有価証券報告書-第52期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済情勢を振り返りますと、米中貿易問題の激化により、これまで緩やかな拡大を続けた米国経済は製造業を中心に先行きの見通しが徐々に低下し、中国経済においても景気減速が顕著となりました。また、欧州では英国のEU離脱や対米通商問題を抱え景気は低迷しました。我が国経済は、期間前半は消費増税前の駆け込み需要もあり個人消費が上振れたものの、増税後の昨秋以降、景気は後退局面に転じました。さらに、第4四半期に入って新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中国からアジア・欧州・北米などへ同時・連鎖的に拡がったことで世界各国・地域の経済活動が停滞するなど世界経済に多大な影響を与えました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、情報通信領域ではスマートフォン市場が前年対比でマイナス成長となりましたが、パソコン市場は買い替え需要により堅調に推移しました。自動車関連領域では自動車販売台数が世界的にマイナス成長となりましたが、電気自動車や自動運転支援システムの進化により、車載関連市場は堅調に推移しました。また、産業機器領域では中国市場において設備投資が抑制され、総じて厳しい状況で推移しました。
このような事業環境の中、当社グループは『すべてはお客様のために』の経営理念のもと、お客様のご要望に対応して国内外で「生産能力の増強」、「ものづくり力の強化」ならびに「エンジニアリング力の強化」の3点を重要テーマに掲げ、EMSビジネスの更なる競争力強化に注力してまいりました。
具体的には、2019年10月に加賀EMS十和田株式会社(旧社名:十和田パイオニア株式会社)をグループ会社化し、同月に福島県須賀川市に新工場を、12月にはタイ国アマタナコンに第2工場をそれぞれ稼働しました。さらに、2019年1月より当社のグループ会社となった富士通エレクトロニクス株式会社(以下、「富士通エレクトロニクス」)においてEMS専任の営業部隊を同年4月より立ち上げ、グループ一丸となってEMSビジネスの事業拡大に取り組みました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、富士通エレクトロニクスの収益が第1四半期から通年で寄与したことに加え、中核事業である電子部品事業が医療機器および車載関連向けを中心に堅調に推移したことにより4,436億15百万円(前期比51.5%増)となりました。COVID-19拡大に伴う各国政府の規制により、一部の海外EMS生産拠点において操業を一時休止しましたが、その影響は軽微にとどまりました。
利益面では、前述の企業買収効果に加え、電子部品事業が堅調に推移したことにより営業利益は100億14百万円(前期比32.3%増)、経常利益は101億37百万円(前期比29.0%増)となりました。なお、営業利益はこれまでの最高益であった2005年3月期の84億74百万円を上回り15期ぶり、経常利益は2018年3月期の87億40百万円を上回り2期ぶりの最高益更新となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に特別利益として計上した企業買収に伴う「負ののれん発生益」(21億64百万円)が解消したことおよび当連結会計年度において投資有価証券評価損(8億80百万円)を特別損失に計上したことにより58億52百万円(前期比27.0%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a.電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
当事業では、EMSビジネスは医療機器、車載関連向けが年間を通して順調に推移しました。本年2月から3月にかけて、中国およびマレーシアにおいて両国政府のCOVID-19拡大抑止策により操業を休止しましたがその影響は限定的でした。一方、部品販売ビジネスは、車載機器向けや民生電子機器向けのLED製品などの販売が順調だったことに加え、富士通エレクトロニクスのグループ会社化により車載機器向けを中心とした新たな収益基盤が加わりました。また、同社の主要仕入先であった米国Cypress社との販売代理店契約終了(2019年10月10日公表)に伴う一過性の収益も寄与しました。これらの結果、売上高は3,775億87百万円(前期比67.4%増)となり、セグメント利益は75億3百万円(前期比57.6%増)となりました。
b.情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
当事業では、パソコン・PC周辺機器販売ビジネスは、消費増税前の買い替え需要やウィンドウズ10への切り替え需要を取り込み、家電量販店向け、学校・教育機関向けとも好調に推移しました。一方、住宅向け家電販売ビジネスは販売先の納期調整の影響を受け低調な状況が続き、商業施設向けのLED設置ビジネスも大口顧客の置き換え需要が一服しました。これらの結果、売上高は434億66百万円(前期比2.0%減)となり、セグメント利益は17億7百万円(前期比10.4%減)となりました。
c.ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
当事業では、アミューズメント機器業界における顧客の開発日程延伸や事業規模縮小などの影響で、CGアニメーション制作やゲームソフト開発などの受注は厳しい状況が続きました。これらの結果、売上高は27億78百万円(前期比3.4%減)となり、セグメント利益は2億36百万円(前期比4.3%減)となりました。
d.その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
当事業では、アミューズメント業界向けにゲーム機器販売が好調に推移しました。PC周辺機器および携帯電話のリサイクルビジネスも堅調に推移しましたが、ゴルフ用品販売は伸び悩みました。これらの結果、売上高は197億81百万円(前期比0.9%減)となり、セグメント利益は4億52百万円(前期比7.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、426億93百万円(前連結会計年度比104億61百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、224億6百万円の収入(前年同期は15億47百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上および売上債権とたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、36億51百万円の支出(前年同期は68億60百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、75億44百万円の支出(前年同期は116億84百万円の収入)となりました。これは主に、借入金の返済と配当金の支払いによるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度のセグメント別の仕入実績は次のとおりであります。
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
b.受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注実績は次のとおりであります。
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
c.販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は次のとおりであります。
(注)1.上記金額は消費税等を含んでおりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
・資産合計
当連結会計年度末における総資産は2,076億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億22百万円の減少となりました。
流動資産は1,743億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ80億64百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が83億81百万円増加し、受取手形及び売掛金が106億49百万円減少、商品および製品が84億57百万円減少したことによるものであります。
固定資産は333億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億42百万円の増加となりました。これは主に、IFRS第16号の適用および福島新工場やタイ第2工場の新設などにより有形固定資産が29億63百万円増加し、投資有価証券が15億83百万円減少したことによるものであります。
・負債合計
負債は1,213億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ81億13百万円の減少となりました。これは主に、返済などにより借入金が51億65百万円減少したことによるものであります。
・純資産合計
純資産は862億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億90百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益58億52百万円などによる利益剰余金37億93百万円の増加と、為替換算調整勘定が12億34百万円減少したことによるものであります。
b.経営成績
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、大きな変革期に入っており、特にエレクトロニクス商社における企業間競争は激しさを増しております。同時に、今般のCOVID-19の拡大により、取引先への影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが持続的に成長するためには、高付加価値の創出が必要と認識しております。これらを踏まえ当社グループは、「中期経営計画 2021」を定め、「収益基盤の強化」、「経営基盤の強化」、「新規事業の創出」を基本方針として取り組んでおります。
当連結会計年度における経営成績は、売上高は4,436億15百万円(前期比51.5%増)、営業利益は100億14百万円(前期比32.3%増)、経常利益は101億37百万円(前期比29.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は58億52百万円(前期比27.0%減)となりました。なお、当連結会計年度のCOVID-19による業績への影響は軽微でありますが、今後の業績への影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。
・売上高
売上高は前連結会計年度に比べ51.5%増加の4,436億15百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に比べ50.1%増加の2,705億85百万円となり、海外売上高は53.8%増加の1,730億29百万円となりました。
・セグメント別概要
電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
売上高は3,775億87百万円(前期比67.4%増)となりました。これは主に、医療機器、車載関連向けのEMSビジネスが順調に推移したことに加え、富士通エレクトロニクスのグループ会社化による新たな収益が寄与したことなどによるものであります。
情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
売上高は434億66百万円(前期比2.0%減)となりました。これは主に、パソコン・PC周辺機器販売が好調であった一方、住宅向け家電販売ビジネスの低調ならびに商業施設向けLED設置ビジネスの需要が一服したことなどによるものであります。
ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
売上高は27億78百万円(前期比3.4%減)となりました。これは主に、CGアニメーション制作やゲームソフト開発がアミューズメント機器業界低迷の影響を受けたことなどによるものであります。
その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
売上高は197億81百万円(前期比0.9%減)となりました。これは主に、アミューズメント業界向けにゲーム機器販売やPC周辺機器等のリサイクルビジネスも堅調に推移しましたが、ゴルフ用品販売が低迷したことなどによるものであります。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度より1,393億65百万円増加し3,965億98百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は89.4%となっております。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度より90億25百万円増加し370億1百万円となりました。販売費及び一般管理費増加の主な要因は、2019年1月より当社のグループ会社となった富士通エレクトロニクスの影響によるものであります。
・営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は前連結会計年度より1億67百万円減少し1億22百万円の収益(純額)となりました。その減少の主な要因は、持分法による投資損失の増加によるものであります。
・経常利益
経常利益は上記記載の結果、前連結会計年度より22億77百万円増加し101億37百万円となりました。
・特別利益(損失)
特別利益(損失)は受取和解金4億98百万円などの特別利益7億9百万円を計上し、投資有価証券評価損8億80百万円、減損損失3億80百万円などの特別損失15億60百万円を計上しております。
・親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度より3億62百万円減少し92億86百万円となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より21億61百万円減少し58億52百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より78円86銭減少し213円21銭となりました。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える大きな要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
④資本の財源および流動性
a.資金需要
運転資金需要のうち主なものは、当社取扱商品の購入費用及び製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、新規事業あるいは商権獲得のためのM&A費用等によるものであります。
b.財政政策
短期運転資金の調達に関しましてはグループ内での資金効率化を行ったうえで金融機関からの借入を基本としております。
M&A・設備投資・長期運転資金の調達に関しましては、直接金融から間接金融まで様々な調達方法の中からその時点の財政状況、資金需要の期間及び目的を勘案し、最適な調達を行なうことを基本としております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な指標の一つとしてROEを採用しており、中期経営計画2021(2018年11月6日付公表)ではROE8%以上の継続的、安定的な確保を目標としております。
当連結会計年度における当社グループのROEは7.6%であり、今後も当該指標の改善に努めてまいります。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済情勢を振り返りますと、米中貿易問題の激化により、これまで緩やかな拡大を続けた米国経済は製造業を中心に先行きの見通しが徐々に低下し、中国経済においても景気減速が顕著となりました。また、欧州では英国のEU離脱や対米通商問題を抱え景気は低迷しました。我が国経済は、期間前半は消費増税前の駆け込み需要もあり個人消費が上振れたものの、増税後の昨秋以降、景気は後退局面に転じました。さらに、第4四半期に入って新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中国からアジア・欧州・北米などへ同時・連鎖的に拡がったことで世界各国・地域の経済活動が停滞するなど世界経済に多大な影響を与えました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、情報通信領域ではスマートフォン市場が前年対比でマイナス成長となりましたが、パソコン市場は買い替え需要により堅調に推移しました。自動車関連領域では自動車販売台数が世界的にマイナス成長となりましたが、電気自動車や自動運転支援システムの進化により、車載関連市場は堅調に推移しました。また、産業機器領域では中国市場において設備投資が抑制され、総じて厳しい状況で推移しました。
このような事業環境の中、当社グループは『すべてはお客様のために』の経営理念のもと、お客様のご要望に対応して国内外で「生産能力の増強」、「ものづくり力の強化」ならびに「エンジニアリング力の強化」の3点を重要テーマに掲げ、EMSビジネスの更なる競争力強化に注力してまいりました。
具体的には、2019年10月に加賀EMS十和田株式会社(旧社名:十和田パイオニア株式会社)をグループ会社化し、同月に福島県須賀川市に新工場を、12月にはタイ国アマタナコンに第2工場をそれぞれ稼働しました。さらに、2019年1月より当社のグループ会社となった富士通エレクトロニクス株式会社(以下、「富士通エレクトロニクス」)においてEMS専任の営業部隊を同年4月より立ち上げ、グループ一丸となってEMSビジネスの事業拡大に取り組みました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、富士通エレクトロニクスの収益が第1四半期から通年で寄与したことに加え、中核事業である電子部品事業が医療機器および車載関連向けを中心に堅調に推移したことにより4,436億15百万円(前期比51.5%増)となりました。COVID-19拡大に伴う各国政府の規制により、一部の海外EMS生産拠点において操業を一時休止しましたが、その影響は軽微にとどまりました。
利益面では、前述の企業買収効果に加え、電子部品事業が堅調に推移したことにより営業利益は100億14百万円(前期比32.3%増)、経常利益は101億37百万円(前期比29.0%増)となりました。なお、営業利益はこれまでの最高益であった2005年3月期の84億74百万円を上回り15期ぶり、経常利益は2018年3月期の87億40百万円を上回り2期ぶりの最高益更新となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に特別利益として計上した企業買収に伴う「負ののれん発生益」(21億64百万円)が解消したことおよび当連結会計年度において投資有価証券評価損(8億80百万円)を特別損失に計上したことにより58億52百万円(前期比27.0%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a.電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
当事業では、EMSビジネスは医療機器、車載関連向けが年間を通して順調に推移しました。本年2月から3月にかけて、中国およびマレーシアにおいて両国政府のCOVID-19拡大抑止策により操業を休止しましたがその影響は限定的でした。一方、部品販売ビジネスは、車載機器向けや民生電子機器向けのLED製品などの販売が順調だったことに加え、富士通エレクトロニクスのグループ会社化により車載機器向けを中心とした新たな収益基盤が加わりました。また、同社の主要仕入先であった米国Cypress社との販売代理店契約終了(2019年10月10日公表)に伴う一過性の収益も寄与しました。これらの結果、売上高は3,775億87百万円(前期比67.4%増)となり、セグメント利益は75億3百万円(前期比57.6%増)となりました。
b.情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
当事業では、パソコン・PC周辺機器販売ビジネスは、消費増税前の買い替え需要やウィンドウズ10への切り替え需要を取り込み、家電量販店向け、学校・教育機関向けとも好調に推移しました。一方、住宅向け家電販売ビジネスは販売先の納期調整の影響を受け低調な状況が続き、商業施設向けのLED設置ビジネスも大口顧客の置き換え需要が一服しました。これらの結果、売上高は434億66百万円(前期比2.0%減)となり、セグメント利益は17億7百万円(前期比10.4%減)となりました。
c.ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
当事業では、アミューズメント機器業界における顧客の開発日程延伸や事業規模縮小などの影響で、CGアニメーション制作やゲームソフト開発などの受注は厳しい状況が続きました。これらの結果、売上高は27億78百万円(前期比3.4%減)となり、セグメント利益は2億36百万円(前期比4.3%減)となりました。
d.その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
当事業では、アミューズメント業界向けにゲーム機器販売が好調に推移しました。PC周辺機器および携帯電話のリサイクルビジネスも堅調に推移しましたが、ゴルフ用品販売は伸び悩みました。これらの結果、売上高は197億81百万円(前期比0.9%減)となり、セグメント利益は4億52百万円(前期比7.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、426億93百万円(前連結会計年度比104億61百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、224億6百万円の収入(前年同期は15億47百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上および売上債権とたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、36億51百万円の支出(前年同期は68億60百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、75億44百万円の支出(前年同期は116億84百万円の収入)となりました。これは主に、借入金の返済と配当金の支払いによるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度のセグメント別の仕入実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業(百万円) | 311,538 | 164.0 |
| 情報機器事業(百万円) | 34,881 | 97.8 |
| ソフトウェア事業(百万円) | - | △100.0 |
| その他事業(百万円) | 14,208 | 96.1 |
| 合計(百万円) | 360,629 | 150.0 |
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
b.受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 | 388,620 | 172.0 | 86,837 | 114.8 |
| 情報機器事業 | 44,640 | 100.7 | 1,764 | 298.9 |
| ソフトウェア事業 | 2,595 | 91.1 | 189 | 50.7 |
| その他事業 | 20,483 | 93.4 | 2,782 | 133.7 |
| 合計 | 456,339 | 154.7 | 91,573 | 116.3 |
(注)上記金額は消費税等を含んでおりません。
c.販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業(百万円) | 377,587 | 167.4 |
| 情報機器事業(百万円) | 43,466 | 98.0 |
| ソフトウェア事業(百万円) | 2,778 | 96.6 |
| その他事業(百万円) | 19,781 | 99.1 |
| 合計(百万円) | 443,615 | 151.5 |
(注)1.上記金額は消費税等を含んでおりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
・資産合計
当連結会計年度末における総資産は2,076億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億22百万円の減少となりました。
流動資産は1,743億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ80億64百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が83億81百万円増加し、受取手形及び売掛金が106億49百万円減少、商品および製品が84億57百万円減少したことによるものであります。
固定資産は333億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億42百万円の増加となりました。これは主に、IFRS第16号の適用および福島新工場やタイ第2工場の新設などにより有形固定資産が29億63百万円増加し、投資有価証券が15億83百万円減少したことによるものであります。
・負債合計
負債は1,213億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ81億13百万円の減少となりました。これは主に、返済などにより借入金が51億65百万円減少したことによるものであります。
・純資産合計
純資産は862億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億90百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益58億52百万円などによる利益剰余金37億93百万円の増加と、為替換算調整勘定が12億34百万円減少したことによるものであります。
b.経営成績
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、大きな変革期に入っており、特にエレクトロニクス商社における企業間競争は激しさを増しております。同時に、今般のCOVID-19の拡大により、取引先への影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが持続的に成長するためには、高付加価値の創出が必要と認識しております。これらを踏まえ当社グループは、「中期経営計画 2021」を定め、「収益基盤の強化」、「経営基盤の強化」、「新規事業の創出」を基本方針として取り組んでおります。
当連結会計年度における経営成績は、売上高は4,436億15百万円(前期比51.5%増)、営業利益は100億14百万円(前期比32.3%増)、経常利益は101億37百万円(前期比29.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は58億52百万円(前期比27.0%減)となりました。なお、当連結会計年度のCOVID-19による業績への影響は軽微でありますが、今後の業績への影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。
・売上高
売上高は前連結会計年度に比べ51.5%増加の4,436億15百万円となりました。国内売上高は前連結会計年度に比べ50.1%増加の2,705億85百万円となり、海外売上高は53.8%増加の1,730億29百万円となりました。
・セグメント別概要
電子部品事業(半導体、一般電子部品、EMSなどの開発・製造・販売など)
売上高は3,775億87百万円(前期比67.4%増)となりました。これは主に、医療機器、車載関連向けのEMSビジネスが順調に推移したことに加え、富士通エレクトロニクスのグループ会社化による新たな収益が寄与したことなどによるものであります。
情報機器事業(パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品およびオリジナルブランド商品などの販売など)
売上高は434億66百万円(前期比2.0%減)となりました。これは主に、パソコン・PC周辺機器販売が好調であった一方、住宅向け家電販売ビジネスの低調ならびに商業施設向けLED設置ビジネスの需要が一服したことなどによるものであります。
ソフトウェア事業(CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発など)
売上高は27億78百万円(前期比3.4%減)となりました。これは主に、CGアニメーション制作やゲームソフト開発がアミューズメント機器業界低迷の影響を受けたことなどによるものであります。
その他事業(エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売など)
売上高は197億81百万円(前期比0.9%減)となりました。これは主に、アミューズメント業界向けにゲーム機器販売やPC周辺機器等のリサイクルビジネスも堅調に推移しましたが、ゴルフ用品販売が低迷したことなどによるものであります。
・売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度より1,393億65百万円増加し3,965億98百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は89.4%となっております。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度より90億25百万円増加し370億1百万円となりました。販売費及び一般管理費増加の主な要因は、2019年1月より当社のグループ会社となった富士通エレクトロニクスの影響によるものであります。
・営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は前連結会計年度より1億67百万円減少し1億22百万円の収益(純額)となりました。その減少の主な要因は、持分法による投資損失の増加によるものであります。
・経常利益
経常利益は上記記載の結果、前連結会計年度より22億77百万円増加し101億37百万円となりました。
・特別利益(損失)
特別利益(損失)は受取和解金4億98百万円などの特別利益7億9百万円を計上し、投資有価証券評価損8億80百万円、減損損失3億80百万円などの特別損失15億60百万円を計上しております。
・親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度より3億62百万円減少し92億86百万円となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より21億61百万円減少し58億52百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より78円86銭減少し213円21銭となりました。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を与える大きな要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
④資本の財源および流動性
a.資金需要
運転資金需要のうち主なものは、当社取扱商品の購入費用及び製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、新規事業あるいは商権獲得のためのM&A費用等によるものであります。
b.財政政策
短期運転資金の調達に関しましてはグループ内での資金効率化を行ったうえで金融機関からの借入を基本としております。
M&A・設備投資・長期運転資金の調達に関しましては、直接金融から間接金融まで様々な調達方法の中からその時点の財政状況、資金需要の期間及び目的を勘案し、最適な調達を行なうことを基本としております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な指標の一つとしてROEを採用しており、中期経営計画2021(2018年11月6日付公表)ではROE8%以上の継続的、安定的な確保を目標としております。
当連結会計年度における当社グループのROEは7.6%であり、今後も当該指標の改善に努めてまいります。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。