有価証券報告書-第70期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
① 売上高
売上高は、前連結会計年度比3.5%増加し、452億2千8百万円となりました。
当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な雇用・所得環境により企業の景況感は幅広い業種で、緩やかな回復基調が継続しました。しかしながら、米中貿易摩擦問題や中国をはじめとするアジア新興国経済の減速などにより、企業収益の改善や設備投資に足踏みがみられ、先行き不透明感が継続しています。
当社グループ業績に影響が大きい半導体製造装置業界は、当連結会計年度後半以降、世界的なメモリ価格の低下や需給の緩みを受け、設備投資が減速しました。また、FPD製造装置業界も同様に大きく減速しました。
このような状況のなか当社グループは、2017年11月に国内5番目の工場となる埼玉工場開設による生産能力の増強を行いました。また、ロボットなど省人・省力化生産設備の積極投入、IoT(Internet of Things)の推進による製造現場の革新、製造キャパシティのアップを行うとともに、お客様センターの応対品質の向上、社員教育の充実による能力向上により、顧客満足度の向上を図っております。また、高精度材料をラインナップした「ハイスペックシリーズ」、欧州の厳しい環境規制に適合した「エコシリーズ」、航空・宇宙規格に適合した「航空宇宙規格材料シリーズ」など需要拡大が見込める特徴ある材料を中心に品揃えを増やしたことにより、当社標準在庫点数を2016年3月末時点の4,300品目サイズから5,200品目サイズへ拡充しました。
また、2018年6月より、24時間365日お見積り・ご注文が可能なWEBサイト「白銅ネットサービス」の提携仕入先の在庫品がお取り寄せできる品目サイズを拡充させ、当社標準在庫品と提携仕入先の在庫品合わせて12,000品目サイズがご利用可能となりました。今後とも、継続的に利便性の向上に取り組んでまいります。
海外事業の拡大については、2017年2月にベトナム国ホーチミン市に駐在員事務所を開設し、東南アジア地域の市場調査および情報収集を強化しております。また、上海白銅精密材料有限公司においても「白銅ネットサービス」の中国版である「上海白銅ネットサービス」の利用度の向上に取り組んでおります。
新規事業の構築では、2017年4月より2台目の3Dプリンターを増設し、2018年4月より、アルミダイカスト製品の材料として広く使われ、日本工業規格(JIS)の規格品でもある「ADC12」の粉末を使うアルミ造形サービスを開始しました。また、“3D+ONE”をキャッチフレーズに、設計サポートから量産化対応までの3D造形に関するトータルソリューションをご提供してまいります。
これらの結果、売上高が前連結会計年度比で増加となりました。
② 営業利益
営業利益は、前連結会計年度比19.2%減少し、22億4千9百万円となりました。
営業利益の主な減少要因は、原材料市況の影響によるもので、前連結会計年度の商品在庫に係わる相場差益は3億9千3百万円でしたが、当連結会計年度の商品在庫に係わる相場差益は3千1百万円となりました。
人件費および運賃の増加、製造キャパシティのアップや新規事業の拡大にともなう設備投資、また、2019年2月15日に行なった高瀬アルミ株式会社の買収に伴うのれんの一括償却9千7百万円の発生等により経費は増加しました。
原材料市況の影響額を除いた営業利益は、前連結会計年度比で7.2%減少し、22億1千7百万円となりました。
③ 経常利益
経常利益は、営業利益の減少により前連結会計年度比18.0%減少し、23億3千3百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、15億6千4百万円(前連結会計年度比22.8%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりとなります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
| セグメント | 売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 親会社株主に帰属する 当期純損益 |
| 日本 | 43,339百万円 | 2,236百万円 | 2,319百万円 | 1,550百万円 |
| 中国 | 1,306百万円 | △22百万円 | △23百万円 | △16百万円 |
| その他 | 582百万円 | 35百万円 | 37百万円 | 30百万円 |
(2)財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、336億1千6百万円と、対前連結会計年度末比で5億7千4百万円減少しました。
流動資産は、253億4千3百万円と、対前連結会計年度末比で11億1千8百万円減少しました。減少額内訳は、受取手形及び売掛金20億4千4百万円等です。増加額内訳は、商品及び製品4億2千9百万円、現金及び預金1億8千5百万円等です。
固定資産は、82億7千3百万円と、対前連結会計年度末比で5億4千3百万円増加しました。増加額内訳は、有形固定資産3億4千8百万円、無形固定資産1億4千5百万円、投資その他の資産4千9百万円です。
(負債)
流動負債は、166億3千万円と、対前連結会計年度末比で12億6千9百万円減少しました。減少額内訳は、支払手形及び買掛金26億円、未払法人税等1億6千8百万円等です。増加額内訳は、電子記録債務12億5千9百万円、1年内返済予定の長期借入金3億5千7百万円等です。
固定負債は、5千7百万円と、対前連結会計年度末比で2千7百万円増加しました。増加額内訳は、退職給付に係る負債2千6百万円等です。
(純資産)
純資産は、169億2千8百万円と、対前連結会計年度末比で6億6千7百万円増加しました。増加額は、利益剰余金7億1千4百万円他、合計6億6千7百万円です。
自己資本比率は、前連結会計年度末の47.6%から50.4%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)残高は、前連結会計年度末に比べ、1億8千5百万円増加し、60億8千7百万円となりました。
その内訳は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローによって資金は、20億7千3百万円増加しました。
これは、税金等調整前当期純利益23億3千3百万円、減価償却費8億円、売上債権の減少18億6千5百万円、仕入債務の減少15億6千4百万円、たな卸資産の増加3億5百万円、法人税等を9億4千1百万円支出したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローによって資金は、10億2千7百万円減少しました。
これは、有形固定資産の取得により9億5千2百万円を支出、無形固定資産の取得により2億1千5百万円を支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローによって資金は、8億5千万円減少しました。
これは、配当金を8億5千万円支出したことによります。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
該当事項はありません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 日本 | 中国 | その他 | 合計 | 前期比 (%) |
| アルミ(千円) | 22,449,552 | 552,225 | 97,177 | 23,098,955 | 2.1 |
| 伸銅(千円) | 4,544,920 | 1,622 | 10,189 | 4,556,732 | 10.2 |
| ステンレス(千円) | 3,278,570 | 12,470 | 23,036 | 3,314,077 | 17.4 |
| 特殊鋼(千円) | 544,883 | 21,872 | 195 | 566,951 | △15.3 |
| その他(千円) | 746,513 | 15,593 | 41,423 | 803,530 | 26.5 |
| 合計(千円) | 31,564,440 | 603,785 | 172,022 | 32,340,247 | 4.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績
該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 日本 | 中国 | その他 | 合計 | 前期比 (%) |
| アルミ(千円) | 28,796,877 | 870,844 | 293,492 | 29,961,214 | 1.2 |
| 伸銅(千円) | 5,927,579 | 37,158 | 191,954 | 6,156,692 | 8.2 |
| ステンレス(千円) | 7,010,032 | 101,140 | 91,533 | 7,202,707 | 9.0 |
| 特殊鋼(千円) | 581,434 | 269,320 | 193 | 850,947 | △5.0 |
| その他(千円) | 1,023,124 | 28,025 | 5,304 | 1,056,454 | 15.3 |
| 合計(千円) | 43,339,048 | 1,306,489 | 582,478 | 45,228,017 | 3.5 |
(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際して、特に以下の会計方針が当社グループの財政状態及び経営成績にとって重要であり、かつ経営判断及び見積りに影響を及ぼすものと考えております。
① 債権の回収可能性
当社グループの債権のうち、損失が合理的に予想される債権に対しては、貸倒引当金を計上しております。なお、当社における1年を経過した滞留債権については、貸倒損失処理を行っております。
② 有価証券および投資有価証券の評価
当社グループの保有する有価証券(「満期保有目的の債券」)は、償却原価法(定額法)により処理しております。投資有価証券(「その他有価証券」)は、時価のあるものと時価のないものに分類し、時価のあるものは当連結会計年度末の市場価格に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により評価しております。また、時価のないものは1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が著しく低下した場合に減損処理の要否を検討することとしております。
③ 在庫商品の評価
当社グループの在庫商品は、総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用し、グルーピングした商品毎に当連結会計年度末の正味売却価額と取得原価を比較して評価損を計上しております。
また、長期滞留の在庫商品に対しては販売可能性を判定して評価損を計上しております。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高
ダントツの品質、ダントツのスピード、ダントツのサービス、納得してご購入頂ける価格の実現を目指すことで顧客満足度の向上を図ってまいりました。また、2017年11月に国内5番目の工場となる埼玉工場開設による生産能力の増強、自動化の推進、高精度材料をラインナップした「ハイスペックシリーズ」、欧州の厳しい環境規制に適合した「エコシリーズ」、航空・宇宙規格に適合した「航空宇宙規格材料シリーズ」など需要拡大が見込める特徴のある材料を中心に標準在庫品の品揃えの充実、3Dプリンターによる金属製品の受託製造の技術向上を図りました。この結果、売上高は、前連結会計年度比で3.5%増加し、452億2千8百万円となりました。
② 売上原価および売上総利益
売上高の増加に伴う仕入高の増加、お客様の満足度向上を図るための費用の増加等により、売上原価は前連結会計年度比で5.1%増加し、380億2千6百万円となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度比で4.3%減少し、72億1百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費および営業損益
売上高の増加に伴う運賃の増加、お客様の満足度向上を図るための費用の増加により、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比で4.4%増加し、49億5千1百万円となりました。また、2019年2月15日に行なった高瀬アルミ株式会社の買収に伴うのれんの一括償却9千7百万円の発生等により経費は増加しました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度比で19.2%減少し、22億4千9百万円となりました。
④ 営業外損益、経常損益および親会社株主に帰属する当期純損益
不動産賃貸収入等の営業外収益は、前連結会計年度比27.5%増加の1億2千万円、為替差損や不動産賃貸費用等の営業外費用は、前連結会計年度比8.4%増加の3千6百万円となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比で18.0%減少し、23億3千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比で22.8%減少し、15億6千4百万円となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、非鉄金属素材の販売を中核の事業としていることから、非鉄金属の市況の動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。アルミニウム地金・ステンレス鋼板は、前連結会計年度末比、いずれも下落。電気銅建値は期中変動があったものの、前連結会計年度末比、同値となりました。
また、当社の主要販売分野が半導体製造装置業界および液晶製造装置業界、工作機械業界等であることから、各業界の設備投資の動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
米中貿易摩擦問題やアジア新興国の成長鈍化による世界経済の下振れ懸念がある等、先行き不透明な状況が続くと見込まれますが、差別化商品をはじめとする標準在庫品の品揃えを充実させるとともに、3Dプリンターによる金属製品の受託製造の技術力向上、24時間365日お見積り・ご注文可能な「白銅ネットサービス」の普及により、売上高の向上に努めてまいります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](3)当期のキャッシュ・フローの概況をご参照ください。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売および在庫のための商品購入ならびに商品の加工費用のほか、販売費及び一般管理費等であります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費、運賃、業務委託費等であります。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金については短期借入金により、設備資金については内部留保により調達することを基本としております。また、当社においては、取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結し、機動的な資金調達を行っております。