有価証券報告書-第75期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大により深刻な打撃を受けました。各国ともウイルスの封じ込めを図るとともに緊急経済対策を打ち出したものの、感染力の強い変異株が出現するなど影響は長期化し、景気の先行き不透明感が強くなっています。
また、日本経済も例外ではなく、感染拡大防止と経済活動の両立を目指したものの収束には至らず、大きな影響を受けました。緊急事態宣言により企業の生産活動が大きな制約を受けたほか、設備投資は伸び悩み、業況判断D.I.はマイナスから脱することができませんでした。
このような経済環境の中、当社グループでは引き続き中期3ヵ年計画「戦略ビジョン2020」に基づく施策に取り組んでまいりましたが、2021年3月期の連結業績は、売上高360億23百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益17億85百万円(同30.7%減)、経常利益20億90百万円(同23.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益13億64百万円(同25.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(鉄鋼業界)
同業界では、年度前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響で自動車用鋼板や建設用鋼材の需要が激減し、国内の鉄鋼大手は高炉の一時休止に踏み切りました。年度後半は徐々に需要が持ち直し、海外では中国の粗鋼生産が増加しましたが、国内では高炉を止めた影響が尾を引き、前年度に比べ粗鋼生産は大幅に減少しました。
当社グループにおきましては、『安全・防災・自動化への対応』や『メンテナンス・修理・再生サービスの拡充』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、危険箇所への誤侵入を防ぐ安全防護柵等の売上は伸びましたが、製鋼副資材やバルブ、伸縮継手等の落ち込みを補うまでには至りませんでした。
この結果、鉄鋼業界向け全体としての売上高は109億46百万円(前年同期比19.0%減)となりました。
(自動車業界)
同業界では、年度前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響で工場の稼働停止に追い込まれたメーカーもあり、自動車生産は落ち込みました。年度後半は中国をはじめとする需要回復に支えられ生産が持ち直しましたが、世界的な車載半導体の供給不足が回復に水を差す格好となっています。
一方、工作機械も新型コロナウイルス感染拡大の影響は受けたものの、年度後半の自動車生産回復に伴う需要増のほか、半導体装置の部品加工向けで需要が高まり、内需・外需とも復調の動きが見られました。
当社グループにおきましては、『顧客開発部門との協働』や『製造工程の自動化対応』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、塗料の自動滴下装置や超硬加工部品の売上が伸びたものの、洗浄装置やポンプ類、工作機械業界向けの自社継手製品や自社浮上油回収機等の落ち込みをカバーすることができませんでした。
この結果、自動車業界向け全体としての売上高は91億3百万円(前年同期比21.6%減)となりました。
(電子・半導体業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で巣ごもり需要が喚起され、5G普及に伴う半導体需要や自動車向け半導体需要が重なったこともあり、半導体製造装置の世界販売・半導体材料の世界販売がいずれも伸長しました。
当社グループにおきましては、『メーカー機能・修理サービス事業強化』や『車載用半導体分野の開拓』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、半導体製造装置用SiCセラミック部品や電源装置修理、高圧洗浄用ポンプの売上が伸長しました。
この結果、電子・半導体業界向け全体としての売上高は45億83百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
(ゴム・タイヤ業界)
同業界では、自動車業界同様、年度前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響で工場の稼働停止を余儀なくされたメーカーが多く、タイヤ生産は落ち込みました。年度後半は自動車生産の回復に伴いタイヤ需要も増加しましたが、海外拠点を閉鎖する動きも見られ、前年度に比べ設備投資は減少しました。
当社グループにおきましては、『未来の環境対応車用タイヤへの対応力強化』や『海外事業拡大』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、油圧シリンダーやシール類の売上は伸びましたが、主力の海外向けタイヤ加硫機用バルブが大幅に落ち込んだ穴を埋めることはできませんでした。
この結果、ゴム・タイヤ業界向け全体としての売上高は20億49百万円(前年同期比30.8%減)となりました。
(高機能材業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で航空機向け・衣料品向け需要が落ち込みました。一方、半導体関連材料は好調で、年度後半には自動車向け部材の需要が回復しました。
当社グループにおきましては、『炭素繊維・高機能ガラス・樹脂フィルム分野への深耕』を課題として諸施策に取り組んだ結果、硝子メーカー向け洗浄装置や製薬会社向けポンプユニット等の売上が伸びたものの、昨年度売上増に寄与した水処理プラント案件が今年度はなく、その埋め合わせができるほどのプラス要因がありませんでした。
この結果、高機能材業界向け全体としての売上高は17億28百万円(前年同期比32.9%減)となりました。
(環境業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で環境装置受注の民需は低迷しましたが、官公需は堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、『水処理関連事業の拡大』や『エネルギー分野への対応強化』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、ガス冷却設備向けダンパやバイオマス設備向け伸縮継手等の売上が伸長しました。
この結果、環境業界向け全体としての売上高は16億37百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
(紙パルプ業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大の影響でペーパーレス化が一段と進み、印刷用紙の需要減少が加速しました。一方、ネット通販向け段ボール需要、除菌・ウイルス対策向け衛生用紙の需要が高まったため、製紙各社は印刷用紙事業を縮小し、段ボールや衛生用紙の強化に舵を切っています。
当社グループにおきましては、『ケミカル素材分野への深耕』や『メンテナンスビジネス推進』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、ボイラー用バルブや抄紙工程向け高圧ポンプ等の売上が伸びたものの、昨年度売上増に貢献した澱粉糊化設備に匹敵する大口案件がなく、昨年度の実績には及びませんでした。
この結果、紙パルプ業界向け全体としての売上高は7億37百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
各段階損益の分析は次のとおりであります。
売上高は前年同期比16.7%減であったものの、売上原価率が前年同期より1.2ポイント改善したため、売上総利益は前年同期比で11.9%減にとどまりました。販売費及び一般管理費については、新型コロナウイルス感染予防対策の移動制限や対面自粛などにより、主に旅費交通費や交際費などの営業活動費が減少したため、前期に比べ4.7%減少しました。その結果、営業利益は前年同期比30.7%減となりました。
営業外収支につきましては、主に3月末にかけての急速な円安進行による為替差益の増加や、投資事業組合運用益の増加により前期に比べプラス162百万円となり、その結果、経常利益は前年同期比23.1%減となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 当社グループの製品は、特定のセグメントに区分することが困難であるため、生産実績については一括して記載しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3.0%減少し233億89百万円となりました。これは、主に現金及び預金が11億84百万円増加し、一方で、売上債権が18億99百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて9.1%増加し67億89百万円となりました。これは主に投資有価証券が3億53百万円、長期貸付金が3億45百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて0.5%減少し、301億78百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて13.4%減少し109億10百万円となりました。これは、主に仕入債務が11億76百万円、短期借入金が2億43百万円、未払費用が1億42百万円、未払消費税等が1億6百万円それぞれ減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて6.5%増加し13億94百万円となりました。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて11.5%減少し、123億5百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて8.9%増加し178億73百万円となりました。これは、主に利益剰余金が10億29百万円、その他有価証券評価差額金が3億42百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
なお、当社グループではセグメントに資産を配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載は行っておりません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11億67百万円増加し70億43百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、全体として21億45百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益20億33百万円、減価償却費3億27百万円、売上債権の減少額20億68百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額13億87百万円、その他の負債の減少額3億12百万円、法人税等の支払額6億35百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体として4億66百万円の支出となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却及び償還による収入1億74百万円であり、支出の主な内訳は、貸付による支出3億70百万円、有形固定資産の取得による支出2億6百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体として6億49百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、短期借入金の減少額2億37百万円、配当金の支払額3億67百万円であります。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末の長期借入金残高は3億13百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計20億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、この契約による借入実行残高はありません。
新型コロナウイルス感染症の流行によるキャッシュ・フローへの影響ですが、業績面での悪影響によるマイナス要因はありますが、現状の財政状況および今後の資金需要を考慮すると、新たな資金調達の可能性は小さく、資金調達方針を変更する必要はないと考えております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
① 退職給付
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は蓄積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大により深刻な打撃を受けました。各国ともウイルスの封じ込めを図るとともに緊急経済対策を打ち出したものの、感染力の強い変異株が出現するなど影響は長期化し、景気の先行き不透明感が強くなっています。
また、日本経済も例外ではなく、感染拡大防止と経済活動の両立を目指したものの収束には至らず、大きな影響を受けました。緊急事態宣言により企業の生産活動が大きな制約を受けたほか、設備投資は伸び悩み、業況判断D.I.はマイナスから脱することができませんでした。
このような経済環境の中、当社グループでは引き続き中期3ヵ年計画「戦略ビジョン2020」に基づく施策に取り組んでまいりましたが、2021年3月期の連結業績は、売上高360億23百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益17億85百万円(同30.7%減)、経常利益20億90百万円(同23.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益13億64百万円(同25.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(鉄鋼業界)
同業界では、年度前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響で自動車用鋼板や建設用鋼材の需要が激減し、国内の鉄鋼大手は高炉の一時休止に踏み切りました。年度後半は徐々に需要が持ち直し、海外では中国の粗鋼生産が増加しましたが、国内では高炉を止めた影響が尾を引き、前年度に比べ粗鋼生産は大幅に減少しました。
当社グループにおきましては、『安全・防災・自動化への対応』や『メンテナンス・修理・再生サービスの拡充』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、危険箇所への誤侵入を防ぐ安全防護柵等の売上は伸びましたが、製鋼副資材やバルブ、伸縮継手等の落ち込みを補うまでには至りませんでした。
この結果、鉄鋼業界向け全体としての売上高は109億46百万円(前年同期比19.0%減)となりました。
(自動車業界)
同業界では、年度前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響で工場の稼働停止に追い込まれたメーカーもあり、自動車生産は落ち込みました。年度後半は中国をはじめとする需要回復に支えられ生産が持ち直しましたが、世界的な車載半導体の供給不足が回復に水を差す格好となっています。
一方、工作機械も新型コロナウイルス感染拡大の影響は受けたものの、年度後半の自動車生産回復に伴う需要増のほか、半導体装置の部品加工向けで需要が高まり、内需・外需とも復調の動きが見られました。
当社グループにおきましては、『顧客開発部門との協働』や『製造工程の自動化対応』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、塗料の自動滴下装置や超硬加工部品の売上が伸びたものの、洗浄装置やポンプ類、工作機械業界向けの自社継手製品や自社浮上油回収機等の落ち込みをカバーすることができませんでした。
この結果、自動車業界向け全体としての売上高は91億3百万円(前年同期比21.6%減)となりました。
(電子・半導体業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で巣ごもり需要が喚起され、5G普及に伴う半導体需要や自動車向け半導体需要が重なったこともあり、半導体製造装置の世界販売・半導体材料の世界販売がいずれも伸長しました。
当社グループにおきましては、『メーカー機能・修理サービス事業強化』や『車載用半導体分野の開拓』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、半導体製造装置用SiCセラミック部品や電源装置修理、高圧洗浄用ポンプの売上が伸長しました。
この結果、電子・半導体業界向け全体としての売上高は45億83百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
(ゴム・タイヤ業界)
同業界では、自動車業界同様、年度前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響で工場の稼働停止を余儀なくされたメーカーが多く、タイヤ生産は落ち込みました。年度後半は自動車生産の回復に伴いタイヤ需要も増加しましたが、海外拠点を閉鎖する動きも見られ、前年度に比べ設備投資は減少しました。
当社グループにおきましては、『未来の環境対応車用タイヤへの対応力強化』や『海外事業拡大』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、油圧シリンダーやシール類の売上は伸びましたが、主力の海外向けタイヤ加硫機用バルブが大幅に落ち込んだ穴を埋めることはできませんでした。
この結果、ゴム・タイヤ業界向け全体としての売上高は20億49百万円(前年同期比30.8%減)となりました。
(高機能材業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で航空機向け・衣料品向け需要が落ち込みました。一方、半導体関連材料は好調で、年度後半には自動車向け部材の需要が回復しました。
当社グループにおきましては、『炭素繊維・高機能ガラス・樹脂フィルム分野への深耕』を課題として諸施策に取り組んだ結果、硝子メーカー向け洗浄装置や製薬会社向けポンプユニット等の売上が伸びたものの、昨年度売上増に寄与した水処理プラント案件が今年度はなく、その埋め合わせができるほどのプラス要因がありませんでした。
この結果、高機能材業界向け全体としての売上高は17億28百万円(前年同期比32.9%減)となりました。
(環境業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で環境装置受注の民需は低迷しましたが、官公需は堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、『水処理関連事業の拡大』や『エネルギー分野への対応強化』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、ガス冷却設備向けダンパやバイオマス設備向け伸縮継手等の売上が伸長しました。
この結果、環境業界向け全体としての売上高は16億37百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
(紙パルプ業界)
同業界では、新型コロナウイルス感染拡大の影響でペーパーレス化が一段と進み、印刷用紙の需要減少が加速しました。一方、ネット通販向け段ボール需要、除菌・ウイルス対策向け衛生用紙の需要が高まったため、製紙各社は印刷用紙事業を縮小し、段ボールや衛生用紙の強化に舵を切っています。
当社グループにおきましては、『ケミカル素材分野への深耕』や『メンテナンスビジネス推進』などを課題として諸施策に取り組んだ結果、ボイラー用バルブや抄紙工程向け高圧ポンプ等の売上が伸びたものの、昨年度売上増に貢献した澱粉糊化設備に匹敵する大口案件がなく、昨年度の実績には及びませんでした。
この結果、紙パルプ業界向け全体としての売上高は7億37百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
各段階損益の分析は次のとおりであります。
売上高は前年同期比16.7%減であったものの、売上原価率が前年同期より1.2ポイント改善したため、売上総利益は前年同期比で11.9%減にとどまりました。販売費及び一般管理費については、新型コロナウイルス感染予防対策の移動制限や対面自粛などにより、主に旅費交通費や交際費などの営業活動費が減少したため、前期に比べ4.7%減少しました。その結果、営業利益は前年同期比30.7%減となりました。
営業外収支につきましては、主に3月末にかけての急速な円安進行による為替差益の増加や、投資事業組合運用益の増加により前期に比べプラス162百万円となり、その結果、経常利益は前年同期比23.1%減となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 全セグメント | 3,905,446 | 77.7 |
(注) 1 当社グループの製品は、特定のセグメントに区分することが困難であるため、生産実績については一括して記載しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 鉄鋼 | 10,202,136 | 75.4 | 1,377,493 | 64.9 |
| 自動車 | 9,012,568 | 83.1 | 804,444 | 89.9 |
| 電子・半導体 | 4,614,753 | 114.1 | 198,704 | 118.7 |
| ゴム・タイヤ | 2,214,252 | 74.2 | 574,870 | 140.3 |
| 高機能材 | 1,730,317 | 65.2 | 303,997 | 100.6 |
| 環境 | 1,751,740 | 107.7 | 544,887 | 126.5 |
| 紙パルプ | 761,686 | 99.8 | 29,620 | 542.6 |
| その他 | 5,221,464 | 86.9 | 396,268 | 96.1 |
| 合計 | 35,508,920 | 83.6 | 4,230,286 | 89.2 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 鉄鋼 | 10,946,559 | 81.0 |
| 自動車 | 9,103,247 | 78.4 |
| 電子・半導体 | 4,583,452 | 113.1 |
| ゴム・タイヤ | 2,049,214 | 69.2 |
| 高機能材 | 1,728,406 | 67.1 |
| 環境 | 1,637,528 | 106.0 |
| 紙パルプ | 737,525 | 78.7 |
| その他 | 5,237,476 | 86.4 |
| 合計 | 36,023,411 | 83.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 日本製鉄㈱ | 6,047,962 | 14.0 | 4,945,492 | 13.7 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3.0%減少し233億89百万円となりました。これは、主に現金及び預金が11億84百万円増加し、一方で、売上債権が18億99百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて9.1%増加し67億89百万円となりました。これは主に投資有価証券が3億53百万円、長期貸付金が3億45百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて0.5%減少し、301億78百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて13.4%減少し109億10百万円となりました。これは、主に仕入債務が11億76百万円、短期借入金が2億43百万円、未払費用が1億42百万円、未払消費税等が1億6百万円それぞれ減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて6.5%増加し13億94百万円となりました。
これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて11.5%減少し、123億5百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて8.9%増加し178億73百万円となりました。これは、主に利益剰余金が10億29百万円、その他有価証券評価差額金が3億42百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
なお、当社グループではセグメントに資産を配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載は行っておりません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11億67百万円増加し70億43百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、全体として21億45百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益20億33百万円、減価償却費3億27百万円、売上債権の減少額20億68百万円であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額13億87百万円、その他の負債の減少額3億12百万円、法人税等の支払額6億35百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体として4億66百万円の支出となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却及び償還による収入1億74百万円であり、支出の主な内訳は、貸付による支出3億70百万円、有形固定資産の取得による支出2億6百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体として6億49百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、短期借入金の減少額2億37百万円、配当金の支払額3億67百万円であります。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末の長期借入金残高は3億13百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計20億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、この契約による借入実行残高はありません。
新型コロナウイルス感染症の流行によるキャッシュ・フローへの影響ですが、業績面での悪影響によるマイナス要因はありますが、現状の財政状況および今後の資金需要を考慮すると、新たな資金調達の可能性は小さく、資金調達方針を変更する必要はないと考えております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
① 退職給付
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は蓄積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。