有価証券報告書-第48期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/23 10:22
【資料】
PDFをみる
【項目】
161項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度における売上高は18,083百万円(前連結会計年度比1,354百万円増、同8.1%増)、営業利益2,644百万円(前連結会計年度比409百万円増、同18.3%増)、経常利益2,581百万円(前連結会計年度比373百万円増、同16.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,164百万円(前連結会計年度比180百万円増、同9.1%増)となりました。
主な要因は次のとおりであります。
売上高は、日本国内において2019年4月に段階的な償還価格の引下げが行われ、骨接合材料分野においては暖冬の影響による症例数の減少や、「OM Femoral Nail システムⅢ(製品名:ASULOCK)」の在庫不足が解消されなかったこと、更に、第4四半期末には新型コロナウイルス感染症(以下“COVID-19”)による影響を受けはじめましたが、人工関節分野及び脊椎固定器具分野の売上が順調に推移したことから、前連結会計年度比7.5%増の10,921百万円と伸張しました。米国においては3月中旬よりCOVID-19による多くの症例延期・中止などの大きな影響を受けたものの、累計では人工関節分野の売上が堅調に推移し、外部顧客への売上高はUSドルでは前連結会計年度比10.6%増、円換算後は前連結会計年度比9.1%増の7,161百万円と伸張しました。
人工関節分野は、日本国内において人工膝関節製品「BKS TriMaxPS」及び2019年9月から順次販売を開始した人工股関節新製品「Entrada ヒップステム」の売上が順調に推移し、米国においては、3月中旬よりCOVID-19による多くの症例延期・中止などの大きな影響を受けたものの、人工膝関節新製品「BKS Revision Tibial Cones」、「BKS Revision Sleeves」の売上が順調に推移したことから、日本国内及び米国の売上高合計は前連結会計年度比7.3%増(日本国内4.5%増、米国9.2%増)の11,643百万円と伸張しました。
骨接合材料分野は、「ASULOCK」の売上が製造元の製造能力不足による在庫不足が解消されず、拡大する需要に応えられなかったものの、日本国内の売上高は前連結会計年度比4.5%増の3,760百万円と伸張しました。
脊椎固定器具分野は、日本国内において「KMC Kyphoplasty システム」の売上が順調に推移し、日本国内及び米国の売上高合計が前連結会計年度比16.1%増(日本国内16.7%増、米国13.6%減)の2,246百万円と伸張しました。
売上原価は、日本国内における償還価格の段階的引き下げや、自社製品売上高比率の低下など売上原価率悪化の要因がありましたが、米国子会社の自社製造能力拡大や海外調達の強化等による製造原価低減効果により、売上原価率は29.2%(前連結会計年度は29.4%)に低下しました。
販売費及び一般管理費合計は、支払手数料、減価償却費の増加等により、前連結会計年度比6.1%増の10,159百万円となりましたが、売上高販管費率は56.2%(前連結会計年度は57.2%)に低下しました。
営業利益は、売上高の増加、売上高販管費率の低下により、2,644百万円(前連結会計年度比18.3%増)となりました。
経常利益は、受取手数料11百万円、為替差益10百万円など営業外収益を32百万円計上し、支払利息80百万円など営業外費用を95百万円計上した結果、2,581百万円(前連結会計年度比16.9%増)となりました。
特別損益は、第2四半期に米国販売先での預託在庫の損害に対する受取補償金103百万円を特別利益に、米国子会社での訴訟和解金33百万円を特別損失に計上しました。また、通期で医療工具などの固定資産除却損35百万円を特別損失に計上しました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,164百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
日 本・・・・ 売上高は、人工関節分野、脊椎固定器具分野及び人工骨分野での売上が順調に推移しました。その結果、内部売上高を含んだ当セグメントの売上高は10,923百万円(前連結会計年度比7.5%増)、営業利益は1,176百万円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。
米 国・・・・ 売上高は、既存顧客への販売の拡大及び新規顧客の増加により人工関節製品の売上高が伸張しましたが、3月中旬よりCOVID-19による多くの症例延期・中止などの大きな影響を受けました。その結果、内部売上高を含んだ当セグメントの売上高は10,458百万円(前連結会計年度比7.3%増)、営業利益は1,386百万円(前連結会計年度比33.3%増)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,424百万円増加し、24,917百万円となりました。主な増加は、現金及び預金251百万円、商品及び製品939百万円、原材料及び貯蔵品147百万円であります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ334百万円減少し、7,923百万円となりました。主な減少は、短期借入金1,193百万円で、主な増加は、長期借入金818百万円であります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,759百万円増加し、16,993百万円となりました。主な増加は、利益剰余金1,926百万円であります。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は67.9%(前連結会計年度末は64.7%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ251百万円増加し、2,512百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,731百万円の収入(前連結会計年度は2,367百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益2,615百万円、減価償却費1,388百万円であります。支出の主な内訳はたな卸資産の増加額1,029百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,789百万円の支出(前連結会計年度は2,093百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は有形固定資産(専用医療工具等)の取得による支出1,654百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは678百万円の支出(前連結会計年度は483百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は長期借入れによる収入1,563百万円、支出の主な内訳は短期借入金の純減少額1,160百万円、長期借入金の返済による支出740百万円及び配当金の支払額238百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(イ)生産実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称及び品目前連結会計年度
(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
金額 (千円)金額 (千円)
医療機器類日本150,360157,322
人工関節57,00477,087
骨接合材料72,89762,126
その他20,45718,108
米国6,815,9106,078,931
人工関節5,383,6204,827,687
骨接合材料781,579693,283
脊椎固定器具589,187525,815
その他61,52232,145
合計6,966,2706,236,254

(注) 上記金額は製造原価により、製品の再加工等が含まれております。また、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当社グループでは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(ハ)販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称及び品目前連結会計年度
(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
金額 (千円)金額 (千円)
医療機器類日本10,162,09010,921,958
人工関節4,323,6144,516,513
骨接合材料3,599,8413,760,477
脊椎固定器具1,894,5892,211,595
人工骨215,601249,993
その他128,443183,378
米国6,566,8007,161,229
人工関節6,526,7997,126,682
脊椎固定器具40,00034,546
合計16,728,89118,083,187

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。また、上記金額に、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」をご参照ください。
④ 当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性の分析
財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主に金融機関からの借入金により資金調達を行っております。
資金需要につきましては、運転資金として、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用があります。また、設備資金として、主に医療工具類の取得があります。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。