有価証券報告書-第28期(平成28年3月1日-平成29年2月28日)

【提出】
2017/05/26 14:22
【資料】
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【項目】
74項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日(平成29年5月26日)現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第一部 企業情報、第5 経理の状況、財務諸表等 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態及び経営成績の分析
① 財政状態の分析
(資産)
1)現金及び預金
当期の現金及び預金の残高は、前期と比べて4億84百万円減少の7億38百万円となりました。これは、当期における事業活動の結果、営業活動によるキャッシュ・フローが2億11百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが97百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1億75百万円の支出となった結果であります。
2)商品
当期の商品の残高は、前期と比べて1億31百万円減少の6億88百万円となりました。これは主としてボトムスが前期と比べて12百万円減少の97百万円、ニットが前期と比べて46百万円減少の1億38百万円、ブルゾンが前期と比べて29百万円減少の2億42百万円、シャツが前期と比べて9百万円減少の26百万円等によるものであります。
(負債)
3)長期借入金(一年内返済予定の長期借入金含む)
当期の長期借入金の残高は前期と比べて1億41百万円減少の2億60百万円となりました。これは返済によるものであります。
4)社債(一年内償還予定の社債含む)
当期の社債の残高は前期と比べて1億40百万円減少の3億65百万円となりました。これは社債の償還によるものであります。
(純資産)
5)利益剰余金合計
当期の利益剰余金合計の残高は前期と比べて7億19百万円減少の5億12百万円となりました。これは主として当期純損失によるものであります。
② 経営成績の分析
1)売上高
当期の売上高につきましては、前期と比べて10億20百万円減(前期比16.2%減)の52億64百万円となりま
した。これは主として、既存店の売上高が前年比で12.3%減になったことによるものであります。
2)売上総利益
当期の売上総利益につきましては、前期と比べて7億8百万円減(前期比23.2%減)の23億48百万円とな
りました。これは主として、売上高が前期比16.2%減になったことによるものであります。
3)販売費及び一般管理費
当期の販売費及び一般管理費につきましては、前期と比べて3億98百万円減(前期比12.7%減)の27億45百万円となりました。これは主として、人件費及び店舗家賃の減少等によるものであります。
4)営業外損益
当期の営業外費用につきましては、前期と比べて2百万円減(前期比11.3%減)の19百万円となりまし
た。これは主として、長期借入金及び社債の返済によるものであります。
5)特別損益
当期の特別利益につきましては、前期と比べて64百万円減(当期実績なし)となりました。特別損失につきましては、前期と比べて2億40百万円増(前期比565.5%増)の2億82百万円となりました。これは主として、減損損失の増加、早期希望退職関連費用等によるものであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
カジュアルウェア市場全般について、外的要因として、国内の景気動向、消費環境、天候、気温、流行等が大きく変動する場合に影響を受けます。
(4)経営戦略の現状と見通し
現状は、長期安定的な成長を遂げていくことを重要な経営課題として、大量販売とは一線を画した事業戦略の推進、将来の成長に向けたブランド力の強化、新規業態の成長戦略を進めております。次期の経済情勢につきましては、世界的な経済環境は引き続き不安定な状況で推移し、国内においても、景気を押し下げる要因である、個人消費の停滞などのリスクが存在しており、厳しい経営環境で推移するものと予想されます。
このような状況において、次期の衣料品小売業界におきましては、拡大するインターネット販売、スマートフォンを活用した新たな販売手法の開発、消費者の嗜好の多様化など、多くの課題に対応することが求められ、企業間の競争は激化し、厳しい経営環境で推移するものと予想されます。
当社は、事業戦略の再構築をテーマとして、全社的な取り組みを進めてまいります。主力事業である衣料品販売の立て直し図るとともに、雑貨等の新カテゴリーの商品投入の拡大、インターネット販売の強化など、業績の回復を図ってまいります。加えて、株式会社ネクスグループとの、資本業務提携に取り組んでまいります。
また、店舗数の削減及び希望退職により、利益体質の強化を図っており、売上高は減少するものの、利益面では着実に改善を進めてまいります。
その結果、次期の業績の見通しにつきましては、売上高46億70百万円(前年同期比11.3%減)、営業利益30百万円(前年同期比4億27百万円増)、経常利益20百万円(前年同期比4億34百万円増)、当期純利益5百万円(前年同期比7億24百万円増)を見込んでおります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当期の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて2億11百万円の支出、投資活動のキャッシュ・フローにおいて1億84百万円の投資を実施、退店並びに契約変更に伴う敷金及び保証金の返還等により86百万円を回収し、差引きで97百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて1億14百万円の資金調達を実施、長期借入金1億41百万円を返済、社債1億40百万円を償還し、1億75百万円の支出となりました。その結果、現金及び現金同等物の当期末における残高は前期と比べて4億84百万円減少の7億38百万円となり、今後の経営に必要な資金は十分に確保しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
高齢者層の増加、人口の減少、消費嗜好の多様化等の環境変化により、当社が属するカジュアルウェア市場につ
きましても企業間競争はさらに激化するものと考えております。
これに対応するため、コンサルティングセールス、付加価値の高い商品など、当社の強みを生かせる分野に経営
資源を投入して、その分野におけるブランドイメージを確立させ、「METHOD」、「流儀圧搾」に続く核となるブラ
ンドを育成・展開することにより長期安定的な成長戦略を実施してまいります。