四半期報告書-第72期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

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2018/02/14 9:14
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の経済政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いております。
当社グループは、新たな3ヵ年の中期成長戦略「One Suzuken 2019」を策定し、本年度よりスタートいたしました。中期ビジョンで掲げたNumber One「顧客信頼度最大化への挑戦」、Only One「唯一無二のビジネスモデル」、One Point Improvement「生産性向上による販管費率の改善」、One Group「共通の基盤、共通の価値観」の4つの「One」の実現に向けて、お得意さまの真のニーズの追求と対応、さまざまな企業との協業による新たな機能やビジネスモデルの構築、さらに、低コスト体制の実現により、更なる企業価値向上を目指しております。
当第3四半期連結累計期間においては、新薬剤管理システムである「キュービックス」の管理用冷蔵庫の開発・製造・運用などを共同で行っているヤマト科学㈱と資本業務提携を行うとともに、製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さまへの新たな価値を創造するために、革新的な製品とサービスの開発を推進してまいりました。
また、激変する環境のなかで、業務改革による生産性向上とコスト構造改革が喫緊の課題であり、その対応として、当社およびグループ卸において、平成29年12月31日を退職日とする希望退職者の募集、㈱三和化学研究所においては平成30年1月31日を退職日とする早期退職希望者の募集を行い、特別退職金などの特別損失を計上しました。
さらに、保有する資産の効率化を図るため、投資有価証券の一部を売却し特別利益を計上しております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は1兆6,172億80百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は139億70百万円(前年同期比2.2%増)、経常利益は211億68百万円(前年同期比2.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は149億42百万円(前年同期比14.3%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
① 医薬品卸売事業
医療用医薬品市場は、後発医薬品使用促進およびC型肝炎治療剤市場縮小の影響があったものの、抗悪性腫瘍剤市場の拡大により、僅かながら伸長したものと推測しております。
そのようななか、売上高は、C型肝炎治療剤の販売減少の影響があったものの、抗悪性腫瘍剤の販売増加や全社をあげて取組んでいるスマイル活動(顧客信頼度最大化への挑戦の取組み)の成果などにより微増収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に努めたことなどにより増益となりました。
なお、流通改善の取組みとして、個々の医療用医薬品の価値に見合った価格交渉を徹底し、適正利益の確保に注力しております。
また、卸物流を担う「西神物流センター」が平成29年4月より稼働し、同じ建物内にメーカー物流・輸配送ターミナルを有した業界初となる併設型複合センターとして安定稼働しております。また、配送実績管理システムの導入により、お得意さまへの配送の見える化を推進し、配送の効率化に取組んでおります。
さらに新薬剤管理システムである「キュービックス」については、東名阪を中心に導入を開始しており、高額医薬品や希少疾病薬の新たな流通モデルの構築に取組んでおります。
これらの結果、売上高は1兆5,484億31百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は100億36百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
② 医薬品製造事業
売上高は、DPP-4阻害剤「スイニー錠」、高尿酸血症・痛風治療剤「ウリアデック錠」など糖尿病関連商品を中心に販売促進に努めたものの、平成29年6月に糖尿病食後過血糖改善剤「セイブル錠」の後発医薬品が上市されたことやニュートリション事業譲渡の影響などにより、減収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、減収の影響により減益となりました。
これらの結果、売上高は409億73百万円(前年同期比17.3%減)、営業利益は10億81百万円(前年同期比68.8%減)となりました。
③ 保険薬局事業
売上高は、M&Aおよび新規出店や、薬局のかかりつけ機能強化の取組みによる技術料収入の増加などにより、増収となりました。
営業利益は、増収効果および販売費及び一般管理費の抑制に努めたことにより増益となりました。
これらの結果、売上高は741億15百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は22億8百万円(前年同期比222.3%増)となりました。
④ 医療関連サービス等事業
売上高は、主に、メーカー支援サービス事業(医薬品メーカー物流受託・希少疾病薬流通受託)の受託が増加したことにより増収となりました。
営業利益は、メーカー支援サービス事業および介護事業における増収効果により増益となりました。
これらの結果、売上高は382億98百万円(前年同期比16.7%増)、営業利益は8億16百万円(前年同期比95.5%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,455億72百万円増加し1兆2,545億85百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
流動資産は前連結会計年度末に比べ1,564億33百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が817億7百万円、受取手形及び売掛金が435億71百万円、商品及び製品が251億41百万円増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ108億60百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産が20億1百万円、無形固定資産が21億96百万円、投資その他の資産が66億62百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,403億34百万円増加し8,528億50百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,385億37百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ52億38百万円増加し4,017億34百万円となりました。これは主に、剰余金の配当の支払51億65百万円、自己株式の取得等による減少68億79百万円があったものの、その他有価証券評価差額金の増加20億88百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益を149億42百万円計上したことによるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、52億34百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。
当社の連結子会社である㈱三和化学研究所は、便秘症治療薬SK-1202、2型糖尿病治療薬SK-1501について製造販売承認申請をいたしました。
また、第Ⅰ/Ⅱ相試験を終了しておりました二次性副甲状腺機能亢進症治療薬SK-1403について第Ⅱ相試験を実施しております。
さらに、第Ⅰ相試験を終了しておりました難治性のそう痒症治療薬SK-1405について第Ⅱ相試験を実施しております。
(6) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中でありました主要な設備の新設について、完了したものは次のとおりであります。
医薬品卸売事業における㈱翔薬福岡配送センター(福岡市博多区)は平成29年5月に、㈱スズケン旭川支店(北海道旭川市)は平成29年6月に完了しております。