有価証券報告書-第71期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
① 売上高
売上高は、前連結会計年度比7.6%減少し、417億9千8百万円となりました。
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦問題の激化や中国経済減速により先行き不透明感が強まったことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中国向けの受注が停滞し、製造業の設備投資意欲が低迷しました。
当社グループ業績に影響が大きい半導体業界は需要が低迷していましたが、第4四半期以降、5G関連などの需要により改善の兆しが見られ、半導体製造装置の設備投資にも動きが見られました。
このような状況の中、当社グループは、ロボットなど省人・省力化生産設備の積極投入、IoT(Internet of Things)の推進による製造現場の革新を進め、製造キャパシティのアップを行いました。さらに、神奈川工場に続き、2020年1月に滋賀工場が航空・宇宙分野への拡販のため国際的な規格JISQ9100を取得、およびウォータージェット加工機を導入いたしました。
また、お客様センターの社員教育の充実による応対品質や能力の向上を図り、24時間365日お見積り・ご注文が可能なWEBサイト「白銅ネットサービス」の他社在庫品がお取り寄せできる品目サイズを大幅に拡充させ、当社標準在庫品と他社在庫品合わせて15,500品目サイズがご利用可能となりました。
M&Aによる事業規模拡大では、2019年2月に連結子会社とした高瀬アルミ株式会社(現:株式会社AQR)は、商品の品揃えや在庫管理などで当社グループのリソースを活用しました。その他、2020年3月に顧客基盤拡大のため、東港金属株式会社の一部事業の譲受を完了しました。引き継ぎました2社の優良顧客へ当社の充実したサービスを提供することにより、当社グループの事業拡大に繋げてまいります。
また、ベトナム国における代理店として関係を強化してまいりました現地大手非鉄金属商社のOristar Corporationの事業拡大にともなう増資について、2020年1月に約4億円の出資を行うことを決定しました。
以上の顧客満足度の向上および事業規模拡大等の施策を着実に実行いたしましたが、製造業の設備投資減速等の影響を受け、売上高は、前連結会計年度比で減少しました。
② 営業利益
営業利益は、前連結会計年度比26.3%減少し、16億5千8百万円となりました。
営業利益の主な減少要因は、原材料市況の影響によるもので、前連結会計年度の商品在庫に係わる相場差益は3千1百万円でしたが、当連結会計年度の商品在庫に係わる相場差損は1億7千万円となりました。
原材料市況の影響額を除いた営業利益は、前連結会計年度比で17.5%減少し、18億2千9百万円となりました。
③ 経常利益
経常利益は、営業利益の減少により前連結会計年度比27.3%減少し、16億9千7百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比26.6%減少し、11億4千8百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりとなります。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
| セグメント | 売上高 | 営業損益 | 経常損益 | 親会社株主に帰属する 当期純損益 |
| 日本 | 40,068百万円 | 1,677百万円 | 1,704百万円 | 1,151百万円 |
| 中国 | 1,132百万円 | △43百万円 | △33百万円 | △22百万円 |
| その他 | 597百万円 | 25百万円 | 26百万円 | 19百万円 |
(2)財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、320億7千1百万円と、対前連結会計年度末比で15億4千5百万円減少しました。
流動資産は、236億9千5百万円と、対前連結会計年度末比で16億4千8百万円減少しました。減少額内訳は、受取手形及び売掛金12億2千1百万円、現金及び預金11億1千9百万円等です。増加額内訳は、電子記録債権4億2千3百万円、商品及び製品2億1千3百万円等です。
固定資産は、83億7千5百万円と、対前連結会計年度末比で1億2百万円増加しました。増加額内訳は、投資その他の資産3億2千3百万円等です。減少額内訳は有形固定資産2億2千6百万円等です。
(負債)
負債合計は、149億8千9百万円と、対前連結会計年度末比で16億9千8百万円減少しました。
流動負債は、149億4千5百万円と、対前連結会計年度末比で16億8千4百万円減少しました。減少額内訳は、支払手形及び買掛金7億3千3百万円、1年内返済予定の長期借入金3億5千7百万円、流動負債その他2億3百万円、電子記録債務1億8千5百万円等です。
固定負債は、4千4百万円と、対前連結会計年度末比で1千3百万円減少しました。減少額内訳は、退職給付に係る負債1千3百万円等です。
(純資産)
純資産は、170億8千1百万円と、対前連結会計年度末比で1億5千3百万円増加しました。増加額内訳は、利益剰余金2億7千5百万円です。
自己資本比率は、前連結会計年度末の50.4%から53.3%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、11億1千9百万円減少し、49億6千8百万円となりました。その内訳は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、15億3百万円の資金の増加(前年同期は20億7千3百万円の資金の増加)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益16億9千7百万円、減価償却費8億9千2百万円、売上債権の減少7億7千9百万円、仕入債務の減少9億1千6百万円、たな卸資産の増加2億2千5百万円、法人税等の支払額7億1千5百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、13億6千7百万円の資金の減少(前年同期は10億2千7百万円の資金の減少)となりました。
これは、有形固定資産の取得により8億2千万円、その他の支出により4億2千8百万円を支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12億3千万円の資金の減少(前年同期は8億5千万円の資金の減少)となりました。
これは、配当金の支払により8億7千3百万円、長期借入金の返済により3億5千7百万円を支出したこと等によるものです。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
該当事項はありません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 日本 | 中国 | その他 | 合計 | 前期比 (%) |
| アルミ(千円) | 20,683,761 | 476,196 | 116,029 | 21,275,986 | △7.9 |
| 伸銅(千円) | 4,113,861 | 1,302 | 13,590 | 4,128,754 | △9.4 |
| ステンレス(千円) | 2,900,822 | 14,146 | 13,491 | 2,928,460 | △11.6 |
| 特殊鋼(千円) | 558,597 | 20,527 | 4,032 | 583,157 | 2.9 |
| その他(千円) | 674,269 | 2,630 | 1,475 | 678,375 | △15.6 |
| 合計(千円) | 28,931,312 | 514,803 | 148,618 | 29,594,734 | △8.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績
該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 日本 | 中国 | その他 | 合計 | 前期比 (%) |
| アルミ(千円) | 26,785,755 | 742,354 | 280,826 | 27,808,936 | △7.2 |
| 伸銅(千円) | 5,231,439 | 29,916 | 209,728 | 5,471,084 | △11.1 |
| ステンレス(千円) | 6,377,464 | 90,103 | 95,023 | 6,562,591 | △8.9 |
| 特殊鋼(千円) | 525,907 | 259,778 | 4,032 | 789,718 | △7.2 |
| その他(千円) | 1,148,189 | 9,945 | 7,637 | 1,165,772 | 10.3 |
| 合計(千円) | 40,068,757 | 1,132,098 | 597,249 | 41,798,104 | △7.6 |
(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高
ダントツの品質、ダントツのスピード、ダントツのサービス、納得してご購入頂ける価格の実現を目指すことで顧客満足度の向上を図ってまいりました。また、海外事業の拡大や、新規事業の育成などの施策を着実に実行いたしましたが、製造業の設備投資減速などの影響を受け、売上高は、前連結会計年度比で7.6%減少し、417億9千8百万円となりました。
② 売上原価および売上総利益
売上高の減少に伴う仕入高の減少、人件費及び業務委託費の減少により、売上原価は前連結会計年度比で7.1%減少し、353億9百万円となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度比で9.9%減少し、64億8千9百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費および営業損益
売上高の減少に伴う運賃の減少、人件費の減少により、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比で2.5%減少し、48億3千万円となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度比で26.3%減少し、16億5千8百万円となりました。
④ 営業外損益、経常損益および親会社株主に帰属する当期純損益
不動産賃貸収入等の営業外収益は、前連結会計年度比8.0%増加の1億3千万円、為替差損や不動産賃貸費用等の営業外費用は、前連結会計年度比150.9%増加の9千2百万円となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比で27.3%減少し、16億9千7百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比で26.6%減少し、11億4千8百万円となりました。
⑤ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び・検討内容
(日本)
業績に影響が大きい半導体業界は需要が低迷していましたが、第4四半期以降、5G関連などの需要により改善の兆しが見られ、半導体製造装置の設備投資に動きがありました。子会社化した高瀬アルミ株式会社(現:株式会社AQR)の業績および一部事業譲受を行った東港金属の業績を取り込んだものの、売上高は400億6千8百万円(前期比7.5%減)、営業利益は16億7千7百万円(前期比25.0%減)、セグメント資産は321億9千1百万円(前期比3.1%減)となりました。
(中国)
品質向上と原価低減に努め、また代理店開拓や加工品拡販に注力しましたが、売上高は11億3千2百万円(前期比13.3%減)、営業損失は4千3百万円(前年度営業損失2千2百万円)、セグメント資産は12億6千2百万円(前期比6.8%減)となりました。
(その他)
その他事業においても、業績向上に努めた結果、売上高は5億9千7百万円(前期度比2.6%増)、営業利益は2千5百万円(前期比28.8%減)、セグメント資産は3億7千3百万円(前期比5.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係わる情報
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](3)当期のキャッシュ・フローの概況をご参照ください。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売および在庫のための商品購入ならびに商品の加工費用のほか、販売費及び一般管理費等であります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費、運賃、業務委託費等であります。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金については短期借入金により、設備資金については内部留保により調達することを基本としております。また、当社においては、取引銀行3行と貸出コミットメント契約を締結し、機動的な資金調達を行っております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際して、特に以下の項目が当社グループの財政状態及び経営成績にとって重要であり、かつ経営判断及び見積りに影響を及ぼすものと考えております。なお、当連結会計年度末において、新型コロナウイルス感染症の拡大により、短期的に一定の影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、連結財務諸表に与える影響の検証を行っております。新型コロナウイルス感染症の経済への影響規模や終息の時期等については不確実性が高いため、実際の結果は異なる可能性があります。
① 債権の回収可能性
当社グループの債権のうち、損失が合理的に予想される債権に対しては、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。貸倒引当金の見積りをより適切に行うため、取引先について、財政状況、与信状況などを勘案して個々について検証することとしております。
② 有価証券および投資有価証券の評価
投資有価証券(「その他有価証券」)は、時価のあるものと時価のないものに分類し、時価のあるものは当連結会計年度末の市場価格に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により評価しております。また、時価のないものは1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が著しく低下した場合に減損処理の要否を検討することとしております。
③ 在庫商品の評価
当社グループの在庫商品は、総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用し、グルーピングした商品毎に当連結会計年度末の再調達原価と取得原価を比較して評価損を計上しております。
また、長期滞留の在庫商品に対しては販売可能性を判定して評価損を計上しております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、非鉄金属素材の販売を中核の事業としていることから、非鉄金属の市況の動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。アルミニウム地金・電気銅建値は、2019年3月末比、いずれも下落。一方で、ステンレス鋼板は、2019年3月末比、上昇しました。
また、当社の主要販売分野が半導体製造装置業界および液晶製造装置業界、工作機械業界等であることから、各業界の設備投資の動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
米中貿易摩擦問題やアジア新興国の成長鈍化による世界経済の下振れ懸念がある等、先行き不透明な状況が続くと見込まれますが、差別化商品をはじめとする標準在庫品の品揃えを充実させるとともに、3Dプリンターによる金属製品の受託製造の技術力向上、24時間365日お見積り・ご注文可能な「白銅ネットサービス」の普及により、売上高の向上に努めてまいります。