訂正有価証券報告書-第15期(2024/04/01-2025/03/31)
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、米国においては、個人消費や設備投資の増加等を背景に拡大基調で推移し、欧州においては、一部に足踏みがみられたものの物価上昇の鈍化等を背景に個人消費が回復するなど景気持ち直しの動きが見られました。また、日本においては、物価上昇等の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善に伴い個人消費に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかに回復しました。
このような中、当社は中期経営計画(2022-2025)の第2ステージ(2024~2025年度)を迎えましたが、中期経営計画の基本戦略であるCSV×DX※1の推進は継続すると同時に、「お客さま一人ひとりからの信頼回復、その先にあるゲームチェンジの実現」に向けて各課題に取り組みました。さらに、企業保険分野における保険料調整行為等の発生を踏まえ、CSV×DXを中心とした当社の「信頼回復ストーリー」を実現していくため、業務改善計画に沿って全社員で企業革新に取り組みました。
中期経営計画(2022-2025)第2ステージ計画取組み
当社では、MS&ADインシュアランスグループの中期経営計画を踏まえ、2024年度から2025年度の第2ステージ計画に取り組んでおります。
グループが掲げるミッション・ビジョン・バリューおよびグループの目指す姿を踏まえ、CSV×DXを推進し、基本戦略(先進性・多様性・地域密着の進展、サステナビリティへの取組強化、既存事業の進展)、グループシナジー発揮(1プラットフォーム戦略の推進等)、経営基盤の強化に取り組むことにより、当社が目指す姿として掲げる「CSV×DXを通じて、お客さま・地域・社会の未来を支えつづける」企業を実現していきます。
また、お客さま・社会からの信頼回復に向け「生まれ変わる、戦い方を変える」ため、「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)への原点回帰」「選択と集中」「保険引受事業のサステナブル化」「新たな収益基盤構築」を第2ステージにおける重要課題と位置付けて、取組みを実行しました。
コンプライアンスの徹底・ガバナンスの強化
当社を含む複数の国内保険会社におきまして、保険代理店及び保険代理店への出向社員に起因する保険会社間の情報漏えいが発覚しました。当社では、徹底した調査を行い、事実関係、対応方針、発生原因及び再発防止策等について公表しました。この情報漏えい行為に関して当社は、2025年3月、金融庁より保険業法に基づく業務改善命令を受けました。
また、当社は企業保険分野における保険料調整行為に関して、2024年10月、公正取引委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。
当社は、かかる事態に至ったことを厳粛に受け止め、社会やお客さまからの信頼を回復すべく、経営管理体制の強化・コンプライアンスの徹底に取り組んでまいります。
当期における主な取組みの経過及び成果は、以下のとおりです。
(国内保険事業)
当社は、経済的損失に備える「補償」という保険本来の機能に加え、事故・災害に対しDXを活用して“未然に防ぐ”、“影響を減らし回復を支援する”「保険が持つ新たな価値の提供」を強化し、商品・サービスのラインアップを拡充しました。「保険が持つ新たな価値の提供」のサービス例として、近年気候変動等の影響により増加する降雹被害への対策の一環で、お客さまへ降雹の危険を事前に知らせるアラートサービスの提供を開始しました。
また、お客さま・社会への価値提供を軸とした営業活動の更なる加速により、国内のテレマティクス自動車保険※2の保有台数は200万台を超えました。
当社の国内保険事業における主な取組内容は、以下のとおりです。
(海外保険事業)
当社では、とりわけトヨタリテール事業※3の持続的成長に向け、アンダーライティングを強化し収益改善取組を進めました。当期は、欧州における収益性の低い事業からの撤退を含めた選択と集中を着実に進めた効果もあり、前期を上回る収益を上げました。
(部門横断プロジェクト)
当社では、急激な環境変化に対し、組織の垣根を越え迅速・柔軟に対応するため、「お客さまに向き合う変革」「地方創生」「DX事業化」「未来戦略創造」の4つの部門横断プロジェクトに取り組みました。
お客さまに向き合う変革プロジェクトにつきましては、お客さまからの信頼を回復するとともに、当社独自のビジネスモデル構築を目指し様々な変革に取り組んでいます。
お客さまからの信頼回復のため、営業成績の対価を目的とした出向の廃止、保険契約の獲得やシェアの維持・拡大等を目的とした過度な便宜供与の解消等の取組みを行うことで、適正な競争実施のための環境整備を進めています。
また、トップライン目標を中心とした結果重視から、お客さまへの提供価値につながるプロセスを重視した評価制度やマネジメントへの変革も進めています。従来の評価・表彰制度はトップライン目標達成が入賞の必須要件となっていましたが、この入賞要件を廃止し、評価項目もプロセス評価の割合を大幅に拡大しました。部支店マネジメントについては、従来の単年度経営計画に加え、中期経営計画の策定を必須化し、各部支店が中長期的に目指す姿に向けた取組計画を立てる運用へ変更しました。
当社独自のビジネスモデル構築に向け、ともにお客さまに向き合う「パートナー」である代理店・扱者との適切な関係構築も進めています。今年度は、全ての代理店・扱者と目指す姿や課題の共有、どのようにお客さまへ価値提供していくか等を対話しました。対話の結果、多くの代理店・扱者が、当社とともに「CSV×DX」に取り組むことを宣言し、社会・地域課題解決に取り組んでいます。
また、社員がよりお客さまに向き合う時間を創出するため、本社からの通知発信量を前年度比3分の1に削減するとともに、対外対応を求める発信は原則月初に集約するなど、業務運営の見直しも実施しました。これらの取組みを通じ、当社が目指す「CSV×DX」に関連する活動は前年同期比で倍増するなど、お客さま・社会への価値提供を軸とした活動が進展しています。
今後も当社のパートナーである代理店・扱者とともに、CSV×DXの提供価値をお客さまに届けきることで選ばれ続ける会社を目指し、変革に取り組んでまいります。
地方創生プロジェクトにつきましては、各地域の地方創生取組の支援を継続して実施し、地方公共団体との連携協定数は累計で528となりました(2025年1月現在)。2024年度は、これまで培った「CSV×DX・地方創生SDGs」取組を通じた、お客さまからの信頼回復・収益拡大の実現を方針として掲げ、「CSV×DX・地方創生SDGs」を理解・実践できる社員・代理店の人財育成を強化し、真のパートナーとの地域・社会課題解決取組を基盤とした当社独自のビジネスモデルの確立に向け、プロジェクトを推進しました。
その結果、本取組に共感・共鳴する代理店とのCSV×DXを活かした支援メニュー(SDGs、カーボンニュートラル、テレマティクス、自然災害、企業労務リスク等)の活用が進み、課題解決に向けた共同取組は累計4,700回を超えるなど、一層進展しました(2025年1月現在)。
引き続き、地方創生SDGs取組とCSV×DX商品・サービスの推進を通じて、社会・地域・企業の課題解決を支援し、お客さまからの信頼回復と収益拡大の同時実現に向け取組んでまいります。
DX事業化プロジェクトにつきましては、将来の社会や地域の課題を解決するために、新しいビジネスモデルを確立し、「保険にとらわれない新しい事業の創出」を目指しています。
具体的には、交通・移動のビッグデータとしてテレマティクス自動車保険の自動車走行・運転挙動などを活用した事業を展開しています。走行データや運転行動を分析し、交通量や急減速の発生率を可視化した「テレマティクス交通安全マップ」、交通安全対策を支援する「交通安全EBPM※4支援サービス」、路面の損傷箇所を可視化し、道路の維持管理業務をサポートする「路面状況把握システム」、最先端プライバシー保護技術を活用し安全性・有用性の高いテレマティクスデータを自治体や事業者に提供する「ADテレマアナリティクス」などを展開しています。
2024年度の特徴的な取組みとして、東京都の「東京データプラットフォーム令和6年度ケーススタディ事業」に採択され、交通データを活用したまちづくりを進めています。この取組みでは、自動車の走行データや電動アシスト自転車、キックボードのデータを組み合わせて渋谷区の交通動態を可視化し、自治体や民間企業を交えた施策の効果検証を行うことで、安全・快適・便利なまちづくりの実現を目指しています。
また、次世代マイクロモビリティのシェアリング事業を行うBRJ株式会社と提携し、地方公共団体への共同展開を進めています。マイクロモビリティに関する正しい交通ルールの教育・啓発を目的に、一般社団法人「多様なモビリティの安全性向上推進協会」を設立し、安全で安心なマイクロモビリティの普及に向けた取組みを始めています。
このプロジェクトを通じて、お客さまの安全で安心な生活に貢献し、「保険事業」に次ぐ新たな収益基盤の確立に取り組んでいます。
未来戦略創造プロジェクトにつきましては、2022年秋に当社出資先のオックスフォード大学のAIベンチャーであるMind Foundry社との間で共同研究所「Aioi R&D Lab-Oxford」を設立し、同研究所をハブにCSV×DX取組をグローバルで進めています。
具体的な取組みとしては、自然災害時に住宅修理や保険金請求手続き代行を勧誘し、不当な手数料を請求する業者からお客さまを保護するため、「トラブル懸念業者の介入可能性が高い保険金請求事案を早期に検知するAIシステム」を開発し運用開始しました。また、近年、世界中で大きな課題となっている環境や生物多様性の維持・向上の対策の1つとして、当社とAioi R&D Lab-Oxford、そして自然・環境に関する企業の意思決定を支援する英国 Natural Capital Research 社は、自然資本・生物多様性にかかる事業リスクを分析する「自然資本・生物多様性リスク開示支援ツール」の共同研究開発を行っており、2024年12月には試用版の開発を完了しました。
また、Aioi R&D Lab-Oxfordと当社が自動車修理費の不正請求撲滅に向けて共同開発した「AIを活用した不正検知システム」が、Charlton media group主催のInsurance Asia Awards 2024※5で、健全かつ安定的な損害保険制度の運営を目指した先進的な取組みであると評価を受け「Domestic General Insurer of the Year -Japan※6」「Claims Initiative of the Year -Japan※7」の2部門での受賞を果たしました。
今後もMind Foundry社のAI開発力をはじめとした、各ベンチャー企業のノウハウや知見、及びオックスフォード大学の著名な教授陣からのアドバイスを活かし、プロジェクトを通じて、「社会課題の解決」「保険の新たな価値創造」の実現に向け取り組んでまいります。
※1 CSV(Creating Shared Value)×DX(Digital Transformation)とは…CSV(社会との共通価値の創造)に、DX(デジタルトランスフォーメーション)を掛け合わせることによって、お客さま・地域・社会とともによりよい未来を実現することで、持続的成長と企業価値向上を実現する取組み
※2 テレマティクス自動車保険とは…カーナビゲーションやGPS等と移動体通信システムを利用して、さまざまな情報やサービスを提供する自動車保険。当社においては、個人向けの「タフ・つながるクルマの保険」、「タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型)」、「タフ・見守るクルマの保険NexT」、「タフ・見守るクルマの保険プラスS」の4商品及び法人向けにも同様の商品を販売している
※3 トヨタリテール事業とは…トヨタ車等の自動車販売や金融等のサービス提供に付随した自動車保険や延長保証などの保険の引受やサービスの提供
※4 EBPMとは…Evidence-Based Policy Making(証拠に基づく政策立案)の略。政府にて推進されており、政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータの活用が求められている
※5 Insurance Asia Awards 2024とは…大手ビジネスメディアグループ「Charlton media group」主催のイベントで、アジア太平洋地域で権威のある保険業界アワードであり、保険会社や再保険会社、ブローカーにおいて、優れた商品・サービス・取組みを表彰対象としている
※6 Domestic General Insurer of the Year – Japanとは…日本国内の保険会社において、直面した課題を解決するために革新的な取組みを行った企業に贈られる賞
※7 Claims Initiative of the Year – Japanとは…日本国内の保険会社の損害サービス部門において、革新性や保険業へのインパクト、社会の変化に対応するダイナミズムの点で優れたプロジェクトに贈られる賞
このような中、当連結会計年度の経営成績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が1兆6,464億円、資産運用収益が1,920億円、その他経常収益が166億円となった結果、
1兆8,551億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆4,143億円、資産運用費用が499億円、営業費及び一般管理費が2,407億円、その他経常費用が127億円となった結果、1兆7,177億円となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ639億円増加し、1,374億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ527億円増加し、1,040億円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆5,166億円、資産運用収益が1,861億円、その他経常収益が72億円となった結果、1兆7,100億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆3,209億円、資産運用費用が494億円、営業費及び一般管理費が1,965億円、その他経常費用が30億円となった結果、1兆5,699億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ610億円増加し、1,401億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ526億円増加し、1,087億円となりました。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントについては、正味収入保険料は前連結会計年度に比べ322億円増加し、1,353億円となりました。
経常損益は前連結会計年度に比べ37億円改善したものの、11億円の損失となりました。出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は前連結会計年度に比べ9億円改善したものの、30億円の損失となりました。
当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。
総資産は前連結会計年度末に比べ3,930億円減少し、3兆8,523億円となりました。
当社の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べ36.4ポイント低下し、762.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ28億円増加し、428億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ161億円増加し、396億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,658億円減少し、△1,786億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より907億円減少し、2,456億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
損害保険業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本項に記載した予想、予測、見込み、見通し、方針、予定等の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。
[連結主要指標]
正味収入保険料は、当社において火災保険や自動車保険で増収し、海外事業においても増収したことにより、前連結会計年度に比べ930億円増加し、1兆5,656億円となりました。
経常利益は、当社や海外事業で増益となったことにより、前連結会計年度に比べ639億円増加し、1,374億円となりました。
経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ527億円増加し、1,040億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
c 正味支払保険金
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
運用資産及び有価証券の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
b 有価証券
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
当社(単体)の経営成績は次のとおりとなりました。
[当社(単体)の主要指標]
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料
3.正味事業費率=(諸手数料及び集金費+保険引受に係る営業費及び一般管理費)÷正味収入保険料
保険引受の概況は次のとおりであります。
正味収入保険料は、火災保険や自動車保険で増収したことなどにより前事業年度に比べ613億円増加し、1兆4,303億円となりました。一方、正味支払保険金は、火災保険で減少したものの、自動車保険で増加したことなどにより前事業年度に比べ391億円増加し、8,659億円となりました。以上により、正味損害率は66.6%と、前事業年度に比べ0.2ポイント上昇しました。また、正味収入保険料が増加したことにより、正味事業費率は33.7%と、前事業年度に比べ0.5ポイント低下しました。
これらに収入積立保険料、満期返戻金、支払備金繰入額、責任準備金戻入額などを加減した保険引受利益は、前事業年度に比べ466億円増加し、134億円となりました。
資産運用の概況は次のとおりであります。
有価証券売却益が前事業年度に比べ28億円減少し1,115億円となったものの、利息及び配当金収入が前事業年度に比べ160億円増加し896億円となったことなどから、積立型保険の満期返戻金などに充当する運用益を控除した残額の資産運用収益は、前事業年度に比べ103億円増加し、1,861億円となりました。一方、資産運用費用は、有価証券売却損が減少したことなどにより前事業年度に比べ57億円減少し、494億円となりました。
これらの結果、経常利益は前事業年度に比べ610億円増加し、1,401億円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ526億円増加し、1,087億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 正味支払保険金
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.正味損害率は正味支払保険金に損害調査費を加えて算出しております。
運用資産、有価証券、利回り及び海外投融資の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
b 有価証券
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.収入金額は、損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。
3.平均運用額は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
資産運用利回り(実現利回り)
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.資産運用損益(実現ベース)は、損益計算書における「資産運用収益」及び「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額であります。
3.平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
4.資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりであります。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る評価差額(税効果控除前の金額による。)の当期増減額を加減算した金額であります。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る前期末評価差額(税効果控除前の金額による。)を加減算した金額であります。
d 海外投融資
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.金銭の信託として運用しているものを含めて表示しております。
3.「海外投融資利回り」のうち「運用資産利回り(インカム利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 運用資産利回り(インカム利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
4.「海外投融資利回り」のうち「資産運用利回り(実現利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 資産運用利回り(実現利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
なお、海外投融資に係る時価総合利回りは前事業年度11.61%、当事業年度2.86%であります。
5.前事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託286,438百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託35,878百万円であります。
当事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託373,996百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託28,134百万円であります。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外事業につきましては、とりわけトヨタリテール事業の持続的成長に向け、アンダーライティングを強化し収益改善取組みを進めました。欧州における収益性の低い事業からの撤退を含めた選択と集中を着実に進めた効果もあり、前期を上回る収益を上げました。
海外保険子会社セグメントの経営成績は次のとおりとなりました。
[海外保険子会社の主要指標]
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.セグメント損益は出資持分考慮後の当期純損益に相当する金額であります。
正味収入保険料は、前連結会計年度に比べ322億円増加し、1,353億円となりました。
経常損益は前連結会計年度に比べ37億円改善したものの、11億円の損失となりました。出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は前連結会計年度に比べ9億円改善したものの、30億円の損失となりました。
当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。
総資産は前連結会計年度末に比べ3,930億円減少し、3兆8,523億円となりました。主な総資産の内訳は、有価証券が2兆5,671億円(前連結会計年度末比3,046億円減少)、現金及び預貯金が2,893億円(同852億円減少)であります。
当社のソルベンシー・マージン比率の状況は、以下のとおりであります。
保険会社は、保険金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。この「通常の予測を超える危険」を示す「リスクの合計額」(以下の各表の(B))に対する「資本金・準備金等の支払余力」(すなわちソルベンシー・マージン総額:以下の各表の(A))の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「ソルベンシー・マージン比率」(以下の各表の(C))であります。
ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
イ 単体ソルベンシー・マージン比率
(注)「単体ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条及び第87条並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出された比率であります。
ロ 連結ソルベンシー・マージン比率
(注)「連結ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条の2及び第88条並びに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出された比率であります。
国内株式の時価下落に伴いその他有価証券の評価差額が減少したことを主因に、当事業年度末の単体ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて23.1ポイント低下し、757.2%となり、当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は前連結会計年度末に比べて36.4ポイント低下し、762.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ28億円増加し、428億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ161億円増加し、396億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額や社債の償還による支出が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ1,658億円減少し、△1,786億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より907億円減少し、2,456億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。
成長投資をはじめとする長期的な投資資金等に対しては、主に営業活動と投資活動から得た資金及び内部留保による自己資金を活用するほか、社債の発行による外部からの資金調達を行っております。
また、資金の流動性につきましては、大規模自然災害時に保険金の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する場合に備え、流動性資産を十分に保有するとともに、資金の流出入の動向を踏まえて資産・負債両面から流動性についての評価を行い、適切な資金繰りを行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準及び諸法令に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から実際の結果とは異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の事項を会計上の重要な見積りと考えております。
イ 時価の算定方法
資産・負債の一部は時価をもって貸借対照表価額としており、時価の算定は市場価格等に基づいております。一部のデリバティブ取引において市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローの現在価値や取引対象の市場価格、契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価格を時価としております。
ロ 有価証券の減損
保有している有価証券については、市場の価格変動等のリスクを負っており、価値の下落が著しくかつ一時的でないと判断した場合に減損処理を行っております。将来において市場価格が下落した場合等には減損処理が必要となる可能性があります。
ハ 固定資産の減損
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。したがって、固定資産の使用方法を変更した場合又は不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ニ 繰延税金資産
繰延税金資産は将来の課税所得の見積り等を踏まえ、回収可能性に問題がないと判断した金額を計上することとしております。ただし、将来の市場環境や経営成績が著しく変化し、将来の課税所得の見積りに大きな変化が生じた場合や、税制改正により税率の変更が生じた場合等には、繰延税金資産の金額が変動する可能性があります。
ホ 貸倒引当金
貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備え、回収不能見込額を計上しております。このため、将来、貸付先等の債務者の財政状態が変化した場合等には、貸倒引当金の必要額も変動する可能性があります。
ヘ 支払備金
支払備金は、保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等のうち、まだ支出として計上していないものについては、個別の損害ごとの見積額を、また、まだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認められるものについては、過去のデータに基づき算定した見積額を計上しております。これらの見積りは、当連結会計年度末時点における情報に基づいて行っておりますが、損害調査の進展、将来においてインフレや為替の影響、さらには裁判の判例などの動向等により支払備金の必要額が変動する可能性があります。
ト 責任準備金等
責任準備金等は、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため積み立てているものであります。当初想定した環境や条件が変化した場合等には、責任準備金等の必要額が変動する可能性があります。
チ 退職給付債務等
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率等の見込数値である基礎率に基づいて算出されております。このため、見込数値が実際と異なった場合、あるいは前提条件が変更された場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、上記のうち「ヘ 支払備金」については、関連する事項を「第5 経理の状況」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。
④ 目標とする経営指標等の分析等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標に関し、正味収入保険料は、火災保険や自動車保険で増収したことなどにより、1兆4,303億円と前事業年度に比べ、4.5%の増加となりました。正味損害率は、火災保険で減少したものの、自動車保険の支払が増加したことなどにより、66.6%と前事業年度に比べ、0.2ポイントの上昇となりました。正味事業費率は、正味収入保険料が増加したことにより、33.7%と前事業年度に比べ、0.5ポイントの低下となりました。
⑤ 問題認識と今後の方針について
問題認識と今後の方針は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、米国においては、個人消費や設備投資の増加等を背景に拡大基調で推移し、欧州においては、一部に足踏みがみられたものの物価上昇の鈍化等を背景に個人消費が回復するなど景気持ち直しの動きが見られました。また、日本においては、物価上昇等の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善に伴い個人消費に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかに回復しました。
このような中、当社は中期経営計画(2022-2025)の第2ステージ(2024~2025年度)を迎えましたが、中期経営計画の基本戦略であるCSV×DX※1の推進は継続すると同時に、「お客さま一人ひとりからの信頼回復、その先にあるゲームチェンジの実現」に向けて各課題に取り組みました。さらに、企業保険分野における保険料調整行為等の発生を踏まえ、CSV×DXを中心とした当社の「信頼回復ストーリー」を実現していくため、業務改善計画に沿って全社員で企業革新に取り組みました。
中期経営計画(2022-2025)第2ステージ計画取組み
当社では、MS&ADインシュアランスグループの中期経営計画を踏まえ、2024年度から2025年度の第2ステージ計画に取り組んでおります。
グループが掲げるミッション・ビジョン・バリューおよびグループの目指す姿を踏まえ、CSV×DXを推進し、基本戦略(先進性・多様性・地域密着の進展、サステナビリティへの取組強化、既存事業の進展)、グループシナジー発揮(1プラットフォーム戦略の推進等)、経営基盤の強化に取り組むことにより、当社が目指す姿として掲げる「CSV×DXを通じて、お客さま・地域・社会の未来を支えつづける」企業を実現していきます。
また、お客さま・社会からの信頼回復に向け「生まれ変わる、戦い方を変える」ため、「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)への原点回帰」「選択と集中」「保険引受事業のサステナブル化」「新たな収益基盤構築」を第2ステージにおける重要課題と位置付けて、取組みを実行しました。
コンプライアンスの徹底・ガバナンスの強化
当社を含む複数の国内保険会社におきまして、保険代理店及び保険代理店への出向社員に起因する保険会社間の情報漏えいが発覚しました。当社では、徹底した調査を行い、事実関係、対応方針、発生原因及び再発防止策等について公表しました。この情報漏えい行為に関して当社は、2025年3月、金融庁より保険業法に基づく業務改善命令を受けました。
また、当社は企業保険分野における保険料調整行為に関して、2024年10月、公正取引委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。
当社は、かかる事態に至ったことを厳粛に受け止め、社会やお客さまからの信頼を回復すべく、経営管理体制の強化・コンプライアンスの徹底に取り組んでまいります。
当期における主な取組みの経過及び成果は、以下のとおりです。
(国内保険事業)
当社は、経済的損失に備える「補償」という保険本来の機能に加え、事故・災害に対しDXを活用して“未然に防ぐ”、“影響を減らし回復を支援する”「保険が持つ新たな価値の提供」を強化し、商品・サービスのラインアップを拡充しました。「保険が持つ新たな価値の提供」のサービス例として、近年気候変動等の影響により増加する降雹被害への対策の一環で、お客さまへ降雹の危険を事前に知らせるアラートサービスの提供を開始しました。
また、お客さま・社会への価値提供を軸とした営業活動の更なる加速により、国内のテレマティクス自動車保険※2の保有台数は200万台を超えました。
当社の国内保険事業における主な取組内容は、以下のとおりです。
| 雹災被害復旧スキーム | 大規模雹災発生時の保険金支払い迅速化のため、被害車両の損害確認を自動化する「ヘイルスキャナー」及び修理期間を大幅に短縮できる補修技術「デント補修」を活用した雹災被害復旧スキームを構築しました。 |
| サイバーリスク取引先診断サービス | 大企業の関係会社や取引先を一括で診断し、サイバーリスクを可視化して月次や四半期ごとに提供するサービスを開始しました。 |
| ライドシェア事業者向け自動車保険「移動支援サービス事業用自動車保険特約」 | ライドシェアの一部解禁に合わせ、一般ドライバーの自家用持込み車両等を包括して補償する「移動支援サービス事業用自動車保険特約」を開発し、運行管理を担うライドシェア事業者に対して販売を開始しました。 |
| 個人向け火災保険「建物省エネ化費用特約」 | 住宅が全焼・全壊して再築等を行う際に、省エネルギー基準に適合させるための追加費用を補償する「建物省エネ化費用特約」を業界で初めて開発し、個人向け火災保険の特約として販売を開始しました。 |
(海外保険事業)
当社では、とりわけトヨタリテール事業※3の持続的成長に向け、アンダーライティングを強化し収益改善取組を進めました。当期は、欧州における収益性の低い事業からの撤退を含めた選択と集中を着実に進めた効果もあり、前期を上回る収益を上げました。
(部門横断プロジェクト)
当社では、急激な環境変化に対し、組織の垣根を越え迅速・柔軟に対応するため、「お客さまに向き合う変革」「地方創生」「DX事業化」「未来戦略創造」の4つの部門横断プロジェクトに取り組みました。
お客さまに向き合う変革プロジェクトにつきましては、お客さまからの信頼を回復するとともに、当社独自のビジネスモデル構築を目指し様々な変革に取り組んでいます。
お客さまからの信頼回復のため、営業成績の対価を目的とした出向の廃止、保険契約の獲得やシェアの維持・拡大等を目的とした過度な便宜供与の解消等の取組みを行うことで、適正な競争実施のための環境整備を進めています。
また、トップライン目標を中心とした結果重視から、お客さまへの提供価値につながるプロセスを重視した評価制度やマネジメントへの変革も進めています。従来の評価・表彰制度はトップライン目標達成が入賞の必須要件となっていましたが、この入賞要件を廃止し、評価項目もプロセス評価の割合を大幅に拡大しました。部支店マネジメントについては、従来の単年度経営計画に加え、中期経営計画の策定を必須化し、各部支店が中長期的に目指す姿に向けた取組計画を立てる運用へ変更しました。
当社独自のビジネスモデル構築に向け、ともにお客さまに向き合う「パートナー」である代理店・扱者との適切な関係構築も進めています。今年度は、全ての代理店・扱者と目指す姿や課題の共有、どのようにお客さまへ価値提供していくか等を対話しました。対話の結果、多くの代理店・扱者が、当社とともに「CSV×DX」に取り組むことを宣言し、社会・地域課題解決に取り組んでいます。
また、社員がよりお客さまに向き合う時間を創出するため、本社からの通知発信量を前年度比3分の1に削減するとともに、対外対応を求める発信は原則月初に集約するなど、業務運営の見直しも実施しました。これらの取組みを通じ、当社が目指す「CSV×DX」に関連する活動は前年同期比で倍増するなど、お客さま・社会への価値提供を軸とした活動が進展しています。
今後も当社のパートナーである代理店・扱者とともに、CSV×DXの提供価値をお客さまに届けきることで選ばれ続ける会社を目指し、変革に取り組んでまいります。
地方創生プロジェクトにつきましては、各地域の地方創生取組の支援を継続して実施し、地方公共団体との連携協定数は累計で528となりました(2025年1月現在)。2024年度は、これまで培った「CSV×DX・地方創生SDGs」取組を通じた、お客さまからの信頼回復・収益拡大の実現を方針として掲げ、「CSV×DX・地方創生SDGs」を理解・実践できる社員・代理店の人財育成を強化し、真のパートナーとの地域・社会課題解決取組を基盤とした当社独自のビジネスモデルの確立に向け、プロジェクトを推進しました。
その結果、本取組に共感・共鳴する代理店とのCSV×DXを活かした支援メニュー(SDGs、カーボンニュートラル、テレマティクス、自然災害、企業労務リスク等)の活用が進み、課題解決に向けた共同取組は累計4,700回を超えるなど、一層進展しました(2025年1月現在)。
引き続き、地方創生SDGs取組とCSV×DX商品・サービスの推進を通じて、社会・地域・企業の課題解決を支援し、お客さまからの信頼回復と収益拡大の同時実現に向け取組んでまいります。
DX事業化プロジェクトにつきましては、将来の社会や地域の課題を解決するために、新しいビジネスモデルを確立し、「保険にとらわれない新しい事業の創出」を目指しています。
具体的には、交通・移動のビッグデータとしてテレマティクス自動車保険の自動車走行・運転挙動などを活用した事業を展開しています。走行データや運転行動を分析し、交通量や急減速の発生率を可視化した「テレマティクス交通安全マップ」、交通安全対策を支援する「交通安全EBPM※4支援サービス」、路面の損傷箇所を可視化し、道路の維持管理業務をサポートする「路面状況把握システム」、最先端プライバシー保護技術を活用し安全性・有用性の高いテレマティクスデータを自治体や事業者に提供する「ADテレマアナリティクス」などを展開しています。
2024年度の特徴的な取組みとして、東京都の「東京データプラットフォーム令和6年度ケーススタディ事業」に採択され、交通データを活用したまちづくりを進めています。この取組みでは、自動車の走行データや電動アシスト自転車、キックボードのデータを組み合わせて渋谷区の交通動態を可視化し、自治体や民間企業を交えた施策の効果検証を行うことで、安全・快適・便利なまちづくりの実現を目指しています。
また、次世代マイクロモビリティのシェアリング事業を行うBRJ株式会社と提携し、地方公共団体への共同展開を進めています。マイクロモビリティに関する正しい交通ルールの教育・啓発を目的に、一般社団法人「多様なモビリティの安全性向上推進協会」を設立し、安全で安心なマイクロモビリティの普及に向けた取組みを始めています。
このプロジェクトを通じて、お客さまの安全で安心な生活に貢献し、「保険事業」に次ぐ新たな収益基盤の確立に取り組んでいます。
未来戦略創造プロジェクトにつきましては、2022年秋に当社出資先のオックスフォード大学のAIベンチャーであるMind Foundry社との間で共同研究所「Aioi R&D Lab-Oxford」を設立し、同研究所をハブにCSV×DX取組をグローバルで進めています。
具体的な取組みとしては、自然災害時に住宅修理や保険金請求手続き代行を勧誘し、不当な手数料を請求する業者からお客さまを保護するため、「トラブル懸念業者の介入可能性が高い保険金請求事案を早期に検知するAIシステム」を開発し運用開始しました。また、近年、世界中で大きな課題となっている環境や生物多様性の維持・向上の対策の1つとして、当社とAioi R&D Lab-Oxford、そして自然・環境に関する企業の意思決定を支援する英国 Natural Capital Research 社は、自然資本・生物多様性にかかる事業リスクを分析する「自然資本・生物多様性リスク開示支援ツール」の共同研究開発を行っており、2024年12月には試用版の開発を完了しました。
また、Aioi R&D Lab-Oxfordと当社が自動車修理費の不正請求撲滅に向けて共同開発した「AIを活用した不正検知システム」が、Charlton media group主催のInsurance Asia Awards 2024※5で、健全かつ安定的な損害保険制度の運営を目指した先進的な取組みであると評価を受け「Domestic General Insurer of the Year -Japan※6」「Claims Initiative of the Year -Japan※7」の2部門での受賞を果たしました。
今後もMind Foundry社のAI開発力をはじめとした、各ベンチャー企業のノウハウや知見、及びオックスフォード大学の著名な教授陣からのアドバイスを活かし、プロジェクトを通じて、「社会課題の解決」「保険の新たな価値創造」の実現に向け取り組んでまいります。
※1 CSV(Creating Shared Value)×DX(Digital Transformation)とは…CSV(社会との共通価値の創造)に、DX(デジタルトランスフォーメーション)を掛け合わせることによって、お客さま・地域・社会とともによりよい未来を実現することで、持続的成長と企業価値向上を実現する取組み
※2 テレマティクス自動車保険とは…カーナビゲーションやGPS等と移動体通信システムを利用して、さまざまな情報やサービスを提供する自動車保険。当社においては、個人向けの「タフ・つながるクルマの保険」、「タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型)」、「タフ・見守るクルマの保険NexT」、「タフ・見守るクルマの保険プラスS」の4商品及び法人向けにも同様の商品を販売している
※3 トヨタリテール事業とは…トヨタ車等の自動車販売や金融等のサービス提供に付随した自動車保険や延長保証などの保険の引受やサービスの提供
※4 EBPMとは…Evidence-Based Policy Making(証拠に基づく政策立案)の略。政府にて推進されており、政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータの活用が求められている
※5 Insurance Asia Awards 2024とは…大手ビジネスメディアグループ「Charlton media group」主催のイベントで、アジア太平洋地域で権威のある保険業界アワードであり、保険会社や再保険会社、ブローカーにおいて、優れた商品・サービス・取組みを表彰対象としている
※6 Domestic General Insurer of the Year – Japanとは…日本国内の保険会社において、直面した課題を解決するために革新的な取組みを行った企業に贈られる賞
※7 Claims Initiative of the Year – Japanとは…日本国内の保険会社の損害サービス部門において、革新性や保険業へのインパクト、社会の変化に対応するダイナミズムの点で優れたプロジェクトに贈られる賞
このような中、当連結会計年度の経営成績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が1兆6,464億円、資産運用収益が1,920億円、その他経常収益が166億円となった結果、
1兆8,551億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆4,143億円、資産運用費用が499億円、営業費及び一般管理費が2,407億円、その他経常費用が127億円となった結果、1兆7,177億円となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ639億円増加し、1,374億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ527億円増加し、1,040億円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆5,166億円、資産運用収益が1,861億円、その他経常収益が72億円となった結果、1兆7,100億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆3,209億円、資産運用費用が494億円、営業費及び一般管理費が1,965億円、その他経常費用が30億円となった結果、1兆5,699億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ610億円増加し、1,401億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ526億円増加し、1,087億円となりました。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントについては、正味収入保険料は前連結会計年度に比べ322億円増加し、1,353億円となりました。
経常損益は前連結会計年度に比べ37億円改善したものの、11億円の損失となりました。出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は前連結会計年度に比べ9億円改善したものの、30億円の損失となりました。
当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。
総資産は前連結会計年度末に比べ3,930億円減少し、3兆8,523億円となりました。
当社の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べ36.4ポイント低下し、762.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ28億円増加し、428億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ161億円増加し、396億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,658億円減少し、△1,786億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より907億円減少し、2,456億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
損害保険業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本項に記載した予想、予測、見込み、見通し、方針、予定等の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。
[連結主要指標]
| 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 比較増減 | 増減率 | ||
| 正味収入保険料 | (百万円) | 1,472,650 | 1,565,698 | 93,048 | 6.3% |
| 経常利益 | (百万円) | 73,523 | 137,438 | 63,914 | 86.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | 51,293 | 104,086 | 52,792 | 102.9% |
正味収入保険料は、当社において火災保険や自動車保険で増収し、海外事業においても増収したことにより、前連結会計年度に比べ930億円増加し、1兆5,656億円となりました。
経常利益は、当社や海外事業で増益となったことにより、前連結会計年度に比べ639億円増加し、1,374億円となりました。
経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ527億円増加し、1,040億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| 火災 | 273,810 | 18.0 | △6.4 | 324,333 | 19.9 | 18.5 |
| 海上 | 403 | 0.0 | 5.9 | 353 | 0.0 | △12.2 |
| 傷害 | 75,331 | 5.0 | △2.5 | 75,039 | 4.6 | △0.4 |
| 自動車 | 847,123 | 55.7 | 5.0 | 905,133 | 55.5 | 6.8 |
| 自動車損害賠償責任 | 129,087 | 8.5 | △12.0 | 129,685 | 8.0 | 0.5 |
| その他 | 193,858 | 12.8 | 5.5 | 195,112 | 12.0 | 0.6 |
| 合計 | 1,519,615 | 100.0 | 0.8 | 1,629,658 | 100.0 | 7.2 |
| (うち収入積立保険料) | (8,293) | (0.5) | (△16.8) | (6,802) | (0.4) | (△18.0) |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| 火災 | 207,366 | 14.1 | △7.8 | 254,104 | 16.2 | 22.5 |
| 海上 | 5,157 | 0.4 | △35.0 | 4,937 | 0.3 | △4.3 |
| 傷害 | 60,785 | 4.1 | 0.0 | 60,508 | 3.9 | △0.5 |
| 自動車 | 901,693 | 61.2 | 6.4 | 955,394 | 61.0 | 6.0 |
| 自動車損害賠償責任 | 124,982 | 8.5 | △6.2 | 119,907 | 7.7 | △4.1 |
| その他 | 172,664 | 11.7 | 11.0 | 170,845 | 10.9 | △1.1 |
| 合計 | 1,472,650 | 100.0 | 3.0 | 1,565,698 | 100.0 | 6.3 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
c 正味支払保険金
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| 火災 | 161,694 | 18.3 | △9.6 | 150,562 | 16.1 | △6.9 |
| 海上 | 4,810 | 0.5 | △30.0 | 4,947 | 0.5 | 2.9 |
| 傷害 | 30,035 | 3.4 | △3.6 | 32,169 | 3.4 | 7.1 |
| 自動車 | 514,724 | 58.1 | 11.8 | 566,817 | 60.5 | 10.1 |
| 自動車損害賠償責任 | 88,109 | 9.9 | 5.2 | 89,267 | 9.5 | 1.3 |
| その他 | 86,835 | 9.8 | △7.4 | 93,498 | 10.0 | 7.7 |
| 合計 | 886,210 | 100.0 | 3.7 | 937,262 | 100.0 | 5.8 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
運用資産及び有価証券の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
| 区分 | 前連結会計年度 (2024年3月31日) | 当連結会計年度 (2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 預貯金 | 374,557 | 8.8 | 289,303 | 7.5 |
| 金銭の信託 | 3,419 | 0.1 | 3,580 | 0.1 |
| 有価証券 | 2,871,805 | 67.6 | 2,567,197 | 66.6 |
| 貸付金 | 269,267 | 6.3 | 270,163 | 7.0 |
| 土地・建物 | 161,974 | 3.9 | 160,826 | 4.2 |
| 運用資産計 | 3,681,024 | 86.7 | 3,291,072 | 85.4 |
| 総資産 | 4,245,430 | 100.0 | 3,852,392 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
b 有価証券
| 区分 | 前連結会計年度 (2024年3月31日) | 当連結会計年度 (2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 国債 | 378,531 | 13.2 | 363,308 | 14.2 |
| 地方債 | 12,549 | 0.4 | 12,461 | 0.5 |
| 社債 | 220,379 | 7.7 | 189,508 | 7.4 |
| 株式 | 1,090,430 | 38.0 | 804,216 | 31.3 |
| 外国証券 | 1,059,384 | 36.9 | 1,104,695 | 43.0 |
| その他の証券 | 110,531 | 3.8 | 93,006 | 3.6 |
| 合計 | 2,871,805 | 100.0 | 2,567,197 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
イ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
当社(単体)の経営成績は次のとおりとなりました。
[当社(単体)の主要指標]
| 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 比較増減 | 増減率 | ||
| 正味収入保険料 | (百万円) | 1,368,988 | 1,430,364 | 61,375 | 4.5% |
| 正味損害率 | (%) | 66.4 | 66.6 | 0.2 | - |
| 正味事業費率 | (%) | 34.2 | 33.7 | △0.5 | - |
| 保険引受利益又は 保険引受損失(△) | (百万円) | △33,195 | 13,482 | 46,677 | - |
| 経常利益 | (百万円) | 79,064 | 140,105 | 61,040 | 77.2% |
| 当期純利益 | (百万円) | 56,081 | 108,747 | 52,665 | 93.9% |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料
3.正味事業費率=(諸手数料及び集金費+保険引受に係る営業費及び一般管理費)÷正味収入保険料
保険引受の概況は次のとおりであります。
正味収入保険料は、火災保険や自動車保険で増収したことなどにより前事業年度に比べ613億円増加し、1兆4,303億円となりました。一方、正味支払保険金は、火災保険で減少したものの、自動車保険で増加したことなどにより前事業年度に比べ391億円増加し、8,659億円となりました。以上により、正味損害率は66.6%と、前事業年度に比べ0.2ポイント上昇しました。また、正味収入保険料が増加したことにより、正味事業費率は33.7%と、前事業年度に比べ0.5ポイント低下しました。
これらに収入積立保険料、満期返戻金、支払備金繰入額、責任準備金戻入額などを加減した保険引受利益は、前事業年度に比べ466億円増加し、134億円となりました。
資産運用の概況は次のとおりであります。
有価証券売却益が前事業年度に比べ28億円減少し1,115億円となったものの、利息及び配当金収入が前事業年度に比べ160億円増加し896億円となったことなどから、積立型保険の満期返戻金などに充当する運用益を控除した残額の資産運用収益は、前事業年度に比べ103億円増加し、1,861億円となりました。一方、資産運用費用は、有価証券売却損が減少したことなどにより前事業年度に比べ57億円減少し、494億円となりました。
これらの結果、経常利益は前事業年度に比べ610億円増加し、1,401億円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ526億円増加し、1,087億円となりました。
保険種目別の状況は次のとおりであります。
a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | |
| 火災 | 269,934 | 19.7 | △6.9 | 318,180 | 22.0 | 17.9 |
| 海上 | - | - | - | 4 | 0.0 | - |
| 傷害 | 75,235 | 5.5 | △2.4 | 74,647 | 5.2 | △0.8 |
| 自動車 | 719,197 | 52.5 | 1.2 | 742,735 | 51.4 | 3.3 |
| 自動車損害賠償責任 | 129,087 | 9.4 | △12.0 | 129,685 | 9.0 | 0.5 |
| その他 | 177,129 | 12.9 | 3.6 | 178,841 | 12.4 | 1.0 |
| 合計 | 1,370,583 | 100.0 | △1.8 | 1,444,094 | 100.0 | 5.4 |
| (うち収入積立保険料) | (8,293) | (0.6) | (△16.8) | (6,802) | (0.5) | (△18.0) |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)
b 正味収入保険料
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減 (△)率(%) | |
| 火災 | 207,372 | 15.2 | △7.7 | 254,314 | 17.8 | 22.6 |
| 海上 | 5,147 | 0.4 | △34.4 | 4,978 | 0.3 | △3.3 |
| 傷害 | 60,725 | 4.4 | 0.2 | 60,467 | 4.2 | △0.4 |
| 自動車 | 812,260 | 59.3 | 6.1 | 831,094 | 58.1 | 2.3 |
| 自動車損害賠償責任 | 124,982 | 9.1 | △6.2 | 119,907 | 8.4 | △4.1 |
| その他 | 158,499 | 11.6 | 10.1 | 159,601 | 11.2 | 0.7 |
| 合計 | 1,368,988 | 100.0 | 2.5 | 1,430,364 | 100.0 | 4.5 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 正味支払保険金
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 対前年増減 (△)率(%) | 正味損害率 (%) | 金額 (百万円) | 対前年増減 (△)率(%) | 正味損害率 (%) | |
| 火災 | 160,804 | △9.9 | 81.4 | 149,921 | △6.8 | 62.0 |
| 海上 | 4,757 | △30.6 | 93.2 | 4,930 | 3.6 | 100.1 |
| 傷害 | 29,992 | △3.6 | 55.1 | 32,088 | 7.0 | 59.4 |
| 自動車 | 459,047 | 9.9 | 63.4 | 500,151 | 9.0 | 67.4 |
| 自動車損害賠償責任 | 88,109 | 5.2 | 78.0 | 89,267 | 1.3 | 82.1 |
| その他 | 84,110 | △8.1 | 56.3 | 89,604 | 6.5 | 59.4 |
| 合計 | 826,822 | 2.2 | 66.4 | 865,963 | 4.7 | 66.6 |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.正味損害率は正味支払保険金に損害調査費を加えて算出しております。
運用資産、有価証券、利回り及び海外投融資の状況は次のとおりであります。
a 運用資産
| 区分 | 前事業年度 (2024年3月31日) | 当事業年度 (2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 預貯金 | 277,424 | 6.7 | 182,254 | 4.9 |
| 金銭の信託 | 3,419 | 0.1 | 3,580 | 0.1 |
| 有価証券 | 2,873,118 | 69.9 | 2,542,985 | 68.6 |
| 貸付金 | 269,267 | 6.6 | 270,163 | 7.3 |
| 土地・建物 | 161,332 | 3.9 | 160,325 | 4.3 |
| 運用資産計 | 3,584,561 | 87.2 | 3,159,310 | 85.2 |
| 総資産 | 4,111,688 | 100.0 | 3,706,643 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
b 有価証券
| 区分 | 前事業年度 (2024年3月31日) | 当事業年度 (2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 国債 | 378,531 | 13.2 | 363,308 | 14.3 |
| 地方債 | 12,549 | 0.4 | 12,461 | 0.5 |
| 社債 | 220,379 | 7.7 | 189,508 | 7.4 |
| 株式 | 1,091,267 | 38.0 | 805,582 | 31.7 |
| 外国証券 | 1,059,859 | 36.9 | 1,079,118 | 42.4 |
| その他の証券 | 110,531 | 3.8 | 93,006 | 3.7 |
| 合計 | 2,873,118 | 100.0 | 2,542,985 | 100.0 |
(注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
c 利回り
運用資産利回り(インカム利回り)
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 221 | 288,486 | 0.08 | 587 | 186,288 | 0.32 |
| 金銭の信託 | 0 | 2,535 | 0.00 | 0 | 2,728 | 0.01 |
| 有価証券 | 64,458 | 1,959,359 | 3.29 | 77,366 | 1,921,669 | 4.03 |
| 貸付金 | 3,157 | 273,353 | 1.16 | 3,118 | 273,523 | 1.14 |
| 土地・建物 | 4,672 | 165,642 | 2.82 | 4,782 | 162,329 | 2.95 |
| 小計 | 72,510 | 2,689,377 | 2.70 | 85,855 | 2,546,539 | 3.37 |
| その他 | 1,132 | - | - | 3,799 | - | - |
| 合計 | 73,643 | - | - | 89,655 | - | - |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.収入金額は、損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。
3.平均運用額は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
資産運用利回り(実現利回り)
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 資産運用損益(実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益(実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 1,833 | 288,486 | 0.64 | 264 | 186,288 | 0.14 |
| 金銭の信託 | 0 | 2,535 | 0.00 | 0 | 2,728 | 0.01 |
| 有価証券 | 144,155 | 1,959,359 | 7.36 | 154,748 | 1,921,669 | 8.05 |
| 貸付金 | 3,160 | 273,353 | 1.16 | 3,121 | 273,523 | 1.14 |
| 土地・建物 | 4,672 | 165,642 | 2.82 | 4,782 | 162,329 | 2.95 |
| 金融派生商品 | △19,947 | - | - | △15,153 | - | - |
| その他 | 1,522 | - | - | 3,993 | - | - |
| 合計 | 135,396 | 2,689,377 | 5.03 | 151,757 | 2,546,539 | 5.96 |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.資産運用損益(実現ベース)は、損益計算書における「資産運用収益」及び「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額であります。
3.平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
4.資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりであります。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る評価差額(税効果控除前の金額による。)の当期増減額を加減算した金額であります。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券及び金銭の信託(その他有価証券に準じて処理をする運用目的・満期保有目的以外のものに限る。)に係る前期末評価差額(税効果控除前の金額による。)を加減算した金額であります。
| 区分 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 1,833 | 288,486 | 0.64 | 264 | 186,288 | 0.14 |
| 金銭の信託 | 368 | 3,050 | 12.07 | △ 38 | 3,611 | △ 1.07 |
| 有価証券 | 476,970 | 2,490,079 | 19.15 | △ 73,261 | 2,785,204 | △ 2.63 |
| 貸付金 | 3,160 | 273,353 | 1.16 | 3,121 | 273,523 | 1.14 |
| 土地・建物 | 4,672 | 165,642 | 2.82 | 4,782 | 162,329 | 2.95 |
| 金融派生商品 | △ 19,947 | - | - | △ 15,153 | - | - |
| その他 | 1,522 | - | - | 3,993 | - | - |
| 合計 | 468,579 | 3,220,612 | 14.55 | △ 76,291 | 3,410,958 | △ 2.24 |
d 海外投融資
| 区分 | 前事業年度 (2024年3月31日) | 当事業年度 (2025年3月31日) | ||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | |
| 外貨建 | ||||
| 外国公社債 | 602,097 | 55.8 | 532,880 | 48.5 |
| 外国株式 | 118,931 | 11.0 | 126,533 | 11.5 |
| その他 | 321,835 | 29.8 | 411,067 | 37.4 |
| 計 | 1,042,864 | 96.6 | 1,070,481 | 97.4 |
| 円貨建 | ||||
| 外国公社債 | 1,201 | 0.1 | 600 | 0.0 |
| その他 | 35,878 | 3.3 | 28,134 | 2.6 |
| 計 | 37,079 | 3.4 | 28,734 | 2.6 |
| 合計 | 1,079,944 | 100.0 | 1,099,216 | 100.0 |
| 海外投融資利回り 運用資産利回り(インカム利回り)(%) 資産運用利回り(実現利回り) (%) | 2.92 2.38 | 3.67 2.01 | ||
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.金銭の信託として運用しているものを含めて表示しております。
3.「海外投融資利回り」のうち「運用資産利回り(インカム利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 運用資産利回り(インカム利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
4.「海外投融資利回り」のうち「資産運用利回り(実現利回り)」は、海外投融資に係る資産について、「c 利回り 資産運用利回り(実現利回り)」と同様の方法により算出したものであります。
なお、海外投融資に係る時価総合利回りは前事業年度11.61%、当事業年度2.86%であります。
5.前事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託286,438百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託35,878百万円であります。
当事業年度の外貨建「その他」の主なものは、外国投資信託373,996百万円であり、円貨建「その他」の主なものは、外国投資信託28,134百万円であります。
ロ 海外事業(海外保険子会社)
海外事業につきましては、とりわけトヨタリテール事業の持続的成長に向け、アンダーライティングを強化し収益改善取組みを進めました。欧州における収益性の低い事業からの撤退を含めた選択と集中を着実に進めた効果もあり、前期を上回る収益を上げました。
海外保険子会社セグメントの経営成績は次のとおりとなりました。
[海外保険子会社の主要指標]
| 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 比較増減 | 増減率 | ||
| 正味収入保険料 | (百万円) | 103,106 | 135,316 | 32,209 | 31.2% |
| 経常利益又は経常損失(△) | (百万円) | △4,937 | △1,172 | 3,764 | - |
| セグメント利益 又は損失(△) | (百万円) | △4,071 | △3,086 | 985 | - |
(注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2.セグメント損益は出資持分考慮後の当期純損益に相当する金額であります。
正味収入保険料は、前連結会計年度に比べ322億円増加し、1,353億円となりました。
経常損益は前連結会計年度に比べ37億円改善したものの、11億円の損失となりました。出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は前連結会計年度に比べ9億円改善したものの、30億円の損失となりました。
当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。
総資産は前連結会計年度末に比べ3,930億円減少し、3兆8,523億円となりました。主な総資産の内訳は、有価証券が2兆5,671億円(前連結会計年度末比3,046億円減少)、現金及び預貯金が2,893億円(同852億円減少)であります。
当社のソルベンシー・マージン比率の状況は、以下のとおりであります。
保険会社は、保険金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。この「通常の予測を超える危険」を示す「リスクの合計額」(以下の各表の(B))に対する「資本金・準備金等の支払余力」(すなわちソルベンシー・マージン総額:以下の各表の(A))の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「ソルベンシー・マージン比率」(以下の各表の(C))であります。
ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
イ 単体ソルベンシー・マージン比率
| 前事業年度 (2024年3月31日) (百万円) | 当事業年度 (2025年3月31日) (百万円) | ||||
| (A) | ソルベンシー・マージン総額 | 1,572,188 | 1,359,559 | ||
| (B) | リスクの合計額 | 402,936 | 359,082 | ||
| (C) | ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 | 780.3 | % | 757.2 | % |
(注)「単体ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条及び第87条並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出された比率であります。
ロ 連結ソルベンシー・マージン比率
| 前連結会計年度 (2024年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (2025年3月31日) (百万円) | ||
| (A) | ソルベンシー・マージン総額 | 1,562,960 | 1,352,765 |
| (B) | リスクの合計額 | 391,143 | 354,718 |
| (C) | ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 | 799.1% | 762.7% |
(注)「連結ソルベンシー・マージン比率」とは、保険業法施行規則第86条の2及び第88条並びに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出された比率であります。
国内株式の時価下落に伴いその他有価証券の評価差額が減少したことを主因に、当事業年度末の単体ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて23.1ポイント低下し、757.2%となり、当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は前連結会計年度末に比べて36.4ポイント低下し、762.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
| 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 比較増減 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 40,041 | 42,880 | 2,838 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 23,553 | 39,657 | 16,104 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △12,822 | △178,692 | △165,870 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | (百万円) | 336,317 | 245,606 | △90,711 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ28億円増加し、428億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ161億円増加し、396億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額や社債の償還による支出が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ1,658億円減少し、△1,786億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より907億円減少し、2,456億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。
成長投資をはじめとする長期的な投資資金等に対しては、主に営業活動と投資活動から得た資金及び内部留保による自己資金を活用するほか、社債の発行による外部からの資金調達を行っております。
また、資金の流動性につきましては、大規模自然災害時に保険金の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する場合に備え、流動性資産を十分に保有するとともに、資金の流出入の動向を踏まえて資産・負債両面から流動性についての評価を行い、適切な資金繰りを行っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準及び諸法令に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から実際の結果とは異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の事項を会計上の重要な見積りと考えております。
イ 時価の算定方法
資産・負債の一部は時価をもって貸借対照表価額としており、時価の算定は市場価格等に基づいております。一部のデリバティブ取引において市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローの現在価値や取引対象の市場価格、契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価格を時価としております。
ロ 有価証券の減損
保有している有価証券については、市場の価格変動等のリスクを負っており、価値の下落が著しくかつ一時的でないと判断した場合に減損処理を行っております。将来において市場価格が下落した場合等には減損処理が必要となる可能性があります。
ハ 固定資産の減損
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。したがって、固定資産の使用方法を変更した場合又は不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ニ 繰延税金資産
繰延税金資産は将来の課税所得の見積り等を踏まえ、回収可能性に問題がないと判断した金額を計上することとしております。ただし、将来の市場環境や経営成績が著しく変化し、将来の課税所得の見積りに大きな変化が生じた場合や、税制改正により税率の変更が生じた場合等には、繰延税金資産の金額が変動する可能性があります。
ホ 貸倒引当金
貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備え、回収不能見込額を計上しております。このため、将来、貸付先等の債務者の財政状態が変化した場合等には、貸倒引当金の必要額も変動する可能性があります。
ヘ 支払備金
支払備金は、保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等のうち、まだ支出として計上していないものについては、個別の損害ごとの見積額を、また、まだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認められるものについては、過去のデータに基づき算定した見積額を計上しております。これらの見積りは、当連結会計年度末時点における情報に基づいて行っておりますが、損害調査の進展、将来においてインフレや為替の影響、さらには裁判の判例などの動向等により支払備金の必要額が変動する可能性があります。
ト 責任準備金等
責任準備金等は、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため積み立てているものであります。当初想定した環境や条件が変化した場合等には、責任準備金等の必要額が変動する可能性があります。
チ 退職給付債務等
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率等の見込数値である基礎率に基づいて算出されております。このため、見込数値が実際と異なった場合、あるいは前提条件が変更された場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、上記のうち「ヘ 支払備金」については、関連する事項を「第5 経理の状況」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。
④ 目標とする経営指標等の分析等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標に関し、正味収入保険料は、火災保険や自動車保険で増収したことなどにより、1兆4,303億円と前事業年度に比べ、4.5%の増加となりました。正味損害率は、火災保険で減少したものの、自動車保険の支払が増加したことなどにより、66.6%と前事業年度に比べ、0.2ポイントの上昇となりました。正味事業費率は、正味収入保険料が増加したことにより、33.7%と前事業年度に比べ、0.5ポイントの低下となりました。
⑤ 問題認識と今後の方針について
問題認識と今後の方針は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおりであります。