有価証券報告書-第17期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
対処すべき課題
当社グループは、公共性及び信頼性の確保、利便性、効率性及び透明性の高い市場基盤の構築並びに創造的かつ魅力的なサービスの提供により、市場の持続的な発展を図り、豊かな社会の実現に貢献することを企業理念としています。
当社グループは、有価証券やデリバティブの上場から、取引の場の提供、清算・決済サービスから指数・情報サービスに至るまで、日本の金融商品市場に関する一連のサービスをグループ一丸となって提供しています。
当社グループの事業が立脚する金融商品市場は、内外の経済情勢や金融政策、地政学リスクの動向など外部環境の変化によって大きな影響を受ける傾向がありますが、当社グループは、こうした外部環境に大きく左右されることなく、常に安定的に利用者の満足度が高い市場インフラを提供することを最大の経営課題と認識しております。
「第二次中期経営計画(2016年度-2018年度)」では、引き続き、市場の信頼性及び効率性の維持・強化に重点を置きつつも、新しい金融・IT技術(フィンテック)によって生じうる変化の方向性なども見据えながら、グループ連携・相互補完による市場基盤やサービスの質的向上などの重点的な取組みを強化することにより、現物市場ビジネス、デリバティブ市場ビジネス、周辺ビジネスの各々のバランスがとれたビジネスポートフォリオを有する姿の実現を中長期的に目指してまいります。
また、当社グループは、財務の安全性と株主還元のバランスをとりつつ、投資強化による企業としての成長と安定性の向上を図ると同時に、十分な財務基盤を確保することを資本政策の基本方針としています。こうした方針のもと、当社ROE*については、資本効率を意識した経営を行うことにより、金融商品市場の動向にかかわらず、資本コストを上回る10%を中長期的に実現することを目指してまいります。
* 2008年度-2012年度(統合前の合算値)の平均ROEは5%程度、2013年度-2015年度(第一次中期経営計画期間)の平均ROEは16%程度
第二次中期経営計画アップデート(2018年度事業計画)の概要
第二次中期経営計画(2016年度-2018年度)の最終年度である2018年度に向けて、現下の外部環境や想定される課題等を踏まえつつ、これまでの進捗や効果を確認しながら、計画達成に向けた仕上げの1年として、当社グループは、第二次中期経営計画をアップデートいたしました(2018年4月27日)。
① 中長期的な資産形成の活性化
投資家の多様な投資ニーズを充たすとともに、我が国における中長期的な資産形成の活性化を図る観点から、当社グループは、投資家層の裾野拡大に向けた金融リテラシー向上に関する取組みを継続的に強化してまいります。
また、成長に向けた事業領域としてデリバティブ市場の競争力の維持・強化に取り組むほか、現物市場の機能強化や、流動性向上などによるETF市場の活性化に向けた取組みを進めてまいります。
② 上場会社の価値向上
我が国の上場会社の企業価値向上を図る観点から、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組みを進めるとともに、投資家の視点を組み込んだ経営の普及や上場会社と投資家との対話の促進に向けた取組みを進めてまいります。
また、リスクマネーの安定的な供給を図る観点から、市場関係者・地域金融機関との協業などを通じた上場支援や資産形成に資する魅力ある投資商品の上場支援を進めてまいります。
③ 市場基盤の強化
当社グループは、我が国の金融商品市場の中核的なインフラとして、常に安定的に利用者の満足度が高いサービスの提供を図るため、業務・システム両面での東西相互バックアップ態勢など事業継続体制(BCP)の強化に取り組むほか、引き続きサイバーセキュリティの強化・高度化に向けた対応を進めてまいります。
また、我が国の金融資本市場の利便性の向上と国際競争力の維持・強化を図るため、市場関係者・関係機関との協力のもと、国債決済期間短縮(T+1化)及び株式決済期間短縮(T+2化)に向けた対応を着実に進めてまいります。
④ 新たな地平の開拓
当社グループは、持続可能な社会の構築に向けて、2017年12月、SSEイニシアティブ*に参画いたしました。2018年度は、ESG等の非財務情報の開示環境の整備や関連指数の開発、再生可能エネルギー発電等を対象とするインフラファンド市場の育成などの取組みを進めてまいります。
また、当社を取り巻く環境変化を着実に捉えて、市場を持続的に発展させていくため、ブロックチェーンなど新しい金融・IT技術に関する研究・開発を精力的に進めるほか、新しい技術を積極的に活用して業務の効率化を進めることに加えて、人材の継続的な育成・確保を進め、多様な人材の活躍を通じて人材基盤の強化を進めてまいります。
* Sustainable Stock Exchanges Initiative。証券取引所が投資家や上場会社などのステークホルダーと協働しながら、主体的にその取組みを検討していく活動。国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)などにより運営されています。
当社グループは、有価証券やデリバティブの上場から、取引の場の提供、清算・決済サービスから指数・情報サービスに至るまで、日本の金融商品市場に関する一連のサービスをグループ一丸となって提供しています。
当社グループの事業が立脚する金融商品市場は、内外の経済情勢や金融政策、地政学リスクの動向など外部環境の変化によって大きな影響を受ける傾向がありますが、当社グループは、こうした外部環境に大きく左右されることなく、常に安定的に利用者の満足度が高い市場インフラを提供することを最大の経営課題と認識しております。
「第二次中期経営計画(2016年度-2018年度)」では、引き続き、市場の信頼性及び効率性の維持・強化に重点を置きつつも、新しい金融・IT技術(フィンテック)によって生じうる変化の方向性なども見据えながら、グループ連携・相互補完による市場基盤やサービスの質的向上などの重点的な取組みを強化することにより、現物市場ビジネス、デリバティブ市場ビジネス、周辺ビジネスの各々のバランスがとれたビジネスポートフォリオを有する姿の実現を中長期的に目指してまいります。
また、当社グループは、財務の安全性と株主還元のバランスをとりつつ、投資強化による企業としての成長と安定性の向上を図ると同時に、十分な財務基盤を確保することを資本政策の基本方針としています。こうした方針のもと、当社ROE*については、資本効率を意識した経営を行うことにより、金融商品市場の動向にかかわらず、資本コストを上回る10%を中長期的に実現することを目指してまいります。
* 2008年度-2012年度(統合前の合算値)の平均ROEは5%程度、2013年度-2015年度(第一次中期経営計画期間)の平均ROEは16%程度
第二次中期経営計画アップデート(2018年度事業計画)の概要
第二次中期経営計画(2016年度-2018年度)の最終年度である2018年度に向けて、現下の外部環境や想定される課題等を踏まえつつ、これまでの進捗や効果を確認しながら、計画達成に向けた仕上げの1年として、当社グループは、第二次中期経営計画をアップデートいたしました(2018年4月27日)。
① 中長期的な資産形成の活性化
投資家の多様な投資ニーズを充たすとともに、我が国における中長期的な資産形成の活性化を図る観点から、当社グループは、投資家層の裾野拡大に向けた金融リテラシー向上に関する取組みを継続的に強化してまいります。
また、成長に向けた事業領域としてデリバティブ市場の競争力の維持・強化に取り組むほか、現物市場の機能強化や、流動性向上などによるETF市場の活性化に向けた取組みを進めてまいります。
② 上場会社の価値向上
我が国の上場会社の企業価値向上を図る観点から、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組みを進めるとともに、投資家の視点を組み込んだ経営の普及や上場会社と投資家との対話の促進に向けた取組みを進めてまいります。
また、リスクマネーの安定的な供給を図る観点から、市場関係者・地域金融機関との協業などを通じた上場支援や資産形成に資する魅力ある投資商品の上場支援を進めてまいります。
③ 市場基盤の強化
当社グループは、我が国の金融商品市場の中核的なインフラとして、常に安定的に利用者の満足度が高いサービスの提供を図るため、業務・システム両面での東西相互バックアップ態勢など事業継続体制(BCP)の強化に取り組むほか、引き続きサイバーセキュリティの強化・高度化に向けた対応を進めてまいります。
また、我が国の金融資本市場の利便性の向上と国際競争力の維持・強化を図るため、市場関係者・関係機関との協力のもと、国債決済期間短縮(T+1化)及び株式決済期間短縮(T+2化)に向けた対応を着実に進めてまいります。
④ 新たな地平の開拓
当社グループは、持続可能な社会の構築に向けて、2017年12月、SSEイニシアティブ*に参画いたしました。2018年度は、ESG等の非財務情報の開示環境の整備や関連指数の開発、再生可能エネルギー発電等を対象とするインフラファンド市場の育成などの取組みを進めてまいります。
また、当社を取り巻く環境変化を着実に捉えて、市場を持続的に発展させていくため、ブロックチェーンなど新しい金融・IT技術に関する研究・開発を精力的に進めるほか、新しい技術を積極的に活用して業務の効率化を進めることに加えて、人材の継続的な育成・確保を進め、多様な人材の活躍を通じて人材基盤の強化を進めてまいります。
* Sustainable Stock Exchanges Initiative。証券取引所が投資家や上場会社などのステークホルダーと協働しながら、主体的にその取組みを検討していく活動。国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)などにより運営されています。