有価証券報告書-第13期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
①グループ経営理念
ふくおかフィナンシャルグループは、福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、十八銀行をグループ傘下に持つ広域展開型地域金融グループとして、営業基盤である九州を中心に、稠密な営業ネットワークを活かし、高度かつ多様な金融商品・サービスを展開しております。
当社グループ(以下「FFG」といいます。)は、以下の経営理念を基本として、金融サービスの向上を通じて地域社会に対してより多くの貢献を果たすとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
②グループブランド
FFG各社は、グループ経営理念を共通の価値観として行動し、お客さま、地域社会、株主の皆さま、そして従業員にとって真に価値ある存在であり続けるための約束として、『コアバリュー』を表明し、ブランドスローガン『あなたのいちばんに。』を展開してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
FFGは、2016年度から次の10年を見据えた「進化のステージ」に入り、その第1ステージとして「第5次中期経営計画~“ザ・ベスト リージョナルバンク”を目指して~(2016年4月~2019年3月)」(以下、第5次中計といいます。)を完遂させ、2019年度から第2ステージとして「第6次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)」(以下、「第6次中計」といいます。)をスタートさせました。
第6次中計では、基本方針として掲げる「『地域経済発展への貢献』と『FFG企業価値の向上』との好循環サイクルの実現」に基づき、「業務プロセスの再構築」「事業モデルの高度化」「デジタルトランスフォーメーションの推進」での構造改革と、それを下支えする「人財力の最大化」「グループ総合力の強化」の5つの基本戦略を据えて、各種戦略・施策を展開してまいります。
(イ) 業務プロセスの再構築
これまで取り組んできた働き方改革、業務改革の成果を具現化していくとともに、デジタル化・自動化・本部集中化などにより、営業店を中心とした業務プロセスをゼロベースで見直し、大幅な効率化を進めていくことで、ヒト・時間・空間などのリソースを捻出し、営業店を今まで以上にコンサルティングの場へ変革してまいります。
また、効率化により捻出されたリソースを、コア事業や成長分野などに投入し、営業力の向上やイノベーションの創出を図ってまいります。
(ロ) 事業モデルの高度化
お客さまとの対話を通じた真の課題・ニーズの把握を行い、法人・個人双方において、専門性を極めた高品質な金融サービスを提供することで、お客さまから真の評価を獲得する、お客さま本位のソリューション営業スタイルを確立してまいります。
また、市場運用を貸出金に次ぐ第2の収益の柱とすべく、多様化投資の拡充や分散投資によるリスク抑制型のポートフォリオを構築していくことで、収益の向上および安定化を図ってまいります。
加えて、対面・非対面チャネルの高度化及び円滑な連携により、お客さまニーズに沿った商品・サービスを最適なタイミングで提供してまいります。
(ハ) デジタルトランスフォーメーションの推進
デジタル技術進展に伴うお客さまの行動や社会構造の変容に対応するため、アジャイル開発やデータ・API(アプリケーションプログラミングインターフェース)基盤利活用体制の構築を進めるとともに、業務プロセス・意思決定方法・お客さまへの提供価値等のビジネスを根本的に変革するデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります。
また、iBank事業の拡充を進めるとともに、お取引先に対するデジタル化支援の取組みやBaaS(※)の展開検討など、新事業を創出・推進してまいります。
※Banking as a Service:金融機能・商品等を様々な事業者に対しサービスとして提供
(ニ) 人財力の最大化
事業戦略と外部環境の変化を踏まえ、変革をリードしていく人財や金融高度化を担う人財、デジタルの専門人財など、多様かつ高度な人財の育成を図るとともに、グループ全体で人財の最適配置を可能とする体制を構築してまいります。
加えて、組織のフラット化や多様な人財・働き方に応えるための評価・処遇基準の再設計などを通じて、従業員が働き甲斐を実感できる体制を整備していくことで、組織の持続的成長に繋げてまいります。
(ホ) グループ総合力の強化
FFG(持株会社)の既存機能の強化に加え、子銀行業務の一部を集約することで、シングルプラットフォームを強化するとともに、グループ会社の新機能の検討などを進めてまいります。
また、お客さまや営業店の声を収集・分析し、諸施策へ迅速に反映させる仕組みづくりや、営業店・本部の意思疎通の活性化など、環境の変化やお客さまニーズの変化に柔軟に対応できる組織への変革を図ってまいります。
(ヘ)十八銀行との経営統合
2019年4月に長崎県経済の活性化に貢献していくことを目的とした十八銀行との経営統合を実現し、2020年10月に親和銀行と十八銀行との合併、2021年1月に両行のシステム統合を予定しております。
合併後の新銀行においては、システム統合によるシステムコストの削減、店舗統廃合や本部スリム化による営業人員の捻出を柱とする合併・統合シナジーを最大化するとともに、FFGのグループ総合力を発揮することで、長崎県経済の発展に貢献する「お客さま満足度No.1銀行」を目指してまいります。
FFGは、以上の取組みを通じて、あらゆる環境変化に柔軟に対応できる組織になるとともに、人財力とデジタル技術を活用し、金融の枠を超えてお客さまのために行動することで、お客さまの成長と地域経済発展に貢献する金融グループを目指してまいります。
(3) 目標とする経営指標
第6次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)では、最終年度である2021年度の目標経営指標として、以下の項目を掲げております。
(*)2020年5月見直し後
現在取り組んでいる業務改革により生産性を高め、捻出した人員を成長分野などに配置するとともに、十八銀行との経営統合によるシナジー効果を早期に実現することで、収益性や効率性の向上を図ってまいります。
また、収益の積上げやリスク管理の高度化などにより健全性の維持・向上を図りながら、将来の成長に向けた戦略的な投資も行っていくことで、資本効率を中長期的に高めてまいります。
(4) 会社が優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
2020年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による個人消費の落ち込みやインバウンド需要の低迷、企業の収益悪化を受けた設備投資の減少などが下押し要因となり、先行き不透明な状況が続くことが見込まれます。
他方、地域金融機関を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化の進行や低金利環境の長期化といった従前からの課題に加え、デジタル技術の急速な進展によってお客さまの行動や社会環境の変化が進んでおります。また、お客さまが地域金融機関に求めるニーズや行動も変化してきており、直近の5年間を見ても、入出金や振込といった取引件数はほぼ横這いで推移している一方、店舗への来店客数はここ10年で約3割減少しており、インターネットバンキング等での取引が急速に伸びております。
こうした環境の変化に柔軟に対応し、かつ、FFGが目指す「持続的に高い競争力・成長力」を実現するためには、既存業務の強化に加え、デジタル技術を活用した業務の効率化や生産性の向上、新たな事業領域へのチャレンジなどが必要となります。
2019年度からスタートした第6次中計では、基本方針とする「『地域経済発展への貢献』と『FFG企業価値の向上』との好循環サイクルの実現」に基づき、成長戦略の大きな柱として「構造改革によるトップラインの引き上げ」と「十八銀行との経営統合によるシナジーの最大化」の2つを掲げております。
その中でも、2020年度は特に「業務改革」、「新しい投信ビジネスの確立」、「みんなの銀行」、「親和・十八銀行の合併」を最重要戦略と位置づけ、これに足許の最重要課題である「新型コロナウイルス感染症への対応」を加え、各種戦略・施策を展開してまいります。

(イ) 業務改革
業務改革は、生産性の飛躍的な向上を目的に2年前からスタートし、これまで「格付作業の本部集約」や「投資信託・保険における購入手続きの電子化」、「消費性ローン・住宅ローンにおける契約の電子化」などに取り組んでまいりました。
2020年度は、業務改革の中核の一つと位置づける「タブレット導入」を本格的に進めてまいります。預金や為替取引を行う「ロビータブレット」と新規口座開設や住所変更などの諸届を行う「ローカウンタータブレット」を全店に設置し、紙の伝票を電子化していくとともに、永年変わっていない銀行の店頭業務を大きく見直すことで、生産性の向上を加速してまいります。
(ロ) 新しい投信ビジネスの確立
FFGの営業基盤である、福岡・熊本・長崎の3県における個人預金46兆円のうち、FFGには、その25%にあたる11.5兆円の個人預金がございます。しかしながら、預金から投資信託にシフトしている割合は僅か4%程度にとどまっており、お客さまの資産形成に向けた取り組みは道半ばとなっております。そのため、FFGでは、貯蓄から投資への流れを創り出し、「お客さまの資産形成」とそれを源泉とする「安定収益の確保」を同時実現するため、2019年度から投資信託の残高増強に向けたビジネスモデルへの転換を進めてまいりました。
2020年度は、新たに導入した「投信のパレット」を軸に、長期の資産形成を前提としたポートフォリオの提案や、国内にあるほぼ全ての投資信託を定量データにより客観的に評価し、公平・中立な投資信託選びをサポートするなど、真にお客さまの資産形成に貢献するサービスを展開してまいります。また、積立投資信託を活用した時間分散提案により、現役層や若年層に対して長期的な資産形成の必要性を訴求することで、お客さまの裾野拡大を図ってまいります。
(ハ) みんなの銀行
みんなの銀行は、2020年度中の開業に向けて、二つの柱を軸としたビジネスモデルの構築を進めております。
一つ目の柱は、個人のお客さま向けサービス、いわゆる「BtoCビジネス」で、この分野は、参画する競合他社も多い領域ですが、データを駆使してお客さまをより深く理解し、生活に溶け込んだ金融サービスを提供していくことで、全国のデジタルネイティブ世代を中心に事業基盤を構築してまいります。
二つ目の柱は、決済や与信供与などのニーズがある事業会社に対して金融機能を提供する「BaaS(Banking as a Service)型ビジネス」で、金融の枠を越えて多くの企業と提携し、エコシステムを構築していくことで、収益の拡大を図ってまいります。
(ニ) 親和・十八銀行の合併(十八親和銀行の誕生)
当社グループでは、2020年10月に親和銀行と十八銀行の合併(十八親和銀行の誕生)、2021年1月に事務システム統合を予定しております。
足許では、合併に向けた営業体制の統一や本部組織の一部集約などに取り組んでおり、合併後の2021年5月からは、両行で重複する71ヶ店の店舗統合を順次進めてまいります(*)。店舗統合にあたりましては、「店舗内店舗」方式を採用することで、お客さまの負担を最小限に抑えつつ、通常の店舗統廃合よりも短い期間での店舗統合を実現してまいります。
システム統合によるシステムコストの削減、店舗統合や本部組織の集約による営業人員の捻出により、早期にシナジー効果を実現していくとともに、FFGの総合力を発揮することで、長崎県経済の発展に貢献する「お客さま満足度No.1」銀行を目指してまいります。
(*)十八銀行の長崎県外3ヶ店については、2020年1月に先行して店舗統合を実施しております。
(ホ) 新型コロナウイルス感染症への対応
2020年度は、上記取り組みに加え、新型コロナウイルス感染症への対応が求められております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐ一連の措置が、経済活動の停滞に繋がり、業種・規模に関わらず、多くの企業に影響が及んでいることから、既に影響を受けているお取引先だけでなく、今後影響を受ける可能性があるお取引先に対しても、予防的な資金調達を含め「迅速かつ十分な資金供給」と「金融の円滑化」に努めてまいります。
そのためにも、我々地域金融機関は地域の金融インフラとして、資金の決済やお取引先の資金繰り支援などの金融サービスを維持していかなければなりません。FFGでは、時差出勤や在宅勤務に加え、本部では融資・事務・システムなど業務継続に不可欠な部署を他の部署と分離して業務にあたるなど感染リスクの低減に努めております。
他方、今回の新型コロナウイルス感染症を契機に、リモート化、サプライチェーンの見直し、将来への備えやリスクに対する意識の高まりなど、人々の消費行動や生活様式、企業の経済活動などに大きな変化が起きており、ポストコロナを見据えた「ニューノーマル(新常態)」への対応を進めていく必要があります。
FFGでも、顧客取引のデジタル化・セルフ化の更なる広がりを見据え、デジタルを活用した新たな店舗形態への見直し、新しいデジタルソリューションの開発に格段に力を入れていく必要があると考えております。また、新しい成長産業の出現やサプライチェーンの見直しに伴う商流の変化を的確に捉えることで、新しいビジネスチャンスに繋げてまいります。
これらポストコロナを見据えた対応については、経営の最重要課題として順次取り組んでまいります。
(1) 経営の基本方針
①グループ経営理念
ふくおかフィナンシャルグループは、福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、十八銀行をグループ傘下に持つ広域展開型地域金融グループとして、営業基盤である九州を中心に、稠密な営業ネットワークを活かし、高度かつ多様な金融商品・サービスを展開しております。
当社グループ(以下「FFG」といいます。)は、以下の経営理念を基本として、金融サービスの向上を通じて地域社会に対してより多くの貢献を果たすとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
| ふくおかフィナンシャルグループ経営理念 ふくおかフィナンシャルグループは、高い感受性と失敗を恐れない行動力を持ち、未来志向で高品質を追求し、人々の最良な選択を後押しする、すべてのステークホルダーに対し、価値創造を提供する金融グループを目指します。 |
②グループブランド
FFG各社は、グループ経営理念を共通の価値観として行動し、お客さま、地域社会、株主の皆さま、そして従業員にとって真に価値ある存在であり続けるための約束として、『コアバリュー』を表明し、ブランドスローガン『あなたのいちばんに。』を展開してまいります。
| □ ブランドスローガン あなたのいちばんに。 □ コアバリュー (ブランドスローガンに込められたお客さまへの約束) ・ いちばん身近な銀行 お客さまの声に親身に心から耳を傾け、対話し、共に歩みます。 ・ いちばん頼れる銀行 豊富な知識と情報を活かし、お客さま一人ひとりに最も適したサービスを提供します。 ・ いちばん先を行く銀行 金融サービスのプロ集団として、すべての人の期待を超える提案を続けます。 |
(2) 中長期的な会社の経営戦略
FFGは、2016年度から次の10年を見据えた「進化のステージ」に入り、その第1ステージとして「第5次中期経営計画~“ザ・ベスト リージョナルバンク”を目指して~(2016年4月~2019年3月)」(以下、第5次中計といいます。)を完遂させ、2019年度から第2ステージとして「第6次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)」(以下、「第6次中計」といいます。)をスタートさせました。
第6次中計では、基本方針として掲げる「『地域経済発展への貢献』と『FFG企業価値の向上』との好循環サイクルの実現」に基づき、「業務プロセスの再構築」「事業モデルの高度化」「デジタルトランスフォーメーションの推進」での構造改革と、それを下支えする「人財力の最大化」「グループ総合力の強化」の5つの基本戦略を据えて、各種戦略・施策を展開してまいります。
(イ) 業務プロセスの再構築
これまで取り組んできた働き方改革、業務改革の成果を具現化していくとともに、デジタル化・自動化・本部集中化などにより、営業店を中心とした業務プロセスをゼロベースで見直し、大幅な効率化を進めていくことで、ヒト・時間・空間などのリソースを捻出し、営業店を今まで以上にコンサルティングの場へ変革してまいります。
また、効率化により捻出されたリソースを、コア事業や成長分野などに投入し、営業力の向上やイノベーションの創出を図ってまいります。
(ロ) 事業モデルの高度化
お客さまとの対話を通じた真の課題・ニーズの把握を行い、法人・個人双方において、専門性を極めた高品質な金融サービスを提供することで、お客さまから真の評価を獲得する、お客さま本位のソリューション営業スタイルを確立してまいります。
また、市場運用を貸出金に次ぐ第2の収益の柱とすべく、多様化投資の拡充や分散投資によるリスク抑制型のポートフォリオを構築していくことで、収益の向上および安定化を図ってまいります。
加えて、対面・非対面チャネルの高度化及び円滑な連携により、お客さまニーズに沿った商品・サービスを最適なタイミングで提供してまいります。
(ハ) デジタルトランスフォーメーションの推進
デジタル技術進展に伴うお客さまの行動や社会構造の変容に対応するため、アジャイル開発やデータ・API(アプリケーションプログラミングインターフェース)基盤利活用体制の構築を進めるとともに、業務プロセス・意思決定方法・お客さまへの提供価値等のビジネスを根本的に変革するデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります。
また、iBank事業の拡充を進めるとともに、お取引先に対するデジタル化支援の取組みやBaaS(※)の展開検討など、新事業を創出・推進してまいります。
※Banking as a Service:金融機能・商品等を様々な事業者に対しサービスとして提供
(ニ) 人財力の最大化
事業戦略と外部環境の変化を踏まえ、変革をリードしていく人財や金融高度化を担う人財、デジタルの専門人財など、多様かつ高度な人財の育成を図るとともに、グループ全体で人財の最適配置を可能とする体制を構築してまいります。
加えて、組織のフラット化や多様な人財・働き方に応えるための評価・処遇基準の再設計などを通じて、従業員が働き甲斐を実感できる体制を整備していくことで、組織の持続的成長に繋げてまいります。
(ホ) グループ総合力の強化
FFG(持株会社)の既存機能の強化に加え、子銀行業務の一部を集約することで、シングルプラットフォームを強化するとともに、グループ会社の新機能の検討などを進めてまいります。
また、お客さまや営業店の声を収集・分析し、諸施策へ迅速に反映させる仕組みづくりや、営業店・本部の意思疎通の活性化など、環境の変化やお客さまニーズの変化に柔軟に対応できる組織への変革を図ってまいります。
(ヘ)十八銀行との経営統合
2019年4月に長崎県経済の活性化に貢献していくことを目的とした十八銀行との経営統合を実現し、2020年10月に親和銀行と十八銀行との合併、2021年1月に両行のシステム統合を予定しております。
合併後の新銀行においては、システム統合によるシステムコストの削減、店舗統廃合や本部スリム化による営業人員の捻出を柱とする合併・統合シナジーを最大化するとともに、FFGのグループ総合力を発揮することで、長崎県経済の発展に貢献する「お客さま満足度No.1銀行」を目指してまいります。
FFGは、以上の取組みを通じて、あらゆる環境変化に柔軟に対応できる組織になるとともに、人財力とデジタル技術を活用し、金融の枠を超えてお客さまのために行動することで、お客さまの成長と地域経済発展に貢献する金融グループを目指してまいります。
(3) 目標とする経営指標
第6次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)では、最終年度である2021年度の目標経営指標として、以下の項目を掲げております。
| 目標とする経営指標 | 最終年度 目標数値 | |
| 収益性指標 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 575億円 |
| ROE(連結自己資本利益率、以下同じ) | 6%程度 | |
| 健全性指標 | 自己資本比率(*) | 10%台半ば程度 |
| 効率性指標 | OHR(連結)(経費/業務粗利益、以下同じ) | 60%程度 |
(*)2020年5月見直し後
現在取り組んでいる業務改革により生産性を高め、捻出した人員を成長分野などに配置するとともに、十八銀行との経営統合によるシナジー効果を早期に実現することで、収益性や効率性の向上を図ってまいります。
また、収益の積上げやリスク管理の高度化などにより健全性の維持・向上を図りながら、将来の成長に向けた戦略的な投資も行っていくことで、資本効率を中長期的に高めてまいります。
(4) 会社が優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
2020年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による個人消費の落ち込みやインバウンド需要の低迷、企業の収益悪化を受けた設備投資の減少などが下押し要因となり、先行き不透明な状況が続くことが見込まれます。
他方、地域金融機関を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化の進行や低金利環境の長期化といった従前からの課題に加え、デジタル技術の急速な進展によってお客さまの行動や社会環境の変化が進んでおります。また、お客さまが地域金融機関に求めるニーズや行動も変化してきており、直近の5年間を見ても、入出金や振込といった取引件数はほぼ横這いで推移している一方、店舗への来店客数はここ10年で約3割減少しており、インターネットバンキング等での取引が急速に伸びております。
こうした環境の変化に柔軟に対応し、かつ、FFGが目指す「持続的に高い競争力・成長力」を実現するためには、既存業務の強化に加え、デジタル技術を活用した業務の効率化や生産性の向上、新たな事業領域へのチャレンジなどが必要となります。
2019年度からスタートした第6次中計では、基本方針とする「『地域経済発展への貢献』と『FFG企業価値の向上』との好循環サイクルの実現」に基づき、成長戦略の大きな柱として「構造改革によるトップラインの引き上げ」と「十八銀行との経営統合によるシナジーの最大化」の2つを掲げております。
その中でも、2020年度は特に「業務改革」、「新しい投信ビジネスの確立」、「みんなの銀行」、「親和・十八銀行の合併」を最重要戦略と位置づけ、これに足許の最重要課題である「新型コロナウイルス感染症への対応」を加え、各種戦略・施策を展開してまいります。

(イ) 業務改革
業務改革は、生産性の飛躍的な向上を目的に2年前からスタートし、これまで「格付作業の本部集約」や「投資信託・保険における購入手続きの電子化」、「消費性ローン・住宅ローンにおける契約の電子化」などに取り組んでまいりました。
2020年度は、業務改革の中核の一つと位置づける「タブレット導入」を本格的に進めてまいります。預金や為替取引を行う「ロビータブレット」と新規口座開設や住所変更などの諸届を行う「ローカウンタータブレット」を全店に設置し、紙の伝票を電子化していくとともに、永年変わっていない銀行の店頭業務を大きく見直すことで、生産性の向上を加速してまいります。
(ロ) 新しい投信ビジネスの確立
FFGの営業基盤である、福岡・熊本・長崎の3県における個人預金46兆円のうち、FFGには、その25%にあたる11.5兆円の個人預金がございます。しかしながら、預金から投資信託にシフトしている割合は僅か4%程度にとどまっており、お客さまの資産形成に向けた取り組みは道半ばとなっております。そのため、FFGでは、貯蓄から投資への流れを創り出し、「お客さまの資産形成」とそれを源泉とする「安定収益の確保」を同時実現するため、2019年度から投資信託の残高増強に向けたビジネスモデルへの転換を進めてまいりました。
2020年度は、新たに導入した「投信のパレット」を軸に、長期の資産形成を前提としたポートフォリオの提案や、国内にあるほぼ全ての投資信託を定量データにより客観的に評価し、公平・中立な投資信託選びをサポートするなど、真にお客さまの資産形成に貢献するサービスを展開してまいります。また、積立投資信託を活用した時間分散提案により、現役層や若年層に対して長期的な資産形成の必要性を訴求することで、お客さまの裾野拡大を図ってまいります。
(ハ) みんなの銀行
みんなの銀行は、2020年度中の開業に向けて、二つの柱を軸としたビジネスモデルの構築を進めております。
一つ目の柱は、個人のお客さま向けサービス、いわゆる「BtoCビジネス」で、この分野は、参画する競合他社も多い領域ですが、データを駆使してお客さまをより深く理解し、生活に溶け込んだ金融サービスを提供していくことで、全国のデジタルネイティブ世代を中心に事業基盤を構築してまいります。
二つ目の柱は、決済や与信供与などのニーズがある事業会社に対して金融機能を提供する「BaaS(Banking as a Service)型ビジネス」で、金融の枠を越えて多くの企業と提携し、エコシステムを構築していくことで、収益の拡大を図ってまいります。
(ニ) 親和・十八銀行の合併(十八親和銀行の誕生)
当社グループでは、2020年10月に親和銀行と十八銀行の合併(十八親和銀行の誕生)、2021年1月に事務システム統合を予定しております。
足許では、合併に向けた営業体制の統一や本部組織の一部集約などに取り組んでおり、合併後の2021年5月からは、両行で重複する71ヶ店の店舗統合を順次進めてまいります(*)。店舗統合にあたりましては、「店舗内店舗」方式を採用することで、お客さまの負担を最小限に抑えつつ、通常の店舗統廃合よりも短い期間での店舗統合を実現してまいります。
システム統合によるシステムコストの削減、店舗統合や本部組織の集約による営業人員の捻出により、早期にシナジー効果を実現していくとともに、FFGの総合力を発揮することで、長崎県経済の発展に貢献する「お客さま満足度No.1」銀行を目指してまいります。
(*)十八銀行の長崎県外3ヶ店については、2020年1月に先行して店舗統合を実施しております。
(ホ) 新型コロナウイルス感染症への対応
2020年度は、上記取り組みに加え、新型コロナウイルス感染症への対応が求められております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐ一連の措置が、経済活動の停滞に繋がり、業種・規模に関わらず、多くの企業に影響が及んでいることから、既に影響を受けているお取引先だけでなく、今後影響を受ける可能性があるお取引先に対しても、予防的な資金調達を含め「迅速かつ十分な資金供給」と「金融の円滑化」に努めてまいります。
そのためにも、我々地域金融機関は地域の金融インフラとして、資金の決済やお取引先の資金繰り支援などの金融サービスを維持していかなければなりません。FFGでは、時差出勤や在宅勤務に加え、本部では融資・事務・システムなど業務継続に不可欠な部署を他の部署と分離して業務にあたるなど感染リスクの低減に努めております。
他方、今回の新型コロナウイルス感染症を契機に、リモート化、サプライチェーンの見直し、将来への備えやリスクに対する意識の高まりなど、人々の消費行動や生活様式、企業の経済活動などに大きな変化が起きており、ポストコロナを見据えた「ニューノーマル(新常態)」への対応を進めていく必要があります。
FFGでも、顧客取引のデジタル化・セルフ化の更なる広がりを見据え、デジタルを活用した新たな店舗形態への見直し、新しいデジタルソリューションの開発に格段に力を入れていく必要があると考えております。また、新しい成長産業の出現やサプライチェーンの見直しに伴う商流の変化を的確に捉えることで、新しいビジネスチャンスに繋げてまいります。
これらポストコロナを見据えた対応については、経営の最重要課題として順次取り組んでまいります。