有価証券報告書-第138期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
本内容には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1 経営方針
(1) 会社の経営の基本方針
当行は2018年度から2020年度までの3ヵ年を計画期間とする第31次長期経営計画『変化に挑み、次代を創る』において定めた「お客さま利益実現のための"対面営業"の強化・拡大」「"人財"育成投資・活躍機会の拡大」「"営業推進態勢・業務プロセス"の変革」の3つのテーマに基づき、以下のとおり取り組んでまいりました。
ア.お客さま利益実現のための"対面営業"の強化・拡大
当行は、対面営業を重ねてお客さまのご意向への理解を深め、夢の実現をお手伝いできる高い提案力を発揮することで皆様からご支持いただける銀行を目指しております。
法人分野の取組みとしましては、新型コロナウイルスの感染拡大により停滞した経済活動の影響を受けられた事業者さまを金融・非金融の両面から支援しました。2020年3月からは土・日・祝日も営業する新型コロナウイルス感染症「特別相談窓口」を開設し、事業者さまの資金繰りに関する幅広いご相談にお応えしました。4月からはお申込み当日中のお借入れを可能とした「コロナウイルス対策緊急特別ファンド」の取扱いを開始し、緊急対応を必要とする資金相談に迅速にお応えしたほか、9月からは「劣後ローン」の取扱いを開始し、財務基盤強化ニーズにお応えしました。また、非金融面のサポートでは、雇用調整助成金をはじめとする公的支援制度に関する解説やウィズコロナ時代に対応するための事業モデルの変革など幅広いテーマでオンラインセミナーを開催し、事業戦略の検討を後押ししました。11月には補助金活用や事業成長につながる事業計画の策定支援など、事業者さまに寄り添った伴走支援を強化するため、営業渉外部に「企業支援制度活用サポートチーム」を新設しました。
個人分野の取組みとしましては、高齢化社会の進展に伴い関心が高まる資産承継・相続関連のご相談に対して、税理士や行政書士などの専門家をお招きした個別相談会を開催し、お客さまのご事情にあわせたアドバイスを実施したほか、10月からは判断能力低下時の財産管理への不安を解消していただけるよう「民事信託預金」および「後見制度支援預金」の取扱いを開始しました。また、普及が進むキャッシュレス化に対する取組みとしましては、「82Debit」の機能を強化し、お客さまの決済ニーズにお応えするとともに、八十二カードと連携し利用者さまと事業者さま双方のキャッシュレス環境の整備に努めました。
なお、6月には法人・個人の分野ごとに検討していた商品・サービスのさらなる充実を目指して本部組織改正を実施しております。コンサルティング機能をより一層強化することで、高度化・多様化が進むお客さまニーズにも迅速にお応えしてまいります。
イ."人財"育成投資・活躍機会の拡大
当行は、職員一人ひとりの意欲に応え成長や働きがいを実感できる職場環境を整備するとともに、お客さまのニーズを的確に把握し実現をサポートできる人財の育成に取り組んでおります。
人財の育成につきましては、4月に公的資格の取得を支援する制度を拡充し、自発的にスキルアップに取り組む職員の能力伸長をサポートしました。また、12月には業務知識などに関する学習コンテンツを掲載する行内システム「Terrace82(テラス82)」をスマートフォン等での利用も可能とし、時間や場所の制約を受けることなく職員がそれぞれの置かれた状況でいつでも学べる環境を整えました。さらに3月からは、育児休業取得中の職員のスムーズな職場復帰を後押しするため、育児休業期間中に更新された業務手順などを効率的に学習できるよう機能を追加しました。また、コロナ禍における罹患防止と能力伸長の両立支援策としましては、集合型を主体としていた業務研修の一部を動画視聴やオンラインによる実施方法に見直ししたほか、自主参加型研修「菁菁塾」においては、テレビ会議によるリモート受講やウェブを活用したeラーニングを奨励するなど、接触場面を減らしながら職員の自己研鑽機会の維持に努めました。
職員の活躍機会の確保につきましては、半日休暇制度・時間単位休暇制度や時差出勤などの柔軟な対応に加え、テレビ会議などのシステム面を整備することで在宅勤務やリモートワークの活用を後押しし、感染防止対策を講じるなかでも生産性や業務効率の向上に取り組みました。
ウ."営業推進態勢・業務プロセス"の変革
当行は、業務そのものを抜本的に見直す観点から効率化・合理化を進めるとともに、事業環境の変化に合わせて機動的に経営資源を最適配分できる態勢を目指して変革を進めております。
お客さまの利便性向上と業務効率化の両立に向けた取組みとしましては、9月から口座開設や氏名変更などのお手続きを遠隔地からサポートする「遠隔受付システム」の導入を開始しました。また、11月からは疾病保障付住宅ローンの団体信用生命保険のWeb申込サービスを開始し、お客さまが多彩な住宅資金プランのなかから最適な選択肢を絞り込む際に要する時間やお手続きなどのプロセスの省力化を図りました。
事業環境の変化に対する取組みとしましては、6月に本部組織改正を実施し、預金・融資・外国為替などの業務を一元的に管理することで事務手続きの標準化に取り組みました。また、働き方改革をはじめとする社会の変化やデジタライゼーションによる金融業界の変化にも対応できる態勢を目指して「構造改革推進プロジェクトチーム」を設置し、既存業務・手続きの見直しや当行グループの組織風土改革に取り組みました。さらに12月からは、デジタル技術を活用した革新的な金融サービスや将来に向けたデジタル人財の育成を検討するため、本部組織を横断した「DXプロジェクト」に取り組みました。
(2) 目標とした経営指標
当行は、2018年度から2020年度までの3年間を計画期間とする第31次長期経営計画に取り組んでまいりました。
目標とした経営指標とその結果は次のとおりです。
(3)目標とする経営指標
当行は、2021年度から中期で目指す目標として、中期経営目標を設定しております。
目標としている経営指標は次のとおりです。
*1 事業用施設・車両から発生する温室効果ガス(CO2)排出量を、太陽光発電システムや環境配慮型設備の導入
などを通じて、2030年度までに2013年度比60%削減する。
*2 上記の排出量削減の取組みに加えて、2023年度には再生可能エネルギーの活用などにより、ネット・ゼロと
する。
2 経営環境及び対処すべき課題等
1年以上が経過したコロナ禍も世界各地で動き始めたワクチンの普及により、パンデミック収束への期待感が高まっています。その一方で、経済活動の回復には相当な時間を要することも見込まれ、さまざまな対策を通じて社会に根付いた新しい生活様式や価値観は今後、私たちの生活にどのような変化をもたらすのか注目されます。地域経済を支える取組みは、まさにこれからが成果を問われる局面であり、地方銀行には卓越した提案力と解決力が求められます。同じく、コロナ禍が加速させたDX(デジタル技術を活用した変革)や働き方改革は、企業経営における重要テーマとして位置づけられるようになりました。さらにSDGsや脱炭素社会に向けた取組みなどの新たな潮流も加わることで、企業が期待される領域はより一層の広がりを見せています。
当行は地域の経済活動に活力を取り戻す原動力となり、地域の皆様の豊かな日常を支え続ける使命を果たすため、収益力の強化と企業価値の向上に取り組んでまいります。
2020年度をもって計画期間を終了した第31次長期経営計画で取り組んできた業務合理化によるコスト削減は、ある程度の成果を得ることができましたが、これまでの結果に満足することなく積極的に先端技術を取り込むことでさらに加速させてまいります。また、過去最高を更新することができた連単倍率は、証券やリース、カードなどのグループ各社の機能を強化するとともに、新しい事業領域にも進取果敢にチャレンジすることで総合金融サービスグループとしての成長に繋げてまいります。高度化・多様化するお客さまニーズに応え、預金・貸出・為替業務の付加価値を高めるとともに、市場運用部門では新たな枠組みによる人財育成の高度化を図ることで、中長期的な視点から収益力の強化に取り組んでまいります。
また、働き方改革やDXに加えて脱炭素社会に向かう時代の新しいうねりは、未来への転換をもたらすとともに、当行の企業価値を高めるうえで重要なテーマと認識しております。時代の大きな変化を当行グループとしての成長エネルギーに変換するべく、本部組織改正や人事制度改正を実行するとともに、新たに掲げた温室効果ガス排出量ネット・ゼロの達成を通じて、地域の未来に必要とされる銀行へと進化してまいります。
八十二銀行は本年8月に創立90周年の節目を迎えます。これまで幾多の艱難を地域の皆様とともに乗り越え、地域経済を守り続けてきた矜持を胸に、長野県とともに歩む銀行として変わることのない使命を果たしてまいる所存です。
1 経営方針
(1) 会社の経営の基本方針
当行は2018年度から2020年度までの3ヵ年を計画期間とする第31次長期経営計画『変化に挑み、次代を創る』において定めた「お客さま利益実現のための"対面営業"の強化・拡大」「"人財"育成投資・活躍機会の拡大」「"営業推進態勢・業務プロセス"の変革」の3つのテーマに基づき、以下のとおり取り組んでまいりました。
ア.お客さま利益実現のための"対面営業"の強化・拡大
当行は、対面営業を重ねてお客さまのご意向への理解を深め、夢の実現をお手伝いできる高い提案力を発揮することで皆様からご支持いただける銀行を目指しております。
法人分野の取組みとしましては、新型コロナウイルスの感染拡大により停滞した経済活動の影響を受けられた事業者さまを金融・非金融の両面から支援しました。2020年3月からは土・日・祝日も営業する新型コロナウイルス感染症「特別相談窓口」を開設し、事業者さまの資金繰りに関する幅広いご相談にお応えしました。4月からはお申込み当日中のお借入れを可能とした「コロナウイルス対策緊急特別ファンド」の取扱いを開始し、緊急対応を必要とする資金相談に迅速にお応えしたほか、9月からは「劣後ローン」の取扱いを開始し、財務基盤強化ニーズにお応えしました。また、非金融面のサポートでは、雇用調整助成金をはじめとする公的支援制度に関する解説やウィズコロナ時代に対応するための事業モデルの変革など幅広いテーマでオンラインセミナーを開催し、事業戦略の検討を後押ししました。11月には補助金活用や事業成長につながる事業計画の策定支援など、事業者さまに寄り添った伴走支援を強化するため、営業渉外部に「企業支援制度活用サポートチーム」を新設しました。
個人分野の取組みとしましては、高齢化社会の進展に伴い関心が高まる資産承継・相続関連のご相談に対して、税理士や行政書士などの専門家をお招きした個別相談会を開催し、お客さまのご事情にあわせたアドバイスを実施したほか、10月からは判断能力低下時の財産管理への不安を解消していただけるよう「民事信託預金」および「後見制度支援預金」の取扱いを開始しました。また、普及が進むキャッシュレス化に対する取組みとしましては、「82Debit」の機能を強化し、お客さまの決済ニーズにお応えするとともに、八十二カードと連携し利用者さまと事業者さま双方のキャッシュレス環境の整備に努めました。
なお、6月には法人・個人の分野ごとに検討していた商品・サービスのさらなる充実を目指して本部組織改正を実施しております。コンサルティング機能をより一層強化することで、高度化・多様化が進むお客さまニーズにも迅速にお応えしてまいります。
イ."人財"育成投資・活躍機会の拡大
当行は、職員一人ひとりの意欲に応え成長や働きがいを実感できる職場環境を整備するとともに、お客さまのニーズを的確に把握し実現をサポートできる人財の育成に取り組んでおります。
人財の育成につきましては、4月に公的資格の取得を支援する制度を拡充し、自発的にスキルアップに取り組む職員の能力伸長をサポートしました。また、12月には業務知識などに関する学習コンテンツを掲載する行内システム「Terrace82(テラス82)」をスマートフォン等での利用も可能とし、時間や場所の制約を受けることなく職員がそれぞれの置かれた状況でいつでも学べる環境を整えました。さらに3月からは、育児休業取得中の職員のスムーズな職場復帰を後押しするため、育児休業期間中に更新された業務手順などを効率的に学習できるよう機能を追加しました。また、コロナ禍における罹患防止と能力伸長の両立支援策としましては、集合型を主体としていた業務研修の一部を動画視聴やオンラインによる実施方法に見直ししたほか、自主参加型研修「菁菁塾」においては、テレビ会議によるリモート受講やウェブを活用したeラーニングを奨励するなど、接触場面を減らしながら職員の自己研鑽機会の維持に努めました。
職員の活躍機会の確保につきましては、半日休暇制度・時間単位休暇制度や時差出勤などの柔軟な対応に加え、テレビ会議などのシステム面を整備することで在宅勤務やリモートワークの活用を後押しし、感染防止対策を講じるなかでも生産性や業務効率の向上に取り組みました。
ウ."営業推進態勢・業務プロセス"の変革
当行は、業務そのものを抜本的に見直す観点から効率化・合理化を進めるとともに、事業環境の変化に合わせて機動的に経営資源を最適配分できる態勢を目指して変革を進めております。
お客さまの利便性向上と業務効率化の両立に向けた取組みとしましては、9月から口座開設や氏名変更などのお手続きを遠隔地からサポートする「遠隔受付システム」の導入を開始しました。また、11月からは疾病保障付住宅ローンの団体信用生命保険のWeb申込サービスを開始し、お客さまが多彩な住宅資金プランのなかから最適な選択肢を絞り込む際に要する時間やお手続きなどのプロセスの省力化を図りました。
事業環境の変化に対する取組みとしましては、6月に本部組織改正を実施し、預金・融資・外国為替などの業務を一元的に管理することで事務手続きの標準化に取り組みました。また、働き方改革をはじめとする社会の変化やデジタライゼーションによる金融業界の変化にも対応できる態勢を目指して「構造改革推進プロジェクトチーム」を設置し、既存業務・手続きの見直しや当行グループの組織風土改革に取り組みました。さらに12月からは、デジタル技術を活用した革新的な金融サービスや将来に向けたデジタル人財の育成を検討するため、本部組織を横断した「DXプロジェクト」に取り組みました。
(2) 目標とした経営指標
当行は、2018年度から2020年度までの3年間を計画期間とする第31次長期経営計画に取り組んでまいりました。
目標とした経営指標とその結果は次のとおりです。
| 第31次長期経営計画目標 | 2020年度実績 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(連結/2020年度) | 250億円 | 223億円 |
| 連単倍率(2020年度) | 1.25倍 | 1.20倍 |
| 配当性向(連結/毎年度) | 30%以上 | 30.6% |
(3)目標とする経営指標
当行は、2021年度から中期で目指す目標として、中期経営目標を設定しております。
目標としている経営指標は次のとおりです。
| 中期経営目標 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(連結/2025年度) | 250億円以上 |
| 連単倍率(2025年度) | 1.25倍以上 |
| 温室効果ガス(CO2)排出量 | 2030年度 2013年度比60%削減 *1 2023年度 ネット・ゼロ *2 |
*1 事業用施設・車両から発生する温室効果ガス(CO2)排出量を、太陽光発電システムや環境配慮型設備の導入
などを通じて、2030年度までに2013年度比60%削減する。
*2 上記の排出量削減の取組みに加えて、2023年度には再生可能エネルギーの活用などにより、ネット・ゼロと
する。
2 経営環境及び対処すべき課題等
1年以上が経過したコロナ禍も世界各地で動き始めたワクチンの普及により、パンデミック収束への期待感が高まっています。その一方で、経済活動の回復には相当な時間を要することも見込まれ、さまざまな対策を通じて社会に根付いた新しい生活様式や価値観は今後、私たちの生活にどのような変化をもたらすのか注目されます。地域経済を支える取組みは、まさにこれからが成果を問われる局面であり、地方銀行には卓越した提案力と解決力が求められます。同じく、コロナ禍が加速させたDX(デジタル技術を活用した変革)や働き方改革は、企業経営における重要テーマとして位置づけられるようになりました。さらにSDGsや脱炭素社会に向けた取組みなどの新たな潮流も加わることで、企業が期待される領域はより一層の広がりを見せています。
当行は地域の経済活動に活力を取り戻す原動力となり、地域の皆様の豊かな日常を支え続ける使命を果たすため、収益力の強化と企業価値の向上に取り組んでまいります。
2020年度をもって計画期間を終了した第31次長期経営計画で取り組んできた業務合理化によるコスト削減は、ある程度の成果を得ることができましたが、これまでの結果に満足することなく積極的に先端技術を取り込むことでさらに加速させてまいります。また、過去最高を更新することができた連単倍率は、証券やリース、カードなどのグループ各社の機能を強化するとともに、新しい事業領域にも進取果敢にチャレンジすることで総合金融サービスグループとしての成長に繋げてまいります。高度化・多様化するお客さまニーズに応え、預金・貸出・為替業務の付加価値を高めるとともに、市場運用部門では新たな枠組みによる人財育成の高度化を図ることで、中長期的な視点から収益力の強化に取り組んでまいります。
また、働き方改革やDXに加えて脱炭素社会に向かう時代の新しいうねりは、未来への転換をもたらすとともに、当行の企業価値を高めるうえで重要なテーマと認識しております。時代の大きな変化を当行グループとしての成長エネルギーに変換するべく、本部組織改正や人事制度改正を実行するとともに、新たに掲げた温室効果ガス排出量ネット・ゼロの達成を通じて、地域の未来に必要とされる銀行へと進化してまいります。
八十二銀行は本年8月に創立90周年の節目を迎えます。これまで幾多の艱難を地域の皆様とともに乗り越え、地域経済を守り続けてきた矜持を胸に、長野県とともに歩む銀行として変わることのない使命を果たしてまいる所存です。