有価証券報告書-第59期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/17 12:26
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、原材料価格の高止まりや人手不足の継続、円安進行などの影響を受けつつも、個人消費やインバウンド需要の回復、雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調を示しました。一方で、米国の関税政策の動向や中東情勢の緊迫化などの地政学的リスクの高まりによるエネルギー価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境のもと、当社グループにおきましては、中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」の最終年度を迎え、当社グループの強みを活かして、さまざまな課題に挑戦し、業績や毛髪業界シェアを伸長させるとともに、新領域の事業を獲得し拡充することで、「次代を切り拓くアートネイチャー」に飛躍させるべく、事業活動を実施してまいりました。
その結果、当連結会計年度における業績は、女性向け売上の新規顧客獲得に苦戦したこと等はあったものの、男性向け及び女性向けのリピート売上が堅調に推移したこと、女性向け既製品売上が増加したこと等により、当連結会計年度の売上高は、44,600百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。利益面については売上高の増加等により、営業利益は3,219百万円(同47.6%増)、経常利益は3,451百万円(同53.4%増)となりました。また、法人税等調整額を△393百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,898百万円(同131.0%増)となりました。
<男性向け売上高>男性向け売上高については、新規売上は効果的な広告宣伝、リピート売上は顧客定着策の推進等を実施し、新規・リピートともに前年同期比増加した結果、23,274百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。
<女性向け売上高>女性向け売上高については、新規売上は広告宣伝からの反響が弱く、前年同期比減で推移したものの、リピート売上は、ピンのいらないウィッグの買い替え需要を捉え、前年同期比増加した結果、13,522百万円(同7.6%増)となりました。
<女性向け既製品売上高>女性向け既製品売上高については、リピート販売の好調等により、6,227百万円(同2.5%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比2,713百万円増加し、52,392百万円となりました。これは、現金及び預金が増加したこと等により流動資産が1,542百万円増加したことに加えて、建物及び構築物が増加したこと等により固定資産が1,170百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比1,436百万円増加し、24,060百万円となりました。これは、未払法人税等が増加したこと等により流動負債が1,511百万円増加した一方、退職給付に係る負債が減少したこと等により固定負債が75百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比1,277百万円増加し、28,332百万円となりました。これは、主に利益剰余金及び退職給付に係る調整累計額が増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は以下のとおりであり、現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末比1,814百万円増加し、19,840百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益3,034百万円に加え、減価償却費1,292百万円、減損損失416百万円、退職給付に係る負債の増加80百万円、その他の営業収入698百万円があった一方、法人税等の支払473百万円等により、5,201百万円の資金収入(前連結会計年度は2,580百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出2,031百万円、無形固定資産の取得による支出322百万円、敷金及び保証金の差入による支出184百万円等により2,458百万円の資金支出(前連結会計年度は2,909百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払910百万円により910百万円の資金支出(前連結会計年度は911百万円の資金支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
A.生産実績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の生産実績を示すと、次のとおりであります。
品目当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
枚数(枚)前年同期比(%)
オーダーメイドウィッグ63,31697.7

(注) 当社グループは、取り扱う品種が多品種であり、販売価格による表示が困難なため、生産数量にて記載しております。
B.受注実績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の受注状況を示すと、次のとおりであります。
品目当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
オーダーメイドウィッグ23,574101.211,992101.1


C.販売実績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
男性向け事業(百万円)23,274100.5
女性向け事業(百万円)13,522107.6
女性向け既製品事業(百万円)6,227102.5
報告セグメント計(百万円)43,024102.9
その他(百万円)1,576103.3
合計(百万円)44,600102.9

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度における収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
A.貸倒引当金等の引当金
貸倒引当金等の重要な引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3.会計方針に関する事項(3) 重要な引当金の計上基準」をご参照ください。
B.退職給付に係る負債
従業員に対する退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
C.固定資産の減損
固定資産の減損については、管理会計上の区分や投資の意思決定を行う際の単位や事業の相互補完性等を考慮して合理的にグルーピングを行い、当該資産グループ単位で減損の兆候を把握しております。減損の兆候がある資産グループについては、その資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には減損を認識し、帳簿価額を回収可能価額まで減額して減損損失を計上しております。
D.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高く税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。また、繰延税金資産は毎期見直しており、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の全部又は一部が将来の税金負担額を軽減する効果を有さなくなったと判断した場合、計上していた繰延税金資産のうち回収可能性がない金額を取り崩しております。
E.資産除去債務
資産除去債務の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.経営成績等の分析
2024年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の2026年3月期の状況は以下のとおりです。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
なお、当連結会計年度の主要な指標の計画比は以下のとおりです。
指標2026年3月期(計画)2026年3月期(実績)2026年3月期(計画比)
売上高47,623百万円44,600百万円6.3%減
営業利益2,778百万円3,219百万円15.9%増
経常利益2,844百万円3,451百万円21.3%増
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,464百万円1,898百万円29.6%増
ROE(自己資本利益率)10.3%6.9%3.4ポイント減


B.キャッシュ・フローの状況の分析
a.キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
自己資本比率(%)52.453.553.353.853.4
時価ベースの自己資本比率(%)49.753.150.949.750.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

(注) 各指標の算出は、以下の算式によります。
自己資本比率=自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率=時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数(自己株式除く)を乗じて算出しております。
※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。
なお、当連結会計年度末において、取引銀行3行と5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高5,000百万円)。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針
[経営者の問題意識]
当社グループの経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。当社グループを取り巻く外部環境は、原材料価格の高止まりや人手不足の継続、円安進行などの影響を受けつつも、個人消費やインバウンド需要の回復、雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調を示しました。一方で、米国の関税政策の動向や中東情勢の緊迫化などの地政学的リスクの高まりによるエネルギー価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような経営環境の中、将来に亘って持続的な成長を果たすために、新規のお客様の獲得に加え、既存のお客様の定着に向けた諸施策を、全社一丸となって取り組んでいく所存です。
[財務戦略の基本的な考え方]
次代を切り拓くアートネイチャーの礎を築くために、既存領域及び新領域の事業にバランスよく配分するとともに、安定的な経営を目指して、成長投資(含む設備投資)、手元資金、株主還元に振り向けることを財務戦略の基本的な考え方としています。
[成長投資]
事業基本的な方針
オーダーメイド
ウィッグ事業
お客様満足の向上に注力し「アートネイチャーの真のファン」の数を増やすと共に、お客様の定着化に向けた施策を実践することで、安定的な成長を目指してまいります。併せて、新規獲得モデルの再設計、リピート周期の短縮化、生活コンシェルジュサービスの導入によりLTVの最大化に取り組んでまいります。また、店舗資産の適正化と運営の最適化により、効率性を向上させてまいります。メンズ部門においては、新規顧客の増加と生涯顧客化に向けた戦略を推進し、安定的かつ持続的に成長できる事業基盤を確立し、全社の投資余力を創出してまいります。レディース部門においては、新規顧客の増加による顧客基盤の強化を通じて成長を加速させ、女性向けシェア国内No.1の達成を目指してまいります。
女性向け既製品事業不採算店舗のスクラップ&ビルド、未出店エリアへの出店により、安定的な売上拡大と利益増加を目指してまいります。また、オーダーメイドウィッグとの連携を強化することで、更なる業績の拡大を目指してまいります。
通信販売事業アートネイチャーブランドの認知拡大に向けた取り組みを強化するとともに、新商品の投入により商品ラインアップや当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、投資効率を維持しつつ、売上拡大への反転攻勢を仕掛けることを目指してまいります。
海外事業シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要を掘り起こし、業績の拡大に取り組むとともに、シンガポール、タイ、マレーシアに続く海外毛髪業への事業展開を見据えた方向感の策定、事前調査を進めてまいります。
生産部門関連地政学的リスク等を鑑み、原材料の調達を強化して、生産の安定性を実現してまいります。また、生産体制では、バングラデシュ工場を次世代の主力拠点と位置づけ育成した上で、生産拠点を最適化して、生産拠点全体で、高品質な製品をより早く、より安く、かつ機動的に供給できる体制を構築してまいります。
管理部門関連生成AIの利活用による業務の自動化と意思決定の高度化により、各種経費率の削減に取り組んでまいります。また、採用強化とエンゲージメント向上に係る施策に加え、中長期ビジョンの実現に向けた体制を構築すべく、人財への投資を実践してまいります。併せて、スタイリストのリスキリング、管理人財・海外人財・デジタル人財の育成、本部各部の主要ポストの後継者育成も実践してまいります。

[資金保有方針]
当社では、前受金残高を手元資金で担保するとともに、月商の約2.5ヶ月分とあわせて「岩盤資金」を維持することを基本方針としております。残りの現預金については、「戦略資金」と位置づけ、M&A等の積極的な事業投資に活用いたします。さらに、今後増加予定のフリーキャッシュフローのうち、配当原資を差し引いた金額を、追加の「戦略資金」として位置づけます。
[株主還元]
当社では、安定配当の維持に努めることを基本方針としております。また、連結配当性向40%以上を基本に年間配当28円を下限として、連結業績に応じた配当水準の向上(1円単位で増配)を図ります。但し、ROE10%超を達成する迄は、連結配当性向50%以上を基本とすること等を配当方針として定めております。

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