有価証券報告書-第210期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 14:27
【資料】
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【項目】
160項目

有報資料

以下の記載における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
経営理念地域とともに成長発展し すべてのお客さまにご満足をいただき 行員に安定と機会を与える

当行は上記経営理念のもと、「地域の皆さま」、「お客さま」、「株主の皆さま」、「従業員」などのステークホルダーを重視した経営を行うとともに、「安全・安心」の銀行として、より一層の信頼を確保することを基本方針としております。
(2) 中長期的な経営戦略
人口減少や低金利環境の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大や資源価格の高騰など、これまで以上に厳しい環境が予想されるなか、持続可能なビジネスモデルを確立するためには、長期的な取り組みとして、「地方創生等による持続可能な地域社会の構築」及び「お客さま本位のビジネスと付加価値創造」の実現が必要不可欠です。
当行は2021年4月に、10年後に目指す姿として、「お客さまの価値を共に創造し、地域ポテンシャルを最大化する金融・産業参画型ハイブリッドカンパニー」を長期ビジョンに掲げ、それに向けた第20次長期経営計画「Transform」(2021年4月~2024年3月)を策定しております。地域の課題解決のため、金融領域にとどまらず、企業との連携・事業への出資等を通じ、産業領域への参画を深めることで、総合的なソリューションを提供できるビジネスモデルの構築を目指します。
なお、第20次長期経営計画「Transform」は、長期ビジョンに向けた10年間の第1フェーズと位置づけ、コロナ禍への対応と同時に、ハイブリッドカンパニーへの挑戦として、ビジョンにつながる各種施策に取り組んでおります。本計画では、「Transform」をテーマとし、以下の重点戦略の遂行により、これまで以上に地域価値の創造に努めてまいります。
《第20次長期経営計画「Transform」4つの重点戦略》
1.コロナ禍・ポストコロナでのお客さまに寄り添った支援
2.コンサルティングビジネス強化と事業領域拡大に向けた取り組み
3.質の高いサービスを提供するための構造改革とコストマネジメント
(店舗ネットワーク改革・デジタル戦略・事務改革)
4.有価証券運用、リスク管理の高度化とリスクアペタイト・フレームワークの活用
また、当行は2021年12月に、当行グループにおけるサステナビリティを巡る課題への取り組みを一層強化するため、「サステナビリティ方針」を策定しております。引き続き、地域の課題解決に真摯に取り組み、持続可能な地域社会の実現に貢献していくとともに、当行の中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

重点戦略1

コロナ禍・ポストコロナでのお客さまに寄り添った支援
■ 足許のコロナ禍において、引き続き、お客さまの資金繰り支援に注力するとともに、山形の発展に責任を持つ企業として、経営改善や事業継続支援等、課題解決に向けたソリューションを提供してまいります。
重点戦略2

コンサルティングビジネス強化と事業領域拡大に向けた取り組み
■ 現状の「総合金融ビジネス」は引き続きコアビジネスとして追求していくとともに、コンサルティング能力を強化していくことで、産業創造・参画型のビジネスモデルを目指します。
■ 当行がこれまで実践してきた「山形成長戦略」「ものづくり支援」「事業承継・M&A」「プライベートバンキング」「企業再生支援」などの取り組みを、全行を挙げた戦略として統合し、地域産業規模にまで強化してまいります。
重点戦略3

質の高いサービスを提供するための構造改革とコストマネジメント(店舗ネットワーク改革・デジタル戦略・事務改革)
■ 店舗ネットワークの最適化を図るとともに、広域型営業体制として、ブロック統括店に営業人員を集約することで、お客さまに提供するコンサルティング機能の高度化に取り組んでまいります。
■ デジタル技術を活用し、非対面チャネル等によるお客さまの利便性を向上するとともに、事務の効率化及びワークスタイルの変化を実現してまいります。
■ 事務改革では、お客さまの手続きの簡素化や営業店の受付事務の軽量化、不採算事務の削減、本部集中業務の拡大に取り組んでまいります。
■ 経費削減策として、削減ポテンシャルの高い重要テーマを中心に、トップダウンアプローチによりコストマネジメントに取り組んでまいります。
重点戦略4

有価証券運用、リスク管理の高度化とリスクアペタイト・フレームワークの活用
■ 有価証券の運用とリスク管理の高度化によって、収益力を強化してまいります。多様なリスクテイクによるベースライン収益の底上げなど、金融市場の見通しを踏まえたポートフォリオ運用の構築により、中期的な評価益の増加を目指します。
■ リスク管理では、多様なリスクテイクによる市場部門の収益増強に向けて、リスクマネジメントに充分な組織体制を構築するために、運用規模拡大に相応しい体制を整備してまいります。また、リスクアペタイト・フレームワークを通じた経営陣ならびに所管部とのリスクコミュニケーションを拡充し、フォワードルッキングな視点で「取るリスク・取らないリスク」を明確化したマネジメントにより、長期的収益の安定確保と財務の健全性を目指します。
また、重点戦略を支える取り組みとして、主要施策を大きく以下の3つに分け、11個の各テーマについて施策を展開してまいります。
《主要施策》
Ⅰ.提供価値:高品質・高付加価値サービス① 付加価値の高い融資の推進
② コンサルティングビジネスの強化
③ 地域産業発展のための事業領域拡大
Ⅱ.仕組み:事業構造と体質の強化④ 戦略的店舗ネットワーク改革と収益基盤強化
⑤ コストマネジメント・経営リソースの捻出
⑥ デジタル化の推進
⑦ 有価証券運用・リスクマネジメントの強化
Ⅲ.根幹:成長と変革の土台構築⑧ プロフェッショナル人財の育成と活用
⑨ 経営管理態勢の強化
⑩ SDGs/ESGへの取り組み
⑪ 組織・企業風土・ガバナンス体制の向上

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第20次長期経営計画「Transform」のもと、以下の指標を目標とし、各種施策に取り組んでおります。
目標とする指標算出方法当該指標を利用する理由
コア業務純益実質業務純益-債券関係損益-金融派生商品損益(債券関係)事業の収益性を追求するため
当期純利益(当行単体)財務諸表上の数値
コアOHR(当行単体)経費÷コア業務粗利益
総貸出金残高財務諸表上の数値業容の質的向上を追求するため
総資金利鞘資金運用利回-資金調達利回事業の収益性を追求するため
自己資本比率(国内基準、当行単体)自己資本の額÷リスク・アセット等の額経営の安全性を追求するため

設定した目標値等
目標とする指標目標数値(2023年度)実績(2021年度)
コア業務純益60億円90億円
当期純利益(当行単体)25億円31億円
コアOHR(当行単体)80%未満69.59%
総貸出金残高1兆7,000億円1兆7,168億円
総資金利鞘プラスを維持0.21%
自己資本比率(国内基準、当行単体)9%以上維持9.94%

(4) TCFD提言への取り組み
開示推奨項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の取組状況は以下のとおりです。
<ガバナンス>・当行グループはサステナビリティ方針を制定しており、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。
・経営における推進体制として、常務会としてサステナビリティ会議(議長:頭取)を設置し、気候変動を含むサステナビリティに係る取り組みなどを定期的(3カ月ごと)に報告・協議する体制を構築しております。
・取締役会の監督体制として、気候変動を含むサステナビリティに係る取り組み状況等は、年2回以上定期的に取締役会に報告し、取締役(社外取締役を含む)が監督する体制を構築しております。
・実務レベルの推進体制として、経営企画部内にサステナビリティ推進室を設置し、気候変動を含むサステナビリティに関する施策を立案・統括する体制を構築しております。
<戦略>・サステナビリティ方針のなかで気候変動対応を重要課題の一つと位置づけており、機会およびリスクの観点から取り組みを進めております。
・当行は「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定しており、気候変動リスクを低減する省エネルギー・再生可能エネルギーや企業の脱炭素社会への移行対応など、環境にポジティブな影響を与えるお客さまの事業を積極的に支援してまいります。
・当行グループ自身の取り組みとして、現在計画中の新本店ビル建設ではサステナブルをコンセプトとしており、再生可能エネルギーの活用など環境負荷の低減を図る構想としております。
・また、2008年12月に「環境方針および環境行動指針」を制定しており、やまぎん蔵王国定公園の森などの森林保全活動に取り組んでおりますが、活動の一層の充実を検討してまいります。
・短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で気候変動に伴うリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会を定性的に分析しており、定量的なシナリオ分析につきましては今後検討してまいります。
・2021年3月末時点の、TCFD提言が推奨する定義を踏まえた炭素関連資産(エネルギー*/運輸/素材・建築物/農業・食料・林業製品)の当行貸出金に占める割合は14.3%です。そのうち、エネルギーセクターの当行貸出金に占める割合は1.5%です。
* エネルギーセクターおよびユーティリティセクター向け。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く
分類内容具体例時間軸
移行
リスク
規制強化及び市場の変化等によるコスト増加や貸出資産の価値減少・温室効果ガス排出量の多いセクターに対する与信コストの増加
・CO2削減対策や事業継続性強化のための設備費用の増加 ・貸出資産価値の減少
中・長
気候変動対策が不十分なことによるレピュテーションの悪化・炭素排出セクターに対する投融資継続によるレピュテーション悪化
・対応遅延による自社信用格付けの悪化、企業価値の低下
短・中・長
物理的
リスク
自然災害による取引先の事業停滞・担保価値の毀損・取引先の事業停滞・担保価値の毀損による信用リスクの発生・与信コストの増加短・中・長
自然災害による自社資産の毀損・事業停滞・自社資産の毀損による管理コストの増加短・中・長
機会脱炭素社会への移行や災害対策に伴うビジネスや資金需要の増加・再エネ関連融資やお客様の脱炭素社会への移行を支援するビジネス機会の増加
・災害対策インフラ投資資金需要の増加
短・中・長
サステナビリティ重視のビジネスモデル・積極的な開示による社会的評価向上・サステナビリティを重視したビジネスモデルによる企業価値向上
・気候変動対応強化と積極的な開示による社会的評価の向上
短・中・長

時間軸の定義:短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)
<リスク管理>・気候関連リスクを重要なリスクの一つと位置づけており、信用リスクおよびオペリスク等に影響することを踏まえ、統合的なリスク管理体制への組み入れを検討しております。
・「環境・社会に配慮した投融資方針」において、気候変動にネガティブな影響を与える可能性が高い特定セクターとして、石炭火力発電事業、森林伐採事業に対する取組方針を策定しております。
<指標と目標>・2030年度までに当行のCO2排出量を2013年度比46%削減することを目標としております。
・2020年度のCO2排出量は、2013年度比25%削減となりました。
・目標につきましては、店舗ネットワークの見直しや環境負荷に配慮した新本店ビルの建設、再生可能エネルギーの活用などによる排出量削減に加え、やまぎん蔵王国定公園の森におけるCO2吸収量拡大に取り組むことで達成を見込んでおります。

(5) 経営環境および対処すべき課題
経営環境をみますと、人口減少、少子高齢化に伴う地域経済の縮小や中小企業における後継者難など多くの課題を抱えております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の収束も見通せず、県内経済は依然として厳しい状況にあります。こうした状況を踏まえ、地方創生や地域経済の活性化に果たすべき当行の役割は一層重要性が高まっているものと認識しております。
当行は、新型コロナウイルス感染症への対応として、職員の感染予防対策の徹底や、支店・オフィス内のパーテーション、窓口へのアクリル板設置のほか、スプリット・オペレーション(交代勤務)やテレワーク(在宅勤務)を導入し、全支店の営業を継続することで安定的な金融機能維持を図っております。また、法人や個人事業主のお客さま向けに「新型コロナウイルス感染症に関する経営相談窓口」の全店設置、住宅ローンプラザやWEB相談受付による休日対応、補助金等のオンラインセミナー等、資金繰りにとどまらない多面的な経営支援に努めております。このほか、個人のお客さま向けにコロナ禍に対応した非対面サービスの拡充として、<やまぎん>ネットバンクでの入出金明細の照会可能時間を拡大したほか、各種変更届や再発行など当行ホームページから申込可能な手続きを大幅に追加しました。
他方、ESG(環境・社会・ガバナンス)、SDGs(持続可能な開発目標)および気候関連リスク等への取り組みが一層強く求められており、当行では2021年12月に持続可能な地域社会の実現に向けて「サステナビリティ方針」を制定しました。地域の成長に責任を持つ企業として地域の課題解決に真摯に取り組み、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。また、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の防止、サイバー攻撃に対するセキュリティ強化への対応など、経営管理態勢強化にも引き続き取り組んでまいります。
2021年4月にスタートした第20次長期経営計画「Transform」(2021年度~2023年度)は、10年後の目指す姿である長期ビジョンの実現に向けたフェーズ1として、地域やお客さまの課題解決の強化や事業領域の拡大を通し、従来の金融領域にとどまらない金融・産業参画型ハイブリッドカンパニーを目指すための期間として位置付けております。当行の存在意義(パーパス)は地域の発展に貢献していくことであり、新たなビジネスモデルの構築により地域価値の創造に注力してまいります。

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