は24億82百万円(前期比45.3%増)となりました。
c.ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
当事業では、CGアニメーション制作やゲームソフト開発などにおいて、巣ごもり需要の下支えによる受注案件の増加や顧客からの前倒し発注などにより堅調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は29億32百万円(前期比5.5%増)、セグメント利益は2億63百万円(前期比11.4%増)となりました。
d.その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
当事業では、パソコンおよびPC周辺機器のリサイクルビジネスは堅調に推移いたしましたが、アミューズメント業界向けゲーム機器やゴルフ用品の販売は、新型コロナウイルスの感染拡大にともない全国各地における行政からの大型商業施設に対する営業自粛要請の影響を受け、低調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は175億89百万円(前期比11.1%減)、セグメント利益は4億74百万円(前期比4.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、443億33百万円(前連結会計年度比16億39百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、99億99百万円の収入(前年同期は224億6百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、24億53百万円の支出(前年同期は36億51百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、68億51百万円の支出(前年同期は75億44百万円の支出)となりました。これは主に、加賀FEI株式会社の株式追加取得および配当金の支払いによるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度のセグメント別の仕入実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業(百万円) | 284,721 | 91.4 |
| 情報機器事業(百万円) | 42,215 | 121.0 |
| ソフトウェア事業(百万円) | - | - |
| その他事業(百万円) | 13,339 | 93.9 |
| 合計(百万円) | 340,277 | 94.4 |
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
b.受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 | 388,389 | 99.9 | 121,772 | 140.2 |
| 情報機器事業 | 47,738 | 106.9 | 1,113 | 63.1 |
| ソフトウェア事業 | 4,167 | 160.6 | 1,423 | 752.7 |
| その他事業 | 17,603 | 85.9 | 2,796 | 100.5 |
| 合計 | 457,897 | 100.3 | 127,106 | 138.8 |
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
c.販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業(百万円) | 353,454 | 93.6 |
| 情報機器事業(百万円) | 48,389 | 111.3 |
| ソフトウェア事業(百万円) | 2,932 | 105.5 |
| その他事業(百万円) | 17,589 | 88.9 |
| 合計(百万円) | 422,365 | 95.2 |
(注)1.上記金額は消費税等を含んでおりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
・資産合計
当連結会計年度末における総資産は2,370億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ293億66百万円の増加となりました。
流動資産は2,001億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ258億47百万円の増加となりました。株式会社エクセルのグループ会社化が影響し、主に受取手形及び売掛金が182億78百万円、商品及び製品が44億50百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は368億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億18百万円の増加となりました。これは主に、投資先の株価上昇などにより投資有価証券が22億69百万円、繰延税金資産が6億68百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・負債合計
負債は1,419億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ205億53百万円の増加となりました。株式会社エクセルのグループ化が影響し、主に支払手形及び買掛金が96億65百万円、借入金が85億93百万円それぞれ増加したことによるものであります。
・純資産合計
純資産は950億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ88億12百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益113億99百万円などによる利益剰余金94億77百万円の増加によるものであります。
b.経営成績
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、大きな変革期に入っており、特にエレクトロニクス商社における企業間競争は激しさを増しております。同時に、今般の新型コロナウイルス感染症拡大により、取引先への影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが持続的に成長するためには、高付加価値の創出が必要と認識しております。これらを踏まえ当社グループは、「中期経営計画 2021」を定め、「収益基盤の強化」、「経営基盤の安定化」、「新規事業の創出」を基本方針として取り組んでおります。
また、加賀FEIやエクセルなどにおいて、M&Aによるシナジー効果を最大限に発揮するため、事業の協業や新規商材の獲得および営業拠点の統合など様々な施策を行なっております。
当連結会計年度における経営成績は、売上高は4,223億65百万円(前期比4.8%減)、営業利益は114億67百万円(前期比14.5%増)、経常利益は112億41百万円(前期比10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は113億99百万円(前期比94.8%増)となりました。なお、当連結会計年度の新型コロナウイルス感染症による業績への影響は軽微でありますが、今後の業績への影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。
・売上高
売上高は前連結会計年度に比べ4.8%減少の4,223億65百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に比べ11.2%減少の2,402億40百万円となり、海外売上高は5.3%増加の1,821億25百万円となりました。
・セグメント別概要
電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
売上高は3,534億54百万円(前期比6.4%減)となりました。これは主に、加賀FEIにおける主要取引先との販売代理店契約解消などによるものであります。
情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
売上高は483億89百万円(前期比11.3%増)となりました。これは主に、パソコンやPC周辺機器ならびにセキュリティソフトの販売が伸張したことなどによるものであります。
ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
売上高は29億32百万円(前期比5.5%増)となりました。これは主に、CGアニメーション制作やゲームソフト開発の受注増などによるものであります。
その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
売上高は175億89百万円(前期比11.1%減)となりました。これは主に、アミューズメント業界向けゲーム機器販売やゴルフ用品販売が低迷したことなどによるものであります。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度より221億69百万円減少し3,744億28百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は88.7%となっております。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度より5億32百万円減少し364億69百万円となりました。販売費及び一般管理費減少の主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワークやオンライン会議など業務効率化を進めるとともに、旅費交通費や交際費などの抑制・縮減によるものであります。
・営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は前連結会計年度より3億47百万円減少し2億25百万円の費用(純額)となりました。その減少の主な要因は、為替変動による為替差損の計上によるものであります。
・経常利益
経常利益は上記記載の結果、前連結会計年度より11億4百万円増加し112億41百万円となりました。
・特別利益(損失)
特別利益(損失)は負ののれん発生益79億63百万円などの特別利益81億22百万円を計上し、減損損失18億93百万円、貸倒引当金繰入額17億50百万円、投資有価証券評価損5億25百万円などの特別損失48億92百万円を計上しております。
・親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度より51億85百万円増加し144億72百万円となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より55億47百万円増加し113億99百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より201円86銭増加し415円7銭となりました。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える大きな要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④資本の財源および流動性
a.資金需要
運転資金需要のうち主なものは、当社取扱商品の購入費用及び製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、新規事業あるいは商権獲得のためのM&A費用等によるものであります。
b.財政政策
短期運転資金の調達に関しましてはグループ内での資金効率化を行ったうえで金融機関からの借入を基本としております。
M&A・設備投資・長期運転資金の調達に関しましては、直接金融から間接金融まで様々な調達方法の中からその時点の財政状況、資金需要の期間及び目的を勘案し、最適な調達を行なうことを基本としております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な指標の一つとしてROEを採用しており、中期経営計画2021(2018年11月6日付公表)ではROE8%以上の継続的、安定的な確保を目標としております。 当連結会計年度における当社グループのROEは負ののれん発生益が寄与し、13.5%となりました。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。