有価証券報告書-第87期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 9:23
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【項目】
168項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
7期連続過去最高業績の達成
当連結会計年度の業績は下表の通りで、8期連続の増収と、10期連続の営業、経常増益を達成するとともに、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて7期連続で過去最高を更新しました。
主力のオフィスビル賃貸が過去最高更新で業績を牽引
部門別では、東京のオフィスビル中心の不動産賃貸事業が増収増益を達成、売上高、営業利益ともに5期連続で過去最高を更新し業績を牽引しました。その結果、売上高は1兆135億円(前期比+0.1%)、営業利益は2,343億円(同+6.8%)となりました。
営業外損益改善継続、経常増益に寄与
受取配当金の増加と支払利息の減少により、営業外損益は前期比23億円の改善となり、経常増益に寄与しました。その結果、経常利益は2,205億円(前期比+8.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,409億円(同+8.4%)となりました。
(百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増 減
(2018.4.1~2019.3.31)(2019.4.1~2020.3.31)
売上高1,012,1981,013,512+1,314
営業利益219,389234,332+14,942
経常利益203,227220,520+17,293
親会社株主に帰属する
当期純利益
130,102140,997+10,894


部門別の営業成績は下表の通りです。
(百万円)
売上高前連結会計年度当連結会計年度増 減
(2018.4.1~2019.3.31)(2019.4.1~2020.3.31)
不動産賃貸381,763395,592+13,828
不動産販売331,751324,967△6,784
完成工事221,693218,930△2,762
不動産流通71,86769,331△2,535
連結計1,012,1981,013,512+1,314
(百万円)
営業利益前連結会計年度当連結会計年度増 減
(2018.4.1~2019.3.31)(2019.4.1~2020.3.31)
不動産賃貸149,932169,416+19,483
不動産販売47,11547,374+258
完成工事20,40720,583+176
不動産流通20,97719,336△1,641
連結計219,389234,332+14,942

<不動産賃貸事業部門>既存ビルの賃料上昇継続、5期連続最高業績更新
当社の賃貸資産の9割以上が集中する東京のオフィスビル市場では、新規需要が引き続き旺盛で、空室率は過去最低水準で推移、新規契約賃料、継続賃料ともに上昇傾向が続きました。
このような環境下、当連結会計年度は、既存ビルの空室率低下と賃料上昇効果に加え、前期竣工の「住友不動産御成門タワー」、「住友不動産麹町ファーストビル」などの通期稼働が業績に寄与した結果、増収増益となりました。当事業部門の売上高、営業利益はともに5期連続で過去最高を更新しました。
既存ビル空室率は1%台へ低下、新規ビルのテナント募集順調
既存ビルの空室率は1.4%(前期末2.8%)と引き続き低下しました。また、「住友不動産新宿セントラルパークタワー」、「住友不動産秋葉原ファーストビル」など当期竣工ビルをはじめ、「住友不動産麹町ガーデンタワー」、「住友不動産田町ビル東館」など次期以降竣工予定ビルも順次満室となるなど、新規ビルのテナント募集も順調に進捗しました。当期竣工はほぼ満室、次期竣工は約9割のテナントが決定済です。
前連結会計年度末当連結会計年度末
(2019.3月末)(2020.3月末)
既存ビル空室率2.8%1.4%

<不動産販売事業部門>都心・大規模マンションが寄与、6期連続最高益更新
当事業部門の9割以上を占める分譲マンション市場では、新規物件の供給が限られ、販売価格は安定的に推移、都心、郊外にかかわらず低金利下で良好な販売環境が続きました。
このような環境下、当連結会計年度は、「シティタワー銀座東」、「シティタワー恵比寿」、「シティタワーズ東京ベイ」などが引き渡しを開始、マンション、戸建、宅地の合計で5,431戸(前期比△539戸)を販売計上しました。計上戸数の減少により減収となりましたが、利益率の改善により営業増益を確保、6期連続で過去最高を更新しました。
マンション契約順調、次期計上分の8割契約済
マンションの契約戸数は、4,865戸(前期比△246戸)と前年に比べ減少しましたが、次期計上予定戸数4,500戸に対し期首時点で約80%(前年約80%)が契約済となり、計画通りに進捗しました。
前連結会計年度当連結会計年度増 減
(2018.4.1~2019.3.31)(2019.4.1~2020.3.31)
マンション契約戸数5,1114,865△246
計上戸数5,9705,431△539
マンション・戸建5,9485,413△535
宅地2218△4
売上高(百万円)331,751324,967△6,784
マンション・戸建323,297314,429△8,867
宅地・その他8,45410,537+2,082


<完成工事事業部門>受注減少も、最高益更新
当連結会計年度は、消費税増税が実施された下半期に景況感がやや停滞し、「新築そっくりさん」事業、注文住宅事業ともに受注棟数が減少しましたが、前期までの好調な受注により積み上げた受注残が収益寄与した結果、「新築そっくりさん」の計上棟数、売上高は、ともに過去最高を更新しました。
注文住宅の計上棟数が減少し当事業部門は減収となりましたが、利益率の改善により営業増益を確保、過去最高益を更新しました。
前連結会計年度当連結会計年度増 減
(2018.4.1~2019.3.31)(2019.4.1~2020.3.31)
受注棟数13,5269,666△3,860
新築そっくりさん10,4497,506△2,943
注文住宅3,0772,160△917
計上棟数12,01311,927△86
新築そっくりさん9,1329,301+169
注文住宅2,8812,626△255
売上高(百万円)209,654206,584△3,069
新築そっくりさん116,195119,801+3,606
注文住宅93,45886,783△6,675

<不動産流通事業部門>仲介件数過去最高
中古住宅流通市場では、首都圏で中古マンションの成約件数が引き続き高水準で推移しました。
このような環境下、当事業部門の業績は、都心プレミアムマンション仲介専門店舗「マンションプラザ」を順次開設した効果もあり、主力の仲介事業で中古マンション取引が増加し、仲介件数が37,715件(前期比+72件)と5期連続で過去最高を更新しました。一方、土地取引の減少を主因として取扱高が減少した結果、当事業部門の業績は減収減益となりました。
なお、直営仲介店舗は6店舗増加し、当期末時点で全国計276店舗となりました。
前連結会計年度当連結会計年度増 減
(2018.4.1~2019.3.31)(2019.4.1~2020.3.31)
仲介件数37,64337,715+72
取扱高 (百万円)1,326,3571,287,508△38,848
取扱単価(百万円)35.234.1△1.0

<その他の事業部門>フィットネスクラブ事業、飲食業などその他の事業は、売上高12,096百万円(前期比△647百万円)、営業利益774百万円(同△753百万円)を計上いたしました。
<中期経営計画の達成状況>当社は、2019年4月より「第八次中期経営計画」に取り組んでおります。計画初年度の当期は、「① 財政状態及び経営成績の状況」冒頭に記載の通り、7期連続で過去最高業績を更新することができました。その結果、売上高、営業利益、経常利益のすべてにおいて、下表の通り、3ヵ年累計目標の概ね3分の1相当を達成、中計最高業績連続更新に向けて順調に滑り出しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により足元の経済活動が停滞し、先行きは極めて不透明な情勢となりました。新型コロナウイルス感染症の業績への影響につきましては、前掲「2[事業等のリスク]」をご参照下さい。
(億円)
3ヵ年累計目標※(2019.4.1~2022.3.31)当期業績
(2019.4.1~2020.3.31)
達成率
売上高3 兆 1,0001 兆 13533%
営業利益7,4002,34332%
経常利益7,0002,20532%

※2019年5月16日公表
<資産、負債、純資産の状況>当連結会計年度末における総資産は5兆3,176億円(前期末比+1,875億円)となりました。分譲マンション引き渡しの進捗により販売用不動産(仕掛含む)は減少しましたが、賃貸ビル投資により有形固定資産が増加しました。
負債合計額は4兆226億円(前期末比+946億円)となりました。連結有利子負債が3兆4,409億円(同+981億円)に増加しました。
純資産合計額は1兆2,949億円(前期末比+928億円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益が1,409億円となり、利益剰余金が増加しました。その結果、自己資本比率は24.4%(前期末23.4%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー 230,458百万円(前期比 △29,599百万円)
投資活動によるキャッシュ・フロー △290,118百万円(前期比 △80,906百万円)
財務活動によるキャッシュ・フロー 82,644百万円(前期比 +228,703百万円)
となり、現金及び現金同等物は22,740百万円増加して193,448百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当期の経常利益が2,205億円に増加したのに加え、分譲マンション引き渡しの進捗によりたな卸し資産が減少した結果、営業キャッシュ・フローは2,304億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>主に賃貸事業の増強を目的として合計2,703億円の有形固定資産投資を行ったほか、共同投資事業出資預託金を差引221億円返還いたしました。その結果、投資キャッシュ・フローは2,901億円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>期限到来に伴う社債償還および長期借入金返済合計2,719億円(ノンリコース含む)に対応して2,490億円(ノンリコース含む)の社債発行および長期借入を実施しました。また、手元流動性確保のため、第4四半期にコマーシャル・ペーパーを1,200億円発行した結果、財務キャッシュ・フローは826億円の収入となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
生産、受注及び販売の状況については、前掲「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ) 概況
当連結会計年度は、売上高1兆135億円(前連結会計年度比+13億円)、営業利益2,343億円(同+149億円)、経常利益2,205億円(同+172億円)となりました。8期連続の増収と、10期連続の営業、経常増益を達成するとともに、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて7期連続で過去最高を更新しました。
(ロ) 売上高および営業利益
当連結会計年度は、東京のオフィスビル中心の不動産賃貸事業が、売上高、営業利益ともに5期連続で過去最高を更新し業績を牽引しました。その結果、売上高は1,013,512百万円(前連結会計年度比+1,314百万円、同+0.1%)、営業利益は234,332百万円(同+14,942百万円、同+6.8%)となりました。
なお、各事業部門の詳細については、前掲「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
(ハ) 営業外損益
営業外収益は、受取配当金の増加を主因として、12,249百万円(前連結会計年度比+1,552百万円)となりました。また、営業外費用は、26,061百万円(同△798百万円)となりました。その結果、営業外損益は△13,811百万円(同2,350百万円の改善)となりました。
(ニ) 特別損益
当連結会計年度は、合計6,519百万円(前連結会計年度比+6,432百万円)の特別利益を計上した一方、当社グループ内の資産再編に伴う減損損失など合計21,231百万円(同+6,475百万円)の特別損失を計上しました。その結果、特別損益は、差引14,711百万円の損失(同42百万円の悪化)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
親会社株主に帰属する当期純利益が140,997百万円となり、株主資本が前連結会計年度末比125,828百万円増加 した結果、当連結会計年度末の自己資本は、1,294,998百万円(同+92,895百万円)、自己資本比率は24.4%となりました。
資金調達においては、当連結会計年度中に、期限到来に伴う社債償還および長期借入金返済合計2,719億円(ノンリコース含む)に対応して2,490億円(ノンリコース含む)の社債発行および長期借入を実施しました。また、手元流動性確保のため、第4四半期にコマーシャル・ペーパーを1,200億円発行した結果、連結有利子負債は、3,440,908百万円(前連結会計年度末比+98,121百万円)となりました。
なお、当連結会計年度末において、連結有利子負債の長期比率は96%(前連結会計年度末99%)、固定金利比率は95%(同96%)となっております。
現在推進中の「第八次中期経営計画」では、収益基盤強化のため、東京都心における賃貸ビル投資を継続推進することとしております。必要な資金は、拡大する賃貸キャッシュフローを優先配分して賄う方針です。詳しくは、前掲「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]「第八次中期経営計画」の推進 2.賃貸設備投資計画 及び 4.株主還元方針」をご参照下さい。
③ 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
(イ) 販売用不動産(仕掛含む)及び賃貸資産の評価
当社グループは、販売用不動産(仕掛含む)について、連結財務諸表の注記事項に記載のとおり、主として個別法に基づく原価法(収益性の低下による簿価切り下げの方法)により評価しております。また、賃貸資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、資産のグルーピング、減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定を行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、第5[経理の状況]の連結財務諸表の(追加情報)に記載しております。
(ロ) 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、営業未収入金等の回収事故に対処して、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(ハ) 退職給付に係る負債の計上基準
従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しており、これら見込額算定の前提条件には、割引率、退職率、算定時点の年金資産額ならびに直近の統計数値に基づいて算定される死亡率などが含まれております。なお、過去勤務費用は発生した連結会計年度に一括費用処理しております。また、数理計算上の差異は、翌連結会計年度に一括費用処理する方法によっております。
(ニ) 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。

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