有価証券報告書-第39期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 15:26
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129項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大と長期化により、実体経済、医療、学業など、あらゆる面においてに大きなインパクトを与えており、極めて不透明な状態が続いております。
このように景気が厳しい局面にある一方で、コンピューター業界におきましては、新しい働き方に対応するためのテレワーク導入、学校におけるオンライン授業の推進、プログラミング学習の必修化などデジタル化が急速に進んだ影響もあり、法人・個人市場においてIT投資は高い水準で推移しました。
このような市場の需要を鑑みて、当社コンピューター事業においては、IT導入を検討されるお客様に向けたセールスプロモーションを強化し、ハードウエアと、サポートを含むソリューション営業を推進しました。
西日本地区を中心に26店舗を展開するコンピューター専門店「アプライド」では、プログラミング学習の必修化、IT導入のニーズに対し、店舗での無料相談会やオンラインセミナーを実施し、導入コンサルティングを通してハードと技術サポートの両面で売上の増大を図りました。
大学、官公庁向けの販売を主体とするSI営業では、22営業拠点を展開し、技術力を活かした高性能コンピューター及びシステム提案を軸に、大学・研究機関向けソリューション営業を推進しました。
BtoB販売を中心とした特機営業では、人員増強による販路拡大に加え、独自システムを活かした顧客の囲い込みを推進し、コンピューターの増設、入れ替え需要の獲得と、民間企業の研究開発部門、情報システム部門に向けたコンピューター販売を軸に売上の増大を図りました。
化粧品・雑貨事業においては、直営店の化粧品・雑貨専門店ハウズを九州に5店舗、東海に1店舗、計6店舗と、通販事業を展開し、オリジナル商品開発による独自性と専門性の追求により、差別化を図りました。
出版・広告事業においては、従来の出版広告事業にITを組み合わせたデジタルソリューションを開発し、県外広範のプロポーザルへの取り組みを推進し、事業拡大を図りました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は396億70百万円(前年同期比23.1%増)、利益面におきましては、経常利益は23億97百万円(前年同期比20.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億40百万円(前年同期比36.3%増)となりました。
なお、売上高並びに経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、連結会計年度として過去最高を達成いたしました。
セグメント別の売上高は次のとおりであります。
パソコン・ゲーム事業は、「AIの日常化に挑戦する会社」直販型メーカーを目指し、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)を主軸とするオリジナル製品及びシステム・サービスの提供を行うことにより新たな顧客層の開拓を推進し、売上高は260億48百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
化粧品・雑貨事業は、「ささやかな、幸せ感の創出」小さな感動が溢れる雑貨店を目指し、プライベートブランド商品の販売に加え、ハウズキッチンにて厳選された旬の食材とテーマに基づいたランチとスイーツを提供することで、来店基盤の拡大を図り、巣ごもり消費を背景に卸売販売と通信販売が堅調に伸長したことから、売上高は133億28百万円(前年同期比78.1%増)となりました。
出版・広告事業は、「県内ダントツの情報発信基地」を目指し、タウン情報誌や季刊誌などの紙媒体発行に加え、Webサイト「ふくおかナビ」にデジタル情報誌等を追加することで集客力を高め、その集客力を基盤に、地方自治体向けのプロポーザル営業を推進し、売上高は9億32百万円(前年同期比15.9%減)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は108億64百万円で、前連結会計年度末に比べ12億28百万円増加しております。主な要因は、現金及び預金が8億68百万円増加したためです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は59億10百万円で、前連結会計年度末に比べ1億58百万円増加しております。主な要因は、有形固定資産が1億73百万円増加したためです。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は57億64百万円で、前連結会計年度末に比べ62百万円増加しております。主な要因は、支払手形及び買掛金が1億9百万円増加したためです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は20億48百万円で、前連結会計年度末に比べ6億15百万円減少しております。主な要因は、長期借入金が5億96百万円減少したためです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は89億61百万円で、前連結会計年度末に比べ19億40百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金が13億59百万円増加したためです。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により13億47百万円の資金が増加し、投資活動により6億50百万円の資金が減少し、財務活動により2億15百万円の資金が減少したため、前連結会計年度に比べ4億81百万円増加し、当連結会計年度末には14億93百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は13億47百万円(前年同期比30.8%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益23億97百万円及び減価償却費1億84百万円で資金が増加し、売上債権の増加4億47百万円及び法人税等の支払額8億52百万円で資金が減少したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は6億50百万円(前年同期比119.3%増)となりました。これは主に、定期預金の増加3億86百万円及び有形固定資産の取得による支出2億55百万円で資金が減少したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は2億15百万円(前年同期比86.8%減)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入5億71百万円で資金が増加し、長期借入金の約定返済による支出6億3百万円及び配当金の支払1億81百万円で資金が減少したためです。
③生産、仕入及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
パソコン・ゲーム事業22012.4
化粧品・雑貨事業--
出版・広告事業164△32.2
合計385△12.3

(注)1. 金額は製造原価によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
仕入高(百万円)前年同期比(%)
パソコン・ゲーム事業17,5006.6
化粧品・雑貨事業12,10181.5
出版・広告事業613△9.1
合計30,21527.2

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
パソコン・ゲーム事業26,0367.1
化粧品・雑貨事業13,32878.1
出版・広告事業305△28.1
合計39,67023.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は108億64百万円で、前連結会計年度末に比べ12億28百万円増加しております。主な要因は、棚卸資産の圧縮等の営業キャッシュ・フロー経営を戦略的に推し進めた結果、現金及び預金が8億68百万円増加したためです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は59億10百万円で、前連結会計年度末に比べ1億58百万円増加しております。主な要因は、ハウズ伊都店の増築等により有形固定資産が1億73百万円増加したためです。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は57億64百万円で、前連結会計年度末に比べ62百万円増加しております。主な要因は、支払サイトを意識した商品調達等の営業キャッシュ・フロー経営を戦略的に推し進めた結果、支払手形及び買掛金が1億9百万円増加したためです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は20億48百万円で、前連結会計年度末に比べ6億15百万円減少しております。主な要因は、営業キャッシュ・フロー経営を戦略的に推し進めた結果増加した資金で、借入金の約定返済を進めたことにより長期借入金が5億96百万円減少したためです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は89億61百万円で、前連結会計年度末に比べ19億40百万円増加しております。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益が15億40百万円となり、過去最高益を達成したことにより利益剰余金が13億59百万円増加したためです。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、396億70百万円(前年同期比23.1%増)となりました。主な要因は、法人向けオンラインソリューションセミナーの開催やオンライン営業システムを活用したオンライン商談の推進等による法人市場のIT投資需要に対応した施策の推進と、リモートワーク導入サポートやプログラミング学習必須化に伴う導入支援等による個人市場のIT投資需要に対応した施策の推進に加え、巣ごもり消費を背景に卸売販売と通信販売が堅調に伸長したためです。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、95億94百万円(前年同期比10.2%増)となりました。主な要因は、売上総利益率の高いHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)を主軸とするオリジナル製品の販売及びシステム・サービスの提供による売上増加に加え、売上総利益率の低い卸売販売及び通信販売により売上が増加したためです。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、72億21百万円(前年同期比7.3%増)となりました。主な要因は、法人及び個人の活発なIT投資需要に対応した施策として、Web広告を中心とした積極的な広告宣伝活動により広告宣伝費が54百万円増加し、合わせて、積極的な販売促進活動により販売促進費が37百万円増加したためです。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は23億73百万円(前年同期比19.7%増)となりました。主な要因は、売上総利益が前年同期比10.2%増加したのに対し、販売費及び一般管理費が前年同期比7.3%の増加で抑えられたためです。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は23億97百万円(前年同期比20.0%増)となりました。主な要因は、営業利益の増加に加え、天災による店舗修繕により受取保険金が14百万円増加したためです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、15億40百万円(前年同期比36.3%増)となりました。主な要因は、経常利益の増加に加え、前連結会計年度は、ハウズ一宮店の減損損失2億25百万円を特別損失で計上しましたが、当連結会計年度は、特別損失の計上がなかったためです。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、受取手形及び売掛金の回収までの運転資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末において、現金及び預金残高25億40百万円から有利子負債残高22億4百万円を差し引いた残高はプラス3億35百万円となっており、実質無借金経営の財政状態となっております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。