有価証券報告書-第19期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
1.業績等の概要
(1)業績
当社グループの当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結業績は、営業収益は1,236億88百万円(前年同期比2.1%増)、営業費用が585億32百万円(前年同期比8.2%増)となったため、営業利益は685億33百万円(前年同期比1.4%減)、税引前利益は690億95百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
また、法人所得税費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は476億9百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
当社グループROEについては、資本効率を意識した経営を行うことにより、金融商品市場の動向にかかわらず、資本コストを上回る10%を中長期的に実現することを目指しており、当連結会計年度のROEは16.3%となりました。
なお、当社は、公開買付けにより株式会社東京商品取引所及び株式会社日本商品清算機構を連結子会社としたことから、第3四半期連結会計期間より両社の損益を含んでおります(2019年10月1日から2020年3月31日までの6か月間)。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ79億92百万円増加し、718億83百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益690億95百万円に、減価償却費及び償却費164億99百万円並びに支払法人所得税等214億82百万円等を加減した結果、568億81百万円の収入となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出123億79百万円等により、94億34百万円の支出となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金359億35百万円等により、394億11百万円の支出となりました。
2.生産、受注及び販売の実績
業務の性格上、該当する情報がないため記載しておりません。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、当連結会計年度より、IFRS第16号「リース」(2016年1月公表)(以下、「IFRS第16号」)を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.会計方針の変更」をご参照ください。
なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来に生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しており、採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表-連結財務諸表注記-3.重要な会計方針」及び「5.重要な会計上の見積り及び見積りを行う判断」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループによる見積りのうち、のれんについては、各連結会計年度末日又は減損の兆候がある場合に、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。使用価値は、経営計画等に基づくキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎とした割引率により割引いて算定しており、経営計画の最終年度を超える期間におけるキャッシュ・フローについては、将来の不確実性を考慮し、最終年度と同水準で推移すると仮定しております。なお、企業結合で生じたのれんは、当社グループ全体を一つの資金生成単位として減損テストをしております。
当社グループの収益は、「第2 事業の状況-2事業等のリスク-2.事業環境等に関するリスク-(2)金融市場の動向による影響について-①収益構造の特徴等について」に記載のとおり、日本経済の状況の影響を大きく受け、また、流通市場や発行市場の動向は、経済環境その他様々な要因により大きく変動する場合があるため、その動向を精緻に予測することは非常に困難です。そのため、日本の景気が急速に悪化し長期間に渡って低迷した場合などには当社グループの経営計画等に基づくキャッシュ・フローの見積額が大きく減少し、のれんの減損が発生する可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
(営業収益の状況)
①取引関連収益
取引関連収益は、現物の売買代金並びに金融デリバティブ及び商品デリバティブの取引高等に応じた「取引料」、取引参加者の取引資格に応じた「基本料」、注文件数に応じた「アクセス料」、利用する売買システム施設の種類に応じた「売買システム施設利用料」等から構成されます。
当連結会計年度の取引関連収益は、前年同期並みの485億89百万円となりました。
・取引関連収益の内訳
(単位:百万円)
(注1) 日経225mini先物取引を含めております。
(注2) Weeklyオプション取引を除きます。
②清算関連収益
清算関連収益は、株式会社日本証券クリアリング機構が行う金融商品債務引受業及び株式会社日本商品清算機構が行う商品取引債務引受業に関する清算手数料等から構成されます。
当連結会計年度の清算関連収益は、前年同期比6.6%増の264億27百万円となりました。
③上場関連収益
上場関連収益は、新規上場や上場会社の新株券発行の際に発行額に応じて受領する料金等から構成される「新規・追加上場料」及び時価総額に応じて上場会社から受領する料金等から構成される「年間上場料」に区分されます。
当連結会計年度の上場関連収益は、年間上場料が増加したことなどから、前年同期比2.1%増の143億22百万円となりました。
・上場関連収益の内訳
④情報関連収益
情報関連収益は、情報ベンダー等への相場情報の提供に係る収益である相場情報料のほか、指数ビジネスに係る収益及びコーポレートアクション情報等の各種情報の提供に係る収益から構成されます。
当連結会計年度の情報関連収益は、相場情報料が増加したことに加え、指数ビジネスに係る収益が増加したことなどから、前年同期比4.5%増の219億77百万円となりました。
⑤その他の営業収益
その他の営業収益は、売買・相場報道等の各種システムと取引参加者・ユーザをつなぐarrownetに係る利用料、注文の送信時間等の短縮による売買執行の効率化を目的として、システムセンター内に取引参加者及び情報ベンダー等が機器等を設置するコロケーションサービスに係る利用料、売買システム等のサービス提供料及び株式会社東証システムサービスが行うシステム開発・運用収益等から構成されます。
当連結会計年度のその他の営業収益は、売買システム等のサービス提供料が減少したことなどから、前年同期比2.1%減の123億71百万円となりました。
・その他の営業収益の内訳
(単位:百万円)
(営業費用の状況)
当連結会計年度の人件費は、前年同期比5.6%増の175億12百万円となりました。
システム維持・運営費は、現物及びデリバティブの売買システムをはじめとした各種システムの維持及び管理運用に係る費用等から構成されます。システム維持・運営費は、前年同期比1.4%増の120億71百万円となりました。
減価償却費及び償却費は、前年同期比40.9%増の164億84百万円となりました。
その他の営業費用は、前年同期比10.5%減の124億64百万円となりました。
(3)財政状態に関する分析
(資産、負債及び資本の状況)
当社グループの資産及び負債には、株式会社日本証券クリアリング機構及び株式会社日本商品清算機構が清算機関として引き受けた「清算引受資産・負債」及び清算参加者から担保として預託を受けた「清算参加者預託金」が両建てで計上されております。「清算引受資産・負債」及び「清算参加者預託金」は、多額かつ清算参加者のポジションなどにより日々変動することから、当社グループの資産及び負債の額は、これらの変動に大きな影響を受けます。その他、金融商品取引及び商品先物取引の安全性を確保するための諸制度に基づく「信認金」、「取引参加者保証金」及び「違約損失積立金」が資産及び負債または資本に両建てで計上されております。
当連結会計年度末の資産は、「清算引受資産」が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ13兆2,168億96百万円増加し、67兆2,863億2百万円となりました。また、「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」を控除した後の資産は、前連結会計年度末に比べ193億17百万円増加し、3,788億20百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、資産と同様に「清算引受負債」が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ13兆2,029億71百万円増加し、66兆9,809億26百万円となりました。また、「清算引受負債」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「取引参加者保証金」を控除した後の負債は、前連結会計年度末に比べ55億27百万円増加し、931億44百万円となりました。
当連結会計年度末の資本は、配当金の支払により減少した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ139億24百万円増加し、3,053億75百万円となりました。また、違約損失積立金を控除した後の資本は、2,774億27百万円となりました。
<参考>
(注) 各指標における( )内は、資産合計は「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」、資本合計及び親会社所有者に帰属する持分は、「違約損失積立金」をそれぞれ控除して算出した数値です。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動のために必要な資金及び株主還元のための資金は、主に手元資金及び営業キャッシュ・フローの活用により調達しております。また、手元流動性の確保や資本コストの低減のため、必要に応じて金融機関からの借入れや社債の発行等による資金調達も活用しております。
当社グループの主要な資金需要は、システム維持・運営費や人件費などの市場運営等のための運転資金及びシステム開発のための設備投資資金などがあります。また、株主還元については、金融商品取引所グループとしての財務の健全性等に留意しつつ、業績に応じた配当を実施することを基本とし、具体的には、配当性向を60%程度とすることを目標としております。
キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要-(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(契約債務)
当連結会計年度末現在における契約債務の概要は以下のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況-2 事業等のリスク」に記載しております。
(1)業績
当社グループの当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結業績は、営業収益は1,236億88百万円(前年同期比2.1%増)、営業費用が585億32百万円(前年同期比8.2%増)となったため、営業利益は685億33百万円(前年同期比1.4%減)、税引前利益は690億95百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
また、法人所得税費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は476億9百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
当社グループROEについては、資本効率を意識した経営を行うことにより、金融商品市場の動向にかかわらず、資本コストを上回る10%を中長期的に実現することを目指しており、当連結会計年度のROEは16.3%となりました。
なお、当社は、公開買付けにより株式会社東京商品取引所及び株式会社日本商品清算機構を連結子会社としたことから、第3四半期連結会計期間より両社の損益を含んでおります(2019年10月1日から2020年3月31日までの6か月間)。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ79億92百万円増加し、718億83百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益690億95百万円に、減価償却費及び償却費164億99百万円並びに支払法人所得税等214億82百万円等を加減した結果、568億81百万円の収入となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出123億79百万円等により、94億34百万円の支出となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金359億35百万円等により、394億11百万円の支出となりました。
2.生産、受注及び販売の実績
業務の性格上、該当する情報がないため記載しておりません。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、当連結会計年度より、IFRS第16号「リース」(2016年1月公表)(以下、「IFRS第16号」)を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.会計方針の変更」をご参照ください。
なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来に生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しており、採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表-連結財務諸表注記-3.重要な会計方針」及び「5.重要な会計上の見積り及び見積りを行う判断」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループによる見積りのうち、のれんについては、各連結会計年度末日又は減損の兆候がある場合に、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。使用価値は、経営計画等に基づくキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎とした割引率により割引いて算定しており、経営計画の最終年度を超える期間におけるキャッシュ・フローについては、将来の不確実性を考慮し、最終年度と同水準で推移すると仮定しております。なお、企業結合で生じたのれんは、当社グループ全体を一つの資金生成単位として減損テストをしております。
当社グループの収益は、「第2 事業の状況-2事業等のリスク-2.事業環境等に関するリスク-(2)金融市場の動向による影響について-①収益構造の特徴等について」に記載のとおり、日本経済の状況の影響を大きく受け、また、流通市場や発行市場の動向は、経済環境その他様々な要因により大きく変動する場合があるため、その動向を精緻に予測することは非常に困難です。そのため、日本の景気が急速に悪化し長期間に渡って低迷した場合などには当社グループの経営計画等に基づくキャッシュ・フローの見積額が大きく減少し、のれんの減損が発生する可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
(営業収益の状況)
①取引関連収益
取引関連収益は、現物の売買代金並びに金融デリバティブ及び商品デリバティブの取引高等に応じた「取引料」、取引参加者の取引資格に応じた「基本料」、注文件数に応じた「アクセス料」、利用する売買システム施設の種類に応じた「売買システム施設利用料」等から構成されます。
当連結会計年度の取引関連収益は、前年同期並みの485億89百万円となりました。
・取引関連収益の内訳
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||||
増減(%) | |||||
取引関連収益 | 48,660 | 48,589 | △0.1 | ||
取引料 | 39,248 | 39,118 | △0.3 | ||
現物 | 28,084 | 25,757 | △8.3 | ||
金融デリバティブ | 11,163 | 12,255 | 9.8 | ||
TOPIX先物取引 | 2,031 | 2,254 | 11.0 | ||
日経平均株価先物取引(注1) | 4,523 | 5,101 | 12.8 | ||
日経平均株価指数オプション取引(注2) | 2,563 | 2,888 | 12.7 | ||
長期国債先物取引 | 1,945 | 1,811 | △6.9 | ||
その他 | 99 | 200 | 100.5 | ||
商品デリバティブ | - | 1,104 | - | ||
基本料 | 1,017 | 1,020 | 0.3 | ||
アクセス料 | 4,800 | 4,701 | △2.0 | ||
売買システム施設利用料 | 3,499 | 3,646 | 4.2 | ||
その他 | 95 | 101 | 6.5 |
(注1) 日経225mini先物取引を含めております。
(注2) Weeklyオプション取引を除きます。
②清算関連収益
清算関連収益は、株式会社日本証券クリアリング機構が行う金融商品債務引受業及び株式会社日本商品清算機構が行う商品取引債務引受業に関する清算手数料等から構成されます。
当連結会計年度の清算関連収益は、前年同期比6.6%増の264億27百万円となりました。
③上場関連収益
上場関連収益は、新規上場や上場会社の新株券発行の際に発行額に応じて受領する料金等から構成される「新規・追加上場料」及び時価総額に応じて上場会社から受領する料金等から構成される「年間上場料」に区分されます。
当連結会計年度の上場関連収益は、年間上場料が増加したことなどから、前年同期比2.1%増の143億22百万円となりました。
・上場関連収益の内訳
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
増減(%) | ||||
上場関連収益 | 14,025 | 14,322 | 2.1 | |
新規・追加上場料 | 3,994 | 3,965 | △0.7 | |
年間上場料 | 10,030 | 10,356 | 3.2 |
④情報関連収益
情報関連収益は、情報ベンダー等への相場情報の提供に係る収益である相場情報料のほか、指数ビジネスに係る収益及びコーポレートアクション情報等の各種情報の提供に係る収益から構成されます。
当連結会計年度の情報関連収益は、相場情報料が増加したことに加え、指数ビジネスに係る収益が増加したことなどから、前年同期比4.5%増の219億77百万円となりました。
⑤その他の営業収益
その他の営業収益は、売買・相場報道等の各種システムと取引参加者・ユーザをつなぐarrownetに係る利用料、注文の送信時間等の短縮による売買執行の効率化を目的として、システムセンター内に取引参加者及び情報ベンダー等が機器等を設置するコロケーションサービスに係る利用料、売買システム等のサービス提供料及び株式会社東証システムサービスが行うシステム開発・運用収益等から構成されます。
当連結会計年度のその他の営業収益は、売買システム等のサービス提供料が減少したことなどから、前年同期比2.1%減の123億71百万円となりました。
・その他の営業収益の内訳
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
増減(%) | ||||
その他の営業収益 | 12,630 | 12,371 | △2.1 | |
arrownet利用料 | 3,261 | 3,311 | 1.5 | |
コロケーション利用料 | 3,887 | 3,917 | 0.8 | |
その他 | 5,481 | 5,142 | △6.2 |
(営業費用の状況)
当連結会計年度の人件費は、前年同期比5.6%増の175億12百万円となりました。
システム維持・運営費は、現物及びデリバティブの売買システムをはじめとした各種システムの維持及び管理運用に係る費用等から構成されます。システム維持・運営費は、前年同期比1.4%増の120億71百万円となりました。
減価償却費及び償却費は、前年同期比40.9%増の164億84百万円となりました。
その他の営業費用は、前年同期比10.5%減の124億64百万円となりました。
(3)財政状態に関する分析
(資産、負債及び資本の状況)
当社グループの資産及び負債には、株式会社日本証券クリアリング機構及び株式会社日本商品清算機構が清算機関として引き受けた「清算引受資産・負債」及び清算参加者から担保として預託を受けた「清算参加者預託金」が両建てで計上されております。「清算引受資産・負債」及び「清算参加者預託金」は、多額かつ清算参加者のポジションなどにより日々変動することから、当社グループの資産及び負債の額は、これらの変動に大きな影響を受けます。その他、金融商品取引及び商品先物取引の安全性を確保するための諸制度に基づく「信認金」、「取引参加者保証金」及び「違約損失積立金」が資産及び負債または資本に両建てで計上されております。
当連結会計年度末の資産は、「清算引受資産」が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ13兆2,168億96百万円増加し、67兆2,863億2百万円となりました。また、「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」を控除した後の資産は、前連結会計年度末に比べ193億17百万円増加し、3,788億20百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、資産と同様に「清算引受負債」が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ13兆2,029億71百万円増加し、66兆9,809億26百万円となりました。また、「清算引受負債」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「取引参加者保証金」を控除した後の負債は、前連結会計年度末に比べ55億27百万円増加し、931億44百万円となりました。
当連結会計年度末の資本は、配当金の支払により減少した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ139億24百万円増加し、3,053億75百万円となりました。また、違約損失積立金を控除した後の資本は、2,774億27百万円となりました。
<参考>
資産合計 | 資本合計 | 親会社所有者に 帰属する持分 | 親会社所有者 帰属持分比率 | |
2020年3月期 2019年3月期 | 百万円 67,286,302 (378,820) 54,069,405 (359,502) | 百万円 305,375 (277,427) 291,450 (263,502) | 百万円 298,228 (270,280) 285,009 (257,060) | % 0.4 (71.3) 0.5 (71.5) |
親会社所有者帰属持分 当期利益率 | 資産合計 税引前利益率 | 1株当たり親会社 所有者帰属持分 | |
2020年3月期 2019年3月期 | % 16.3 (18.1) 17.6 (19.5) | % 0.1 (18.7) 0.1 (19.8) | 円 銭 556.97 (504.78) 532.10 (479.92) |
(注) 各指標における( )内は、資産合計は「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」、資本合計及び親会社所有者に帰属する持分は、「違約損失積立金」をそれぞれ控除して算出した数値です。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動のために必要な資金及び株主還元のための資金は、主に手元資金及び営業キャッシュ・フローの活用により調達しております。また、手元流動性の確保や資本コストの低減のため、必要に応じて金融機関からの借入れや社債の発行等による資金調達も活用しております。
当社グループの主要な資金需要は、システム維持・運営費や人件費などの市場運営等のための運転資金及びシステム開発のための設備投資資金などがあります。また、株主還元については、金融商品取引所グループとしての財務の健全性等に留意しつつ、業績に応じた配当を実施することを基本とし、具体的には、配当性向を60%程度とすることを目標としております。
キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要-(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(契約債務)
当連結会計年度末現在における契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円) | ||||
契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 |
借入金 | 32,500 | 32,500 | - | - |
社債 | 20,000 | - | - | 20,000 |
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況-2 事業等のリスク」に記載しております。