有価証券報告書-第84期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/21 10:36
【資料】
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【項目】
78項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社経営陣は、財務諸表の作成に際し、貸付金の評価、固定資産の減損、金融商品の評価、繰延税金資産の回収可能性及び資産除去債務の見積りについて、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる仮定に基づき判断及び見積りを行い、その結果を資産・負債の評価、収益・費用の報告数字の根拠としております。なお、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(財政状態の分析)
当期末は、第4四半期において投資有価証券の大半を売却するとともに借入金の返済を行ったため資産・負債共に大きく減少しました。資産は前事業年度末から450億97百万円減少し56億74百万円、負債は前事業年度末から442億40百万円減少し28億55百万円となりました。また、純資産は当期純損失9億4百万円の計上を主因とした繰越利益剰余金の減少に伴い、28億18百万円と、前事業年度末に比べ8億56百万円の減少となりました。
(経営成績の分析)
営業収益は、貸付金利息及び有価証券利息配当金が共に減少したため、6億82百万円と、前期比1億81百万円の減少となりました。営業費用は市場金利の低下及び借入金の減少に伴う支払利息の減少を主因として、前期比75百万円減少し、1億68百万円となりました。また、一般管理費は、前期、退職給付引当金の戻入が人件費の押下げ要因として寄与しましたが、当期はこうした特殊要因がなく、前期比30百万円増加し、4億54百万円となりました。
この結果、当期の営業利益は59百万円と、前期比1億36百万円の減益となりました。また、これに営業外損益を加減算した経常損失は28百万円となりました。
特別損益については、当期は固定資産にかかる減損損失及び特別退職金、更には借入金返済に係る投資有価証券売却損等を計上したため、8億28百万円の特別損失を計上しております。また、税金費用については、欠損金の計上に伴い法人税、住民税及び事業税が大きく減少した一方で、繰延税金資産の取り消しに伴い法人税等調整額は50百万円を計上しました。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当事業年度は、税引前当期純損失8億54百万円に加え、コールマネー及び短期借入金等の有利子負債残高の減少による支出が159億円、借入金の返済による支出が266億円ありました。その一方で、営業貸付金の減少による収入が23億3百万円、借入有価証券代り金の減少に伴う収入が73億73百万円、投資有価証券の売買に伴う収入がネットで330億9百万円、更にリスクのヘッジを目的としたデリバティブ取引に係る差入保証金の返戻による収入がネットで11億43百万円ありました。以上の結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は前事業年度末比13億91百万円増加し、18億1百万円となりました。
(3)財政状態及び経営成績に影響を与える要因について
当社は、平成29年2月8日開催の取締役会で自主廃業を決議したことに伴い、同年2月、投資有価証券の大半を売却すると共に、一般貸付金の新規取扱を停止しました。また、貸借取引貸付業務については、平成29年4月24日、日本証券金融株式会社へ移管が完了しております。
こうした中、有価証券報告書提出日現在、一般貸付金の回収が主な業務となっており、株式市場の動向によっては財政状態や経営成績に影響を与えることがありますが、健全な財政運営を確保する観点から、市況の変化に適切に対応する態勢を整備しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(財政状態の分析)に記載のとおり、平成29年3月期第4四半期において、投資有価証券の大半を売却すると共に、借入金の返済を行い、期末時点の借入金残高は20億円となりました。また、平成29年4月以降、貸付金の回収資金を原資として借入金を返済し、有価証券報告書提出日現在、借入金はなくなりました。
なお、当社は、貸付金業務、有価証券運用業務からの撤退しており、今後、借入金を新規調達する予定はありません。
(5)次期の見通し
当社は平成29年2月8日開催の取締役会において、平成29年6月26日開催予定の第84期定時株主総会における承認及び関係官庁の認可等を前提として自主廃業し、平成29年9月30日をもって会社を解散することを決議いたしました。これにより、平成29年4月1日以降の会社の運営については様々な不確実性が存在するため、今後の見通しは記載しておりません。