有価証券報告書-第8期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、不安定な政治情勢や金融市場動向による影響が懸念されたものの、米国や欧州を中心とした景気回復を背景に総じて堅調に推移いたしました。
わが国経済も、このような世界経済のもとで、企業収益や雇用・所得環境等の改善が続いたことなどから、緩やかに回復いたしました。
損害保険業界におきましては、このような経済動向を反映して保険料収入が増加したものの、国内の台風や北米におけるハリケーンなど自然災害の影響を受け、厳しい収支状況となりました。
このような中、当社は、2014年度から2017年度までを対象とする4か年の中期経営計画「AD Next Challenge 2017」の総仕上げの年を迎え、「明るく元気な社員がお客さまを全力でサポートする会社」をスローガンに「特色ある個性豊かな会社」の実現を掲げ、「地域ごとの個性発揮に向けた全社での自主・自立運営の強化」「部門横断プロジェクトを中心とした特色あるビジネスモデルの構築」等に取り組んでまいりました。
機能別再編につきましては、グループ全体での成長と効率化の実現に向けて、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社、三井住友海上火災保険株式会社及び三井住友海上あいおい生命保険株式会社との間において、損害サービス機能の共同化、第三分野長期契約の移行、本社機能の集約・再編などの取組みを推進いたしました。
当期の具体的な事業の経過及び成果等は、以下のとおりであります。
まず、営業態勢につきましては、全国一律の施策展開から各地域の部支店が自ら考え、判断し、実行することでの個性発揮に軸足を移すべく、「自主・自立」運営体制を構築してまいりました。
損害サービスにつきましては、お客さま一人ひとりのニーズにお応えできるよう、営業時間外となる夜間・休日でも営業時間内と同様、当社の社員による事故対応サービスを実施する「24時間365日事故対応サービス」に取り組んでまいりました。また、「全力サポート品質」の追求に向け、ドローンを活用した大規模災害や広域風雪災の損害調査を開始し、必要な場所を効率的に調査することで保険金お支払いまでの時間短縮に繋げてまいりました。
また、当社では、2016年度より社会の変化と将来を見据えた対応として「テレマティクス※1」「地方創生」「ICT」「風土革新」の4つの部門横断プロジェクトを推進してまいりました。これに加え、2017年度は新たに「ニューリスク」プロジェクト※2を発足させ、既存概念にとらわれない新たな視点でのマーケット創出・商品開発を目指しております。
まず、テレマティクスプロジェクトにつきましては、最新のテレマティクス技術を活用し、危険運転時等に注意喚起を行うことで高齢者の安全運転をサポートするとともに、離れて暮らす家族等に高齢者の運転状況をお知らせすることができる「タフ・見守るクルマの保険」の販売を開始いたしました。また、テレマティクス技術で取得した走行データに基づき、毎月の安全運転の度合いを保険料に反映することができる国内初のテレマティクス自動車保険「タフ・つながるクルマの保険」を開発いたしました。
地方創生プロジェクトにつきましては、各地域の地方創生取組みの支援を行っており、2018年3月末時点で140の地方公共団体との連携協定締結が決定しております。また、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が運営する「平成29年度 地方創生に資する金融機関等の『特徴的な取組事例』」に「観光事業振興に向けたオープンイノベーション・イベントの開催、医療機関からの取引信用保険の引受」の取組みが認定され、内閣府特命担当大臣(地方創生担当)から表彰されました。
ICTプロジェクトにつきましては、2016年度より開始している人工知能技術を活用した照会応答業務システム「教えてNAVI♪」の運用を代理店・扱者へ拡大いたしました。自動車保険の商品及び代理店システムに関する代理店・扱者の疑問がいつでも照会可能となることから、営業店・代理店の業務効率化、ひいてはより迅速な対応を可能とすることでお客さま満足度の向上に繋げてまいります。
風土革新プロジェクトにつきましては、「働き方改革」に重点を置き、毎月いずれかの金曜日に15時退社することを社員へ推奨・推進する「MY プレミアムフライデー」の導入や全国の社員が本社への出張時等に業務利用できるサテライトスペース「ebi-ステーション」の設置等、ワークライフバランスの推進に向けた取組みを実施してまいりました。
また、仕事と子育ての両立支援取組みとして、損保業界初の試みとなる企業主導型保育施設の利用を開始いたしました。企業主導型保育施設のメリットを最大限に生かし、社員の多様な働き方に柔軟に対応していくとともに、今後も女性が活躍できる環境整備を進めてまいります。
これらの取組みが評価され、(公財)日本生産性本部ワークライフバランス推進会議が主催する「第10回~働く個人を応援する~ ワークライフバランス大賞」において、保険業界で初めて「大賞」を受賞し、2018年5月に表彰されました。
2017年度より開始しましたニューリスクプロジェクトにつきましては、社会環境の変化に伴って発現する新しいリスクに対応する商品・サービス開発等を行ってまいりました。とりわけ、ニーズが拡大しているサイバーリスクにつきましては、商品の開発及び契約の引受に関する体制強化を目的として新たに「サイバー保険室」を設置するとともに、他企業との提携拡大を通じて、リスク診断や事故後の対応等に関するサービスの拡充に努めてまいりました。
企業の社会的責任に関する取組みにつきましては、国際連合が掲げるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を含めた社会的課題の解決に向けて、事故の防止、安心・安全な社会の構築に資する商品・サービスの提供、ベルマーク収集活動をはじめとした東日本大震災・熊本地震の被災地支援や障がい者スポーツ支援等の社会貢献活動に積極的に取り組んでまいりました。
※1 「テレコミュニケーション」と「インフォマティクス」を組み合わせた造語。カーナビゲーションやGPS等と移動体通信システムを利用して、さまざまな情報やサービスを提供するもの
※2 技術革新・マーケットの変化を先取りした新たな商品・サービスの開発とリスクテイク手法・販売手法の構築に取り組むこと
このような中、当連結会計年度の経営成績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が1兆3,396億円、資産運用収益が626億円、その他経常収益が113億円となった結果、
1兆4,137億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆1,486億円、資産運用費用が91億円、営業費及び一般管理費が2,038億円、その他経常費用が42億円となった結果、1兆3,660億円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ240億円減少し、477億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億円増加し、487億円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆2,653億円、資産運用収益が610億円、その他経常収益が89億円となった結果、1兆3,352億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆871億円、資産運用費用が578億円、営業費及び一般管理費が1,827億円、その他経常費用が18億円となった結果、1兆3,296億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ695億円減少し、56億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ347億円減少し、156億円となりました。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントについては、正味収入保険料は前連結会計年度に比べ60億円増加し、662億円となりました。
経常損益は、前連結会計年度に比べ4億円改善したものの、54億円の損失となり、出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は前連結会計年度に比べ100億円減少し、150億円の損失となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、 前連結会計年度末に比べ419億円増加し、3兆6,068億円となりました。
当社の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べ69.4ポイント低下し、803.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ210億円減少し、934億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ238億円増加し、△100億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ730億円減少し、△1,083億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より236億円減少し、1,923億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
損害保険業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本項に記載した予想、予測、見込み、見通し、方針、予定等の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準及び諸法令に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から実際の結果とは異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の事項を会計上特に重要な見積りと考えております。
イ 時価の算定方法
資産・負債の一部は時価をもって貸借対照表価額としており、時価の算定は市場価格等に基づいております。一部のデリバティブ取引において市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローの現在価値や取引対象の市場価格、契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価格を時価としております。
ロ 有価証券の減損
保有している有価証券については、市場の価格変動等のリスクを負っており、価値の下落が著しくかつ一時的でないと判断した場合に減損処理を行っております。将来において市場価格が下落した場合等には減損処理が必要となる可能性があります。
ハ 固定資産の減損
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合又は不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ニ 繰延税金資産
繰延税金資産は将来の課税所得の見積り等を踏まえ、回収可能性に問題がないと判断した金額を計上することとしております。ただし、将来の市場環境や経営成績が著しく変化し、将来の課税所得の見積りに大きな変化が生じた場合や、税制改正により税率の変更が生じた場合等には、繰延税金資産の金額が変動する可能性があります。
ホ 貸倒引当金
貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備え、回収不能見込額を計上しております。このため、将来、貸付先等の債務者の財政状態が変化した場合等には、貸倒引当金の必要額も変動する可能性があります。
ヘ 支払備金
支払備金は、保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等のうち、まだ支出として計上していないものについては、個別の損害ごとの見積額を、また、まだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認められるものについては、過去のデータに基づき算定した見積額を計上しております。これらの見積りは、当連結会計年度末時点における情報に基づいて行っておりますが、将来においてインフレや為替の影響、さらには裁判の判例などの動向等により支払備金の必要額が変動する可能性があります。
ト 責任準備金等
責任準備金等は、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため積み立てているものであります。当初想定した環境や条件が変化した場合等には、責任準備金等の必要額が変動する可能性があります。
チ 退職給付債務等
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率等の見込数値である基礎率に基づいて算出されております。このため、見込数値が実際と異なった場合、あるいは前提条件が変更された場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
[連結主要指標]
正味収入保険料は、当社において火災保険で増収したことを主因に、前連結会計年度に比べ260億円増加し、
1兆2,928億円となりました。
経常利益は、国内の台風や北米におけるハリケーンなどの自然災害の発生保険金(正味支払保険金と支払備金繰入額の合計)が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ240億円減少し、477億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億円増加し、487億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
c 正味支払保険金
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
運用資産及び有価証券の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
b 有価証券
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
当社(単体)の経営成績は次のとおりとなりました。
[当社(単体)の主要指標]
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
保険引受の概況は次のとおりであります。
正味収入保険料は、火災保険で増収したことなどにより、前事業年度に比べ214億円増加し、1兆2,220億円となりました。
一方、正味支払保険金は、国内外の自然災害による支払が増加したことを要因に火災保険で増加したことなどにより、前事業年度に比べ120億円増加し、6,606億円となりました。以上により、正味損害率は59.2%と、前事業年度に比べ0.1ポイント上昇しました。また、保険引受に係る営業費及び一般管理費が減少したことにより、正味事業費率は33.4%と、前事業年度に比べ0.1ポイント低下しました。
これらに収入積立保険料、満期返戻金、支払備金繰入額、責任準備金繰入額などを加減した保険引受利益は、国内の台風や北米におけるハリケーンなどの自然災害の発生保険金(正味支払保険金と支払備金繰入額の合計)が増加したことなどから、前事業年度に比べ346億円減少し、48億円となりました。
資産運用の概況は次のとおりであります。
利息及び配当金収入が前事業年度に比べ30億円増加し584億円となり、また、有価証券売却益が前事業年度に比べ53億円増加し187億円となったことなどから、積立型保険の満期返戻金などに充当する運用益を控除した残額の資産運用収益は、前事業年度に比べ89億円増加し、610億円となりました。一方、資産運用費用は、有価証券評価損が前事業年度に比べ441億円増加したことなどから、前事業年度に比べ434億円増加し、578億円となりました。
これらの結果、経常利益は、前事業年度に比べ695億円減少し、56億円となりました。当期純利益は、価格変動準備金の戻入による特別利益の増加などがあり前事業年度に比べ347億円減少し、156億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 正味支払保険金
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.正味損害率は正味支払保険金に損害調査費を加えて算出しております。
運用資産、有価証券、利回り及び海外投融資の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
b 有価証券
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.収入金額は、損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。
3.平均運用額は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン及び買入金銭債権については日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
資産運用利回り(実現利回り)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.資産運用損益(実現ベース)は、損益計算書における「資産運用収益」及び「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額であります。
3.平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン及び買入金銭債権については日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
4.資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりであります。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増減額を加減算した金額であります。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る前期末評価差額(税効果控除前の金額による)及び売買目的有価証券に係る前期末評価損益を加減算した金額であります。
d 海外投融資
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.金銭の信託として運用しているものを含めて表示しております。
3.「海外投融資利回り」のうち「運用資産利回り(インカム利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 運用資産利回り(インカム利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
4.「海外投融資利回り」のうち「資産運用利回り(実現利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 資産運用利回り(実現利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
なお、海外投融資に係る時価総合利回りは前事業年度△0.92%、当事業年度△6.02%であります。
5.前事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託62,255百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託47,327百万円であります。
当事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託67,432百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託49,978百万円であります。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントの経営成績は次のとおりとなりました。
[海外保険子会社の主要指標]
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.セグメント損失は出資持分考慮後の当期純損失に相当する金額であります。
正味収入保険料は、前連結会計年度に比べ60億円増加し、662億円となりました。
経常損益は、前連結会計年度に比べ4億円改善したものの、54億円の損失となりました。出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は、減損損失を計上したことなどにより前連結会計年度に比べ100億円減少し、150億円の損失となりました。
当社のソルベンシー・マージン比率の状況は、以下のとおりであります。
保険会社は、保険金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。この「通常の予測を超える危険」を示す「リスクの合計額」(以下の各表の(B))に対する「資本金・準備金等の支払余力」(すなわちソルベンシー・マージン総額:以下の各表の(A))の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「ソルベンシー・マージン比率」(以下の各表の(C))であります。
ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
イ 単体ソルベンシー・マージン比率
(注)「単体ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条及び第87条並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出された比率であります。
ロ 連結ソルベンシー・マージン比率
(注)「連結ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条の2及び第88条並びに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出された比率であります。
配当金の支払い及び第2回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)を期限前償還したことによるソルベンシー・マージン総額の減少を主因として、当事業年度末の単体ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて67.6ポイント低下し、784.0%となり、当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は前連結会計年度末に比べて69.4ポイント低下し、803.7%となりました。
資本の財源及び資金の流動性は、次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ210億円減少し、934億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ238億円増加し、△100億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ730億円減少し、△1,083億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より236億円減少し、1,923億円となりました。
資金の流動性につきましては、保険金等の支払いによる資金流出や市場の混乱等により資金繰りが悪化する場合に備え、流動性資産を十分に保有するとともに、資金の流出入の動向を踏まえて資産・負債両面から流動性についての評価を行い、適切な資金繰りを行っております。
また、長期的な投資資金等に対しては、自己資金を活用するほか、社債の発行による外部からの資金調達を行っております。
③ 目標とする経営指標等の分析等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標に関し、正味収入保険料は、火災保険で増収したことなどににより、1兆2,220億円と前事業年度に比べ、1.8%の増加となりました。正味損害率は、国内の台風や北米におけるハリケーンなどの自然災害の発生などにより、59.2%と前事業年度に比べ、0.1ポイントの上昇となりました。正味事業費率は、保険引受に係る営業費及び一般管理費が減少したことにより、33.4%と前事業年度に比べ、0.1ポイントの低下となりました。
④ 中長期的な経営戦略
当社では、MS&ADインシュアランスグループの中期経営計画「Vision 2021」を踏まえ、2018~2021年度の4か年の中期経営計画「AD Vision 2021」を策定しています。
当社のスローガンである「特色ある個性豊かな会社」の確立に向けて前・中期経営計画「AD Next Challenge」で構築した基盤・取組みを発展させ、先進性・多様性・地域密着を追求し、環境変化に迅速に対応できる態勢を目指す姿とし、下図の取組みを行ってまいります。また、持てる力と個性を最大限発揮し、明るく元気な社員がお客さまを全力でサポートしてまいります。
⑤ 問題認識と今後の方針について
問題認識と今後の方針は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおりであります。
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、不安定な政治情勢や金融市場動向による影響が懸念されたものの、米国や欧州を中心とした景気回復を背景に総じて堅調に推移いたしました。
わが国経済も、このような世界経済のもとで、企業収益や雇用・所得環境等の改善が続いたことなどから、緩やかに回復いたしました。
損害保険業界におきましては、このような経済動向を反映して保険料収入が増加したものの、国内の台風や北米におけるハリケーンなど自然災害の影響を受け、厳しい収支状況となりました。
このような中、当社は、2014年度から2017年度までを対象とする4か年の中期経営計画「AD Next Challenge 2017」の総仕上げの年を迎え、「明るく元気な社員がお客さまを全力でサポートする会社」をスローガンに「特色ある個性豊かな会社」の実現を掲げ、「地域ごとの個性発揮に向けた全社での自主・自立運営の強化」「部門横断プロジェクトを中心とした特色あるビジネスモデルの構築」等に取り組んでまいりました。
機能別再編につきましては、グループ全体での成長と効率化の実現に向けて、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社、三井住友海上火災保険株式会社及び三井住友海上あいおい生命保険株式会社との間において、損害サービス機能の共同化、第三分野長期契約の移行、本社機能の集約・再編などの取組みを推進いたしました。
当期の具体的な事業の経過及び成果等は、以下のとおりであります。
まず、営業態勢につきましては、全国一律の施策展開から各地域の部支店が自ら考え、判断し、実行することでの個性発揮に軸足を移すべく、「自主・自立」運営体制を構築してまいりました。
損害サービスにつきましては、お客さま一人ひとりのニーズにお応えできるよう、営業時間外となる夜間・休日でも営業時間内と同様、当社の社員による事故対応サービスを実施する「24時間365日事故対応サービス」に取り組んでまいりました。また、「全力サポート品質」の追求に向け、ドローンを活用した大規模災害や広域風雪災の損害調査を開始し、必要な場所を効率的に調査することで保険金お支払いまでの時間短縮に繋げてまいりました。
また、当社では、2016年度より社会の変化と将来を見据えた対応として「テレマティクス※1」「地方創生」「ICT」「風土革新」の4つの部門横断プロジェクトを推進してまいりました。これに加え、2017年度は新たに「ニューリスク」プロジェクト※2を発足させ、既存概念にとらわれない新たな視点でのマーケット創出・商品開発を目指しております。
まず、テレマティクスプロジェクトにつきましては、最新のテレマティクス技術を活用し、危険運転時等に注意喚起を行うことで高齢者の安全運転をサポートするとともに、離れて暮らす家族等に高齢者の運転状況をお知らせすることができる「タフ・見守るクルマの保険」の販売を開始いたしました。また、テレマティクス技術で取得した走行データに基づき、毎月の安全運転の度合いを保険料に反映することができる国内初のテレマティクス自動車保険「タフ・つながるクルマの保険」を開発いたしました。
地方創生プロジェクトにつきましては、各地域の地方創生取組みの支援を行っており、2018年3月末時点で140の地方公共団体との連携協定締結が決定しております。また、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が運営する「平成29年度 地方創生に資する金融機関等の『特徴的な取組事例』」に「観光事業振興に向けたオープンイノベーション・イベントの開催、医療機関からの取引信用保険の引受」の取組みが認定され、内閣府特命担当大臣(地方創生担当)から表彰されました。
ICTプロジェクトにつきましては、2016年度より開始している人工知能技術を活用した照会応答業務システム「教えてNAVI♪」の運用を代理店・扱者へ拡大いたしました。自動車保険の商品及び代理店システムに関する代理店・扱者の疑問がいつでも照会可能となることから、営業店・代理店の業務効率化、ひいてはより迅速な対応を可能とすることでお客さま満足度の向上に繋げてまいります。
風土革新プロジェクトにつきましては、「働き方改革」に重点を置き、毎月いずれかの金曜日に15時退社することを社員へ推奨・推進する「MY プレミアムフライデー」の導入や全国の社員が本社への出張時等に業務利用できるサテライトスペース「ebi-ステーション」の設置等、ワークライフバランスの推進に向けた取組みを実施してまいりました。
また、仕事と子育ての両立支援取組みとして、損保業界初の試みとなる企業主導型保育施設の利用を開始いたしました。企業主導型保育施設のメリットを最大限に生かし、社員の多様な働き方に柔軟に対応していくとともに、今後も女性が活躍できる環境整備を進めてまいります。
これらの取組みが評価され、(公財)日本生産性本部ワークライフバランス推進会議が主催する「第10回~働く個人を応援する~ ワークライフバランス大賞」において、保険業界で初めて「大賞」を受賞し、2018年5月に表彰されました。
2017年度より開始しましたニューリスクプロジェクトにつきましては、社会環境の変化に伴って発現する新しいリスクに対応する商品・サービス開発等を行ってまいりました。とりわけ、ニーズが拡大しているサイバーリスクにつきましては、商品の開発及び契約の引受に関する体制強化を目的として新たに「サイバー保険室」を設置するとともに、他企業との提携拡大を通じて、リスク診断や事故後の対応等に関するサービスの拡充に努めてまいりました。
企業の社会的責任に関する取組みにつきましては、国際連合が掲げるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を含めた社会的課題の解決に向けて、事故の防止、安心・安全な社会の構築に資する商品・サービスの提供、ベルマーク収集活動をはじめとした東日本大震災・熊本地震の被災地支援や障がい者スポーツ支援等の社会貢献活動に積極的に取り組んでまいりました。
※1 「テレコミュニケーション」と「インフォマティクス」を組み合わせた造語。カーナビゲーションやGPS等と移動体通信システムを利用して、さまざまな情報やサービスを提供するもの
※2 技術革新・マーケットの変化を先取りした新たな商品・サービスの開発とリスクテイク手法・販売手法の構築に取り組むこと
このような中、当連結会計年度の経営成績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が1兆3,396億円、資産運用収益が626億円、その他経常収益が113億円となった結果、
1兆4,137億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆1,486億円、資産運用費用が91億円、営業費及び一般管理費が2,038億円、その他経常費用が42億円となった結果、1兆3,660億円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ240億円減少し、477億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億円増加し、487億円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆2,653億円、資産運用収益が610億円、その他経常収益が89億円となった結果、1兆3,352億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆871億円、資産運用費用が578億円、営業費及び一般管理費が1,827億円、その他経常費用が18億円となった結果、1兆3,296億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ695億円減少し、56億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ347億円減少し、156億円となりました。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントについては、正味収入保険料は前連結会計年度に比べ60億円増加し、662億円となりました。
経常損益は、前連結会計年度に比べ4億円改善したものの、54億円の損失となり、出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は前連結会計年度に比べ100億円減少し、150億円の損失となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、 前連結会計年度末に比べ419億円増加し、3兆6,068億円となりました。
当社の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べ69.4ポイント低下し、803.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ210億円減少し、934億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ238億円増加し、△100億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ730億円減少し、△1,083億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より236億円減少し、1,923億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
損害保険業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本項に記載した予想、予測、見込み、見通し、方針、予定等の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準及び諸法令に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から実際の結果とは異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の事項を会計上特に重要な見積りと考えております。
イ 時価の算定方法
資産・負債の一部は時価をもって貸借対照表価額としており、時価の算定は市場価格等に基づいております。一部のデリバティブ取引において市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローの現在価値や取引対象の市場価格、契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価格を時価としております。
ロ 有価証券の減損
保有している有価証券については、市場の価格変動等のリスクを負っており、価値の下落が著しくかつ一時的でないと判断した場合に減損処理を行っております。将来において市場価格が下落した場合等には減損処理が必要となる可能性があります。
ハ 固定資産の減損
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合又は不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ニ 繰延税金資産
繰延税金資産は将来の課税所得の見積り等を踏まえ、回収可能性に問題がないと判断した金額を計上することとしております。ただし、将来の市場環境や経営成績が著しく変化し、将来の課税所得の見積りに大きな変化が生じた場合や、税制改正により税率の変更が生じた場合等には、繰延税金資産の金額が変動する可能性があります。
ホ 貸倒引当金
貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備え、回収不能見込額を計上しております。このため、将来、貸付先等の債務者の財政状態が変化した場合等には、貸倒引当金の必要額も変動する可能性があります。
ヘ 支払備金
支払備金は、保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等のうち、まだ支出として計上していないものについては、個別の損害ごとの見積額を、また、まだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認められるものについては、過去のデータに基づき算定した見積額を計上しております。これらの見積りは、当連結会計年度末時点における情報に基づいて行っておりますが、将来においてインフレや為替の影響、さらには裁判の判例などの動向等により支払備金の必要額が変動する可能性があります。
ト 責任準備金等
責任準備金等は、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため積み立てているものであります。当初想定した環境や条件が変化した場合等には、責任準備金等の必要額が変動する可能性があります。
チ 退職給付債務等
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率等の見込数値である基礎率に基づいて算出されております。このため、見込数値が実際と異なった場合、あるいは前提条件が変更された場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
[連結主要指標]
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 比較増減 | 増減率 | ||
正味収入保険料 | (百万円) | 1,266,872 | 1,292,878 | 26,006 | 2.1% |
経常利益 | (百万円) | 71,771 | 47,709 | △24,062 | △33.5% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | 48,538 | 48,743 | 204 | 0.4% |
正味収入保険料は、当社において火災保険で増収したことを主因に、前連結会計年度に比べ260億円増加し、
1兆2,928億円となりました。
経常利益は、国内の台風や北米におけるハリケーンなどの自然災害の発生保険金(正味支払保険金と支払備金繰入額の合計)が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ240億円減少し、477億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億円増加し、487億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
区分 | 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | |
火災 | 198,633 | 14.5 | △18.1 | 206,125 | 15.1 | 3.8 |
海上 | 1,030 | 0.1 | 1.6 | 619 | 0.0 | △39.9 |
傷害 | 88,000 | 6.4 | △1.7 | 86,453 | 6.3 | △1.8 |
自動車 | 716,226 | 52.4 | 0.7 | 723,557 | 52.9 | 1.0 |
自動車損害賠償責任 | 188,016 | 13.8 | 2.2 | 175,292 | 12.8 | △6.8 |
その他 | 175,281 | 12.8 | 6.6 | 175,822 | 12.9 | 0.3 |
合計 | 1,367,190 | 100.0 | △1.8 | 1,367,871 | 100.0 | 0.0 |
(うち収入積立保険料) | (28,506) | (2.1) | (△9.5) | (26,278) | (1.9) | (△7.8) |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
区分 | 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | |
火災 | 153,468 | 12.1 | △8.6 | 174,856 | 13.5 | 13.9 |
海上 | 5,589 | 0.5 | △5.7 | 7,627 | 0.6 | 36.5 |
傷害 | 63,026 | 5.0 | △2.8 | 62,939 | 4.9 | △0.1 |
自動車 | 730,150 | 57.6 | 0.6 | 741,296 | 57.3 | 1.5 |
自動車損害賠償責任 | 168,739 | 13.3 | △1.1 | 167,059 | 12.9 | △1.0 |
その他 | 145,897 | 11.5 | 15.0 | 139,098 | 10.8 | △4.7 |
合計 | 1,266,872 | 100.0 | 0.4 | 1,292,878 | 100.0 | 2.1 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
c 正味支払保険金
区分 | 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | |
火災 | 82,673 | 12.1 | △1.7 | 100,648 | 14.4 | 21.7 |
海上 | 2,886 | 0.4 | 8.2 | 3,823 | 0.5 | 32.4 |
傷害 | 27,838 | 4.1 | △9.3 | 27,439 | 3.9 | △1.4 |
自動車 | 375,305 | 54.8 | 0.5 | 388,894 | 55.6 | 3.6 |
自動車損害賠償責任 | 121,135 | 17.7 | △1.3 | 117,437 | 16.8 | △3.1 |
その他 | 75,090 | 10.9 | 22.7 | 61,337 | 8.8 | △18.3 |
合計 | 684,929 | 100.0 | 1.5 | 699,579 | 100.0 | 2.1 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
運用資産及び有価証券の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
区分 | 前連結会計年度 (2017年3月31日) | 当連結会計年度 (2018年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
預貯金 | 215,259 | 6.0 | 210,091 | 5.8 |
コールローン | 15,000 | 0.4 | - | - |
金銭の信託 | 2,502 | 0.1 | 2,383 | 0.1 |
有価証券 | 2,540,566 | 71.3 | 2,613,455 | 72.5 |
貸付金 | 210,917 | 5.9 | 200,051 | 5.5 |
土地・建物 | 163,723 | 4.6 | 159,704 | 4.4 |
運用資産計 | 3,147,970 | 88.3 | 3,185,685 | 88.3 |
総資産 | 3,564,896 | 100.0 | 3,606,887 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
b 有価証券
区分 | 前連結会計年度 (2017年3月31日) | 当連結会計年度 (2018年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
国債 | 670,598 | 26.4 | 640,924 | 24.5 |
地方債 | 20,726 | 0.8 | 21,152 | 0.8 |
社債 | 279,472 | 11.0 | 263,257 | 10.1 |
株式 | 840,336 | 33.1 | 921,595 | 35.3 |
外国証券 | 673,555 | 26.5 | 701,533 | 26.8 |
その他の証券 | 55,876 | 2.2 | 64,991 | 2.5 |
合計 | 2,540,566 | 100.0 | 2,613,455 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
当社(単体)の経営成績は次のとおりとなりました。
[当社(単体)の主要指標]
前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 比較増減 | 増減率 | ||
正味収入保険料 | (百万円) | 1,200,525 | 1,222,017 | 21,491 | 1.8% |
正味損害率 | (%) | 59.1 | 59.2 | 0.1 | - |
正味事業費率 | (%) | 33.5 | 33.4 | △0.1 | - |
保険引受利益 | (百万円) | 39,531 | 4,843 | △34,688 | △87.7% |
経常利益 | (百万円) | 75,188 | 5,616 | △69,571 | △92.5% |
当期純利益 | (百万円) | 50,391 | 15,620 | △34,770 | △69.0% |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
保険引受の概況は次のとおりであります。
正味収入保険料は、火災保険で増収したことなどにより、前事業年度に比べ214億円増加し、1兆2,220億円となりました。
一方、正味支払保険金は、国内外の自然災害による支払が増加したことを要因に火災保険で増加したことなどにより、前事業年度に比べ120億円増加し、6,606億円となりました。以上により、正味損害率は59.2%と、前事業年度に比べ0.1ポイント上昇しました。また、保険引受に係る営業費及び一般管理費が減少したことにより、正味事業費率は33.4%と、前事業年度に比べ0.1ポイント低下しました。
これらに収入積立保険料、満期返戻金、支払備金繰入額、責任準備金繰入額などを加減した保険引受利益は、国内の台風や北米におけるハリケーンなどの自然災害の発生保険金(正味支払保険金と支払備金繰入額の合計)が増加したことなどから、前事業年度に比べ346億円減少し、48億円となりました。
資産運用の概況は次のとおりであります。
利息及び配当金収入が前事業年度に比べ30億円増加し584億円となり、また、有価証券売却益が前事業年度に比べ53億円増加し187億円となったことなどから、積立型保険の満期返戻金などに充当する運用益を控除した残額の資産運用収益は、前事業年度に比べ89億円増加し、610億円となりました。一方、資産運用費用は、有価証券評価損が前事業年度に比べ441億円増加したことなどから、前事業年度に比べ434億円増加し、578億円となりました。
これらの結果、経常利益は、前事業年度に比べ695億円減少し、56億円となりました。当期純利益は、価格変動準備金の戻入による特別利益の増加などがあり前事業年度に比べ347億円減少し、156億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
区分 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | |
火災 | 196,377 | 15.4 | △18.2 | 203,742 | 16.1 | 3.8 |
海上 | △12 | △0.0 | - | △49 | △0.0 | - |
傷害 | 86,299 | 6.8 | △1.9 | 84,344 | 6.7 | △2.3 |
自動車 | 661,950 | 51.9 | 0.4 | 661,310 | 52.1 | △0.1 |
自動車損害賠償責任 | 188,016 | 14.8 | 2.2 | 175,292 | 13.8 | △6.8 |
その他 | 141,531 | 11.1 | 8.5 | 143,834 | 11.3 | 1.6 |
合計 | 1,274,162 | 100.0 | △2.1 | 1,268,474 | 100.0 | △0.4 |
(うち収入積立保険料) | (28,506) | (2.2) | (△9.5) | (26,278) | (2.1) | (△7.8) |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
区分 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | |
火災 | 153,080 | 12.7 | △8.7 | 174,465 | 14.3 | 14.0 |
海上 | 5,465 | 0.5 | △5.2 | 7,488 | 0.6 | 37.0 |
傷害 | 61,401 | 5.1 | △3.4 | 61,321 | 5.0 | △0.1 |
自動車 | 680,449 | 56.7 | 1.3 | 684,078 | 56.0 | 0.5 |
自動車損害賠償責任 | 168,739 | 14.1 | △1.1 | 167,059 | 13.7 | △1.0 |
その他 | 131,390 | 10.9 | 16.7 | 127,603 | 10.4 | △2.9 |
合計 | 1,200,525 | 100.0 | 0.7 | 1,222,017 | 100.0 | 1.8 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 正味支払保険金
区分 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
金額 (百万円) | 対前年増減 (△)率(%) | 正味損害率 (%) | 金額 (百万円) | 対前年増減 (△)率(%) | 正味損害率 (%) | |
火災 | 82,244 | △1.1 | 56.2 | 100,262 | 21.9 | 59.8 |
海上 | 2,616 | 4.7 | 48.0 | 3,596 | 37.4 | 48.2 |
傷害 | 27,216 | △10.4 | 48.6 | 26,648 | △2.1 | 47.8 |
自動車 | 345,786 | △1.2 | 56.8 | 355,610 | 2.8 | 58.2 |
自動車損害賠償責任 | 121,135 | △1.3 | 77.9 | 117,437 | △3.1 | 76.3 |
その他 | 69,618 | 23.5 | 55.6 | 57,144 | △17.9 | 47.6 |
合計 | 648,618 | 0.6 | 59.1 | 660,699 | 1.9 | 59.2 |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.正味損害率は正味支払保険金に損害調査費を加えて算出しております。
運用資産、有価証券、利回り及び海外投融資の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
区分 | 前事業年度 (2017年3月31日) | 当事業年度 (2018年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
預貯金 | 172,302 | 4.9 | 165,083 | 4.7 |
コールローン | 15,000 | 0.4 | - | - |
金銭の信託 | 2,502 | 0.1 | 2,383 | 0.1 |
有価証券 | 2,577,087 | 73.7 | 2,597,124 | 74.5 |
貸付金 | 210,917 | 6.0 | 200,051 | 5.7 |
土地・建物 | 163,422 | 4.7 | 159,453 | 4.6 |
運用資産計 | 3,141,232 | 89.8 | 3,124,095 | 89.6 |
総資産 | 3,498,264 | 100.0 | 3,486,669 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
b 有価証券
区分 | 前事業年度 (2017年3月31日) | 当事業年度 (2018年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
国債 | 670,598 | 26.0 | 640,924 | 24.7 |
地方債 | 20,726 | 0.8 | 21,152 | 0.8 |
社債 | 279,472 | 10.9 | 263,257 | 10.1 |
株式 | 843,368 | 32.7 | 922,714 | 35.5 |
外国証券 | 707,044 | 27.4 | 684,083 | 26.4 |
その他の証券 | 55,876 | 2.2 | 64,991 | 2.5 |
合計 | 2,577,087 | 100.0 | 2,597,124 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
区分 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | |
預貯金 | 136 | 162,143 | 0.08 | 118 | 156,080 | 0.08 |
コールローン | 0 | 939 | 0.01 | 0 | 742 | 0.01 |
買入金銭債権 | 0 | 29 | 1.53 | - | - | - |
金銭の信託 | 1 | 2,426 | 0.05 | 2 | 2,428 | 0.10 |
有価証券 | 47,848 | 2,047,078 | 2.34 | 50,713 | 2,092,004 | 2.42 |
貸付金 | 2,677 | 215,083 | 1.24 | 2,343 | 204,128 | 1.15 |
土地・建物 | 4,495 | 168,195 | 2.67 | 4,620 | 161,740 | 2.86 |
小計 | 55,159 | 2,595,896 | 2.12 | 57,798 | 2,617,124 | 2.21 |
その他 | 250 | - | - | 703 | - | - |
合計 | 55,410 | - | - | 58,501 | - | - |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.収入金額は、損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。
3.平均運用額は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン及び買入金銭債権については日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
資産運用利回り(実現利回り)
区分 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
資産運用損益(実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益(実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
預貯金 | 9 | 162,143 | 0.01 | △377 | 156,080 | △0.24 |
コールローン | 0 | 939 | 0.01 | 0 | 742 | 0.01 |
買入金銭債権 | 0 | 29 | 1.53 | - | - | - |
金銭の信託 | 1 | 2,426 | 0.05 | 2 | 2,428 | 0.10 |
有価証券 | 51,412 | 2,047,078 | 2.51 | 16,104 | 2,092,004 | 0.77 |
貸付金 | 2,692 | 215,083 | 1.25 | 2,357 | 204,128 | 1.15 |
土地・建物 | 4,495 | 168,195 | 2.67 | 4,620 | 161,740 | 2.86 |
金融派生商品 | △4,102 | - | - | △3,572 | - | - |
その他 | 475 | - | - | 736 | - | - |
合計 | 54,984 | 2,595,896 | 2.12 | 19,871 | 2,617,124 | 0.76 |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.資産運用損益(実現ベース)は、損益計算書における「資産運用収益」及び「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額であります。
3.平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン及び買入金銭債権については日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
4.資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりであります。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増減額を加減算した金額であります。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る前期末評価差額(税効果控除前の金額による)及び売買目的有価証券に係る前期末評価損益を加減算した金額であります。
区分 | 前事業年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||||
資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
預貯金 | 9 | 162,143 | 0.01 | △377 | 156,080 | △0.24 |
コールローン | 0 | 939 | 0.01 | 0 | 742 | 0.01 |
買入金銭債権 | △0 | 29 | △0.16 | - | - | - |
金銭の信託 | △8 | 2,512 | △0.35 | △119 | 2,504 | △4.79 |
有価証券 | 82,996 | 2,521,505 | 3.29 | 89,475 | 2,598,014 | 3.44 |
貸付金 | 2,692 | 215,083 | 1.25 | 2,357 | 204,128 | 1.15 |
土地・建物 | 4,495 | 168,195 | 2.67 | 4,620 | 161,740 | 2.86 |
金融派生商品 | △4,102 | - | - | △3,572 | - | - |
その他 | 475 | - | - | 736 | - | - |
合計 | 86,558 | 3,070,408 | 2.82 | 93,119 | 3,123,210 | 2.98 |
d 海外投融資
区分 | 前事業年度 (2017年3月31日) | 当事業年度 (2018年3月31日) | ||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | |
外貨建 | ||||
外国公社債 | 468,636 | 65.1 | 484,319 | 69.6 |
外国株式 | 96,141 | 13.3 | 55,942 | 8.0 |
その他 | 84,146 | 11.7 | 88,476 | 12.7 |
計 | 648,925 | 90.1 | 628,738 | 90.3 |
円貨建 | ||||
外国公社債 | 19,965 | 2.8 | 14,414 | 2.1 |
その他 | 50,994 | 7.1 | 53,221 | 7.6 |
計 | 70,959 | 9.9 | 67,636 | 9.7 |
合計 | 719,884 | 100.0 | 696,375 | 100.0 |
海外投融資利回り 運用資産利回り(インカム利回り)(%) 資産運用利回り(実現利回り) (%) | 2.73 1.51 | 2.57 △3.99 |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.金銭の信託として運用しているものを含めて表示しております。
3.「海外投融資利回り」のうち「運用資産利回り(インカム利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 運用資産利回り(インカム利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
4.「海外投融資利回り」のうち「資産運用利回り(実現利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 資産運用利回り(実現利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
なお、海外投融資に係る時価総合利回りは前事業年度△0.92%、当事業年度△6.02%であります。
5.前事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託62,255百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託47,327百万円であります。
当事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託67,432百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託49,978百万円であります。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントの経営成績は次のとおりとなりました。
[海外保険子会社の主要指標]
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 比較増減 | 増減率 | ||
正味収入保険料 | (百万円) | 60,243 | 66,292 | 6,048 | 10.0% |
経常損失(△) | (百万円) | △5,931 | △5,445 | 486 | - |
セグメント損失(△) | (百万円) | △5,076 | △15,078 | △10,001 | - |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.セグメント損失は出資持分考慮後の当期純損失に相当する金額であります。
正味収入保険料は、前連結会計年度に比べ60億円増加し、662億円となりました。
経常損益は、前連結会計年度に比べ4億円改善したものの、54億円の損失となりました。出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は、減損損失を計上したことなどにより前連結会計年度に比べ100億円減少し、150億円の損失となりました。
当社のソルベンシー・マージン比率の状況は、以下のとおりであります。
保険会社は、保険金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。この「通常の予測を超える危険」を示す「リスクの合計額」(以下の各表の(B))に対する「資本金・準備金等の支払余力」(すなわちソルベンシー・マージン総額:以下の各表の(A))の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「ソルベンシー・マージン比率」(以下の各表の(C))であります。
ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
イ 単体ソルベンシー・マージン比率
前事業年度 (2017年3月31日) (百万円) | 当事業年度 (2018年3月31日) (百万円) | ||||
(A) | ソルベンシー・マージン総額 | 1,332,714 | 1,268,359 | ||
(B) | リスクの合計額 | 312,981 | 323,538 | ||
(C) | ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 | 851.6 | % | 784.0 | % |
(注)「単体ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条及び第87条並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出された比率であります。
ロ 連結ソルベンシー・マージン比率
前連結会計年度 (2017年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (2018年3月31日) (百万円) | ||
(A) | ソルベンシー・マージン総額 | 1,305,152 | 1,284,815 |
(B) | リスクの合計額 | 298,961 | 319,689 |
(C) | ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 | 873.1% | 803.7% |
(注)「連結ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条の2及び第88条並びに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出された比率であります。
配当金の支払い及び第2回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)を期限前償還したことによるソルベンシー・マージン総額の減少を主因として、当事業年度末の単体ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて67.6ポイント低下し、784.0%となり、当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は前連結会計年度末に比べて69.4ポイント低下し、803.7%となりました。
資本の財源及び資金の流動性は、次のとおりであります。
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 比較増減 | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 114,477 | 93,444 | △21,033 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △33,921 | △10,094 | 23,827 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △35,252 | △108,331 | △73,078 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (百万円) | 216,068 | 192,396 | △23,672 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ210億円減少し、934億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ238億円増加し、△100億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ730億円減少し、△1,083億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より236億円減少し、1,923億円となりました。
資金の流動性につきましては、保険金等の支払いによる資金流出や市場の混乱等により資金繰りが悪化する場合に備え、流動性資産を十分に保有するとともに、資金の流出入の動向を踏まえて資産・負債両面から流動性についての評価を行い、適切な資金繰りを行っております。
また、長期的な投資資金等に対しては、自己資金を活用するほか、社債の発行による外部からの資金調達を行っております。
③ 目標とする経営指標等の分析等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標に関し、正味収入保険料は、火災保険で増収したことなどににより、1兆2,220億円と前事業年度に比べ、1.8%の増加となりました。正味損害率は、国内の台風や北米におけるハリケーンなどの自然災害の発生などにより、59.2%と前事業年度に比べ、0.1ポイントの上昇となりました。正味事業費率は、保険引受に係る営業費及び一般管理費が減少したことにより、33.4%と前事業年度に比べ、0.1ポイントの低下となりました。
④ 中長期的な経営戦略
当社では、MS&ADインシュアランスグループの中期経営計画「Vision 2021」を踏まえ、2018~2021年度の4か年の中期経営計画「AD Vision 2021」を策定しています。
当社のスローガンである「特色ある個性豊かな会社」の確立に向けて前・中期経営計画「AD Next Challenge」で構築した基盤・取組みを発展させ、先進性・多様性・地域密着を追求し、環境変化に迅速に対応できる態勢を目指す姿とし、下図の取組みを行ってまいります。また、持てる力と個性を最大限発揮し、明るく元気な社員がお客さまを全力でサポートしてまいります。
⑤ 問題認識と今後の方針について
問題認識と今後の方針は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおりであります。