四半期報告書-第64期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/13 9:10
【資料】
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【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
国内のエネルギー業界は、2016年4月に電力小売りが、2017年4月には都市ガス小売りが全面自由化され、大競争時代に突入し、異業種からの参入やエネルギーの垣根を越えた連携が次々に発表されております。
このような状況下での業容拡大を目指し、当社グループは、都市ガス原料の卸供給元を、東京電力エナジーパートナー株式会社に変更するとともに、お客様に、より安価なサービス提供を行うセット割料金メニュー「プレミアム5+プラン」を発表し、都市ガス小売自由化市場に参入いたしました。同市場における初年度のお客様獲得目標11万軒の達成に向け、引き続き、テレビCMやWeb広告等によるブランディング戦略により認知度向上に努めるとともに、「プレミアム5+プラン」の割引対象サービスのラインナップ拡充によりお客様の利便性向上を図り、当社グループの総力を挙げて営業活動を展開しております。なお、当第3四半期末時点での同市場におけるお客様数は申込ベースで77千軒、獲得ベースで69千軒となりました。
また、当社は、2017年8月に、東京電力エナジーパートナー株式会社と共同出資で、都市ガス事業のプラットフォームを提供する新会社「東京エナジーアライアンス株式会社」を設立いたしました。
同社では、都市ガスの卸供給や、託送手続き、保安業務、ガス器具販売・修理、利便性の高い決済機能をはじめとしたガスの基幹業務クラウドシステム等のサービスを、新規参入を希望する事業者に、順次提供して参ります。
当社は、資本業務提携先であり最先端のICTとAI技術を有する株式会社メタップスとの共同開発で、お申込みから決済までをLINE上で完結することが出来る「ガス器具販売システム」や、お客様のスマホでガス料金のクレジット決済や口座振替登録が出来る「Web決済システム」を開発し運用しております。
また、当社は、株式会社U-NEXTマーケティングの自動応答サービス(人口知能が音声により会話を直接認識し自動応答する「AIコンシェルジュ」)により、お客様からのお電話によるガス利用開始手続き(開栓のお申込み)受付の自動化を進めており、テスト運用を開始いたしました。さらに、将来の外販を目指して、同社と共同で本サービスによる電話受付業務全般の自動化に取り組み、第二ステップとして、当社のクラウドシステム「雲の宇宙船」との連携により、お客様からのお問合せへの回答から担当者への対応手配までを自動的に行い、お客様対応のリアルタイム化を実現して参ります。
今後も、AI等の先進テクノロジーの活用によるシステム開発を推進し、ペーパーレスオペレーションによるお客様のサービス受益ストレスの解消とスピーディで利便性の高いサービスの提供に努めて参ります。
なお、当第3四半期末の当社グループのお客様数は、前年同四半期末に比べ113千軒増の1,302千軒と順調に増加しております。
当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、ガス機器販売の減少とカセットボンベ事業の廃業等で、機器工事他の売上高は減少いたしましたが、ガス売上高が、お客様数の順調な伸びに伴い前年同四半期に比べ増加したこと等により777億9千2百万円(前年同四半期比2.4%増)となりました。
利益面につきましては、LPガス、都市ガスともに原料価格が前年同四半期に比べ高く推移し売上原価が増加したことに加え、自由化市場での需要開発を目的とした広告宣伝費等の増加があり、営業利益は35億5千7百万円(前年同四半期比47.3%減)、経常利益は42億9千7百万円(同36.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億4千9百万円(同29.9%減)となりました。
なお、当社グループの売上高及び利益は、ガス小売事業の占めるウェイトが高いために、秋から冬の下期に偏る傾向にあります。
当第3四半期連結累計期間のセグメント別の概況は次のとおりであります。
[LPガス事業]
LPガス事業におきましては、ガス販売量はお客様数の順調な伸びに伴い増加いたしましたが、カセットボンベ事業を廃業したこと等により、当第3四半期連結累計期間の売上高は438億3千7百万円と前年同四半期に比べ21億6千4百万円(前年同四半期比4.7%減)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は、原料価格が高く推移したこと等もあり、29億8千2百万円と前年同四半期に比べ16億4千7百万円(前年同四半期比35.6%減)の減益となりました。
[都市ガス事業]
都市ガス事業におきましては、自由化市場でのお客様獲得により家庭用ガス販売量が前年同四半期に比べ増加したことに加え、天然ガスの販売単価が原料費調整制度により高く推移したこと等により、当第3四半期連結累計期間の売上高は339億5千4百万円と前年同四半期に比べ39億8千9百万円(前年同四半期比13.3%増)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、需要開発費用等の増加があり、5億6千5百万円と前年同四半期に比べ15億4千5百万円(前年同四半期比73.2%減)の減益となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ55億9千9百万円(4.0%減)減少し、1,335億5千7百万円となりました。これは主に、ソフトウェア等への積極的な投資や借入金の返済により現金及び預金が減少したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ66億9千5百万円(9.2%減)減少し、658億1千9百万円となりました。これは主に、返済が進んだことにより借入金が減少したことと、未払法人税等が減少したこと等によるものです。
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ10億9千6百万円(1.6%増)増加し、677億3千8百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上と配当金の支払いによる利益剰余金の増減を反映したものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.8ポイント向上し、50.7%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりましたが、平成29年6月28日開催の第63回定時株主総会において廃止を決議いたしました。
(4)研究開発活動
当社は、LPガス事業のエアゾール及びカセットガス充填において研究開発活動を行っておりましたが、平成29年4月に当該事業を廃業したため、該当事項はありません。